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正規分布の再生性と標準正規分布

2026年10月17日12分で読めますAI生成教科書『資格試験』第6章 連続型確率分布と一様分布
目次
  1. 標準正規分布への帰着
  2. 再生性
  3. 確認テスト
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第6章 §6.3 ★★★ 独立な正規分布の和は正規分布で、平均と分散がそれぞれ足される。標本平均 Xˉ∼N(μ,σ2/n)\bar X\sim\mathrm{N}(\mu,\sigma^2/n) はここから出る

標準正規分布への帰着

定理 6.4 から、X∼N(μ,σ2)X\sim\mathrm{N}(\mu,\sigma^2) の確率はすべて標準正規分布の確率に書き直せる。Z=(X−μ)/σZ=(X-\mu)/\sigma は XX の単調増加な関数なので、事象 {a<X≤b}\{a<X\le b\} と {(a−μ)/σ<Z≤(b−μ)/σ}\{(a-\mu)/\sigma<Z\le(b-\mu)/\sigma\} は同じ事象であり、

P(a<X≤b)=Φ(b−μσ)−Φ(a−μσ)(6.7)P(a<X\le b)=\Phi\Bigl(\frac{b-\mu}{\sigma}\Bigr)-\Phi\Bigl(\frac{a-\mu}{\sigma}\Bigr)\tag{6.7}

となる。正規分布の確率を求める手順は、どの問題でも「標準化する → Φ\Phi の値を表から引く」の2段である。表が1枚あれば、平均や分散の異なるすべての正規分布の確率が引ける。これが標準正規分布という1つの分布を基準にする理由である。

再生性

定理 6.6(正規分布の再生性)

X∼N(μ1,σ12)X\sim\mathrm{N}(\mu_1,\sigma_1^2) と Y∼N(μ2,σ22)Y\sim\mathrm{N}(\mu_2,\sigma_2^2) が独立なら、

X+Y∼N(μ1+μ2, σ12+σ22)X+Y\sim\mathrm{N}(\mu_1+\mu_2,\ \sigma_1^2+\sigma_2^2)

である。

和の期待値が期待値の和になり、独立な和の分散が分散の和になることは、分布の種類によらず成り立つ(第7章)。定理の内容は、ここでも和の分布がまた正規分布になるという点にある。一般の分布では、独立な和をとると分布の種類が変わる。たとえば一様分布 U(0,1)\mathrm{U}(0,1) の独立な2つの和は、一様分布でなく三角形の密度を持つ(確認テスト 6.6-3)。

証明

平均を引いた X−μ1X-\mu_1 と Y−μ2Y-\mu_2 について示せば、定数 μ1+μ2\mu_1+\mu_2 を足しても正規分布のまま平均が動くだけなので(定理 6.4)、μ1=μ2=0\mu_1=\mu_2=0 としてよい。

まず、独立な連続型の確率変数の和 S=X+YS=X+Y の密度の式を用意する。第7章で扱うとおり、XX と YY が独立なら2変数の同時密度は fX(x)fY(y)f_X(x)f_Y(y) と積になる。S≤sS\le s となる確率は、X=xX=x を固定して Y≤s−xY\le s-x となる確率を xx について足し合わせたものなので

P(S≤s)=∫−∞∞fX(x)(∫−∞s−xfY(y) dy)dx=∫−∞∞fX(x)FY(s−x) dxP(S\le s)=\int_{-\infty}^\infty f_X(x)\Bigl(\int_{-\infty}^{s-x}f_Y(y)\,\mathrm{d} y\Bigr)\mathrm{d} x=\int_{-\infty}^\infty f_X(x)F_Y(s-x)\,\mathrm{d} x

である。ss で微分すると FY′=fYF_Y'=f_Y から

fS(s)=∫−∞∞fX(x)fY(s−x) dx(6.8)f_S(s)=\int_{-\infty}^\infty f_X(x)f_Y(s-x)\,\mathrm{d} x\tag{6.8}

を得る(畳み込みの式。積分記号の下での微分は、ここでは正規分布の密度が十分滑らかで速く減るので許される)。

正規分布の密度を代入すると

fS(s)=12πσ1σ2∫−∞∞exp⁡(−12Q(x))dx,Q(x)=x2σ12+(s−x)2σ22f_S(s)=\frac{1}{2\pi\sigma_1\sigma_2}\int_{-\infty}^\infty\exp\Bigl(-\frac12Q(x)\Bigr)\mathrm{d} x,\qquad Q(x)=\frac{x^2}{\sigma_1^2}+\frac{(s-x)^2}{\sigma_2^2}

