tecktom.com

適合度検定

2026年10月15日10分で読めますAI生成教科書『資格試験』第7章 統計的仮説検定
目次
  1. 多項分布と Pearson の 統計量
  2. 尤度比統計量 との関係
  3. 母数を推定する場合と分割表
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

数理統計 第7章 §7.4 ★★ Pearson の χ2\chi^2 統計量とその自由度。分割表の独立性の検定を含む

多項分布と Pearson の χ2\chi^2 統計量

nn 個の観測を kk 個のカテゴリに分類する。カテゴリ jj に入った個数を NjN_j とする(合計は観測数に等しい)。各観測が独立にカテゴリ jj に確率 pjp_j で入るなら、度数の組は多項分布に従う。その平均・分散・共分散は次のとおりである。

E[Nj]=npj,V[Nj]=npj(1−pj),Cov(Ni,Nj)=−npipj(i≠j).E[N_j]=np_j,\qquad V[N_j]=np_j(1-p_j),\qquad \mathrm{Cov}(N_i,N_j)=-np_ip_j\quad(i\ne j).

単純仮説 H0:pj=pj0H_0:p_j=p_{j0}(j=1,…,kj=1,\dots,k)を検定したい。観測度数 NjN_j と期待度数 npj0np_{j0} のずれをまとめた

X2=∑j=1k(Nj−npj0)2npj0(7.12)X^2=\sum_{j=1}^k\frac{(N_j-np_{j0})^2}{np_{j0}}\tag{7.12}

を使う。これを Pearson の χ2\chi^2 統計量と呼ぶ。

定理 7.9(Pearson の χ2\chi^2 統計量の極限分布 ★★★)

帰無仮説のもとで、n→∞n\to\infty のとき次が成り立つ。

X2→ d χk−12.X^2\xrightarrow{\ d\ }\chi^2_{k-1}.

証明

記号を簡単にするため、pj0p_{j0} を pjp_j と略す。証明は3段に分かれる。

  1. 度数ベクトルの漸近正規性。N=(N1,…,Nk)⊤\bm N=(N_1,\dots,N_k)^\top は、各観測のカテゴリを表す独立な指示ベクトル e(i)\bm e_{(i)} の和である。指示ベクトルの第 jj 成分は、観測 ii がそのカテゴリに入れば 1、入らなければ 0 である。その平均と共分散行列は

p=(p1,…,pk)⊤,Σ=diag(p)−pp⊤.\bm p=(p_1,\dots,p_k)^\top,\qquad \Sigma=\mathrm{diag}(\bm p)-\bm p\bm p^\top .

多次元の中心極限定理により (N−np)/n→dNk(0,Σ)(\bm N-n\bm p)/\sqrt n\xrightarrow{d}\mathrm{N}_k(\bm 0,\Sigma)。2. 標準化。次のようにおく。

D=diag(p1−1/2,…,pk−1/2),Zn=D(N−np)n.D=\mathrm{diag}(p_1^{-1/2},\dots,p_k^{-1/2}),\qquad \bm Z_n=\frac{D(\bm N-n\bm p)}{\sqrt n}.

成分は Zn,j=(Nj−npj)/npjZ_{n,j}=(N_j-np_j)/\sqrt{np_j} なので、X2=∥Zn∥2X^2=\lVert \bm Z_n\rVert ^2 である。極限は Zn→dNk(0,DΣD)\bm Z_n\xrightarrow{d}\mathrm{N}_k(\bm 0,D\Sigma D) で、u=(p1,…,pk)⊤\bm u=(\sqrt{p_1},\dots,\sqrt{p_k})^\top とおくと

DΣD=D diag(p) D−Dpp⊤D=Ik−uu⊤.D\Sigma D=D\,\mathrm{diag}(\bm p)\,D-D\bm p\bm p^\top D=I_k-\bm u\bm u^\top . 3. 射影の2乗ノルム。∥u∥2=∑pj=1\lVert \bm u\rVert ^2=\sum p_j=1 なので、A=Ik−uu⊤A=I_k-\bm u\bm u^\top は直交射影である。射影先は u\bm u に直交する k−1k-1 次元部分空間で、次が成り立つ。

A⊤=A,A2=A,rank⁡A=k−1.A^\top=A,\qquad A^2=A,\qquad \operatorname{rank}A=k-1 .

