tecktom.com

ブートストラップ

2026年10月15日16分で読めますAI生成教科書『資格試験』第11章 計算統計学の方法
目次
  1. 経験分布とプラグイン原理
  2. ブートストラップ推定
  3. 標本平均と標本分散での厳密計算
  4. ジャックナイフ
  5. ブートストラップ信頼区間
  6. 確認テスト
  7. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

数理統計 第11章 §11.2 ★ 母集団分布を経験分布で置き換え、推定量の標準誤差・偏り・信頼区間を見積もる。標本平均や中央値なら経験分布から厳密に計算できる

経験分布とプラグイン原理

X1,…,XnX_1,\dots,X_n が分布関数 FF から独立に得られたとする。実現値を x1,…,xnx_1,\dots,x_n とする。推定量 θ^=t(X1,…,Xn)\hat\theta=t(X_1,\dots,X_n) の標準誤差 VF[θ^]\sqrt{V_F[\hat\theta]} は母集団の分布に依存する。そのため FF が未知なら計算できない。

標本平均なら標準誤差は σ/n\sigma/\sqrt n なので、σ\sigma を推定すればよい。θ^\hat\theta が中央値や相関係数のような複雑な統計量だと、標準誤差の式自体が手に入らない。ブートストラップ法は、この FF を次の経験分布で置き換える。

定義 11.9(経験分布関数)

観測値 x1,…,xnx_1,\dots,x_n の各点に確率 1/n1/n を置いた離散分布を経験分布と呼び、その分布関数

F^n(x)=1n∑i=1n1{xi≤x}\hat F_n(x)=\frac1n\sum_{i=1}^n\bm 1\{x_i\le x\}

を経験分布関数と呼ぶ。

各 xx で nF^n(x)∼Bin(n,F(x))n\hat F_n(x)\sim\mathrm{Bin}(n,F(x)) である。よって F^n(x)\hat F_n(x) は F(x)F(x) の不偏推定量である。大数の法則により、これは F(x)F(x) に確率収束する。実は一様収束 sup⁡x∣F^n(x)−F(x)∣→0\sup_x\lvert \hat F_n(x)-F(x)\rvert \to0 も確率1で成り立つ(Glivenko–Cantelli の定理)。

母数が分布の汎関数 θ=T(F)\theta=T(F) で表されるとする。その分布を経験分布関数に置き換えたもの T(F^n)T(\hat F_n) をプラグイン推定量と呼ぶ。例を2つ挙げる。

  • 平均 T(F)=∫x dF(x)T(F)=\int x\,\mathrm{d} F(x) のプラグイン推定量は xˉ\bar x である。
  • 分散 T(F)=∫(x−μ)2 dF(x)T(F)=\int(x-\mu)^2\,\mathrm{d} F(x) のプラグイン推定量は

σ^2=1n∑i=1n(xi−xˉ)2(11.7)\hat\sigma^2=\frac1n\sum_{i=1}^n(x_i-\bar x)^2\tag{11.7}

である。除数が nn なので、不偏分散 S2S^2 とは違う。両者には σ^2=n−1nS2\hat\sigma^2=\frac{n-1}nS^2 の関係がある。

ブートストラップ推定

推定量 θ^\hat\theta の分散 VF[θ^]V_F[\hat\theta] も、分布の汎関数である。そのプラグイン推定量 VF^n[θ^]V_{\hat F_n}[\hat\theta] が作れる。これがブートストラップ推定である。

定義 11.10(ブートストラップ標本とブートストラップ推定)