となる。τ2=σ12+σ22\tau^2=\sigma_1^2+\sigma_2^2 と置き、Q(x)Q(x) を xx について平方完成する。x2x^2 の係数は 1/σ12+1/σ22=τ2/(σ12σ22)1/\sigma_1^2+1/\sigma_2^2=\tau^2/(\sigma_1^2\sigma_2^2)、xx の係数は −2s/σ22-2s/\sigma_2^2、定数項は s2/σ22s^2/\sigma_2^2 なので、

Q(x)=τ2σ12σ22(x−σ12τ2s)2+s2σ22−τ2σ12σ22⋅σ14τ4s2Q(x)=\frac{\tau^2}{\sigma_1^2\sigma_2^2}\Bigl(x-\frac{\sigma_1^2}{\tau^2}s\Bigr)^2+\frac{s^2}{\sigma_2^2}-\frac{\tau^2}{\sigma_1^2\sigma_2^2}\cdot\frac{\sigma_1^4}{\tau^4}s^2

となる。最後の2項は s2σ22(1−σ12τ2)=s2σ22⋅σ22τ2=s2τ2\dfrac{s^2}{\sigma_2^2}\Bigl(1-\dfrac{\sigma_1^2}{\tau^2}\Bigr)=\dfrac{s^2}{\sigma_2^2}\cdot\dfrac{\sigma_2^2}{\tau^2}=\dfrac{s^2}{\tau^2} にまとまる。よって c=σ12s/τ2c=\sigma_1^2s/\tau^2、v2=σ12σ22/τ2v^2=\sigma_1^2\sigma_2^2/\tau^2 と書くと Q(x)=(x−c)2/v2+s2/τ2Q(x)=(x-c)^2/v^2+s^2/\tau^2 で、

∫−∞∞exp⁡(−(x−c)22v2)dx=2π v=2π σ1σ2τ\int_{-\infty}^\infty\exp\Bigl(-\frac{(x-c)^2}{2v^2}\Bigr)\mathrm{d} x=\sqrt{2\pi}\,v=\sqrt{2\pi}\,\frac{\sigma_1\sigma_2}{\tau}

(命題 6.2 を z=(x−c)/vz=(x-c)/v の置換で使った)から

fS(s)=12πσ1σ2⋅2π σ1σ2τ exp⁡(−s22τ2)=12π τexp⁡(−s22τ2)f_S(s)=\frac{1}{2\pi\sigma_1\sigma_2}\cdot\sqrt{2\pi}\,\frac{\sigma_1\sigma_2}{\tau}\,\exp\Bigl(-\frac{s^2}{2\tau^2}\Bigr)=\frac{1}{\sqrt{2\pi}\,\tau}\exp\Bigl(-\frac{s^2}{2\tau^2}\Bigr)

となる。これは N(0,τ2)=N(0,σ12+σ22)\mathrm{N}(0,\tau^2)=\mathrm{N}(0,\sigma_1^2+\sigma_2^2) の密度である。

指数の中身が xx の2次式である限り、平方完成で xx の部分を正規分布の密度の形に括り出すことができ、その積分は定数になって、残る ss の部分も ss の2次式の指数になる。正規分布の和がまた正規分布になるのは、2次式の指数という形が畳み込みで保たれるからである。同じ結論は積率母関数 E[etX]=eμt+σ2t2/2E[\mathrm{e}^{tX}]=\mathrm{e}^{\mu t+\sigma^2t^2/2} を使うと1行で示せる。その方法は数理統計の解説 第3章 §3.2 で扱う。

定理 6.6 と定理 6.4 を組み合わせると、独立な正規分布の線形結合はすべて正規分布になる。

系 6.7(線形結合と標本平均)

X1,…,XnX_1,\dots,X_n が独立で Xi∼N(μi,σi2)X_i\sim\mathrm{N}(\mu_i,\sigma_i^2) なら、定数 a1,…,ana_1,\dots,a_n(少なくとも1つは 00 でない)に対して

