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歪度と尖度

2026年10月17日9分で読めますAI生成教科書『資格試験』第6章 連続型確率分布と一様分布
目次
  1. 定義
  2. 3つの分布の歪度と尖度
  3. データの歪度と尖度
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第6章 §6.2 ★ 平均と分散で測れない分布の形を、標準化した3次と4次の積率で測る。正規分布は歪度 00・尖度 33(33 を引く流儀では 00)

定義

平均と分散が同じでも、分布の形は違いうる。図 6.2 の3つの密度は、どれも平均 11、分散 11 だが、指数分布は右に長い裾を引き、一様分布は裾を持たない。この違いを数で表すために、標準化した値 (X−μ)/σ(X-\mu)/\sigma の3乗と4乗の期待値を使う。

定義 6.5(歪度と尖度)

平均 μ\mu、標準偏差 σ\sigma の確率変数 XX に対して、

γ1=E[(X−μσ)3]=E[(X−μ)3]σ3,β2=E[(X−μσ)4]=E[(X−μ)4]σ4(6.5)\gamma_1=E\Bigl[\Bigl(\frac{X-\mu}{\sigma}\Bigr)^3\Bigr]=\frac{E[(X-\mu)^3]}{\sigma^3},\qquad \beta_2=E\Bigl[\Bigl(\frac{X-\mu}{\sigma}\Bigr)^4\Bigr]=\frac{E[(X-\mu)^4]}{\sigma^4}\tag{6.5}

をそれぞれ歪度、尖度と呼ぶ。尖度から 33 を引いた γ2=β2−3\gamma_2=\beta_2-3 を尖度と呼ぶ流儀もある。

尖度には2つの流儀があり、本や表計算ソフトによって β2\beta_2 と γ2\gamma_2 のどちらを「尖度」と呼ぶかが違う。33 を引くのは、正規分布の β2\beta_2 が 33 なので、正規分布を基準の 00 にそろえるためである。試験の問題文で「正規分布の尖度は 00」とあれば γ2\gamma_2、「33」とあれば β2\beta_2 の流儀である。数理統計の解説 第2章は 33 を引く流儀で書いている。

標準化した値で定義するので、歪度と尖度は単位を持たない。Y=aX+bY=aX+b(a≠0a\neq0)とすると Y−E[Y]=a(X−μ)Y-E[Y]=a(X-\mu)、V[Y]1/2=∣a∣σV[Y]^{1/2}=\lvert a\rvert \sigma なので

γ1(Y)=a3E[(X−μ)3]∣a∣3σ3=sgn(a) γ1(X),β2(Y)=a4E[(X−μ)4]a4σ4=β2(X)\gamma_1(Y)=\frac{a^3E[(X-\mu)^3]}{\lvert a\rvert ^3\sigma^3}=\mathrm{sgn}(a)\,\gamma_1(X),\qquad \beta_2(Y)=\frac{a^4E[(X-\mu)^4]}{a^4\sigma^4}=\beta_2(X)

となる(sgn(a)\mathrm{sgn}(a) は aa の符号)。歪度は向きを反転すると符号が変わり、尖度は線形変換で変わらない。

歪度の符号は、平均から右と左のどちらに大きく外れた値が出やすいかを表す。(X−μ)3(X-\mu)^3 は外れた方向の符号を保ったまま外れの大きさを3乗で強調するので、右に長い裾があれば正の値が重く数えられて γ1>0\gamma_1>0 になる。左右対称な分布では、μ+t\mu+t と μ−t\mu-t の寄与が打ち消し合って γ1=0\gamma_1=0 である。尖度は4乗なので符号の情報は無く、平均から大きく外れた値がどれだけ出やすいか(裾の重さ)を表す。名前は「尖り」だが、山の頂上の尖り方よりも、裾にどれだけの確率が載っているかで値が決まる。

3つの分布の歪度と尖度

正規分布では、§6.1 の式 (6.3) から E[Z3]=0E[Z^3]=0、E[Z4]=3E[Z^4]=3 なので、γ1=0\gamma_1=0、β2=3\beta_2=3 である。

連続一様分布 U(0,1)\mathrm{U}(0,1)(§6.6 で定義する。密度は区間 (0,1)(0,1) で 11)では、平均 1/21/2、分散 1/121/12 で、対称なので γ1=0\gamma_1=0 である。4次の中心積率は

