tecktom.com

内部 U(1) 対称性と電荷

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第1部 第4章 Noether の定理

AI 生成・木下が未勉強

場の量子論入門 第1部 第4章 §1.4.3 ★★★ 適用2:Klein–Gordon の「負確率」の正体は電荷である

次は時空を動かさない対称性(内部対称性)を扱う。複素スカラー場のラグランジアン

L=∂μϕ∗ ∂μϕ−m2ϕ∗ϕ(1.4.6)\mathcal{L}=\partial_{\mu}\phi^*\,\partial^{\mu}\phi-m^2\phi^*\phi\tag{1.4.6}

を考える。第3.3節の補足で述べたとおり ϕ\phi と ϕ∗\phi^* を独立な変数として扱う。係数に 12\frac12 が付かないのは、実場2つ分をまとめているためである(ϕ=(ϕ1+iϕ2)/2\phi=(\phi_1+\mathrm{i}\phi_2)/\sqrt2 と書けば、(1.4.6) は ϕ1,ϕ2\phi_1,\phi_2 それぞれの (1.3.5) の和になる)。

このラグランジアンは、位相の一斉回転

ϕ ⟶ e−iαϕ,ϕ∗ ⟶ e+iαϕ∗\phi\ \longrightarrow\ \mathrm{e}^{-\mathrm{i}\alpha}\phi,\qquad \phi^*\ \longrightarrow\ \mathrm{e}^{+\mathrm{i}\alpha}\phi^*

のもとで不変である(ϕ∗ϕ\phi^*\phi も ∂μϕ∗∂μϕ\partial_{\mu}\phi^*\partial^{\mu}\phi も位相が打ち消し合う)。α\alpha は時空によらない定数で、このような対称性を大域的 U(1) 対称性と呼ぶ。無限小では Δϕ=−iϕ\Delta\phi=-\mathrm{i}\phi、Δϕ∗=+iϕ∗\Delta\phi^*=+\mathrm{i}\phi^* であり、L\mathcal{L} は変化しないので Jμ=0J^\mu=0 である。

(1.4.2) を、ϕ\phi と ϕ∗\phi^* の両方について足して適用する。

∂L∂(∂μϕ)=∂μϕ∗,∂L∂(∂μϕ∗)=∂μϕ\frac{\partial\mathcal{L}}{\partial(\partial_{\mu}\phi)}=\partial^{\mu}\phi^*,\qquad \frac{\partial\mathcal{L}}{\partial(\partial_{\mu}\phi^*)}=\partial^{\mu}\phi

なので

jμ=∂μϕ∗⋅(−iϕ)+∂μϕ⋅(+iϕ∗)j^\mu=\partial^{\mu}\phi^*\cdot(-\mathrm{i}\phi)+\partial^{\mu}\phi\cdot(+\mathrm{i}\phi^*)

となり、整理すると

 jμ=i(ϕ∗ ∂μϕ−ϕ ∂μϕ∗),∂μjμ=0 (1.4.7)\boxed{\ j^\mu=\mathrm{i}\bigl(\phi^*\,\partial^{\mu}\phi-\phi\,\partial^{\mu}\phi^*\bigr),\qquad \partial_{\mu} j^\mu=0\ }\tag{1.4.7}

が得られる(保存は運動方程式の上で成り立ち、検算スクリプトで確認済みである)。時間成分は

j0=i(ϕ∗ϕ˙−ϕϕ˙∗)j^0=\mathrm{i}\bigl(\phi^*\dot\phi-\phi\dot\phi^*\bigr)

で、これは第1.3節で「確率密度と読めない」と述べた Klein–Gordon の ρ\rho にほかならない。場の理論では、これは確率密度ではなく電荷密度である。電荷は正にも負にもなってよいので、符号が変わることは何の問題も起こさない。量子化すると Q=∫d3x j0Q=\int\mathrm{d}^3x\,j^0 の固有値は「粒子の個数 −- 反粒子の個数」に比例する整数になる(第2部 第5章)。

実スカラー場では ϕ∗=ϕ\phi^*=\phi なので (1.4.7) は恒等的にゼロである。つまり実場は電荷を持たない。π0\pi^0 や Higgs ボソンのような中性のスピン0粒子は実場で、π±\pi^\pm のような荷電粒子は複素場で記述する。場が実か複素かという形式的な違いが、粒子が中性か荷電かという物理的な区別に対応している。

例題 4.2(複素スカラー場のカレントと保存の確認)

