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検定方式の評価

2026年10月15日16分で読めますAI生成教科書『資格試験』第7章 統計的仮説検定
目次
  1. 最強力検定と Neyman–Pearson の基本定理
  2. 単調尤度比と一様最強力検定
  3. 両側検定と不偏性
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

数理統計 第7章 §7.5 ★★★ Neyman–Pearson の基本定理・単調尤度比と一様最強力検定・不偏性。2025年 統計数理 問4 の題材に直結

§7.3 の尤度比検定は統計量を作る手続きで、それが最良かどうかは別の問題である。この節では「同じ水準の検定の中で検出力が最大」という基準を定め、その最良の検定を構成する。

最強力検定と Neyman–Pearson の基本定理

定義 7.10(最強力検定・一様最強力検定)

単純仮説どうしの検定 H0:θ=θ0 対 H1:θ=θ1H_0:\theta=\theta_0\ \text{対}\ H_1:\theta=\theta_1 を考える。水準 α\alpha の検定 φ∗\varphi^* が、同じ水準の任意の検定に対して

Eθ1[φ∗]≥Eθ1[φ]E_{\theta_1}[\varphi^*]\ge E_{\theta_1}[\varphi]

を満たすとき、φ∗\varphi^* を最強力検定(MP 検定)と呼ぶ。

対立仮説が複合仮説 Θ1\Theta_1 のときは、その全体で同時に次が成り立つ水準 α\alpha の検定を一様最強力検定(UMP 検定)と呼ぶ。

Eθ[φ∗]≥Eθ[φ](水準 α の任意の検定 φ).E_\theta[\varphi^*]\ge E_\theta[\varphi]\qquad(\text{水準}\ \alpha\ \text{の任意の検定}\ \varphi).

帰無仮説と対立仮説のもとでのデータの密度を、それぞれ f0f_0、f1f_1 と書く(離散なら確率関数)。

定理 7.11(Neyman–Pearson の基本定理 ★★★)

0<α<10<\alpha<1 とする。

  1. (存在)定数 k≥0k\ge0 と γ∈[0,1]\gamma\in[0,1] をうまく選ぶと、

φ∗(x)={1(f1(x)>kf0(x))γ(f1(x)=kf0(x))0(f1(x)<kf0(x))(7.14)\varphi^*(\bm x)=\begin{cases}1&(f_1(\bm x)>kf_0(\bm x))\\ \gamma&(f_1(\bm x)=kf_0(\bm x))\\ 0&(f_1(\bm x)<kf_0(\bm x))\end{cases}\tag{7.14}

のサイズ E0[φ∗]E_0[\varphi^*] をちょうど α\alpha にできる。2. (十分性)ある k≥0k\ge0 について次の2条件を満たし、サイズがちょうど α\alpha である検定を考える。これは同じ水準の最強力検定である。

f1>kf0 の点で φ∗=1,f1<kf0 の点で φ∗=0.f_1>kf_0\ \text{の点で}\ \varphi^*=1,\qquad f_1<kf_0\ \text{の点で}\ \varphi^*=0. 3. (必要性)k>0k>0 とする。水準 α\alpha の最強力検定は、集合 {f1≠kf0}\{f_1\ne kf_0\} の上でほとんど至るところ (1) の検定と一致する。

証明

(1) 尤度比 Λ1(X)=f1(X)/f0(X)\Lambda_1(\bm X)=f_1(\bm X)/f_0(\bm X) の、帰無仮説のもとでの分布を考える。f0=0f_0=0 の点は帰無仮説のもとで確率 0 なので無視してよい。次のようにおく。

G(t)=P0(Λ1>t).G(t)=P_0(\Lambda_1>t).

関数 GG は右連続な減少関数で、t→∞t\to\infty で 0 に近づく。また G(0−)=1G(0^-)=1 である。k=inf⁡{t≥0:G(t)≤α}k=\inf\{t\ge0:G(t)\le\alpha\} とすると

G(k)≤α≤G(k−)=P0(Λ1≥k).G(k)\le\alpha\le G(k^-)=P_0(\Lambda_1\ge k).