E[(X−12)4]=∫01(x−12)4dx=[15(x−12)5]01=15(132+132)=180E\Bigl[\Bigl(X-\frac12\Bigr)^4\Bigr]=\int_0^1\Bigl(x-\frac12\Bigr)^4\mathrm{d} x=\Bigl[\frac15\Bigl(x-\frac12\Bigr)^5\Bigr]_0^1=\frac15\Bigl(\frac1{32}+\frac1{32}\Bigr)=\frac1{80}

なので β2=(1/80)/(1/12)2=144/80=1.8\beta_2=(1/80)/(1/12)^2=144/80=1.8 で、正規分布の 33 より小さい(確認テスト 6.2-2 で一般の区間でも同じことを確かめる)。一様分布は区間の外に値をとらないので、正規分布よりも裾が軽い。

指数分布 Ex(λ)\mathrm{Ex}(\lambda) では、例題 6.3 で計算するとおり γ1=2\gamma_1=2、β2=9\beta_2=9 で、右に長い裾を持ち、正規分布よりも裾が重い。

図

図 6.2 平均 11、分散 11 をそろえた3つの密度。一様分布は区間 (1−3, 1+3)(1-\sqrt3,\ 1+\sqrt3) 上の一様分布である。歪度は正規分布と一様分布が 00、指数分布が 22。尖度 β2\beta_2 は一様分布 1.81.8、正規分布 33、指数分布 99 で、裾が重いほど大きい。

データの歪度と尖度

データ x1,…,xnx_1,\dots,x_n に対しては、期待値を標本の平均に置き換えて

g1=1n∑i=1n(xi−xˉ)3σ^3,b2=1n∑i=1n(xi−xˉ)4σ^4,σ^2=1n∑i=1n(xi−xˉ)2(6.6)g_1=\frac{\frac1n\sum_{i=1}^n(x_i-\bar x)^3}{\hat\sigma^3},\qquad b_2=\frac{\frac1n\sum_{i=1}^n(x_i-\bar x)^4}{\hat\sigma^4},\qquad \hat\sigma^2=\frac1n\sum_{i=1}^n(x_i-\bar x)^2\tag{6.6}

を標本歪度・標本尖度とする。この巻の記号(第2章)に従い、nn で割る標本分散を σ^2\hat\sigma^2 と書いた。表計算ソフトの関数は、n−1n-1 で割る不偏分散を使った補正つきの式で計算するので、小さな標本では値が少しずれる。2級の問題では、問題文が与えた定義に従えばよい。

第2章で見たとおり、右に裾を引くデータでは平均が中央値より大きくなりやすい。歪度が正であることと「平均 >> 中央値」は同じ向きの傾向を表すが、必ず両立するわけではないので、一方から他方を断定しない。

例題 6.3 指数分布の歪度と尖度 ★★

オリジナルX∼Ex(λ)X\sim\mathrm{Ex}(\lambda)(密度 λe−λx\lambda\mathrm{e}^{-\lambda x}、x>0x>0)について、E[Xk]=k!/λkE[X^k]=k!/\lambda^k(k=1,2,3,4k=1,2,3,4)を使って、歪度 γ1\gamma_1 と尖度 β2\beta_2 を求めよ。E[Xk]=k!/λkE[X^k]=k!/\lambda^k は確認テスト 6.5-2 で示す。

解答

μ=1/λ\mu=1/\lambda、E[X2]=2/λ2E[X^2]=2/\lambda^2 から σ2=2/λ2−1/λ2=1/λ2\sigma^2=2/\lambda^2-1/\lambda^2=1/\lambda^2、σ=1/λ\sigma=1/\lambda である。3次の中心積率を、(X−μ)3=X3−3μX2+3μ2X−μ3(X-\mu)^3=X^3-3\mu X^2+3\mu^2X-\mu^3 と展開して期待値の線形性で計算すると

E[(X−μ)3]=E[X3]−3μE[X2]+3μ2E[X]−μ3=6λ3−3λ⋅2λ2+3λ2⋅1λ−1λ3=2λ3E[(X-\mu)^3]=E[X^3]-3\mu E[X^2]+3\mu^2E[X]-\mu^3=\frac{6}{\lambda^3}-\frac{3}{\lambda}\cdot\frac{2}{\lambda^2}+\frac{3}{\lambda^2}\cdot\frac1\lambda-\frac{1}{\lambda^3}=\frac{2}{\lambda^3}

