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累積分布関数

2026年10月17日9分で読めますAI生成教科書『資格試験』第4章 確率変数・累積分布関数・期待値と分散
目次
  1. 定義と性質
  2. 密度との関係と分位点
  3. 累積分布関数を経由した変数変換
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第4章 §4.5 ★★★ F(x)=P(X≤x)F(x)=P(X\le x) は離散型・連続型に共通の記述。F′=fF'=f と、FF を経由した変数変換が1級の最初の小問になる

定義と性質

定義 4.6(累積分布関数)

確率変数 XX に対し、すべての実数 xx について

F(x)=P(X≤x)F(x)=P(X\le x)

で定まる関数 FF を XX の累積分布関数(分布関数)と呼ぶ。

累積分布関数は、離散型にも連続型にも同じ式で定義される。この点で、確率関数(離散型だけ)と密度関数(連続型だけ)よりも一般的な道具である。

命題 4.7(累積分布関数の性質)

  1. a<ba<b なら P(a<X≤b)=F(b)−F(a)P(a<X\le b)=F(b)-F(a)。特に FF は単調非減少である。
  2. lim⁡x→−∞F(x)=0\lim_{x\to-\infty}F(x)=0、lim⁡x→∞F(x)=1\lim_{x\to\infty}F(x)=1。
  3. FF は右連続で、点 xx での跳びの大きさ F(x)−lim⁡t↑xF(t)F(x)-\lim_{t\uparrow x}F(t) は P(X=x)P(X=x) に等しい。
証明

(1) 事象 {X≤b}\{X\le b\} は、排反な2つの事象 {X≤a}\{X\le a\} と {a<X≤b}\{a<X\le b\} に分かれるので F(b)=F(a)+P(a<X≤b)F(b)=F(a)+P(a<X\le b)。確率は非負なので F(b)≥F(a)F(b)\ge F(a)。

(2)(3) x→−∞x\to-\infty では事象 {X≤x}\{X\le x\} が空集合へ、x→∞x\to\infty では Ω\Omega へ縮む・広がるので、確率の連続性から極限は 00 と 11 になる。右連続性と跳びの式も同じ確率の連続性から得られる(厳密な議論は数理統計の解説 第2章 §2.1 で扱う)。2級の範囲では、(3) を「FF が跳ぶ点が離散型の値で、跳びの高さがその値の確率」と読めれば足りる。

図

図 4.2 累積分布関数。左は離散型(公正なサイコロ)で、目の値で高さ 16\frac16 ずつ跳ぶ階段になる(黒丸がその点での値で、右連続を表す)。右は連続型(図 4.1 の密度)で、F(x)=3x2−2x3F(x)=3x^2-2x^3 は跳びのない連続な曲線になり、その傾きが密度 f(x)f(x) である。

密度との関係と分位点

連続型では、(4.4) で a→−∞a\to-\infty とすれば

F(x)=∫−∞xf(t) dt(4.6)F(x)=\int_{-\infty}^{x}f(t)\,\mathrm{d} t\tag{4.6}

となる。微分積分学の基本定理により、ff が連続な点 xx では

F′(x)=f(x)(4.7)F'(x)=f(x)\tag{4.7}

が成り立つ。密度は累積分布関数の導関数である。したがって、累積分布関数が先に分かれば、微分するだけで密度が得られる。次の小節の変数変換はこの事実を使う。

正規分布や tt 分布の密度は初等関数で原始関数を書くことができないので、FF の値をあらかじめ数値計算して並べたものが数表である。数表を引くことは、(4.6) の積分を代わりに済ませてもらうことに当たる。

F(m)=12F(m)=\frac12 を満たす mm を中央値、F(xα)=1−αF(x_\alpha)=1-\alpha を満たす xαx_\alpha を上側 100α%100\alpha\% 点と呼ぶ(FF が連続で狭義に増加する範囲で考える)。第6章の zαz_\alpha、第10章の tn(α)t_n(\alpha) はこの定義で決まる点である。