γ\gamma は、境目の確率 P0(Λ1=k)=G(k−)−G(k)P_0(\Lambda_1=k)=G(k^-)-G(k) が正かどうかで決める。

  • 正なら γ=(α−G(k))/P0(Λ1=k)\gamma=(\alpha-G(k))/P_0(\Lambda_1=k) とおく。これは [0,1][0,1] に入る。
  • 0 なら γ=0\gamma=0 とおく。

どちらの場合も E0[φ∗]=G(k)+γP0(Λ1=k)=αE_0[\varphi^*]=G(k)+\gamma P_0(\Lambda_1=k)=\alpha となる。

(2) φ\varphi を水準 α\alpha の任意の検定とする。点ごとに次が成り立つ。

  • f1>kf0f_1>kf_0 の点では φ∗=1≥φ\varphi^*=1\ge\varphi。
  • f1<kf0f_1<kf_0 の点では φ∗=0≤φ\varphi^*=0\le\varphi。

よってどの点でも (φ∗−φ)(f1−kf0)≥0(\varphi^*-\varphi)(f_1-kf_0)\ge0 である。積分して

0≤∫(φ∗−φ)(f1−kf0) dx=(E1[φ∗]−E1[φ])−k(E0[φ∗]−E0[φ]).(7.15)0\le\int(\varphi^*-\varphi)(f_1-kf_0)\,\mathrm{d}\bm x=\bigl(E_1[\varphi^*]-E_1[\varphi]\bigr)-k\bigl(E_0[\varphi^*]-E_0[\varphi]\bigr).\tag{7.15}

ここで E0[φ∗]=α≥E0[φ]E_0[\varphi^*]=\alpha\ge E_0[\varphi] かつ k≥0k\ge0 なので、右辺の第2項で引く量は 0 以上である。よって E1[φ∗]≥E1[φ]E_1[\varphi^*]\ge E_1[\varphi]。

(3) φ\varphi も最強力なら E1[φ]=E1[φ∗]E_1[\varphi]=E_1[\varphi^*] である。このとき (7.15) の右辺は −k(α−E0[φ])≤0-k(\alpha-E_0[\varphi])\le0 となる。左辺の 0≤0\le と合わせて、積分は 0 である。被積分関数は非負なので、ほとんど至るところ

(φ∗−φ)(f1−kf0)=0(\varphi^*-\varphi)(f_1-kf_0)=0

が成り立つ。すなわち f1≠kf0f_1\ne kf_0 の点では φ=φ∗\varphi=\varphi^*。

定理の使い方は決まっている。

  1. 尤度比 f1/f0f_1/f_0 を計算し、それが十分統計量 TT の単調増加関数になっていることを確かめる。
  2. すると「f1/f0>kf_1/f_0>k」は「T>cT>c」と同値になる。最強力検定は、T>cT>c なら棄却し、境目では確率 γ\gamma で棄却する形になる。
  3. 帰無仮説のもとでの統計量の分布から、サイズが指定の水準になるように cc と γ\gamma を決める。

TT が連続分布なら P0(T=c)=0P_0(T=c)=0 なので、確率化は不要である。離散分布なら一般に確率化が必要になる。

正規平均

正規分布 N(μ,1)\mathrm{N}(\mu,1) の標本で、H0:μ=0 対 H1:μ=μ1 (μ1>0)H_0:\mu=0\ \text{対}\ H_1:\mu=\mu_1\ (\mu_1>0) とする。尤度比

f1f0=exp⁡ ⁣(μ1∑xi−nμ122)\frac{f_1}{f_0}=\exp\!\left(\mu_1\sum x_i-\frac{n\mu_1^2}{2}\right)

は標本平均の増加関数なので、最強力検定は Xˉ>zα/n\bar X>z_\alpha/\sqrt n で棄却する。この棄却域は対立仮説の値 μ1\mu_1 によらない。

