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確率変数と確率分布

2026年10月17日7分で読めますAI生成教科書『資格試験』第4章 確率変数・累積分布関数・期待値と分散
目次
  1. 試行の結果に数を対応させる
  2. 確率分布
  3. 確認テスト
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第4章 §4.1 ★★ 確率変数は試行の結果に数を対応させる関数。分布が同じでも確率変数として同じとは限らない

この章は、対策本の第10章(確率分布)・第11章(累積分布関数と確率変数の期待値・分散)に当たる。

第3章では、事象に確率を割り当てる規則を扱った。統計で扱う量は「表が出た枚数」「電球の寿命」「標本平均」のように数値なので、試行の結果を数に置き換えてから確率を考える必要がある。その置き換えが確率変数であり、確率変数がどの値をどれだけの確率でとるかを書いたものが確率分布である。この章では、離散型の確率変数を確率関数で、連続型の確率変数を確率密度関数で記述し、両者を共通に扱う道具として累積分布関数を導入する。そのうえで、分布の位置を表す期待値と、散らばりを表す分散を定義し、V[X]=E[X2]−E[X]2V[X]=E[X^2]-E[X]^2、V[aX+b]=a2V[X]V[aX+b]=a^2V[X]、Chebyshev の不等式を導出つきで示す。

2級の試験では、密度関数から確率・期待値・分散を積分で出す問題と、期待値と分散の線形変換の公式を使う問題が毎回出る。1級の統計数理では、さらに「確率変数を変換したときの密度を求めよ」「期待値と分散を導出せよ」が大問の最初の小問として繰り返し問われる。この章ではそのための最小限の型として、累積分布関数を経由して変換後の密度を出す方法を1回通しておく。多変数の変換(ヤコビアン)と積率母関数は数理統計の解説 第2章 §2.4・§2.5 で扱い、ここでは送り先を書くだけにする。

試行の結果に数を対応させる

第3章と同じく、試行の結果全体の集合(標本空間)を Ω\Omega、その要素を ω\omega と書く。

定義 4.1(確率変数)

標本空間 Ω\Omega の各要素 ω\omega に実数 X(ω)X(\omega) を1つずつ対応させる関数 XX を確率変数と呼ぶ。実数の集合 AA に対して、事象 {ω∈Ω:X(ω)∈A}\{\omega\in\Omega : X(\omega)\in A\} の確率を P(X∈A)P(X\in A) と書く。

定義のとおり、確率変数は「ランダムに変わる数」というよりも、結果 ω\omega が決まれば値が1つに決まる関数である。ランダムなのは ω\omega の方で、XX は ω\omega を数に置き換える規則にすぎない。確率変数は大文字 X,Y,ZX,Y,Z、それがとった具体的な値(実現値)は小文字 x,y,zx,y,z で書いて区別する。P(X=x)P(X=x) と書いたとき、XX は確率変数、xx は固定した数である。

2枚の硬貨

2枚の硬貨を投げると Ω={表表,表裏,裏表,裏裏}\Omega=\{\text{表表},\text{表裏},\text{裏表},\text{裏裏}\} で、4つの結果は同じ確率 1/41/4 で起こる。表の枚数を XX とすると、X(表表)=2X(\text{表表})=2、X(表裏)=X(裏表)=1X(\text{表裏})=X(\text{裏表})=1、X(裏裏)=0X(\text{裏裏})=0 である。X=1X=1 に当たる結果は2つあるので P(X=1)=1/2P(X=1)=1/2、同様に P(X=0)=P(X=2)=1/4P(X=0)=P(X=2)=1/4 となる。

確率分布

定義 4.2(確率分布)

確率変数 XX について、実数の集合 AA に確率 P(X∈A)P(X\in A) を対応させる規則を XX の確率分布(または単に分布)と呼ぶ。

2枚の硬貨の例では、XX のとる値は 0,1,20,1,2 の3つだけなので、3つの確率 1/4,1/2,1/41/4,1/2,1/4 を並べれば分布が決まる。このように、とる値が有限個または 1,2,3,…1,2,3,\dots と番号を付けて並べられる(可算個の)確率変数を離散型と呼ぶ。一方、電球の寿命や身長のように区間内のあらゆる値をとりうる量では、値を並べて確率を書くことはできない。後で見るように、区間に入る確率が密度関数の積分で書ける確率変数を連続型と呼ぶ。離散型は §4.2、連続型は §4.3 で扱う。

確率変数 XX に関数 gg を施した Y=g(X)Y=g(X) も、ω\omega に g(X(ω))g(X(\omega)) を対応させる関数なので確率変数である。例えば2枚の硬貨で裏の枚数を YY とすると Y=2−XY=2-X である。