オリジナルラグランジアン (1.4.6) について答えよ。

  • (1) ϕ\phi と ϕ∗\phi^* の従う運動方程式を求めよ。
  • (2) (1.4.7) の jμj^\mu について ∂μjμ=0\partial_{\mu} j^\mu=0 を、運動方程式を使って直接示せ。
  • (3) 平面波 ϕ=Ne−ip⋅x\phi=N\mathrm{e}^{-\mathrm{i} p\cdot x}(p0=E>0p^0=E>0)に対する jμj^\mu を求め、ϕ=Ne+ip⋅x\phi=N\mathrm{e}^{+\mathrm{i} p\cdot x} の場合と比べよ。
解答

(1) ϕ∗\phi^* について変分すると、∂L/∂(∂μϕ∗)=∂μϕ\partial\mathcal{L}/\partial(\partial_{\mu}\phi^*)=\partial^{\mu}\phi、∂L/∂ϕ∗=−m2ϕ\partial\mathcal{L}/\partial\phi^*=-m^2\phi なので (□+m2)ϕ=0(\Box+m^2)\phi=0。ϕ\phi について変分すると同様に (□+m2)ϕ∗=0(\Box+m^2)\phi^*=0 である。どちらも Klein–Gordon 方程式に従う。

(2) 発散を取る。積の微分から

∂μjμ=i[∂μϕ∗ ∂μϕ+ϕ∗□ϕ−∂μϕ ∂μϕ∗−ϕ □ϕ∗].\partial_{\mu} j^\mu=\mathrm{i}\bigl[\partial_{\mu}\phi^*\,\partial^{\mu}\phi+\phi^*\Box\phi -\partial_{\mu}\phi\,\partial^{\mu}\phi^*-\phi\,\Box\phi^*\bigr].

第1項と第3項は同じもの(縮約された添字の付け替え)なので打ち消し合う。残るのは

∂μjμ=i[ϕ∗□ϕ−ϕ □ϕ∗]=i[ϕ∗(−m2ϕ)−ϕ(−m2ϕ∗)]=0.\partial_{\mu} j^\mu=\mathrm{i}\bigl[\phi^*\Box\phi-\phi\,\Box\phi^*\bigr] =\mathrm{i}\bigl[\phi^*(-m^2\phi)-\phi(-m^2\phi^*)\bigr]=0 .

運動方程式 □ϕ=−m2ϕ\Box\phi=-m^2\phi とその共役を代入した。質量項が ϕ∗ϕ\phi^*\phi という組み合わせでしか入らないため、最後にきれいに相殺する。

(3) ∂μe−ip⋅x=−ipμe−ip⋅x\partial^{\mu}\mathrm{e}^{-\mathrm{i} p\cdot x}=-\mathrm{i} p^\mu\mathrm{e}^{-\mathrm{i} p\cdot x} を使うと

jμ=i[∣N∣2(−ipμ)−∣N∣2(+ipμ)]=2pμ∣N∣2.j^\mu=\mathrm{i}\bigl[|N|^2(-\mathrm{i} p^\mu)-|N|^2(+\mathrm{i} p^\mu)\bigr]=2p^\mu|N|^2 .

時間成分は j0=2E∣N∣2>0j^0=2E|N|^2>0 である。一方 ϕ=Ne+ip⋅x\phi=N\mathrm{e}^{+\mathrm{i} p\cdot x} では符号がすべて反転し jμ=−2pμ∣N∣2j^\mu=-2p^\mu|N|^2 となり、j0<0j^0<0 である。同じ絶対値の電荷が逆符号で現れる。e−ip⋅x\mathrm{e}^{-\mathrm{i} p\cdot x} が粒子、e+ip⋅x\mathrm{e}^{+\mathrm{i} p\cdot x} が反粒子に対応するという読み替えは、ここから来ている。

同じ対称性は、実場2つの言葉でも書ける。ϕ=(ϕ1+iϕ2)/2\phi=(\phi_1+\mathrm{i}\phi_2)/\sqrt2 と置くと (1.4.6) は12∑a=1,2[∂μϕa∂μϕa−m2ϕa2]\frac12\sum_{a=1,2}[\partial_{\mu}\phi_a\partial^{\mu}\phi_a-m^2\phi_a^2] になり、位相回転は平面 (ϕ1,ϕ2)(\phi_1,\phi_2) の2次元回転に対応する。L\mathcal{L} が ϕ12+ϕ22\phi_1^2+\phi_2^2 の形でしか2つの場を含まないので回転で不変になるわけで、2次元回転群 SO(2)SO(2) と位相の群 U(1)U(1) が同じ群であることの反映である。ここで、回転対称性が成り立つには2つの場の質量が等しいことが要る点に注意したい。「粒子と反粒子の質量が等しい」ことと「電荷が保存する」ことは、同じ対称性の2つの顔である。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『基礎理論』の記事一覧へ