単調尤度比と一様最強力検定

上の例では、最強力検定の棄却域が μ1\mu_1 によらなかった。これが起きる条件を一般化したものが単調尤度比である。

定義 7.12(単調尤度比)

1次元のパラメータをもつ分布族 {f(x;θ)}\{f(\bm x;\theta)\} と、統計量 T(x)T(\bm x) を考える。任意の θ1<θ2\theta_1<\theta_2 に対して、比

f(x;θ2)f(x;θ1)\frac{f(\bm x;\theta_2)}{f(\bm x;\theta_1)}

が T(x)T(\bm x) の非減少関数になるとき、分布族は TT について単調尤度比(MLR)をもつという。分母が 0 で分子が正の点では、比を +∞+\infty とみなす。

1母数の指数型分布族を例にとる。

f(x;θ)=h(x)exp⁡{η(θ)T(x)−A(θ)}f(\bm x;\theta)=h(\bm x)\exp\{\eta(\theta)T(\bm x)-A(\theta)\}

で、η\eta が増加関数とする。このとき比は

exp⁡{(η(θ2)−η(θ1))T(x)−(A(θ2)−A(θ1))}\exp\{(\eta(\theta_2)-\eta(\theta_1))T(\bm x)-(A(\theta_2)-A(\theta_1))\}

で、TT の増加関数なので MLR をもつ。正規・二項・ポアソン・指数分布はすべてこの形である。

定理 7.13(Karlin–Rubin の定理 ★★★)

分布族が TT について MLR をもつとする。仮説 H0:θ≤θ0 対 H1:θ>θ0H_0:\theta\le\theta_0\ \text{対}\ H_1:\theta>\theta_0 に対し、次の検定を考える。

φ(x)={1(T(x)>c)γ(T(x)=c)0(T(x)<c),Eθ0[φ]=α\varphi(\bm x)=\begin{cases}1&(T(\bm x)>c)\\ \gamma&(T(\bm x)=c)\\ 0&(T(\bm x)<c)\end{cases},\qquad E_{\theta_0}[\varphi]=\alpha

これは水準 α\alpha の一様最強力検定である。さらに検出力関数 β(θ)=Eθ[φ]\beta(\theta)=E_\theta[\varphi] は非減少である。

証明

準備。任意の θ′<θ′′\theta'<\theta'' をとる。

検定 φ\varphi が、単純仮説 θ′ 対 θ′′\theta'\ \text{対}\ \theta'' の Neyman–Pearson 型の検定であることを示す。比 f(x;θ′′)/f(x;θ′)f(\bm x;\theta'')/f(\bm x;\theta') は統計量の値だけで決まるので、その関数を rr と書く。これは非減少関数なので、k=r(c)k=r(c) とおくと次が成り立つ。

  • f(⋅;θ′′)>kf(⋅;θ′)f(\cdot;\theta'')>kf(\cdot;\theta') なら r(T)>r(c)r(T)>r(c) である。よって T>cT>c で、φ=1\varphi=1。
  • f(⋅;θ′′)<kf(⋅;θ′)f(\cdot;\theta'')<kf(\cdot;\theta') なら T<cT<c で、検定関数は 0。

したがって定理 7.11(2) より、φ\varphi は同じサイズの検定の中で、点 θ′′\theta'' での検出力が最大となる。

残りを3段で示す。

  1. 検出力の単調性。定数の検定 φ0≡β(θ′)\varphi_0\equiv\beta(\theta') もサイズ β(θ′)\beta(\theta') をもつ。準備の結果から