∑i=1naiXi∼N(∑i=1naiμi, ∑i=1nai2σi2)(6.9)\sum_{i=1}^na_iX_i\sim\mathrm{N}\Bigl(\sum_{i=1}^na_i\mu_i,\ \sum_{i=1}^na_i^2\sigma_i^2\Bigr)\tag{6.9}

である。とくに X1,…,XnX_1,\dots,X_n が独立に同じ N(μ,σ2)\mathrm{N}(\mu,\sigma^2) に従うなら、標本平均は

Xˉ=1n∑i=1nXi∼N(μ, σ2n)(6.10)\bar X=\frac1n\sum_{i=1}^nX_i\sim\mathrm{N}\Bigl(\mu,\ \frac{\sigma^2}{n}\Bigr)\tag{6.10}

に従う。

証明

各 aiXia_iX_i は定理 6.4 で N(aiμi,ai2σi2)\mathrm{N}(a_i\mu_i,a_i^2\sigma_i^2) に従い(ai=0a_i=0 の項は定数 00 なので除いてよい)、独立な確率変数の関数どうしはまた独立である。定理 6.6 を n−1n-1 回くり返し使えば式 (6.9) を得る。標本平均は ai=1/na_i=1/n、μi=μ\mu_i=\mu、σi2=σ2\sigma_i^2=\sigma^2 の場合で、平均は n⋅μ/n=μn\cdot\mu/n=\mu、分散は n⋅σ2/n2=σ2/nn\cdot\sigma^2/n^2=\sigma^2/n である。

差 X−YX-Y は a1=1a_1=1、a2=−1a_2=-1 の場合なので、分散は σ12+(−1)2σ22=σ12+σ22\sigma_1^2+(-1)^2\sigma_2^2=\sigma_1^2+\sigma_2^2 で、差をとっても分散は足される。差の分散を σ12−σ22\sigma_1^2-\sigma_2^2 とするのは、係数を2乗せずに足した誤りである。

2X2X と X1+X2X_1+X_2 は違う

同じ N(μ,σ2)\mathrm{N}(\mu,\sigma^2) に従う1つの確率変数 XX を2倍した 2X2X の分散は 4σ24\sigma^2(定理 6.4)、独立な2つの和 X1+X2X_1+X_2 の分散は 2σ22\sigma^2(定理 6.6)である。平均はどちらも 2μ2\mu だが、独立な2つの和では一方が大きく外れても他方が打ち消す見込みがあるので、散らばりが小さい。標本平均の分散が σ2/n\sigma^2/n で nn とともに小さくなるのも、独立な和の分散が nσ2n\sigma^2 にしかならず、n2n^2 で割ると σ2/n\sigma^2/n になるからである。

標本平均 Xˉ\bar X を標準化した

Z=Xˉ−μσ/n∼N(0,1)Z=\frac{\bar X-\mu}{\sigma/\sqrt n}\sim\mathrm{N}(0,1)

は、第10章の母分散既知の区間推定と、第12章の zz 検定の出発点である。ここで割っている σ/n\sigma/\sqrt n は Xˉ\bar X の標準偏差で、1個のデータの標準偏差 σ\sigma ではない。「ZZ」という文字は特定の式を指すのではなく、何かを平均で引いて標準偏差で割った量を表す名前であり、何を標準化しているかで割る量が変わる。母集団の分布が正規分布でないときも、nn が大きければ Xˉ\bar X は近似的に正規分布に従う。それが第8章の中心極限定理で、式 (6.10) は母集団が正規分布なら nn によらず正確に成り立つ、という点が違う。

例題 6.5 内容量と容器の重さの和 ★★★

オリジナルある米の袋の中身の重さ XX は N(1000,62)\mathrm{N}(1000,6^2)(グラム)、袋の重さ YY は N(80,22)\mathrm{N}(80,2^2) に従い、互いに独立である。

  1. 袋ごとの総重量 W=X+YW=X+Y の分布を答え、W<1070W<1070 となる確率を求めよ。
  2. 独立な10袋の総重量の和が 1077010770 グラム未満になる確率を求めよ。

Φ(1.50)=0.9332\Phi(1.50)=0.9332、Φ(1.58)=0.9429\Phi(1.58)=0.9429 を使ってよい。

解答

(1) 定理 6.6 から W∼N(1080, 36+4)=N(1080,40)W\sim\mathrm{N}(1080,\ 36+4)=\mathrm{N}(1080,40) で、標準偏差は 40=6.325\sqrt{40}=6.325 である。標準偏差どうしを足して 6+2=86+2=8 としないことに注意する。足されるのは分散である。

