統計学の復習 第4章 §4.4 ★★★ 連続型では1点の確率が 0 なので端点の等号は確率を変えない。事象は x の集合に直してから積分する
1点の確率は0
命題 4.5
X が密度 f をもつ連続型の確率変数なら、すべての実数 a について P(X=a)=0 である。
証明
任意の h>0 について事象 {X=a} は {a−h≤X≤a+h} に含まれるので、
0≤P(X=a)≤P(a−h≤X≤a+h)=∫a−ha+hf(x)dx.
右辺は h→0 で 0 に近づく(積分区間の長さが 0 に縮むと、f の積分は 0 に収束する)。左辺の P(X=a) は h によらないので、P(X=a)=0。
この命題から、連続型では区間の端点を含めるかどうかで確率は変わらない。
P(a<X<b)=P(a≤X<b)=P(a<X≤b)=P(a≤X≤b)=∫abf(x)dx.
離散型ではこれが成り立たない。サイコロの目 X では P(X<3)=31、P(X≤3)=21 で、差の 61 は P(X=3) である。2級の問題で「以上」「より大きい」の違いに注意が要るのは離散型(二項分布・ポアソン分布)のときで、連続型(正規分布・t 分布)では気にしなくてよい。
確率 0 と「起こらない」は違う
P(X=a)=0 は、X=a が起こりえないという意味ではない。X は必ずどこかの値をとるので、とった値 x についても P(X=x)=0 だったことになる。確率 0 の事象は「区間の幅で測ると大きさが 0」という意味で、連続型の確率変数を扱うにはこの読み方が必要になる。第12章で p 値を「観測値以上に極端な値が出る確率」と区間で定義するのは、1点の確率が 0 だからである。
事象を x の集合に直して積分する
連続型の確率の計算は、次の2段で行う。まず、問われた事象を「X がどの集合に入るか」に書き直す。次に、その集合が区間の和なら、区間ごとの積分を足す。互いに重ならない区間 I1,I2 についてはP(X∈I1∪I2)=∫I1f+∫I2f である(排反な事象の確率の和)。条件付き確率は第3章の定義 P(B∣A)=P(A∩B)/P(A) をそのまま使い、分子と分母をそれぞれ積分で求める。
例題 4.4 区間の確率・二次不等式・条件付き確率 ★★★
オリジナルX の密度を f(x)=6x(1−x)(0≤x≤1)、それ以外で 0 とする(図 4.1)。
- P(∣X−21∣<41) を求めよ。
- P(X2−X+163>0) を求めよ。
- P(X>21∣X>41) を求めよ。
解答
原始関数を G(x)=3x2−2x3 とおく(G′(x)=6x−6x2=f(x))。G(0)=0、G(1)=1 である。
(1) ∣X−21∣<41 は 41<X<43 と同じ。G(43)=1627−6454=3227、G(41)=163−642=325 なので、確率は 3227−325=3222=1611。
(2) x2−x+163=(x−41)(x−43) なので、不等式は X<41 または X>43 と同じである。これは (1) の事象の余事象から端点 X=41,43 を除いたもので、端点の確率は 0 なので、確率は 1−1611=165。
(3) {X>21}∩{X>41}={X>21} である。f は x=21 について対称なので P(X>21)=21(1−G(21)=1−(43−41)=21 でも確かめられる)。P(X>41)=1−325=3227。よって
P(X>21X>41)=27/321/2=2716.
確認テスト
オリジナル
- 4.4-1 (a) 公正なサイコロの目 X について P(X<3) と P(X≤3) を求めよ。(b) 密度 f(x)=x/2(0≤x≤2)、それ以外で 0 の X について P(X<1) と P(X≤1) を求めよ。(a) と (b) の違いを説明せよ。
- 4.4-2 密度 f(x)=2e−2x(x≥0)、それ以外で 0 の X について P(1≤X≤2) を求めよ。小数第4位まで答えよ。
- 4.4-3 密度 f(x)=3x2(0≤x≤1)の X について P(X>21∣X>41) を求めよ。
- 4.4-4 連続型の X について、P(X∈{1,21,31,41,…})=0 を示せ。
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