累積分布関数を経由した変数変換

XX の密度が分かっているとき、Y=g(X)Y=g(X) の密度を求めたい場面がよくある。最も確実な方法は、まず YY の累積分布関数 FY(y)=P(g(X)≤y)F_Y(y)=P(g(X)\le y) を XX の確率に書き直し、それを微分することである。

定理 4.8(単調な変換)

XX の密度を fXf_X、累積分布関数を FXF_X とし、gg は XX のとる値の範囲で微分可能かつ狭義単調で、逆関数を g−1g^{-1} とする。Y=g(X)Y=g(X) の密度は

fY(y)=fX(g−1(y)) ∣ddyg−1(y)∣(4.8)f_Y(y)=f_X\bigl(g^{-1}(y)\bigr)\,\Bigl|\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} y}g^{-1}(y)\Bigr|\tag{4.8}

で与えられる。特に Y=aX+bY=aX+b(a≠0a\ne0)なら fY(y)=1∣a∣fX(y−ba)f_Y(y)=\dfrac{1}{\lvert a\rvert }f_X\Bigl(\dfrac{y-b}{a}\Bigr) である。

証明

gg が増加のとき、g(X)≤yg(X)\le y と X≤g−1(y)X\le g^{-1}(y) は同じ事象なので FY(y)=FX(g−1(y))F_Y(y)=F_X(g^{-1}(y))。合成関数の微分と (4.7) からfY(y)=fX(g−1(y)) (g−1)′(y)f_Y(y)=f_X(g^{-1}(y))\,(g^{-1})'(y) で、(g−1)′>0(g^{-1})'>0 なので (4.8) になる。

gg が減少のとき、g(X)≤yg(X)\le y と X≥g−1(y)X\ge g^{-1}(y) は同じ事象である。1点の確率は 00 なので FY(y)=1−FX(g−1(y))F_Y(y)=1-F_X(g^{-1}(y))。微分すると fY(y)=−fX(g−1(y)) (g−1)′(y)f_Y(y)=-f_X(g^{-1}(y))\,(g^{-1})'(y) で、(g−1)′<0(g^{-1})'<0 なので、これも (4.8) の絶対値の形にまとまる。

Y=aX+bY=aX+b では g−1(y)=(y−b)/ag^{-1}(y)=(y-b)/a、(g−1)′(y)=1/a(g^{-1})'(y)=1/a である。

式 (4.8) の ∣dg−1/dy∣\lvert \mathrm{d} g^{-1}/\mathrm{d} y\rvert は、dx\mathrm{d} x の幅が dy\mathrm{d} y の幅に写るときの伸び縮みの比である。密度は単位長さあたりの確率なので、幅が伸びれば密度はその分だけ薄くなる。確認テスト 4.3-4 の単位の換算は、g(x)=100xg(x)=100x の場合に当たる。gg が単調でないとき(Y=X2Y=X^2 で XX が負の値もとる場合など)は、公式に当てはめず、P(g(X)≤y)P(g(X)\le y) を XX の区間に直す最初の段から書く(確認テスト 4.5-3)。多変数の変換とヤコビアンは数理統計の解説 第2章 §2.5 で扱う。

例題 4.5 累積分布関数・中央値・逆数の分布 ★★★

オリジナル密度 f(x)=3x2f(x)=3x^2(0≤x≤10\le x\le1)、それ以外で 00 の XX について、次を求めよ。

  1. 累積分布関数 F(x)F(x)(すべての実数 xx について)。
  2. 中央値 mm。
  3. P(14<X≤12)P(\frac14<X\le\frac12)。
  4. Y=1/XY=1/X の累積分布関数と密度。
解答

(1) x<0x<0 では F(x)=0F(x)=0、0≤x≤10\le x\le1 では F(x)=∫0x3t2 dt=x3F(x)=\int_0^x3t^2\,\mathrm{d} t=x^3、x>1x>1 では F(x)=1F(x)=1。

(2) m3=12m^3=\frac12 より m=2−1/3≈0.7937m=2^{-1/3}\approx0.7937。密度が右に偏っているので、中央値は区間の中点 12\frac12 より右にある。

