この章のまとめと試験での出方
AI 生成・木下が未勉強
数理統計 第10章 §10.6
この章では、推定量を損失関数 とリスク関数 で比べる枠組みを作った。リスクは の関数なので一様に最良な推定量は一般に無く、比べ方を4通りに分けた。
- 不偏推定量に限る。完備十分統計量の関数で不偏なものが、ただ1つの UMVUE になる(Rao–Blackwell・Lehmann–Scheffé)。
- 同変推定量に限る。位置母数族ではリスクが一定になり、尤度を正規化した平均である Pitman 推定量が最良になる。
- 事前分布で平均する。事後期待損失を最小にするベイズ推定量が得られ、2乗損失なら事後平均である。
- 最大リスクで比べる。リスクが一定のベイズ推定量(またはベイズ推定量の極限)がミニマックスになる。
一意なベイズ推定量は許容的である。逆に、3次元以上の正規平均では自然な推定量 が James–Stein 推定量に優越される。
1級の統計数理(90分で5問から3問を選択)では、この章の道具は次のような小問の連鎖で問われると考えられる。
- 同時確率関数を書く → 分解定理で十分統計量 を見つける → の分布を求め完備性を示す → 簡単な不偏推定量をそれで条件付けて UMVUE を得る → その分散を Cramér–Rao の下界と比べる。
- 共役事前分布で事後分布を書く → 2乗損失のベイズ推定量(事後平均)を求める → そのリスク関数を計算する → リスクが によらなくなる超母数を選ぶ → ミニマックス性を定理 10.16 で示す。
- 定数倍の族 の MSE を計算する → 最適な を求める → 不偏推定量が非許容的であることを示す。
- 位置母数族の尤度を書く → Pitman 推定量を積分で求める → そのリスクを順序統計量の分布から計算し、不偏推定量と比べる。
2025年の統計数理には、この章を主題とする大問は無かった。ただし 2025年 統計数理 問2 の題材(最小値統計量が十分統計量かを尤度の因数分解で判定)は、この章の UMVUE の連鎖の最初の小問と同じ手続きである。答案では、使う定理(Rao–Blackwell、Lehmann–Scheffé、ベイズ推定量の特徴付け)の名前と仮定を書き、完備性や不偏性の確認を省かないことが部分点の条件になる。
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