となる。σ3=1/λ3\sigma^3=1/\lambda^3 で割って γ1=2\gamma_1=2 である。4次も同じく (X−μ)4=X4−4μX3+6μ2X2−4μ3X+μ4(X-\mu)^4=X^4-4\mu X^3+6\mu^2X^2-4\mu^3X+\mu^4 と展開して

E[(X−μ)4]=24λ4−4λ⋅6λ3+6λ2⋅2λ2−4λ3⋅1λ+1λ4=24−24+12−4+1λ4=9λ4E[(X-\mu)^4]=\frac{24}{\lambda^4}-\frac4\lambda\cdot\frac6{\lambda^3}+\frac6{\lambda^2}\cdot\frac2{\lambda^2}-\frac4{\lambda^3}\cdot\frac1\lambda+\frac1{\lambda^4}=\frac{24-24+12-4+1}{\lambda^4}=\frac{9}{\lambda^4}

となり、β2=9\beta_2=9(33 を引く流儀では γ2=6\gamma_2=6)である。

どちらも λ\lambda によらない。λ\lambda を変えることは XX を 1/λ1/\lambda 倍に伸び縮みさせる線形変換に当たり、標準化した積率はそれで変わらないからである。

例題 6.4 5個のデータの歪度と尖度 ★

オリジナルデータ 2, 3, 3, 4, 82,\ 3,\ 3,\ 4,\ 8 について、式 (6.6) の標本歪度と標本尖度を求め、平均と中央値の大小と合わせて分布の形を述べよ。

解答

平均は xˉ=20/5=4\bar x=20/5=4 で、偏差は −2,−1,−1,0,4-2,-1,-1,0,4 である。偏差の2乗・3乗・4乗の和は

∑(xi−xˉ)2=4+1+1+0+16=22,∑(xi−xˉ)3=−8−1−1+0+64=54,∑(xi−xˉ)4=16+1+1+0+256=274\begin{aligned} \textstyle\sum(x_i-\bar x)^2&=4+1+1+0+16=22,\\ \textstyle\sum(x_i-\bar x)^3&=-8-1-1+0+64=54,\\ \textstyle\sum(x_i-\bar x)^4&=16+1+1+0+256=274 \end{aligned}

である。σ^2=22/5=4.4\hat\sigma^2=22/5=4.4 なので σ^3=4.43/2=9.230\hat\sigma^3=4.4^{3/2}=9.230、σ^4=4.42=19.36\hat\sigma^4=4.4^2=19.36 で、

g1=54/59.230=10.89.230=1.170,b2=274/519.36=54.819.36=2.831g_1=\frac{54/5}{9.230}=\frac{10.8}{9.230}=1.170,\qquad b_2=\frac{274/5}{19.36}=\frac{54.8}{19.36}=2.831

となる。3乗の和では、偏差 44 の1個が 6464 を占め、負の偏差の −10-10 を大きく上回る。外れた1個の寄与が3乗で強調されるので歪度が正になる。中央値は 33 で平均 44 より小さく、右に裾を引く形と整合する。尖度は b2=2.831b_2=2.831(33 を引けば −0.169-0.169)で、データが5個しかないので、この値から裾の重さを判断するのは難しい。

確認テスト

オリジナル

  1. 6.2-1 確率変数 XX の歪度が 0.80.8、尖度 β2\beta_2 が 4.54.5 のとき、Y=10−3XY=10-3X の歪度と尖度を答えよ。
  2. 6.2-2 X∼U(a,b)X\sim\mathrm{U}(a,b) の歪度と尖度 β2\beta_2 を求め、a,ba,b によらないことを示せ。
  3. 6.2-3 データ 1, 1, 2, 2, 91,\ 1,\ 2,\ 2,\ 9 の標本歪度を式 (6.6) で求め、中央値と平均を比べよ。
  4. 6.2-4 ベルヌーイ分布 Bin(1,p)\mathrm{Bin}(1,p) の歪度が (1−2p)/p(1−p)(1-2p)/\sqrt{p(1-p)} であることを示し、歪度が正になる pp の範囲を答えよ。

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