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物理の曲線

2026年10月22日11分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第6章 曲線の幾何
目次
  1. 加速度の接線成分と法線成分
  2. 一様磁場中の荷電粒子
  3. コイルばね
  4. 緩和曲線
  5. 確認テスト
  6. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

物理のための微分幾何入門 第6章 §6.4 ★★ 加速度の法線成分は v2κv^2\kappa。一様磁場中の運動とコイルばねは螺旋、緩和曲線はクロソイド

加速度の接線成分と法線成分

質点の軌道を時刻 tt で表し、r(t)\bm{r}(t) と書く。時刻による微分はドットで書き、速さを v=∣r˙∣v=\left\vert \dot{\bm{r}}\right\vert とする。弧長との関係は v=ds/dtv=\mathrm{d} s/\mathrm{d} t である。軌道の曲率と Frenet 標構は、§6.1 と §6.2 の定義を軌道に当てはめたものとする。

命題 6.18(加速度の分解 ★★★)

曲率が正の軌道で、加速度は次のように分かれる。

r¨=v˙ T+v2κ N.(6.14)\ddot{\bm{r}}=\dot v\,\bm{T}+v^2\kappa\,\bm{N}.\tag{6.14}

とくに加速度はつねに接触平面の中にあり、従法線成分をもたない。

証明

r˙=vT\dot{\bm{r}}=v\bm{T} を積の微分で微分する。連鎖律で dT/dt=vκN\mathrm{d}\bm{T}/\mathrm{d} t=v\kappa\bm{N} なので、次を得る。

r¨=v˙ T+v dTdt=v˙ T+v2κ N.\ddot{\bm{r}}=\dot v\,\bm{T}+v\,\frac{\mathrm{d}\bm{T}}{\mathrm{d} t}=\dot v\,\bm{T}+v^2\kappa\,\bm{N}.

接線成分 v˙\dot v は速さの変化を、法線成分 v2κ=v2/ρv^2\kappa=v^2/\rho は向きの変化を表す(図 6.4)。半径 ρ\rho の等速円運動では接線成分が消え、向心加速度 v2/ρv^2/\rho だけが残る。(6.14) は、一般の曲線運動でも各瞬間を接触円の上の円運動とみなしてよいことを表している。

逆に、加速度と速さがわかれば軌道の曲率半径がわかる。

ρ=v2aN,aN=∣r¨−v˙ T∣=∣r˙×r¨∣v.(6.15)\rho=\frac{v^2}{a_N},\qquad a_N=\left\vert \ddot{\bm{r}}-\dot v\,\bm{T}\right\vert =\frac{\left\vert \dot{\bm{r}}\times\ddot{\bm{r}}\right\vert }{v}.\tag{6.15}

最後の等号は、(6.9) の曲率の式に v2v^2 を掛けたものである。

図

図 6.4 加速度 r¨\ddot{\bm{r}} の分解。接線成分 v˙\dot v は速さの変化を、法線成分 v2κv^2\kappa は向きの変化を表す。灰色の破線は接触円で、法線成分は曲率中心を向く

一様磁場中の荷電粒子

電荷 qq、質量 mm の粒子が一様な磁場の中を運動する場合を考える。運動方程式は、Lorentz 力(『電磁気学入門』第5章 §5.2)を使って書くことができる。この節では Frenet 標構の B\bm{B} と区別するため、磁束密度を Bm=Bmz^\bm{B}_{\mathrm m}=B_{\mathrm m}\hat{\bm{z}} と書く。ここで磁束密度の大きさは正とする。

mr¨=q r˙×Bm.(6.16)m\ddot{\bm{r}}=q\,\dot{\bm{r}}\times\bm{B}_{\mathrm m}.\tag{6.16}

力は速度とつねに直交するので、d(v2)/dt=2r˙⋅r¨=0\mathrm{d}(v^2)/\mathrm{d} t=2\dot{\bm{r}}\cdot\ddot{\bm{r}}=0 となり、速さは一定である。(6.16) の zz 成分は mz¨=0m\ddot z=0 である。したがって、磁場方向の速度 v∥=z˙v_\parallel=\dot z も一定である。磁場に垂直な速さ v⊥=v2−v∥2v_\perp=\sqrt{v^2-v_\parallel^2} も、その結果一定になる。

サイクロトロン角振動数 ω=∣q∣Bm/m\omega=\left\vert q\right\vert B_{\mathrm m}/m と、電荷の符号 σ=q/∣q∣\sigma=q/\left\vert q\right\vert を使う。x,yx,y 成分は次のようになる。

x¨=σω y˙,y¨=−σω x˙.\ddot x=\sigma\omega\,\dot y,\qquad \ddot y=-\sigma\omega\,\dot x.

