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主曲率・Gauss 曲率・平均曲率

2026年10月22日11分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第7章 曲面の幾何
目次
  1. Weingarten 写像
  2. Gauss 曲率と平均曲率
  3. Gauss 写像と面積比
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

物理のための微分幾何入門 第7章 §7.3 ★★★ Weingarten 写像の行列式が Gauss 曲率、跡の半分が平均曲率。Gauss 曲率は法線の像の面積比でもある

Weingarten 写像

Euler の公式の証明に出てきた写像 SS は、法線の微分で直接書ける。単位法線は長さ1なので、n⋅n=1\bm{n}\cdot\bm{n}=1 を微分すると nu⋅n=nv⋅n=0\bm{n}_u\cdot\bm{n}=\bm{n}_v\cdot\bm{n}=0 になる。つまり nu\bm{n}_u と nv\bm{n}_v は接平面に入る。

定義 7.11(Weingarten 写像)

接平面のベクトル X=aru+brvX=a\bm{r}_u+b\bm{r}_v に対して

S(X)=−(a nu+b nv)(7.17)S(X)=-(a\,\bm{n}_u+b\,\bm{n}_v)\tag{7.17}

と定める。SS は XX の方向に動いたときの法線の変化に負号をつけたもので、接平面から接平面への線形写像である。これをWeingarten 写像(形作用素)と呼ぶ。

命題 7.12(Weingarten 写像の行列)

すべての接ベクトル X,YX,Y について I(SX,Y)=II(X,Y)\mathrm I(S X,Y)=\mathrm{II}(X,Y) が成り立つ。座標基底 ru,rv\bm{r}_u,\bm{r}_v に関する Weingarten 写像の行列を WW とすると

W=g−1h=1EG−F2(G−F−FE)(LMMN)(7.18)W=g^{-1}h=\frac{1}{EG-F^2}\begin{pmatrix}G&-F\\-F&E\end{pmatrix}\begin{pmatrix}L&M\\M&N\end{pmatrix}\tag{7.18}

である。

証明

(7.12) により

I(Sru,ru)=−nu⋅ru=L,I(Sru,rv)=−nu⋅rv=M\mathrm I(S\bm{r}_u,\bm{r}_u)=-\bm{n}_u\cdot\bm{r}_u=L,\qquad \mathrm I(S\bm{r}_u,\bm{r}_v)=-\bm{n}_u\cdot\bm{r}_v=M

であり、SrvS\bm{r}_v についても同様に M,NM,N が出る。両辺とも X,YX,Y について双線形なので、基底で一致すればすべての X,YX,Y で一致する。

次に Sri=WkirkS\bm{r}_i=W^k{}_i\bm{r}_k と書く(r1=ru,r2=rv\bm{r}_1=\bm{r}_u,\quad \bm{r}_2=\bm{r}_v)。rj\bm{r}_j との内積をとると、いま示した式から

Wki gkj=hijW^k{}_i\,g_{kj}=h_{ij}

となる。行列で書けば gW=hgW=h であり、両辺に左から g−1g^{-1} を掛けて (7.18) を得る。

命題により、SS は Euler の公式の証明に使った写像と同じものである。したがって SS の固有値が主曲率 κ1,κ2\kappa_1,\kappa_2、固有ベクトルが主方向になる。SS は内積 I\mathrm I について対称なので、固有値は実数で、主曲率が異なれば主方向は直交する。

Gauss 曲率と平均曲率

定義 7.13(Gauss 曲率と平均曲率)

Weingarten 写像の行列式と跡の半分を

K=det⁡S=κ1κ2,H=12tr⁡S=12(κ1+κ2)(7.19)K=\det S=\kappa_1\kappa_2,\qquad H=\tfrac12\operatorname{tr}S=\tfrac12(\kappa_1+\kappa_2)\tag{7.19}

と書き、KK をGauss 曲率、HH を平均曲率と呼ぶ。

命題 7.14(基本形式の係数による表示)

K=LN−M2EG−F2,H=EN−2FM+GL2(EG−F2).(7.20)K=\frac{LN-M^2}{EG-F^2},\qquad H=\frac{EN-2FM+GL}{2(EG-F^2)}.\tag{7.20}

主曲率は2次方程式 κ2−2Hκ+K=0\kappa^2-2H\kappa+K=0 の2解で、κ1,2=H±H2−K\kappa_{1,2}=H\pm\sqrt{H^2-K} である。