W∼Nk(0,Ik)\bm W\sim\mathrm{N}_k(\bm 0,I_k) をとる。A Ik A⊤=AA\,I_k\,A^\top=A より AW∼Nk(0,A)A\bm W\sim\mathrm{N}_k(\bm 0,A) である。

射影 AA を直交行列で対角化すると、固有値は 1 が k−1k-1 個、0 が1個である。よって ∥AW∥2=W⊤AW\lVert A\bm W\rVert ^2=\bm W^\top A\bm W は、独立な標準正規 k−1k-1 個の2乗和である。すなわち自由度 k−1k-1 のカイ二乗分布に従う。

連続写像定理から X2=∥Zn∥2→dχk−12X^2=\lVert \bm Z_n\rVert ^2\xrightarrow{d}\chi^2_{k-1}。

自由度がカテゴリ数 kk でなく k−1k-1 になる理由は、ずれの和が 0 に縛られているからである。この制約のため、kk 個のずれのうち自由に動けるのは k−1k-1 個だけになる。

近似の目安として、期待度数がどのカテゴリでも 5 程度以上あることが求められる。足りなければ隣のカテゴリとまとめる。

尤度比統計量 G2G^2 との関係

同じ帰無仮説の尤度比検定を作る。全体での最尤推定量は p^j=Nj/n\hat p_j=N_j/n なので

G2=−2log⁡Λ=2∑j=1kNjlog⁡Njnpj0(7.13)G^2=-2\log\Lambda=2\sum_{j=1}^kN_j\log\frac{N_j}{np_{j0}}\tag{7.13}

となる。Wilks の定理からも χk−12\chi^2_{k-1} が得られる。全体のパラメータは ∑pj=1\sum p_j=1 の制約で k−1k-1 次元、帰無仮説は0次元だからである。

Pearson の統計量との関係を見るため、Ej=npj0E_j=np_{j0} とおき、Nj=Ej+djN_j=E_j+d_j と書く。対数を次のように展開する。

log⁡(1+djEj)=djEj−dj22Ej2+⋯\log\Bigl(1+\frac{d_j}{E_j}\Bigr)=\frac{d_j}{E_j}-\frac{d_j^2}{2E_j^2}+\cdots

これを代入すると

G2=2∑j(Ej+dj)(djEj−dj22Ej2+⋯ )=2∑jdj+∑jdj2Ej+⋯G^2=2\sum_j(E_j+d_j)\left(\frac{d_j}{E_j}-\frac{d_j^2}{2E_j^2}+\cdots\right)=2\sum_jd_j+\sum_j\frac{d_j^2}{E_j}+\cdots

となる。ずれの和は ∑jdj=0\sum_jd_j=0 なので、G2=X2+(高次の項)G^2=X^2+(\text{高次の項}) である。ずれ djd_j は n\sqrt n の大きさで、期待度数は標本の大きさに比例する。よって高次の項は n→∞n\to\infty で 0 に確率収束し、2つの統計量は漸近同等になる。

母数を推定する場合と分割表

帰無仮説が次の形の複合仮説である場合を考える。

H0: pj=pj(η)(η は未知の s 次元パラメータ).H_0:\ p_j=p_j(\bm\eta)\quad(\bm\eta\ \text{は未知の}\ s\ \text{次元パラメータ}).

このときは η\bm\eta を最尤法で推定し、期待度数を npj(η^)np_j(\hat{\bm\eta}) として統計量を作る。極限分布は χk−1−s2\chi^2_{k-1-s} になる。Wilks の定理で、全体が k−1k-1 次元、帰無仮説が ss 次元だからである。

この結果は、パラメータを分類後の度数から最尤推定した場合のものである。元の生データから推定した場合は、極限分布が χk−1−s2\chi^2_{k-1-s} と χk−12\chi^2_{k-1} の間に来る。実務では生データの推定値で k−1−sk-1-s を使うことが多い。

分割表の独立性の検定はこの代表例である。2つの属性で a×ba\times b 個のセルに分類し、記号を次のように置く。

  • セル (i,j)(i,j) の度数を NijN_{ij} とする。
  • 行和を Ni⋅N_{i\cdot}、列和を N⋅jN_{\cdot j} とする。

独立性の仮説は H0:pij=pi⋅p⋅jH_0:p_{ij}=p_{i\cdot}p_{\cdot j} である。このもとでの最尤推定量は

p^i⋅=Ni⋅/n,p^⋅j=N⋅j/n\hat p_{i\cdot}=N_{i\cdot}/n,\qquad \hat p_{\cdot j}=N_{\cdot j}/n

なので、期待度数と統計量は

E^ij=np^i⋅p^⋅j=Ni⋅N⋅jn,X2=∑i,j(Nij−E^ij)2E^ij.\hat E_{ij}=n\hat p_{i\cdot}\hat p_{\cdot j}=\frac{N_{i\cdot}N_{\cdot j}}{n},\qquad X^2=\sum_{i,j}\frac{(N_{ij}-\hat E_{ij})^2}{\hat E_{ij}} .

自由度は、全体 ab−1ab-1 から推定したパラメータ (a−1)+(b−1)(a-1)+(b-1) を引いて

ab−1−(a−1)−(b−1)=(a−1)(b−1)ab-1-(a-1)-(b-1)=(a-1)(b-1)

となる。

例題 7.6 分離比 9:3:3:1 の適合度検定 ★★

オリジナルある交配実験で 160 個体を4つの表現型に分類し、度数 98, 28, 25, 9 を得た。理論上の分離比 9:3:3:1 に従うという仮説を、Pearson の X2X^2 と G2G^2 の両方で有意水準 0.05 で検定せよ。

解答

帰無仮説のもとでの期待度数は

160×(9,3,3,1)/16=(90, 30, 30, 10).160\times(9,3,3,1)/16=(90,\ 30,\ 30,\ 10).

