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分散分析と変量効果モデル

2026年10月15日11分で読めますAI生成教科書『資格試験』第9章 線形回帰モデル
目次
  1. 一元配置の分散分析は線形モデル
  2. 変量効果モデル
  3. 確認テスト
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

数理統計 第9章 §9.5 ★★ 一元配置を線形モデルとして FF 検定を導き、期待平均平方から変量効果の分散成分を推定する

一元配置の分散分析は線形モデル

kk 個の群(処理)があるとする。群 ii の観測を Yi1,…,YiniY_{i1},\dots,Y_{in_i} とする。全観測数を N=∑niN=\sum n_i とする。モデル

Yij=μi+εij,εij は独立に N(0,σ2)(9.17)Y_{ij}=\mu_i+\varepsilon_{ij},\qquad \varepsilon_{ij}\ \text{は独立に}\ \mathrm{N}(0,\sigma^2)\tag{9.17}

は、群の指示変数を列にもつ N×kN\times k の計画行列による線形モデルである。X⊤X=diag(n1,…,nk)X^\top X=\mathrm{diag}(n_1,\dots,n_k) なので、推定値は群平均 μ^i=Yˉi⋅\hat\mu_i=\bar Y_{i\cdot} である。残差平方和は群内平方和

Se=∑i=1k∑j=1ni(Yij−Yˉi⋅)2,Se/σ2∼χN−k2S_e=\sum_{i=1}^k\sum_{j=1}^{n_i}(Y_{ij}-\bar Y_{i\cdot})^2,\qquad S_e/\sigma^2\sim\chi^2_{N-k}

である(定理 9.6 で p=kp=k)。帰無仮説 H0:μ1=⋯=μkH_0:\mu_1=\dots=\mu_k のモデルは切片だけのモデルである。その残差平方和は総平方和 ST=∑∑(Yij−Yˉ)2S_T=\sum\sum(Y_{ij}-\bar Y)^2 である。差 SA=ST−SeS_A=S_T-S_e は

SA=∑i=1kni(Yˉi⋅−Yˉ)2S_A=\sum_{i=1}^kn_i(\bar Y_{i\cdot}-\bar Y)^2

で(確認テスト 9.5-1)、群間平方和と呼ばれる。定理 9.7(q=k−1q=k-1)から、H0H_0 のもとで

F0=SA/(k−1)Se/(N−k)=VAVe∼Fk−1, N−k(9.18)F_0=\frac{S_A/(k-1)}{S_e/(N-k)}=\frac{V_A}{V_e}\sim F_{k-1,\,N-k}\tag{9.18}

を得る。これが分散分析の FF 検定である。分散分析表は、次の2つの分解を並べた表である。

ST=SA+Se,N−1=(k−1)+(N−k).S_T=S_A+S_e,\qquad N-1=(k-1)+(N-k) .

二元配置や直交配列表の解析も、計画行列を変えて同じ定理を使ったものであり、手順の詳細は実験計画法の解説で扱う。

H0H_0 が成り立たないときの SAS_A の期待値は、

E[SA]=(k−1)σ2+∑i=1kni(μi−μˉ)2,μˉ=1N∑i=1kniμi(9.19)E[S_A]=(k-1)\sigma^2+\sum_{i=1}^kn_i(\mu_i-\bar\mu)^2,\qquad \bar\mu=\frac1N\sum_{i=1}^kn_i\mu_i\tag{9.19}

である(確認テスト 9.5-2)。VeV_e の期待値は σ2\sigma^2 である。よって F0F_0 が1より大きく出ることは、群間の差の証拠になる。

変量効果モデル

群が「たまたま選ばれた製造ロット」や「無作為に選んだ測定者」のように、もっと大きな母集団から抽出されたものであることがある。知りたいものが個々のロットの平均ではなくロット間のばらつきの大きさであるときは、群ごとの効果を固定した母数ではなく確率変数とみなす。各群の観測数がそろっている(ni=nn_i=n)場合を扱う。

定義 9.12(一元配置の変量効果モデル)

Yij=μ+Ai+εij(i=1,…,k; j=1,…,n),Y_{ij}=\mu+A_i+\varepsilon_{ij}\qquad(i=1,\dots,k;\ j=1,\dots,n),

Ai∼N(0,σA2)A_i\sim\mathrm{N}(0,\sigma_A^2)、εij∼N(0,σ2)\varepsilon_{ij}\sim\mathrm{N}(0,\sigma^2) とし、これらはすべて独立とする。σA2\sigma_A^2 と σ2\sigma^2 を分散成分と呼ぶ。

このモデルでは V[Yij]=σA2+σ2V[Y_{ij}]=\sigma_A^2+\sigma^2 である。同じ群の2つの観測は相関をもつ。

Cov(Yij,Yij′)=σA2(j≠j′),ρI=σA2σA2+σ2.\mathrm{Cov}(Y_{ij},Y_{ij'})=\sigma_A^2\quad(j\neq j'),\qquad \rho_I=\frac{\sigma_A^2}{\sigma_A^2+\sigma^2} .