観測値を固定し、経験分布 F^n\hat F_n から独立に nn 個を取り出す(観測値からの復元抽出)。得られた X1∗,…,Xn∗X_1^\ast,\dots,X_n^\ast をブートストラップ標本と呼ぶ。それから計算した θ^∗=t(X1∗,…,Xn∗)\hat\theta^\ast=t(X_1^\ast,\dots,X_n^\ast) の分布をブートストラップ分布と呼ぶ。この分布での期待値・分散を E∗E_\ast・V∗V_\ast と書く。θ^\hat\theta の標準誤差と偏りのブートストラップ推定は

se^B=V∗[θ^∗],bias^B=E∗[θ^∗]−T(F^n)(11.8)\widehat{\mathrm{se}}_{\mathrm{B}}=\sqrt{V_\ast[\hat\theta^\ast]},\qquad \widehat{\mathrm{bias}}_{\mathrm{B}}=E_\ast[\hat\theta^\ast]-T(\hat F_n)\tag{11.8}

である。偏りを引いた θ^−bias^B\hat\theta-\widehat{\mathrm{bias}}_{\mathrm{B}} を偏り修正推定量と呼ぶ。

偏りの定義 EF[θ^]−T(F)E_F[\hat\theta]-T(F) に現れる分布を、全部 F^n\hat F_n に置き換えたものが (11.8) の第2式である。θ^=T(F^n)\hat\theta=T(\hat F_n) のとき、偏り修正推定量は 2θ^−E∗[θ^∗]2\hat\theta-E_\ast[\hat\theta^\ast] になる。

ブートストラップ分布は nnn^n 通りの(順序を区別した)復元抽出に等確率 n−nn^{-n} を置いた離散分布なので、原理的には厳密に計算できる。nn が大きいと数えきれないので、実際には次のモンテカルロ近似を使う。

  1. 各 b=1,…,Bb=1,\dots,B について、観測値から復元抽出でブートストラップ標本を作り、θ^∗b\hat\theta^{\ast b} を計算する。
  2. θ^∗1,…,θ^∗B\hat\theta^{\ast1},\dots,\hat\theta^{\ast B} の標本標準偏差で、se^B\widehat{\mathrm{se}}_{\mathrm B} を近似する。その標本平均と θ^\hat\theta の差で、偏りを近似する。

この手続きには誤差が2つ重なっている。

  • 統計的な誤差:FF を F^n\hat F_n で置き換えたことによる。データを増やさない限り減らない。
  • モンテカルロ誤差:V∗V_\ast を BB 個の平均で近似したことによる。BB を増やせば、§11.1 の議論どおり 1/B1/\sqrt B で減る。

標準誤差の推定なら BB は数百、信頼区間の端点なら数千とすることが多い。

標本平均と標本分散での厳密計算

θ^\hat\theta が標本の積率で書けるとき、ブートストラップ分布の平均と分散は経験分布の積率から手で計算できる。1級で問われるとすればこの形である。ブートストラップ標本の各 Xi∗X_i^\ast は独立に経験分布に従うので

E∗[Xi∗]=1n∑j=1nxj=xˉ,V∗[Xi∗]=1n∑j=1n(xj−xˉ)2=σ^2(11.9)E_\ast[X_i^\ast]=\frac1n\sum_{j=1}^nx_j=\bar x,\qquad V_\ast[X_i^\ast]=\frac1n\sum_{j=1}^n(x_j-\bar x)^2=\hat\sigma^2\tag{11.9}

である。

命題 11.11(標本平均と標本分散のブートストラップ分布 ★★)

Xˉ∗=1n∑Xi∗\bar X^\ast=\frac1n\sum X_i^\ast、σ^∗2=1n∑(Xi∗−Xˉ∗)2\hat\sigma^{\ast2}=\frac1n\sum(X_i^\ast-\bar X^\ast)^2 とすると

E∗[Xˉ∗]=xˉ,V∗[Xˉ∗]=σ^2n,E∗[σ^∗2]=n−1nσ^2.(11.10)E_\ast[\bar X^\ast]=\bar x,\qquad V_\ast[\bar X^\ast]=\frac{\hat\sigma^2}{n},\qquad E_\ast[\hat\sigma^{\ast2}]=\frac{n-1}{n}\hat\sigma^2 .\tag{11.10}