X2=8290+(−2)230+(−5)230+(−1)210=0.7111+0.1333+0.8333+0.1000=1.778.X^2=\frac{8^2}{90}+\frac{(-2)^2}{30}+\frac{(-5)^2}{30}+\frac{(-1)^2}{10}=0.7111+0.1333+0.8333+0.1000=1.778 .

G2=2(98log⁡9890+28log⁡2830+25log⁡2530+9log⁡910)=1.815.G^2=2\left(98\log\frac{98}{90}+28\log\frac{28}{30}+25\log\frac{25}{30}+9\log\frac{9}{10}\right)=1.815 .

帰無仮説は単純仮説なので、自由度は k−1=3k-1=3 である。棄却限界 χ32(0.05)=7.815\chi^2_3(0.05)=7.815 をどちらも下回るので、帰無仮説は棄却しない。2つの統計量の値は近く、上の展開のとおりである。

例題 7.7 2×32\times3 分割表の独立性の検定 ★★

オリジナル2つの群 A、B の 140 人に3択の質問をして、次の度数を得た。回答の分布が群によらない(独立である)という仮説を有意水準 0.05 で検定せよ。

選択肢1選択肢2選択肢3計
A30201060
B20303080
計505040140
解答

期待度数 E^ij=Ni⋅N⋅j/140\hat E_{ij}=N_{i\cdot}N_{\cdot j}/140 は、行ごとに次のとおりである。

A 行: 60×(50,50,40)/140=(21.43, 21.43, 17.14),B 行: 80×(50,50,40)/140=(28.57, 28.57, 22.86).\begin{aligned}\text{A 行}&:\ 60\times(50,50,40)/140=(21.43,\ 21.43,\ 17.14),\\ \text{B 行}&:\ 80\times(50,50,40)/140=(28.57,\ 28.57,\ 22.86).\end{aligned}

X2=8.571221.43+1.429221.43+7.143217.14+8.571228.57+1.429228.57+7.143222.86=3.429+0.095+2.976+2.571+0.071+2.232=11.375.\begin{aligned}X^2&=\frac{8.571^2}{21.43}+\frac{1.429^2}{21.43}+\frac{7.143^2}{17.14}+\frac{8.571^2}{28.57}+\frac{1.429^2}{28.57}+\frac{7.143^2}{22.86}\\ &=3.429+0.095+2.976+2.571+0.071+2.232=11.375 .\end{aligned}

自由度は (2−1)(3−1)=2(2-1)(3-1)=2 である。棄却限界 χ22(0.05)=5.991\chi^2_2(0.05)=5.991 を上回るので、独立性の仮説を棄却する(pp 値は約 0.0034)。

偏差 Nij−E^ijN_{ij}-\hat E_{ij} は、行ごとに和が 0、列ごとにも和が 0 になっている。自由に決められる偏差が 2 個だけであることが、自由度 2 の意味である。

確認テスト

オリジナル

  1. 7.4-1 次の2つの検定のそれぞれで、Pearson の統計量の自由度を答えよ。

    1. (a) 3×43\times4 分割表の独立性の検定。
    2. (b) 6 つのカテゴリに分けた度数にポアソン分布を当てはめ、λ\lambda を推定する適合度検定。
  2. 7.4-2 2×22\times2 分割表の度数を (abcd)\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix} とする。総数を n=a+b+c+dn=a+b+c+d とする。独立性の検定の統計量が

X2=n(ad−bc)2(a+b)(c+d)(a+c)(b+d)X^2=\frac{n(ad-bc)^2}{(a+b)(c+d)(a+c)(b+d)}

と書けることを示せ。また次の度数のときの値を求めて、有意水準 0.05 で判定せよ。

a=20,b=10,c=15,d=25.a=20,\qquad b=10,\qquad c=15,\qquad d=25. 3. 7.4-3 100 個の観測を値で分類したところ、0 が 30 個、1 が 40 個、2 が 20 個、3 以上が 10 個(その 10 個の合計は 40)であった。ポアソン分布への当てはまりを、λ\lambda を標本平均で推定して有意水準 0.05 で検定せよ。4. 7.4-4 カテゴリが2つのとき、Pearson の X2X^2 は二項分布 N1∼Bin(n,p0)N_1\sim\mathrm{Bin}(n,p_0) の標準化の2乗に等しいことを示せ。標準化とは次の量である。

Z=N1−np0np0(1−p0).Z=\frac{N_1-np_0}{\sqrt{np_0(1-p_0)}}.

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『資格試験』の記事一覧へ