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母平均の点推定と推定量・推定値

2026年10月17日6分で読めますAI生成教科書『資格試験』第9章 点推定
目次
  1. 標本平均の期待値と分散
  2. 重みの和が1の線形な推定量の中での最良性
  3. 確認テスト
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第9章 §9.2 ★★★ Xˉ\bar X は μ\mu の不偏推定量で分散 σ2/n\sigma^2/n。重みの和が 11 の線形な推定量の中で分散が最小

標本平均の期待値と分散

母集団の平均を μ\mu、分散を σ2\sigma^2 とし、X1,…,XnX_1,\dots,X_n を無作為標本とする。μ\mu の推定量として最も自然なのは標本平均 Xˉ=1n∑i=1nXi\bar X=\frac1n\sum_{i=1}^nX_i である。期待値の線形性と、独立な確率変数の和の分散が分散の和になること(第7章)から、次が成り立つ。

E[Xˉ]=1n∑i=1nE[Xi]=nμn=μ,V[Xˉ]=1n2∑i=1nV[Xi]=nσ2n2=σ2n.(9.2)E[\bar X]=\frac1n\sum_{i=1}^nE[X_i]=\frac{n\mu}{n}=\mu,\qquad V[\bar X]=\frac1{n^2}\sum_{i=1}^nV[X_i]=\frac{n\sigma^2}{n^2}=\frac{\sigma^2}{n}.\tag{9.2}

1つ目の式は独立性を使わず、2つ目の式は独立性(正確には XiX_i どうしの共分散が 00 であること)を使っている。したがって Xˉ\bar X は μ\mu の不偏推定量で、平均二乗誤差は V[Xˉ]=σ2/nV[\bar X]=\sigma^2/n である。これは n→∞n\to\infty で 00 に近づくので、命題 9.5 により Xˉ\bar X は μ\mu の一致推定量でもある。この一致性は、第8章の大数の弱法則そのものである。

母集団がベルヌーイ分布(XiX_i は 11 か 00)なら μ=p\mu=p、σ2=p(1−p)\sigma^2=p(1-p) で、Xˉ\bar X は成功の割合 p^=X/n\hat p=X/n に一致する。(9.2) から E[p^]=pE[\hat p]=p、V[p^]=p(1−p)/nV[\hat p]=p(1-p)/n が得られる。これは例題 9.1 の (1) を、二項分布の公式を使わずに出し直したものである。

重みの和が1の線形な推定量の中での最良性

Xˉ\bar X 以外にも μ\mu の不偏推定量はいくらでもある。X1X_1 だけでもよいし、(X1+X2)/2(X_1+X_2)/2 でもよい。一般に定数 c1,…,cnc_1,\dots,c_n を使った T=∑ciXiT=\sum c_iX_i を考えると、E[T]=μ∑ciE[T]=\mu\sum c_i なので、TT が μ\mu の不偏推定量であることは ∑ci=1\sum c_i=1 と同値である。

命題 9.6(標本平均の最良性)

∑i=1nci=1\sum_{i=1}^nc_i=1 を満たす T=∑ciXiT=\sum c_iX_i の中で、分散が最小になるのは c1=⋯=cn=1/nc_1=\dots=c_n=1/n、すなわち T=XˉT=\bar X のときである。

証明

XiX_i は独立で分散が等しいので V[T]=σ2∑ci2V[T]=\sigma^2\sum c_i^2 である。ci=1n+dic_i=\frac1n+d_i とおくと、∑ci=1\sum c_i=1 から ∑di=0\sum d_i=0 となり

∑ci2=∑(1n2+2din+di2)=1n+2n∑di+∑di2=1n+∑di2 ≥ 1n.\sum c_i^2=\sum\Bigl(\frac1{n^2}+\frac{2d_i}{n}+d_i^2\Bigr)=\frac1n+\frac2n\sum d_i+\sum d_i^2=\frac1n+\sum d_i^2\ \ge\ \frac1n.

等号はすべての did_i が 00 のときに限る。よって V[T]≥σ2/n=V[Xˉ]V[T]\ge\sigma^2/n=V[\bar X] で、等号は T=XˉT=\bar X のときだけ成り立つ。

この命題は、平均と分散だけを使い、母集団の分布の形を何も仮定していない。ただし比べている相手は「重みの和が 11 の線形な推定量」に限られる。中央値のように線形でない推定量まで含めた比較は、母集団の分布の形によって答えが変わる。