β(θ′′)=Eθ′′[φ]≥Eθ′′[φ0]=β(θ′).\beta(\theta'')=E_{\theta''}[\varphi]\ge E_{\theta''}[\varphi_0]=\beta(\theta'). 2. 水準。検出力関数が非減少なので、次が成り立つ。よって φ\varphi は水準 α\alpha の検定である。

sup⁡θ≤θ0β(θ)=β(θ0)=α.\sup_{\theta\le\theta_0}\beta(\theta)=\beta(\theta_0)=\alpha. 3. 一様最強力性。ψ\psi を水準 α\alpha の任意の検定とする。特に Eθ0[ψ]≤αE_{\theta_0}[\psi]\le\alpha である。任意の θ1>θ0\theta_1>\theta_0 をとる。準備の結果を θ′=θ0\theta'=\theta_0、θ′′=θ1\theta''=\theta_1 に使う。すると Eθ1[φ]≥Eθ1[ψ]E_{\theta_1}[\varphi]\ge E_{\theta_1}[\psi] を得る。θ1\theta_1 は任意なので φ\varphi は一様最強力である。

対立仮説が H1:θ<θ0H_1:\theta<\theta_0 の向きでは、不等号を逆にした「T<cT<c で棄却」が一様最強力になる。

両側検定と不偏性

両側の問題 H0:μ=μ0 対 H1:μ≠μ0H_0:\mu=\mu_0\ \text{対}\ H_1:\mu\ne\mu_0 では、一様最強力検定は存在しない。理由は次のとおりである。

  • μ1>μ0\mu_1>\mu_0 に対する最強力検定は、右側の棄却域をもつ。
  • μ1<μ0\mu_1<\mu_0 に対する最強力検定は、左側の棄却域をもつ。

定理 7.11(3) によりどちらも本質的に一意だから、両方を同時に満たす検定がない(確認テスト 7.5-5)。

図 7.2 の右片側検定は、μ>0\mu>0 で最も検出力が高い。しかし μ<0\mu<0 では検出力が α\alpha より小さくなる。これは「対立仮説が正しいときに、帰無仮説が正しいときよりも棄却しにくい」という不自然な性質である。

定義 7.14(不偏検定・一致性)

水準 α\alpha の検定で、次を満たすものを不偏検定と呼ぶ。

β(θ)≥α(すべての θ∈Θ1).\beta(\theta)\ge\alpha\qquad(\text{すべての}\ \theta\in\Theta_1).

標本の大きさ nn の検定の列 φn\varphi_n が次を満たすとき、一致性をもつという。

βn(θ)→1(n→∞)(すべての θ∈Θ1).\beta_n(\theta)\to1\quad(n\to\infty)\qquad(\text{すべての}\ \theta\in\Theta_1).

不偏検定に範囲を絞ると最良のものが存在する場合があり、それを一様最強力不偏検定(UMPU 検定)と呼ぶ。正規分布の両側 zz 検定、両側 tt 検定はUMPU 検定であることが知られている(証明は指数型分布族の条件付き検定の議論を使うので省く)。両側 zz 検定が不偏であることは確認テスト 7.2-4 で示した。

図

図 7.2 n=16n=16 の N(μ,1)\mathrm{N}(\mu,1) 標本で H0:μ=0H_0:\mu=0 を水準 0.05 で検定するときの検出力関数。実線は右片側検定 Xˉ>z0.05/4\bar X>z_{0.05}/4、破線は両側検定 ∣Xˉ∣>z0.025/4\lvert \bar X\rvert >z_{0.025}/4。右片側検定は μ>0\mu>0 で両側検定より検出力が高いが、μ<0\mu<0 では 0.05 を下回る。両側検定は μ=0\mu=0 で最小値 0.05 をとる不偏検定である。

例題 7.8 ポアソン分布の最強力検定と確率化 ★★★

オリジナルX1,…,X4X_1,\dots,X_4 は独立に Po(λ)\mathrm{Po}(\lambda) に従う。H0:λ=0.5 対 H1:λ=1H_0:\lambda=0.5\ \text{対}\ H_1:\lambda=1 の有意水準 0.05 の最強力検定を求め、その検出力を求めよ。また、この検定が H0:λ≤0.5 対 H1:λ>0.5H_0:\lambda\le0.5\ \text{対}\ H_1:\lambda>0.5 の一様最強力検定でもあることを説明せよ。