したがって次のようになる。

  • xˉ\bar x の標準誤差のブートストラップ推定は σ^/n\hat\sigma/\sqrt n である。
  • σ^2\hat\sigma^2 の偏りのブートストラップ推定は −σ^2/n-\hat\sigma^2/n である。
  • σ^2\hat\sigma^2 の偏り修正推定量は σ^2(1+1/n)\hat\sigma^2(1+1/n) である。
証明

前の2つは (11.9) と独立性から、E∗[Xˉ∗]=xˉE_\ast[\bar X^\ast]=\bar x、V∗[Xˉ∗]=1n2⋅nσ^2=σ^2/nV_\ast[\bar X^\ast]=\frac1{n^2}\cdot n\hat\sigma^2=\hat\sigma^2/n である。第3式は σ^∗2=1n∑Xi∗2−Xˉ∗2\hat\sigma^{\ast2}=\frac1n\sum X_i^{\ast2}-\bar X^{\ast2} と書き、各項の期待値をとる。E∗[Xi∗2]=V∗[Xi∗]+xˉ2=σ^2+xˉ2E_\ast[X_i^{\ast2}]=V_\ast[X_i^\ast]+\bar x^2=\hat\sigma^2+\bar x^2、E∗[Xˉ∗2]=V∗[Xˉ∗]+xˉ2=σ^2/n+xˉ2E_\ast[\bar X^{\ast2}]=V_\ast[\bar X^\ast]+\bar x^2=\hat\sigma^2/n+\bar x^2 なので

E∗[σ^∗2]=(σ^2+xˉ2)−(σ^2n+xˉ2)=n−1nσ^2.E_\ast[\hat\sigma^{\ast2}]=(\hat\sigma^2+\bar x^2)-\Bigl(\frac{\hat\sigma^2}n+\bar x^2\Bigr)=\frac{n-1}n\hat\sigma^2 .

偏りの推定は E∗[σ^∗2]−σ^2=−σ^2/nE_\ast[\hat\sigma^{\ast2}]-\hat\sigma^2=-\hat\sigma^2/n で、偏り修正推定量は σ^2−(−σ^2/n)=σ^2(1+1/n)\hat\sigma^2-(-\hat\sigma^2/n)=\hat\sigma^2(1+1/n) である。

真の偏りは EF[σ^2]−σ2=−σ2/nE_F[\hat\sigma^2]-\sigma^2=-\sigma^2/n である。ブートストラップ推定は、その σ2\sigma^2 を σ^2\hat\sigma^2 に置き換えた形になっている。偏り修正推定量 σ^2(n+1)/n\hat\sigma^2(n+1)/n は、不偏分散 S2=σ^2⋅n/(n−1)S^2=\hat\sigma^2\cdot n/(n-1) と一致はしない。しかし n/(n−1)=1+1/n+1/n2+⋯n/(n-1)=1+1/n+1/n^2+\cdots なので、差は O(n−2)\mathcal{O}(n^{-2}) である。

例題 11.3 3点の標本の中央値のブートストラップ分布 ★

オリジナル観測値が x(1)<x(2)<x(3)x_{(1)}<x_{(2)}<x_{(3)} の3つで、θ^\hat\theta を標本中央値とする。

  1. ブートストラップ標本の中央値 θ^∗\hat\theta^\ast の分布を求めよ。
  2. 観測値が 2,5,112,5,11 のとき、θ^∗\hat\theta^\ast の平均、偏りのブートストラップ推定、標準誤差のブートストラップ推定を求めよ。
解答

(1) ブートストラップ標本の3つは、それぞれ独立に確率 1/31/3 ずつで x(1),x(2),x(3)x_{(1)},x_{(2)},x_{(3)} をとる。3つのうち2つ以上が x(1)x_{(1)} のとき、中央値は x(1)x_{(1)} になる。x(1)x_{(1)} の個数は Bin(3,1/3)\mathrm{Bin}(3,1/3) に従うので

P(θ^∗=x(1))=(32)(13)223+(13)3=627+127=727.P(\hat\theta^\ast=x_{(1)})=\binom32\Bigl(\frac13\Bigr)^2\frac23+\Bigl(\frac13\Bigr)^3=\frac6{27}+\frac1{27}=\frac7{27}.