中央値との比較

正規母集団では、標本の中央値も μ\mu の推定量として使える(分布が μ\mu について対称なので、偏りは 00 である)。nn が大きいとき、中央値の分散はおよそ πσ2/(2n)≈1.571 σ2/n\pi\sigma^2/(2n)\approx1.571\,\sigma^2/n で、Xˉ\bar X の約 1.571.57 倍になる。一方、裾の重い分布では中央値の方が分散の小さいことがある。この近似の導出(標本分位点の漸近正規性)は、数理統計の解説 第5章 §5.5 で扱う。

例題 9.2 精度の違う2つの測定器の結果をまとめる ★★

オリジナル同じ長さ μ\mu を2つの測定器で測る。測定器 A は誤差の標準偏差が 22、測定器 B は 44 で、どちらも偏りはないとする。A で 44 回、B で 88 回、すべて独立に測り、それぞれの平均を XˉA\bar X_A、XˉB\bar X_B とする。

  1. V[XˉA]V[\bar X_A] と V[XˉB]V[\bar X_B] を求めよ。
  2. Tc=cXˉA+(1−c)XˉBT_c=c\bar X_A+(1-c)\bar X_B が任意の cc で μ\mu の不偏推定量であることを示し、V[Tc]V[T_c] を最小にする cc と最小値を求めよ。
  3. 12 個の測定値をすべて同じ重みで平均した推定量の分散を求め、(2) と比べよ。
  4. xˉA=10.3\bar x_A=10.3、xˉB=9.7\bar x_B=9.7 のとき、(2) の推定量による推定値を求めよ。
解答

(1) (9.2) から V[XˉA]=22/4=1V[\bar X_A]=2^2/4=1、V[XˉB]=42/8=2V[\bar X_B]=4^2/8=2。

(2) E[Tc]=cμ+(1−c)μ=μE[T_c]=c\mu+(1-c)\mu=\mu なので、cc によらず不偏である。XˉA\bar X_A と XˉB\bar X_B は独立なので

V[Tc]=c2⋅1+(1−c)2⋅2=3c2−4c+2=3(c−23)2+23.V[T_c]=c^2\cdot1+(1-c)^2\cdot2=3c^2-4c+2=3\Bigl(c-\frac23\Bigr)^2+\frac23.

最小は c=2/3c=2/3 のときで、最小値は 2/32/3 である。一般に分散が vAv_A、vBv_B のとき、最適な重みは c=vB/(vA+vB)c=v_B/(v_A+v_B) で、分散の逆数に比例する重みになる(確認テスト 9.2-4)。

(3) 全体の平均は (4XˉA+8XˉB)/12=13XˉA+23XˉB(4\bar X_A+8\bar X_B)/12=\frac13\bar X_A+\frac23\bar X_B で、c=1/3c=1/3 の場合に当たる。分散は 3⋅19−43+2=13\cdot\frac19-\frac43+2=1 で、(2) の 2/32/3 より大きい。命題 9.6 は「すべての観測の分散が等しい」ことを仮定していたので、精度の違う観測が混ざると、同じ重みの平均は最良でなくなる。

(4) 23×10.3+13×9.7=6.8667+3.2333=10.1\frac23\times10.3+\frac13\times9.7=6.8667+3.2333=10.1。

確認テスト

オリジナル

  1. 9.2-1 次の各文が正しいか誤りかを答え、誤りなら理由を述べよ。(a) 標本平均 Xˉ\bar X は確率変数である。(b) ある標本で計算した xˉ=52.3\bar x=52.3 の分散は σ2/n\sigma^2/n である。(c) E[Xˉ]=μE[\bar X]=\mu を示すには X1,…,XnX_1,\dots,X_n の独立性が要る。
  2. 9.2-2 n=3n=3 のとき、T=X1+2X2+3X36T=\dfrac{X_1+2X_2+3X_3}{6} が μ\mu の不偏推定量であることを示し、V[T]V[T] を V[Xˉ]V[\bar X] と比べよ。
  3. 9.2-3 X1,…,XnX_1,\dots,X_n をポアソン分布 Po(λ)\mathrm{Po}(\lambda) からの無作為標本とする。(a) Xˉ\bar X が λ\lambda の不偏推定量であることを示し、その分散を求めよ。(b) 00 を観測した個数を N0N_0 とする。N0/nN_0/n が P(X=0)=e−λP(X=0)=e^{-\lambda} の不偏推定量であることを示し、その分散を求めよ。
  4. 9.2-4 T1,T2T_1,T_2 はどちらも μ\mu の不偏推定量で互いに独立、分散はそれぞれ v1,v2v_1,v_2(ともに正)とする。T=cT1+(1−c)T2T=cT_1+(1-c)T_2 の分散を最小にする cc を求め、最小値が v1v2v1+v2\dfrac{v_1v_2}{v_1+v_2} になり、v1v_1 と v2v_2 のどちらよりも小さいことを示せ。

木下の勉強ステータス

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