解答

T=∑i=14XiT=\sum_{i=1}^4X_i とおく。尤度比は

f1(x)f0(x)=∏i=14e−11xi/xi!e−0.50.5xi/xi!=e−2⋅2T\frac{f_1(\bm x)}{f_0(\bm x)}=\prod_{i=1}^4\frac{e^{-1}1^{x_i}/x_i!}{e^{-0.5}0.5^{x_i}/x_i!}=e^{-2}\cdot2^{T}

で、TT の増加関数である。定理 7.11 より、最強力検定は T>cT>c で棄却し、境目では確率 γ\gamma で棄却する形になる。ポアソン分布の再生性から、帰無仮説のもとで T∼Po(2)T\sim\mathrm{Po}(2)。

P0(T≥5)=1−e−2(1+2+2+43+23)=1−7e−2=0.05265,P_0(T\ge5)=1-e^{-2}\left(1+2+2+\tfrac43+\tfrac23\right)=1-7e^{-2}=0.05265,

P0(T≥6)=P0(T≥5)−P0(T=5)=0.05265−e−2255!=0.05265−0.03609=0.01656.P_0(T\ge6)=P_0(T\ge5)-P_0(T=5)=0.05265-e^{-2}\tfrac{2^5}{5!}=0.05265-0.03609=0.01656 .

P0(T≥6)<0.05<P0(T≥5)P_0(T\ge6)<0.05<P_0(T\ge5) なので、c=5c=5 とする。次の式を解いて γ\gamma を決める。

0.01656+γ×0.03609=0.05⟹γ=0.9265.0.01656+\gamma\times0.03609=0.05\quad\Longrightarrow\quad\gamma=0.9265 .

最強力検定は次のとおりである。

φ(T)={1(T≥6)0.9265(T=5)0(T≤4)\varphi(T)=\begin{cases}1&(T\ge6)\\ 0.9265&(T=5)\\ 0&(T\le4)\end{cases}

検出力は、H1H_1 のもとで T∼Po(4)T\sim\mathrm{Po}(4) なので

β=P1(T≥6)+γP1(T=5)=0.21487+0.9265×0.15629=0.3597.\beta=P_1(T\ge6)+\gamma P_1(T=5)=0.21487+0.9265\times0.15629=0.3597 .

後半:ポアソン分布の同時確率関数は

∏e−λλxixi!=(∏1xi!)exp⁡{Tlog⁡λ−4λ}\prod\frac{e^{-\lambda}\lambda^{x_i}}{x_i!}=\Bigl(\prod\frac{1}{x_i!}\Bigr)\exp\{T\log\lambda-4\lambda\}

である。η(λ)=log⁡λ\eta(\lambda)=\log\lambda は増加関数だから、TT について MLR をもつ。上の検定は TT の右側で棄却し、λ=0.5\lambda=0.5 でサイズ 0.05 である。よって定理 7.13 より一様最強力である。

例題 7.9 一様分布の上端の片側検定 ★★

オリジナルX1,…,XnX_1,\dots,X_n は独立に一様分布 U(0,θ)\mathrm{U}(0,\theta) に従う。H0:θ≤1 対 H1:θ>1H_0:\theta\le1\ \text{対}\ H_1:\theta>1 を考える。

  1. 分布族が X(n)=max⁡iXiX_{(n)}=\max_iX_i について MLR をもつことを示せ。
  2. 棄却域が {X(n)>c}\{X_{(n)}>c\} の形の、水準 α\alpha の一様最強力検定を考える。cc と検出力関数を求めよ。
  3. 標本の大きさ 5、水準 0.05 のとき、θ=1.2\theta=1.2 での検出力を求めよ。また θ=1.2\theta=1.2 での検出力を 0.9 以上にする最小の nn を求めよ。
解答
  1. すべての xi≥0x_i\ge0 のもとで、同時密度は f(x;θ)=θ−n1{x(n)≤θ}f(\bm x;\theta)=\theta^{-n}\bm 1\{x_{(n)}\le\theta\} である。θ1<θ2\theta_1<\theta_2 に対して