対称性から P(θ^∗=x(3))=7/27P(\hat\theta^\ast=x_{(3)})=7/27 で、残りが P(θ^∗=x(2))=1−14/27=13/27P(\hat\theta^\ast=x_{(2)})=1-14/27=13/27 である。x(2)x_{(2)} になる場合を直接数えても確かめられる。

  • x(2)x_{(2)} が2つ以上選ばれる:確率 7/277/27。
  • 3つが全部異なる:確率 3!/27=6/273!/27=6/27。

合わせて 13/2713/27 になる。

(2) 平均は E∗[θ^∗]=(7⋅2+13⋅5+7⋅11)/27=156/27=52/9≈5.778E_\ast[\hat\theta^\ast]=(7\cdot2+13\cdot5+7\cdot11)/27=156/27=52/9\approx5.778 である。偏りの推定は 52/9−5=7/9≈0.77852/9-5=7/9\approx0.778。2乗の平均は (7⋅4+13⋅25+7⋅121)/27=1200/27(7\cdot4+13\cdot25+7\cdot121)/27=1200/27 なので

V∗[θ^∗]=120027−(15627)2=32400−24336729=8064729≈11.06,V_\ast[\hat\theta^\ast]=\frac{1200}{27}-\Bigl(\frac{156}{27}\Bigr)^2=\frac{32400-24336}{729}=\frac{8064}{729}\approx11.06,

標準誤差の推定は 11.06≈3.33\sqrt{11.06}\approx3.33 である。データの右の裾(11)が中央値 5 から遠いので、ブートストラップ分布は右に偏り、偏りの推定が正になる。

一般の奇数 n=2m−1n=2m-1 でも同じ考え方が使える。ブートストラップ標本の中央値が x(j)x_{(j)} 以下になる条件を考える。それは、x(1),…,x(j)x_{(1)},\dots,x_{(j)} が選ばれた回数の合計が mm 以上になることである。この合計は Bin(n,j/n)\mathrm{Bin}(n,j/n) に従う。したがって

P(θ^∗≤x(j))=P(Bin(n,j/n)≥m)P(\hat\theta^\ast\le x_{(j)})=P(\mathrm{Bin}(n,j/n)\ge m)

で、ブートストラップ分布は二項分布の和で厳密に書ける。

ジャックナイフ

ブートストラップより前から使われている偏りの推定法にジャックナイフがある。ii 番目の観測値を除いた残りから計算した推定量を θ^(i)\hat\theta_{(i)} と書く。その平均を θ^(⋅)=1n∑iθ^(i)\hat\theta_{(\cdot)}=\frac1n\sum_i\hat\theta_{(i)} と書き、

bias^J=(n−1)(θ^(⋅)−θ^),θ^J=θ^−bias^J=nθ^−(n−1)θ^(⋅)(11.11)\widehat{\mathrm{bias}}_{\mathrm J}=(n-1)(\hat\theta_{(\cdot)}-\hat\theta),\qquad \hat\theta_{\mathrm J}=\hat\theta-\widehat{\mathrm{bias}}_{\mathrm J}=n\hat\theta-(n-1)\hat\theta_{(\cdot)}\tag{11.11}

を偏りの推定と偏り修正推定量とする。係数 n−1n-1 の理由は次のとおりである。偏りが次の左の形なら、n−1n-1 個から作る推定量は右の形になる。

E[θ^]−θ=an+O(n−2),E[θ^(⋅)]−θ=an−1+O(n−2)E[\hat\theta]-\theta=\frac an+\mathcal{O}(n^{-2}),\qquad E[\hat\theta_{(\cdot)}]-\theta=\frac a{n-1}+\mathcal{O}(n^{-2})

