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対応のある2標本 tt 検定

2026年10月17日5分で読めますAI生成教科書『資格試験』第12章 仮説検定の考え方と平均の検定
目次
  1. 差をとって1標本に戻す
  2. なぜ対応を使うと検出力が上がるか
  3. 確認テスト
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第12章 §12.8 ★★★ 同じ対象の2回の測定は差をとって1標本の tt 検定に戻す。対象ごとのばらつきが差で消えるので、対応を無視した検定より検出力が高い

差をとって1標本に戻す

同じ対象を2つの条件で測ったデータ(同じ人の投薬前と投薬後、同じ試料を2つの方法で測ったもの)を、対応のあるデータと呼ぶ。同じ番号で2つの値の組を作ることができるかどうかで、対応の有無を判定する。対応のあるデータ (Xi,Yi)(X_i,Y_i)(i=1,…,ni=1,\dots,n)では、組ごとの差 Di=Xi−YiD_i=X_i-Y_i を作る。差 D1,…,DnD_1,\dots,D_n は独立に N(μD,σD2)\mathrm N(\mu_D,\sigma_D^2) に従うと仮定する。2つの条件の母平均に差が無いことは μD=0\mu_D=0 と書くことができるので、

H0: μD=0H_0:\ \mu_D=0

を検定すればよい。これは差 DiD_i を1つの標本とみた1標本の tt 検定そのもので、差の標本平均 Dˉ\bar D と不偏標準偏差 SDS_D(実現値は dˉ\bar d、sds_d)を使って

T=DˉSD/n∼tn−1(H0 のもとで)(12.5)T=\frac{\bar D}{S_D/\sqrt n}\sim t_{n-1}\qquad(H_0\text{ のもとで})\tag{12.5}

となる。自由度は組の数 nn から 11 を引いた n−1n-1 で、データの個数 2n2n から数えるのではない。2標本の問題を1標本の問題に戻すので、新しい理論は必要ない。第10章 §10.5 の対応のある差の信頼区間と同じ統計量である。

なぜ対応を使うと検出力が上がるか

1つの組の XX と YY の分散がどちらも σ2\sigma^2、相関係数が ρ\rho のとき、第7章の線形結合の分散の公式から

V[D]=V[X]+V[Y]−2 Cov(X,Y)=2σ2(1−ρ)V[D]=V[X]+V[Y]-2\,\mathrm{Cov}(X,Y)=2\sigma^2(1-\rho)

である(第10章の総合問題 (1))。同じ人の前後の値のように、対象ごとの個人差が XX と YY の両方に含まれていれば ρ\rho は 11 に近く、差をとると個人差が消えて V[D]V[D] は小さくなる。対応を無視して XX の nn 個と YY の nn 個を独立な2標本とみると、個人差が誤差として残るので標準誤差が大きくなり、検出力が下がる。

例題 12.8 対応のある2標本の検定と、対応を無視した場合 ★★★

オリジナル7人の収縮期血圧(mmHg\mathrm{mmHg})を、ある運動習慣を始める前と3か月後に測った。

人1234567
前142135150128146139133
後136133141129141135130

差 D=前−後D=\text{前}-\text{後} は正規分布に従うとする。

  1. 血圧が変化したといえるかを、有意水準 5%5\% の両側検定で調べよ(t6(0.025)=2.447t_6(0.025)=2.447)。
  2. 対応を無視し、「前」の7個と「後」の7個を独立な等分散の2標本とみなして同じ検定を行え。「前」と「後」の偏差平方和はそれぞれ 352352、138138 である(t12(0.025)=2.179t_{12}(0.025)=2.179)。
解答

(1) 差は 6, 2, 9, −1, 5, 4, 36,\ 2,\ 9,\ -1,\ 5,\ 4,\ 3 で、dˉ=28/7=4\bar d=28/7=4 である。偏差 2, −2, 5, −5, 1, 0, −12,\ -2,\ 5,\ -5,\ 1,\ 0,\ -1 の二乗和は 4+4+25+25+1+0+1=604+4+25+25+1+0+1=60 なので、sd2=60/6=10s_d^2=60/6=10、sd=3.162s_d=3.162 である。

tobs=43.162/7=41.195=3.35t_{\mathrm{obs}}=\frac{4}{3.162/\sqrt7}=\frac{4}{1.195}=3.35

で、3.35>2.4473.35>2.447 なので H0:μD=0H_0:\mu_D=0 を棄却し、血圧は変化したと結論する(p=0.015p=0.015)。

(2) 平均は前が 973/7=139973/7=139、後が 945/7=135945/7=135 で、差は 44 と (1) と同じである。第10章のプールした分散は

sp2=352+1387+7−2=49012=40.83,sp=6.390s_p^2=\frac{352+138}{7+7-2}=\frac{490}{12}=40.83,\qquad s_p=6.390

で、標準誤差は 6.3901/7+1/7=3.4166.390\sqrt{1/7+1/7}=3.416 である。tobs=4/3.416=1.17<2.179t_{\mathrm{obs}}=4/3.416=1.17<2.179 なので、H0H_0 を棄却しない。

差の点推定値は同じなのに結論が逆になったのは、標準誤差が 1.1951.195 から 3.4163.416 へ約3倍になったからである。7人の血圧は 128128 から 150150 まで個人差が大きく、その個人差が前と後の両方の値に含まれている(前と後の相関係数は約 0.980.98)。差をとると個人差が消えるが、(2) では個人差が誤差として扱われる。(2) の手続きは、組を作れるデータに対して、独立な2標本という成り立たない仮定を置いている点でも誤りである。

確認テスト

オリジナル

  1. 12.8-1 次のデータは対応のある2標本か、対応のない2標本か。(a) 同じ10台の車で、2種類の燃料の燃費を測った。(b) 1組の生徒20人と2組の生徒22人の試験の点。(c) 双子8組の、一方に教材A・他方に教材Bを使わせたあとの点。
  2. 12.8-2 対応のある10組の差について dˉ=1.2\bar d=1.2、sd=1.5s_d=1.5 であった。H0:μD=0H_0:\mu_D=0、H1:μD≠0H_1:\mu_D\ne0 を有意水準 5%5\% で検定せよ(t9(0.025)=2.262t_9(0.025)=2.262)。
  3. 12.8-3 5人の作業時間を、新しい手順の導入前と導入後に測ったところ、差(前−-後、単位は分)は 3, 1, 4, 0, 23,\ 1,\ 4,\ 0,\ 2 であった。新しい手順で作業時間が短くなったといえるかを、有意水準 5%5\% で検定せよ(t4(0.05)=2.132t_4(0.05)=2.132)。
  4. 12.8-4 1組の (X,Y)(X,Y) の分散がどちらも σ2\sigma^2、相関係数が ρ\rho のとき、対応を使った Dˉ\bar D の分散と、独立な nn 個ずつの標本から作る Xˉ−Yˉ\bar X-\bar Y の分散を求めよ。ρ>0\rho>0 のとき、対応を使う方が標準誤差が小さくなることを示せ。

木下の勉強ステータス

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