これは、速度の xyxy 成分が角速度 −σω-\sigma\omega で回る式である。正の電荷は +z+z から見て時計回りに、負の電荷は反時計回りに回る。

位置を積分すると、軌道は半径 rL=v⊥/ωr_{\mathrm L}=v_\perp/\omega の螺旋になる(Larmor 半径)。

r(t)=(rLcos⁡(σωt),  −rLsin⁡(σωt),  v∥t)+定数.\bm{r}(t)=\bigl(r_{\mathrm L}\cos(\sigma\omega t),\;-r_{\mathrm L}\sin(\sigma\omega t),\;v_\parallel t\bigr)+\text{定数}.

1周の時間は 2π/ω2\pi/\omega で、そのあいだに軸方向へ進む距離(ピッチ)は 2πv∥/ω2\pi v_\parallel/\omega である。

この螺旋を例題 6.2 の形にそろえる。yy 座標を反転すると巻きの向きが変わるので、捩率の符号に −σ-\sigma が掛かる(命題 6.16)。パラメータを ωt\omega t にとると、例題の a,ba,b は次になる。

a=rL=v⊥ω,b=v∥ω,a2+b2=v2ω2.a=r_{\mathrm L}=\frac{v_\perp}{\omega},\qquad b=\frac{v_\parallel}{\omega},\qquad a^2+b^2=\frac{v^2}{\omega^2}.

これを例題の結果に入れると、次を得る。

κ=v⊥ ωv2,τ=−σ v∥ ωv2.(6.17)\kappa=\frac{v_\perp\,\omega}{v^2},\qquad \tau=-\sigma\,\frac{v_\parallel\,\omega}{v^2}.\tag{6.17}

曲率の式は、加速度の分解からも確かめることができる。速さが一定なので、(6.14) から加速度の大きさは v2κv^2\kappa である。一方、(6.16) から加速度の大きさは v⊥ωv_\perp\omega なので、2つの式は一致する。

捩率の符号は、電荷の符号と v∥v_\parallel の向きで決まる。電子が磁場の向きに進むと、右巻きの螺旋(τ>0\tau>0)を描く。同じ向きに進む陽子は、左巻きの螺旋を描く。霧箱や泡箱の飛跡の巻きの向きから粒子の電荷の符号を判定できるのは、この符号の違いによる。

例題 6.4 磁場中の電子の螺旋の見積もり ★★

オリジナル速さ v=1.0×107 m/sv=1.0\times10^{7}\,\mathrm{m/s} の電子が、一様な磁場に入射した。磁束密度は Bm=1.0 mTB_{\mathrm m}=1.0\,\mathrm{mT} で、入射の向きは磁場の向きと 60∘60^\circ をなす。電子の比電荷は e/m=1.759×1011 C/kge/m=1.759\times10^{11}\,\mathrm{C/kg} とし、相対論の補正は無視する。Larmor 半径・ピッチ・軌道の曲率と捩率を求めよ。

解答

サイクロトロン角振動数は次になる。

ω=emBm=1.759×1011×1.0×10−3 s−1=1.759×108 s−1.\omega=\frac{e}{m}B_{\mathrm m}=1.759\times10^{11}\times1.0\times10^{-3}\,\mathrm{s^{-1}}=1.759\times10^{8}\,\mathrm{s^{-1}}.

速度の成分は次のとおりである。

v⊥=vsin⁡60∘=8.66×106 m/s,v∥=vcos⁡60∘=5.0×106 m/s.v_\perp=v\sin60^\circ=8.66\times10^6\,\mathrm{m/s},\qquad v_\parallel=v\cos60^\circ=5.0\times10^6\,\mathrm{m/s}.

Larmor 半径とピッチは次のとおりである。

rL=v⊥ω=4.92×10−2 m,2πv∥ω=0.179 m.r_{\mathrm L}=\frac{v_\perp}{\omega}=4.92\times10^{-2}\,\mathrm m,\qquad \frac{2\pi v_\parallel}{\omega}=0.179\,\mathrm m.

電子は負の電荷なので、(6.17) に σ=−1\sigma=-1 を入れる。

κ=v⊥ωv2=15.2 m−1,τ=+v∥ωv2=8.80 m−1.\kappa=\frac{v_\perp\omega}{v^2}=15.2\,\mathrm{m^{-1}},\qquad \tau=+\frac{v_\parallel\omega}{v^2}=8.80\,\mathrm{m^{-1}}.