この相関係数 ρI\rho_I を級内相関係数という(確認テスト 9.5-3)。

定理 9.13(変量効果モデルの平方和の分布 ★★)

定義 9.12 のモデルで、次のようにおく。

SA=n∑i(Yˉi⋅−Yˉ)2,Se=∑i∑j(Yij−Yˉi⋅)2,VA=SAk−1,Ve=Sek(n−1).S_A=n\sum_i(\bar Y_{i\cdot}-\bar Y)^2,\quad S_e=\sum_i\sum_j(Y_{ij}-\bar Y_{i\cdot})^2,\quad V_A=\frac{S_A}{k-1},\quad V_e=\frac{S_e}{k(n-1)} .

このとき次が成り立つ。

  1. 次の2つが成り立ち、両者は独立である。

SAσ2+nσA2∼χk−12,Seσ2∼χk(n−1)2.\frac{S_A}{\sigma^2+n\sigma_A^2}\sim\chi^2_{k-1},\qquad \frac{S_e}{\sigma^2}\sim\chi^2_{k(n-1)} . 2. とくに E[VA]=σ2+nσA2E[V_A]=\sigma^2+n\sigma_A^2、E[Ve]=σ2E[V_e]=\sigma^2。

証明

群平均は Yˉi⋅=μ+Ai+εˉi⋅\bar Y_{i\cdot}=\mu+A_i+\bar\varepsilon_{i\cdot} である。これらは群ごとに独立に N(μ,σA2+σ2/n)\mathrm{N}(\mu,\sigma_A^2+\sigma^2/n) に従う。正規標本の標本分散の定理(第5章 §5.2)を kk 個の群平均に使うと

∑i(Yˉi⋅−Yˉ)2σA2+σ2/n∼χk−12.\frac{\sum_i(\bar Y_{i\cdot}-\bar Y)^2}{\sigma_A^2+\sigma^2/n}\sim\chi^2_{k-1} .

両辺に nn を掛けた形に直せば第1の主張になる。

群内の偏差は Yij−Yˉi⋅=εij−εˉi⋅Y_{ij}-\bar Y_{i\cdot}=\varepsilon_{ij}-\bar\varepsilon_{i\cdot} で、AiA_i が消える。群 ii の中で同じ定理を使うと

∑j(εij−εˉi⋅)2σ2∼χn−12\frac{\sum_j(\varepsilon_{ij}-\bar\varepsilon_{i\cdot})^2}{\sigma^2}\sim\chi^2_{n-1}

で、これは εˉi⋅\bar\varepsilon_{i\cdot} と独立である。群どうしは独立なので、和をとって Se/σ2∼χk(n−1)2S_e/\sigma^2\sim\chi^2_{k(n-1)}。

さらに、SeS_e は {εij−εˉi⋅}\{\varepsilon_{ij}-\bar\varepsilon_{i\cdot}\} だけの関数である。SAS_A は {Ai,εˉi⋅}\{A_i,\bar\varepsilon_{i\cdot}\} だけの関数である。この2組は独立なので、SAS_A と SeS_e は独立である。期待値は χ2\chi^2 の平均が自由度に等しいことから出る。

この定理から3つのことが従う。

  1. H0:σA2=0H_0:\sigma_A^2=0 の検定統計量は、固定効果と同じ F0=VA/VeF_0=V_A/V_e である。H0H_0 のもとで Fk−1,k(n−1)F_{k-1,k(n-1)} に従う。
  2. 期待平均平方を連立させた分散分析推定量

σ^2=Ve,σ^A2=VA−Ven(9.20)\hat\sigma^2=V_e,\qquad \hat\sigma_A^2=\frac{V_A-V_e}{n}\tag{9.20}

は不偏である。ただし VA<VeV_A<V_e のとき σ^A2\hat\sigma_A^2 は負になる。そのときは0と報告するのが普通だが、そうすると不偏性は失われる。3. θ=σA2/σ2\theta=\sigma_A^2/\sigma^2 とおくと、次の量は θ\theta だけに依存するピボットである。