P(W<1070)=Φ(1070−10806.325)=Φ(−1.58)=1−Φ(1.58)=1−0.9429=0.0571P(W<1070)=\Phi\Bigl(\frac{1070-1080}{6.325}\Bigr)=\Phi(-1.58)=1-\Phi(1.58)=1-0.9429=0.0571

である(−1.581-1.581 のまま計算すると 0.05690.0569)。

(2) 10袋の総重量 W1+⋯+W10W_1+\cdots+W_{10} は、系 6.7 から N(10×1080, 10×40)=N(10800,400)\mathrm{N}(10\times1080,\ 10\times40)=\mathrm{N}(10800,400) で、標準偏差は 2020 である。

P(∑Wi<10770)=Φ(10770−1080020)=Φ(−1.5)=1−0.9332=0.0668.P\Bigl(\sum W_i<10770\Bigr)=\Phi\Bigl(\frac{10770-10800}{20}\Bigr)=\Phi(-1.5)=1-0.9332=0.0668.

1袋あたりに直すと 10771077 グラム未満の確率で、1袋だけで 10771077 未満になる確率 Φ(−3/6.325)=Φ(−0.47)≈0.32\Phi(-3/6.325)=\Phi(-0.47)\approx0.32 よりずっと小さい。10袋の平均では、標準偏差が 1/101/\sqrt{10} 倍に縮むからである。

例題 6.6 2人の所要時間の比較 ★★

オリジナルAさんとBさんが同じ道のりを走る。所要時間はAさんが N(50,32)\mathrm{N}(50,3^2)、Bさんが N(52,42)\mathrm{N}(52,4^2)(分)で、互いに独立である。AさんがBさんより先に着く確率を求めよ。Φ(0.4)=0.6554\Phi(0.4)=0.6554 を使ってよい。

解答

Aさんの所要時間を XX、Bさんを YY とする。求める確率は P(X<Y)=P(Y−X>0)P(X<Y)=P(Y-X>0) である。系 6.7 で a1=−1a_1=-1(XX の係数)、a2=1a_2=1(YY の係数)とすると

D=Y−X∼N(52−50, 42+32)=N(2,25)D=Y-X\sim\mathrm{N}(52-50,\ 4^2+3^2)=\mathrm{N}(2,25)

で、標準偏差は 55 である。

P(D>0)=P(Z>0−25)=P(Z>−0.4)=Φ(0.4)=0.6554.P(D>0)=P\Bigl(Z>\frac{0-2}{5}\Bigr)=P(Z>-0.4)=\Phi(0.4)=0.6554.

平均の差は2分しかないが、差の標準偏差が5分あるので、Aさんが先に着く確率は 0.660.66 程度にとどまる。2つの比較を差の分布1つに置き換えるのが、この型の問題の解き方である。

確認テスト

オリジナル

  1. 6.3-1 N(50,102)\mathrm{N}(50,10^2) からの大きさ 2525 の無作為標本の標本平均 Xˉ\bar X について、P(48<Xˉ<52)P(48<\bar X<52) を求めよ。Φ(1)=0.8413\Phi(1)=0.8413 を使ってよい。
  2. 6.3-2 X∼N(1,4)X\sim\mathrm{N}(1,4) と Y∼N(2,9)Y\sim\mathrm{N}(2,9) が独立のとき、2X−Y2X-Y の分布を答え、P(2X−Y>5)P(2X-Y>5) を求めよ。
  3. 6.3-3 Z1,…,ZnZ_1,\dots,Z_n が独立に N(0,1)\mathrm{N}(0,1) に従うとき、(Z1+⋯+Zn)/n∼N(0,1)(Z_1+\cdots+Z_n)/\sqrt n\sim\mathrm{N}(0,1) を、定理 6.6 と定理 6.4 から示せ。
  4. 6.3-4 X,X1,X2X,X_1,X_2 がどれも N(0,1)\mathrm{N}(0,1) に従い、X1X_1 と X2X_2 は独立とする。P(2X>2)P(2X>2) と P(X1+X2>2)P(X_1+X_2>2) を求めて比べよ。Φ(1)=0.8413\Phi(1)=0.8413、Φ(1.41)=0.9207\Phi(1.41)=0.9207 を使ってよい。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

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