曲率半径は 6.6 cm6.6\,\mathrm{cm} で、Larmor 半径 4.9 cm4.9\,\mathrm{cm} より大きい。軌道が軸方向にも進むので、螺旋の曲がりは同じ半径の円よりゆるやかになる。速さは光速の約 0.033 倍なので、相対論の補正は γ−1≈5.6×10−4\gamma-1\approx5.6\times10^{-4} の大きさであり、無視してよい。

コイルばね

コイルばねの針金の中心線は、半径 RR、ピッチ pp の螺旋である。例題 6.2 で a=Ra=R と b=p/(2π)b=p/(2\pi) をとれば、中心線の曲率と捩率はともに一定になる。基本定理の一意性から、逆の主張も成り立つ。どこでも同じだけ曲がり、同じだけねじれた針金の中心線は、螺旋に限られる。

ばねを軸方向に伸ばすとピッチが大きくなる。曲率の式 a/(a2+b2)a/(a^2+b^2) から、伸ばすと曲率は小さくなり、捩率は大きくなる。針金の長さを保ったまま伸ばすと、中心線の曲がりとねじれが変わる。このため、ばねの伸びは針金の曲げとねじりの変形として計算される。

緩和曲線

直線の道路からいきなり半径 RR の円弧に入ると、曲率が 0 から 1/R1/R に不連続に跳ぶ。一定の速さ vv で走る車の横向きの加速度 v2κv^2\kappa も、その点で跳ぶ。乗っている人は、急に横へ押される。これを避けるため、直線と円弧のあいだに曲率が連続に増える区間を入れ、これを緩和曲線と呼ぶ。

曲率を弧長に比例させると(κs=s/A2\kappa_{\mathrm s}=s/A^2)、横向きの加速度は時間に比例して増える。

ddt(v2κs)=v2dκsdsdsdt=v3A2.(6.18)\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}\bigl(v^2\kappa_{\mathrm s}\bigr)=v^2\frac{\mathrm{d}\kappa_{\mathrm s}}{\mathrm{d} s}\frac{\mathrm{d} s}{\mathrm{d} t}=\frac{v^3}{A^2}.\tag{6.18}

横向きの加速度の変化率が一定になるので、§6.3 のクロソイドが緩和曲線として使われる。

例題 6.5 高速道路の緩和曲線の長さ ★★

オリジナル設計速度 80 km/h80\,\mathrm{km/h} の道路で、直線から半径 R=300 mR=300\,\mathrm m の円弧へクロソイドでつなぐ。横向きの加速度の変化率を 0.50 m/s30.50\,\mathrm{m/s^3} に抑えたい。

緩和曲線の長さ LL と、クロソイドの定数 AA を求めよ。円弧に入ったときの横向きの加速度も求めよ。

解答

速さは v=80/3.6 m/s=22.2 m/sv=80/3.6\,\mathrm{m/s}=22.2\,\mathrm{m/s} である。緩和曲線の終点で曲率が 1/R1/R になるので、定数は A2=RLA^2=RL を満たす。

(6.18) の変化率を j=0.50 m/s3j=0.50\,\mathrm{m/s^3} とおくと、v3/A2=jv^3/A^2=j となる。これに A2=RLA^2=RL を入れると次を得る。

L=v3jR=(22.2)30.50×300 m=73 m,A=RL=148 m.L=\frac{v^3}{jR}=\frac{(22.2)^3}{0.50\times300}\,\mathrm m=73\,\mathrm m,\qquad A=\sqrt{RL}=148\,\mathrm m.

円弧での横向きの加速度は v2/R=1.65 m/s2v^2/R=1.65\,\mathrm{m/s^2} で、重力加速度の 0.17 倍程度である。緩和曲線の上を走る時間は L/v=3.3 sL/v=3.3\,\mathrm s である。そのあいだに、横向きの加速度は 0 から 1.65 m/s21.65\,\mathrm{m/s^2} まで一定の割合で増える。

確認テスト

オリジナル

  1. 6.4-1 速さ 20 m/s20\,\mathrm{m/s} で半径 50 m50\,\mathrm m のカーブを、一定の速さで走る車がある。加速度の接線成分と法線成分を答えよ。
  2. 6.4-2 半径 R=1.0 cmR=1.0\,\mathrm{cm}、ピッチ p=0.50 cmp=0.50\,\mathrm{cm} で10巻きのコイルばねがある。針金の中心線の長さ・曲率・捩率を求めよ。
  3. 6.4-3 水平面から 45∘45^\circ の向きに、速さ v0=20 m/sv_0=20\,\mathrm{m/s} で物体を投げる。空気抵抗はなく、重力加速度は g=9.8 m/s2g=9.8\,\mathrm{m/s^2} とする。投げた点と最高点での軌道の曲率半径を、(6.15) から求めよ。
  4. 6.4-4 曲率が正の軌道 r(t)\bm{r}(t) について、加加速度の従法線成分が次になることを示せ。

r...⋅B=v3κτ.\dddot{\bm{r}}\cdot\bm{B}=v^3\kappa\tau.

これを使って、時刻で表した捩率の式を導け。

τ=(r˙×r¨)⋅r...∣r˙×r¨∣2.\tau=\frac{(\dot{\bm{r}}\times\ddot{\bm{r}})\cdot\dddot{\bm{r}}}{\left\vert \dot{\bm{r}}\times\ddot{\bm{r}}\right\vert ^2}.

木下の勉強ステータス

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