F01+nθ=SA/{(σ2+nσA2)(k−1)}Se/{σ2k(n−1)}∼Fk−1, k(n−1)\frac{F_0}{1+n\theta}=\frac{S_A/\{(\sigma^2+n\sigma_A^2)(k-1)\}}{S_e/\{\sigma^2k(n-1)\}}\sim F_{k-1,\,k(n-1)}

よって分散の比 θ\theta の正確な信頼区間が作れる(確認テスト 9.5-4)。

固定効果と変量効果の違い

平方和の計算と F0F_0 の値は2つのモデルで同じである。違いは結論の範囲にある。

  • 固定効果では「この kk 個の群の平均に差があるか」を問う。
  • 変量効果では「群を取り出したもとの母集団にばらつきがあるか」を問う。

期待平均平方も、固定効果の ∑ni(μi−μˉ)2/(k−1)\sum n_i(\mu_i-\bar\mu)^2/(k-1) が、変量効果では nσA2n\sigma_A^2 に置き換わる。二元配置で一方の因子だけが変量のときは、FF の分母にどの平均平方を使うかがこの違いで変わる。

例題 9.6 ロット間変動の分散成分 ★★

オリジナルある部品を無作為に選んだ4つのロットから3個ずつ取り出し、特性値を測った。

ロット 110.210.810.5
ロット 211.611.111.9
ロット 39.810.19.5
ロット 410.911.411.2

定義 9.12 のモデルで分散分析表を作り、H0:σA2=0H_0:\sigma_A^2=0 を有意水準 5% で検定せよ(F3,8(0.05)=4.066F_{3,8}(0.05)=4.066)。さらに σ2, σA2\sigma^2,\ \sigma_A^2 と級内相関係数を推定せよ。

解答

群平均は 10.5, 11.5333, 9.8, 11.166710.5,\ 11.5333,\ 9.8,\ 11.1667、総平均は yˉ=10.75\bar y=10.75。

SA=3{(−0.25)2+0.78332+(−0.95)2+0.41672}=3×1.7522=5.2567.S_A=3\{(-0.25)^2+0.7833^2+(-0.95)^2+0.4167^2\}=3\times1.7522=5.2567 .

群内の偏差の2乗和は、ロット1から順に 0.18、0.3267、0.18、0.1267 で、Se=0.8133S_e=0.8133。確かめとして ST=6.07=SA+SeS_T=6.07=S_A+S_e。

要因平方和自由度平均平方F0F_0
ロット間5.256731.752217.23
ロット内0.813380.10167
計6.070011

F0=17.23>4.066F_0=17.23>4.066 なので H0H_0 を棄却し、ロット間にばらつきがあると判断する。分散成分は

σ^2=0.1017,σ^A2=1.7522−0.10173=0.5502,ρ^I=0.55020.5502+0.1017=0.844.\hat\sigma^2=0.1017,\qquad \hat\sigma_A^2=\frac{1.7522-0.1017}{3}=0.5502,\qquad \hat\rho_I=\frac{0.5502}{0.5502+0.1017}=0.844 .

特性値のばらつきの約8割がロット間の違いによる、と読める。

確認テスト

オリジナル

  1. 9.5-1 一元配置で ST=SA+SeS_T=S_A+S_e が成り立つことを、交差項

∑i∑j(Yˉi⋅−Yˉ)(Yij−Yˉi⋅)\sum_i\sum_j(\bar Y_{i\cdot}-\bar Y)(Y_{ij}-\bar Y_{i\cdot})

が0になることから示せ。2. 9.5-2 固定効果モデル (9.17) で、式 (9.19) の E[SA]E[S_A] を導け。3. 9.5-3 変量効果モデルで、次の2つを求めよ。

Cov(Yij,Yij′) (j≠j′),Cov(Yij,Yi′j′) (i≠i′).\mathrm{Cov}(Y_{ij},Y_{ij'})\ (j\neq j'),\qquad \mathrm{Cov}(Y_{ij},Y_{i'j'})\ (i\neq i') .

また、級内相関係数が σA2/(σA2+σ2)\sigma_A^2/(\sigma_A^2+\sigma^2) になることを示せ。4. 9.5-4 k=5, n=4k=5,\ n=4 の変量効果モデルで F0=VA/Ve=6.0F_0=V_A/V_e=6.0 を得た。θ=σA2/σ2\theta=\sigma_A^2/\sigma^2 の 95% 信頼区間を求めよ。F4,15(0.025)=3.804F_{4,15}(0.025)=3.804、F4,15(0.975)=0.1155F_{4,15}(0.975)=0.1155 とする。

木下の勉強ステータス

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