(3) F(12)−F(14)=18−164=764F(\frac12)-F(\frac14)=\frac18-\frac1{64}=\frac{7}{64}。

(4) XX は (0,1](0,1] の値をとる(X=0X=0 の確率は 00)ので、Y=1/XY=1/X は [1,∞)[1,\infty) の値をとる。y≥1y\ge1 について

FY(y)=P(1/X≤y)=P(X≥1/y)=1−F(1/y)=1−y−3,F_Y(y)=P(1/X\le y)=P(X\ge 1/y)=1-F(1/y)=1-y^{-3},

y<1y<1 では FY(y)=0F_Y(y)=0。微分して fY(y)=3y−4f_Y(y)=3y^{-4}(y≥1y\ge1)、それ以外で 00。公式 (4.8) でも g−1(y)=1/yg^{-1}(y)=1/y、∣(g−1)′(y)∣=y−2\lvert (g^{-1})'(y)\rvert =y^{-2} から fY(y)=3(1/y)2⋅y−2=3y−4f_Y(y)=3(1/y)^2\cdot y^{-2}=3y^{-4} と一致する。

例題 4.6 一様分布から指数分布を作る ★★

オリジナルUU は区間 (0,1)(0,1) 上の一様分布に従う(密度 11、累積分布関数 FU(u)=uF_U(u)=u)。

  1. Y=−log⁡UY=-\log U の累積分布関数と密度を求めよ。
  2. V=U2V=U^2 の密度を求めよ。
解答

(1) U∈(0,1)U\in(0,1) なので Y>0Y>0。y>0y>0 について、−log⁡U≤y-\log U\le y は U≥e−yU\ge e^{-y} と同じなのでFY(y)=P(U≥e−y)=1−e−yF_Y(y)=P(U\ge e^{-y})=1-e^{-y}。y≤0y\le0 では 00。微分して fY(y)=e−yf_Y(y)=e^{-y}(y>0y>0)。これは第6章で扱う指数分布 Ex(1)\mathrm{Ex}(1) である。

(2) 0<v<10<v<1 について FV(v)=P(U2≤v)=P(U≤v)=vF_V(v)=P(U^2\le v)=P(U\le\sqrt v)=\sqrt v。微分して fV(v)=12vf_V(v)=\dfrac{1}{2\sqrt v}(0<v<10<v<1)。これは確認テスト 4.3-3 の、有界でない密度である。

(1) の計算は、一般に FF が連続で狭義増加なら F−1(U)F^{-1}(U) の累積分布関数が FF になることの一例である(P(F−1(U)≤x)=P(U≤F(x))=F(x)P(F^{-1}(U)\le x)=P(U\le F(x))=F(x))。コンピュータで任意の分布の乱数を一様乱数から作るときは、この関係を使う。

確認テスト

オリジナル

  1. 4.5-1 公正なサイコロの目 XX の累積分布関数 FF について、F(0)F(0)、F(2.999)F(2.999)、F(3.5)F(3.5)、F(6)F(6) の値と、P(2<X≤5)P(2<X\le5) を求めよ。
  2. 4.5-2 XX の累積分布関数が F(x)=1−e−x/3F(x)=1-e^{-x/3}(x≥0x\ge0)、F(x)=0F(x)=0(x<0x<0)である。密度を求め、P(2<X≤5)P(2<X\le5)(小数第4位まで)と中央値を求めよ。
  3. 4.5-3 XX の密度を f(x)=1−∣x∣f(x)=1-\lvert x\rvert(−1≤x≤1-1\le x\le1)、それ以外で 00 とする。Y=X2Y=X^2 の累積分布関数と密度を求めよ。
  4. 4.5-4 定理 4.8 の特別な場合として、a<0a<0 のとき Y=aX+bY=aX+b の密度が fY(y)=1∣a∣fX(y−ba)f_Y(y)=\frac{1}{\lvert a\rvert }f_X\bigl(\frac{y-b}{a}\bigr) になることを、累積分布関数から直接導け。

木下の勉強ステータス

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