対応のある2標本 検定
AI 生成・木下が未勉強
統計学の復習 第12章 §12.8 ★★★ 同じ対象の2回の測定は差をとって1標本の 検定に戻す。対象ごとのばらつきが差で消えるので、対応を無視した検定より検出力が高い
差をとって1標本に戻す
同じ対象を2つの条件で測ったデータ(同じ人の投薬前と投薬後、同じ試料を2つの方法で測ったもの)を、対応のあるデータと呼ぶ。同じ番号で2つの値の組を作ることができるかどうかで、対応の有無を判定する。対応のあるデータ ()では、組ごとの差 を作る。差 は独立に に従うと仮定する。2つの条件の母平均に差が無いことは と書くことができるので、
を検定すればよい。これは差 を1つの標本とみた1標本の 検定そのもので、差の標本平均 と不偏標準偏差 (実現値は 、)を使って
となる。自由度は組の数 から を引いた で、データの個数 から数えるのではない。2標本の問題を1標本の問題に戻すので、新しい理論は必要ない。第10章 §10.5 の対応のある差の信頼区間と同じ統計量である。
なぜ対応を使うと検出力が上がるか
1つの組の と の分散がどちらも 、相関係数が のとき、第7章の線形結合の分散の公式から
である(第10章の総合問題 (1))。同じ人の前後の値のように、対象ごとの個人差が と の両方に含まれていれば は に近く、差をとると個人差が消えて は小さくなる。対応を無視して の 個と の 個を独立な2標本とみると、個人差が誤差として残るので標準誤差が大きくなり、検出力が下がる。
例題 12.8 対応のある2標本の検定と、対応を無視した場合 ★★★
オリジナル7人の収縮期血圧()を、ある運動習慣を始める前と3か月後に測った。
| 人 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 前 | 142 | 135 | 150 | 128 | 146 | 139 | 133 |
| 後 | 136 | 133 | 141 | 129 | 141 | 135 | 130 |
差 は正規分布に従うとする。
- 血圧が変化したといえるかを、有意水準 の両側検定で調べよ()。
- 対応を無視し、「前」の7個と「後」の7個を独立な等分散の2標本とみなして同じ検定を行え。「前」と「後」の偏差平方和はそれぞれ 、 である()。
解答
(1) 差は で、 である。偏差 の二乗和は なので、、 である。
で、 なので を棄却し、血圧は変化したと結論する()。
(2) 平均は前が 、後が で、差は と (1) と同じである。第10章のプールした分散は
で、標準誤差は である。 なので、 を棄却しない。
差の点推定値は同じなのに結論が逆になったのは、標準誤差が から へ約3倍になったからである。7人の血圧は から まで個人差が大きく、その個人差が前と後の両方の値に含まれている(前と後の相関係数は約 )。差をとると個人差が消えるが、(2) では個人差が誤差として扱われる。(2) の手続きは、組を作れるデータに対して、独立な2標本という成り立たない仮定を置いている点でも誤りである。
確認テスト
オリジナル
- 12.8-1 次のデータは対応のある2標本か、対応のない2標本か。(a) 同じ10台の車で、2種類の燃料の燃費を測った。(b) 1組の生徒20人と2組の生徒22人の試験の点。(c) 双子8組の、一方に教材A・他方に教材Bを使わせたあとの点。
- 12.8-2 対応のある10組の差について 、 であった。、 を有意水準 で検定せよ()。
- 12.8-3 5人の作業時間を、新しい手順の導入前と導入後に測ったところ、差(前後、単位は分)は であった。新しい手順で作業時間が短くなったといえるかを、有意水準 で検定せよ()。
- 12.8-4 1組の の分散がどちらも 、相関係数が のとき、対応を使った の分散と、独立な 個ずつの標本から作る の分散を求めよ。 のとき、対応を使う方が標準誤差が小さくなることを示せ。
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