主要項の差は

an−1−an=an(n−1)\frac a{n-1}-\frac an=\frac a{n(n-1)}

である。これを (n−1)(n-1) 倍すると a/na/n に戻る。したがって θ^J\hat\theta_{\mathrm J} の偏りは O(n−2)\mathcal{O}(n^{-2}) になる。

命題 11.12(分散のジャックナイフ修正は不偏分散 ★)

θ^=σ^2\hat\theta=\hat\sigma^2 のとき、θ^J=S2\hat\theta_{\mathrm J}=S^2 である。

証明

1つの観測値 xix_i を除いた残りについて、平均とプラグイン分散を次のように書く(除数は残りの個数 n−1n-1)。

xˉ(i)=nxˉ−xin−1,σ^(i)2=1n−1∑j≠i(xj−xˉ(i))2\bar x_{(i)}=\frac{n\bar x-x_i}{n-1},\qquad \hat\sigma^2_{(i)}=\frac1{n-1}\sum_{j\ne i}(x_j-\bar x_{(i)})^2

また Q=∑j(xj−xˉ)2=nσ^2Q=\sum_j(x_j-\bar x)^2=n\hat\sigma^2 とおく。xix_i を除いた偏差平方和について、次が成り立つ。

∑j≠i(xj−xˉ(i))2=Q−nn−1(xi−xˉ)2\sum_{j\ne i}(x_j-\bar x_{(i)})^2=Q-\frac{n}{n-1}(x_i-\bar x)^2

これは、平均を xˉ\bar x から xˉ(i)\bar x_{(i)} に動かす平行移動の補正から分かる。実際、次の3つを使う。

∑j≠i(xj−xˉ)2=Q−(xi−xˉ)2,xˉ(i)−xˉ=−xi−xˉn−1,∑j≠i(xj−xˉ)=−(xi−xˉ).\begin{aligned}\sum_{j\ne i}(x_j-\bar x)^2&=Q-(x_i-\bar x)^2,\\ \bar x_{(i)}-\bar x&=-\frac{x_i-\bar x}{n-1},\\ \sum_{j\ne i}(x_j-\bar x)&=-(x_i-\bar x).\end{aligned}

これらを代入すると

∑j≠i(xj−xˉ(i))2=Q−(xi−xˉ)2−2(xˉ(i)−xˉ)∑j≠i(xj−xˉ)+(n−1)(xˉ(i)−xˉ)2=Q−(xi−xˉ)2(1+2n−1−1n−1)\sum_{j\ne i}(x_j-\bar x_{(i)})^2=Q-(x_i-\bar x)^2-2(\bar x_{(i)}-\bar x)\sum_{j\ne i}(x_j-\bar x)+(n-1)(\bar x_{(i)}-\bar x)^2 =Q-(x_i-\bar x)^2\Bigl(1+\frac2{n-1}-\frac1{n-1}\Bigr)

となり、括弧は n/(n−1)n/(n-1) である。ii について平均すると ∑i(xi−xˉ)2=Q\sum_i(x_i-\bar x)^2=Q より

θ^(⋅)=1n−1(Q−Qn−1)=(n−2)Q(n−1)2,θ^J=n⋅Qn−(n−1)(n−2)Q(n−1)2=Q(1−n−2n−1)=Qn−1=S2.\hat\theta_{(\cdot)}=\frac1{n-1}\Bigl(Q-\frac{Q}{n-1}\Bigr)=\frac{(n-2)Q}{(n-1)^2},\qquad \hat\theta_{\mathrm J}=n\cdot\frac Qn-(n-1)\frac{(n-2)Q}{(n-1)^2}=Q\Bigl(1-\frac{n-2}{n-1}\Bigr)=\frac{Q}{n-1}=S^2 .