f(x;θ2)f(x;θ1)={(θ1/θ2)n(x(n)≤θ1)+∞(θ1<x(n)≤θ2)\frac{f(\bm x;\theta_2)}{f(\bm x;\theta_1)}=\begin{cases}(\theta_1/\theta_2)^n&(x_{(n)}\le\theta_1)\\ +\infty&(\theta_1<x_{(n)}\le\theta_2)\end{cases}

で、x(n)x_{(n)} について非減少である(x(n)>θ2x_{(n)}>\theta_2 はどちらの密度も 0 で考えなくてよい)。2. 最大値の分布関数は Pθ(X(n)≤x)=(x/θ)nP_\theta(X_{(n)}\le x)=(x/\theta)^n(0≤x≤θ0\le x\le\theta)である。境界 θ=1\theta=1 でのサイズは 1−cn1-c^n なので

1−cn=α⟹c=(1−α)1/n.1-c^n=\alpha\quad\Longrightarrow\quad c=(1-\alpha)^{1/n}.

定理 7.13 より一様最強力で、検出力関数は

β(θ)={0(θ≤c)1−(c/θ)n=1−(1−α)θ−n(θ>c).\beta(\theta)=\begin{cases}0&(\theta\le c)\\ 1-(c/\theta)^n=1-(1-\alpha)\theta^{-n}&(\theta>c)\end{cases}. 3. 検出力は β(1.2)=1−0.95/1.25=1−0.95/2.48832=0.618\beta(1.2)=1-0.95/1.2^5=1-0.95/2.48832=0.618。必要な標本の大きさは次のように求める。

1−0.95/1.2n≥0.9  ⟺  1.2n≥9.5  ⟺  n≥log⁡9.5/log⁡1.2=12.35.\begin{aligned}1-0.95/1.2^n\ge0.9 &\iff 1.2^n\ge9.5\\ &\iff n\ge\log9.5/\log1.2=12.35 .\end{aligned}

よって最小の nn は 13。

確認テスト

オリジナル

  1. 7.5-1 右片側 zz 検定は Xˉ>μ0+zασ/n\bar X>\mu_0+z_\alpha\sigma/\sqrt n で棄却する。これを両側の問題 H0:μ=μ0 対 H1:μ≠μ0H_0:\mu=\mu_0\ \text{対}\ H_1:\mu\ne\mu_0 に使うと、不偏検定にならない。その理由を1行で答えよ。
  2. 7.5-2 1個の観測 XX について、次の2つの仮説を考える(どちらも 0<x<10<x<1 上の密度)。

H0: f0(x)=1,H1: f1(x)=2x.H_0:\ f_0(x)=1,\qquad H_1:\ f_1(x)=2x.

水準 α\alpha の最強力検定を求め、検出力を α\alpha の式で表せ。水準 0.05 での値も求めよ。3. 7.5-3 X1,…,X5X_1,\dots,X_5 は独立に指数分布 Ex(1/θ)\mathrm{Ex}(1/\theta) に従う。平均は θ\theta である。仮説 H0:θ≤2 対 H1:θ>2H_0:\theta\le2\ \text{対}\ H_1:\theta>2 の水準 0.05 の一様最強力検定を求めよ。また θ=4\theta=4 での検出力を求めよ。4. 7.5-4 両側 zz 検定(確認テスト 7.2-4 の検定)が一致性をもつことを示せ。5. 7.5-5 N(μ,1)\mathrm{N}(\mu,1) の標本で、仮説 H0:μ=0 対 H1:μ≠0H_0:\mu=0\ \text{対}\ H_1:\mu\ne0 を考える。水準 α\alpha の一様最強力検定が存在しないことを、定理 7.11(3) を用いて示せ。

木下の勉強ステータス

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