分布が同じことと確率変数が同じこと

上の XX(表の枚数)と Y=2−XY=2-X(裏の枚数)は、どちらも値 0,1,20,1,2 を確率 1/4,1/2,1/41/4,1/2,1/4 でとるので分布は同じである。しかし X=YX=Y となるのは表と裏が1枚ずつのときだけで、P(X=Y)=1/2P(X=Y)=1/2 にすぎない。分布は「値ごとの確率」しか記録しないので、どの ω\omega でどの値をとるかという情報は落ちている。統計で「X1,…,XnX_1,\dots,X_n が同じ分布に従う」と書くとき、意味しているのは分布が同じことであって、値が同じことではない。添字の ii は観測の番号にすぎず、各 XiX_i はそれぞれが確率変数である(第8章で標本平均を扱うときにこの見方を使う)。

注意

降水量のように「00 になる確率が正で、正の値は連続的にとる」量は、離散型でも連続型でもない(混合型)。2級の範囲では離散型と連続型だけを扱う。次の §4.5 の累積分布関数は混合型にもそのまま使うことができる。

例題 4.1 2個のサイコロの大きい方の目 ★★

オリジナル2個の公正なサイコロを投げ、出た目を D1,D2D_1,D_2 とする。X=max⁡(D1,D2)X=\max(D_1,D_2)、W=min⁡(D1,D2)W=\min(D_1,D_2) とおく。

  1. P(X≤k)P(X\le k)(k=1,…,6k=1,\dots,6)を求め、それを使って XX の分布を求めよ。
  2. WW の分布を求めよ。
  3. (1) の確率の和が 11 になることを確かめよ。
解答

(1) X≤kX\le k は「2個とも kk 以下」と同じ事象である。D1,D2D_1,D_2 は独立で、それぞれ kk 以下になる確率は k/6k/6 なのでP(X≤k)=(k/6)2=k2/36P(X\le k)=(k/6)^2=k^2/36。X=kX=k は「X≤kX\le k かつ X≤k−1X\le k-1 でない」なので

P(X=k)=P(X≤k)−P(X≤k−1)=k2−(k−1)236=2k−136(k=1,…,6).P(X=k)=P(X\le k)-P(X\le k-1)=\frac{k^2-(k-1)^2}{36}=\frac{2k-1}{36}\qquad(k=1,\dots,6).

具体的には 1/36, 3/36, 5/36, 7/36, 9/36, 11/361/36,\,3/36,\,5/36,\,7/36,\,9/36,\,11/36 である。

(2) W≥kW\ge k は「2個とも kk 以上」と同じで、確率は ((7−k)/6)2((7-k)/6)^2。P(W=k)=P(W≥k)−P(W≥k+1)={(7−k)2−(6−k)2}/36=(13−2k)/36P(W=k)=P(W\ge k)-P(W\ge k+1)=\{(7-k)^2-(6-k)^2\}/36=(13-2k)/36。値は 11/36, 9/36,…,1/3611/36,\,9/36,\dots,1/36 で、XX の確率を逆順に並べたものになる。

(3) ∑k=16(2k−1)=2⋅21−6=36\sum_{k=1}^6(2k-1)=2\cdot21-6=36 なので、和は 36/36=136/36=1。これは (1) の差の和が P(X≤6)−P(X≤0)=1−0P(X\le6)-P(X\le0)=1-0 に縮むことからも分かる。

この例題では、P(X=k)P(X=k) を直接数える代わりに「X≤kX\le k」という累積の確率を先に求め、差をとった。「最大値が kk 以下」は「全部が kk 以下」と言い換えられるので、累積の確率の方が求めやすい。この発想は §4.5 の累積分布関数と、1級で扱う順序統計量の分布の求め方の原型である。

確認テスト

オリジナル

  1. 4.1-1 次の量を確率変数とみるとき、離散型か連続型かを答えよ。(a) 1時間に窓口へ来る客の人数 (b) 電球が切れるまでの時間 (c) 2個のサイコロの目の和 (d) 明日の正午の気温
  2. 4.1-2 3枚の公正な硬貨を投げ、X=(表の枚数)−(裏の枚数)X=(\text{表の枚数})-(\text{裏の枚数}) とする。XX の分布を求めよ。
  3. 4.1-3 2個の公正なサイコロの目の差の絶対値 Y=∣D1−D2∣Y=\lvert D_1-D_2\rvert の分布を求めよ。
  4. 4.1-4 2枚の公正な硬貨で、表の枚数 XX と裏の枚数 YY が同じ分布に従うことを示し、P(X=Y)P(X=Y) と P(X≠Y)P(X\ne Y) を求めよ。このことから、分布について何が言えるかを述べよ。

木下の勉強ステータス

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