偏りがちょうど −σ2/n-\sigma^2/n で O(n−2)\mathcal{O}(n^{-2}) の項を持たないので、ジャックナイフは偏りを完全に除き、不偏分散に一致する。

ブートストラップ信頼区間

ブートストラップ分布は、信頼区間の構成にも使える。ブートストラップ分布の下側 100γ%100\gamma\% 点を θ^(γ)∗\hat\theta^\ast_{(\gamma)} と書く。

  • パーセンタイル区間:[θ^(α/2)∗, θ^(1−α/2)∗][\hat\theta^\ast_{(\alpha/2)},\ \hat\theta^\ast_{(1-\alpha/2)}]。この区間は単調変換に対して不変である。変換後の母数 ϕ=g(θ)\phi=g(\theta) のパーセンタイル区間は、もとの区間の端点を gg で写したものと一致する。
  • 基本区間:θ^−θ\hat\theta-\theta の分布を θ^∗−θ^\hat\theta^\ast-\hat\theta の分布で近似する。区間は

[2θ^−θ^(1−α/2)∗, 2θ^−θ^(α/2)∗][2\hat\theta-\hat\theta^\ast_{(1-\alpha/2)},\ 2\hat\theta-\hat\theta^\ast_{(\alpha/2)}]

である。第8章のピボットによる区間の作り方を、ピボットの分布をブートストラップで近似して行うものである。

  • ブートストラップ tt 区間:次の2つの量について、前者の分布を後者の分布で近似する。

T=θ^−θse^,T∗=θ^∗−θ^se^∗T=\frac{\hat\theta-\theta}{\widehat{\mathrm{se}}},\qquad T^\ast=\frac{\hat\theta^\ast-\hat\theta}{\widehat{\mathrm{se}}^\ast}

その分布の下側 100γ%100\gamma\% 点を t(γ)∗t^\ast_{(\gamma)} とし、区間を

[θ^−t(1−α/2)∗se^, θ^−t(α/2)∗se^][\hat\theta-t^\ast_{(1-\alpha/2)}\widehat{\mathrm{se}},\ \hat\theta-t^\ast_{(\alpha/2)}\widehat{\mathrm{se}}]

とする。TT が近似的にピボット(分布が θ\theta によらない)であれば、パーセンタイル区間や基本区間より被覆確率の誤差が小さくなる。

いずれも α/2\alpha/2 点の近似には BB を数千とる。

母集団分布が、母数 θ\theta を持つ分布族 FθF_\theta に属すると分かっていることもある。そのときは、経験分布の代わりに推定したFθ^F_{\hat\theta} からブートストラップ標本を作ってもよい。これをパラメトリック・ブートストラップと呼び、§11.2 の最初に書いた方法(経験分布から作る方法)をノンパラメトリック・ブートストラップと呼んで区別する。

確認テスト

オリジナル

  1. 11.2-1 相異なる nn 個の観測値から作るブートストラップ標本で、順序を区別しない(多重集合として)異なるものは何通りあるか。n=5n=5 のときの数を求めよ。また、ブートストラップ標本の nn 個がすべて異なる観測値になる確率を n=5n=5 について求めよ。
  2. 11.2-2 特定の観測値 x1x_1 がブートストラップ標本に1回も現れない確率を求めよ。n=10n=10 のときの値と n→∞n\to\infty の極限も求めよ。また、ブートストラップ標本に現れる異なる観測値の個数の期待値を求めよ。
  3. 11.2-3 μ2\mu^2 の推定量 Xˉ2\bar X^2 を考える。偏りのブートストラップ推定と偏り修正推定量を、xˉ\bar x と σ^2\hat\sigma^2 で表せ。それを μ2\mu^2 の不偏推定量 Xˉ2−S2/n\bar X^2-S^2/n と比べよ。
  4. 11.2-4 観測値が 0 か 1 で、1 の割合が p^\hat p であるとする。p^∗\hat p^\ast のブートストラップ分布を求めよ。また、標準誤差のブートストラップ推定がp^(1−p^)/n\sqrt{\hat p(1-\hat p)/n} であることを示せ。Bin(1,p^)\mathrm{Bin}(1,\hat p) からのパラメトリック・ブートストラップと結果が一致する理由を述べよ。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『資格試験』の記事一覧へ