証明

(7.18) から det⁡W=det⁡h/det⁡g=(LN−M2)/(EG−F2)\det W=\det h/\det g=(LN-M^2)/(EG-F^2) である。行列の積の対角成分は GL−FMGL-FM と EN−FMEN-FM である。跡はこの和を EG−F2EG-F^2 で割ったものになる。主曲率は WW の固有値なので、特性多項式 κ2−(tr⁡W)κ+det⁡W\kappa^2-(\operatorname{tr}W)\kappa+\det W の根である。

法線を反転すると hh の符号が変わるので、行列 WW も符号を変える。2次の行列では det⁡(−W)=det⁡W\det(-W)=\det W なので、KK は法線の向きによらない。一方 HH と主曲率は符号を変える。§7.5 で HH を圧力差と結びつけるときは、法線の向きをはっきり決めてから使う。

命題 7.15(H2≥KH^2\ge K)

各点で H2≥KH^2\ge K が成り立ち、等号はその点が臍点であるときに限る。

証明

(7.19) から

H2−K=14(κ1+κ2)2−κ1κ2=14(κ1−κ2)2≥0H^2-K=\tfrac14(\kappa_1+\kappa_2)^2-\kappa_1\kappa_2=\tfrac14(\kappa_1-\kappa_2)^2\ge0

であり、等号は κ1=κ2\kappa_1=\kappa_2 のときに限る。

Gauss 曲率の符号で、点の近くの曲面の形が分かれる。(7.16) を見ると、K>0K>0 なら曲面は接平面の片側にあり、K<0K<0 なら接平面をはさんで両側に出る。前者を楕円点、後者を双曲点と呼ぶ。K=0K=0 で κ1,κ2\kappa_1,\kappa_2 の一方だけが0の点を放物点と呼び、円柱の点がその例である。

図

図 7.4 原点での接平面(青)と曲面の位置関係。左は z=0.4(x2+y2)z=0.4(x^2+y^2) で、曲面は接平面の上側にある。右は z=0.4(x2−y2)z=0.4(x^2-y^2) で、曲面は接平面の上下に出る。

Gauss 写像と面積比

各点にその単位法線を対応させると、曲面から単位球面への写像ができる。これを Gauss 写像と呼ぶ。Gauss 曲率は、Gauss 写像が面積を何倍にするかという量でもある。

定理 7.16(Gauss 曲率は面積比 ★★)

曲面片の各点で

nu×nv=K  ru×rv(7.21)\bm{n}_u\times\bm{n}_v=K\;\bm{r}_u\times\bm{r}_v\tag{7.21}

が成り立つ。点 pp を含む小さな領域 UU を縮めていくと、面積比はその点の Gauss 曲率に近づく。ここで面積比とは、法線の像 n(U)\bm{n}(U) の向きつき面積を UU の面積で割ったものである。

証明

WW の成分を使うと、Weingarten 写像の定義から

nu=−(W11ru+W21rv),nv=−(W12ru+W22rv)\bm{n}_u=-(W^1{}_1\bm{r}_u+W^2{}_1\bm{r}_v),\qquad \bm{n}_v=-(W^1{}_2\bm{r}_u+W^2{}_2\bm{r}_v)

である。外積を展開すると、ru×ru=rv×rv=0\bm{r}_u\times\bm{r}_u=\bm{r}_v\times\bm{r}_v=0 により

nu×nv=(W11W22−W21W12) ru×rv=det⁡W  ru×rv\bm{n}_u\times\bm{n}_v=(W^1{}_1W^2{}_2-W^2{}_1W^1{}_2)\,\bm{r}_u\times\bm{r}_v=\det W\;\bm{r}_u\times\bm{r}_v

が残る。det⁡W=K\det W=K なので (7.21) を得る。

n(U)\bm{n}(U) の向きつき面積は ∬U(nu×nv)⋅n du dv\iint_U(\bm{n}_u\times\bm{n}_v)\cdot\bm{n}\,\mathrm{d} u\,\mathrm{d} v である。(7.21) を代入すると ∬UK∣ru×rv∣ du dv\iint_UK\left\vert \bm{r}_u\times\bm{r}_v\right\vert \,\mathrm{d} u\,\mathrm{d} v になる。Gauss 曲率は連続なので、UU を縮めると、この積分を面積で割ったものは K(p)K(p) に収束する。

K>0K>0 の点の近くでは Gauss 写像は向きを保ち、K<0K<0 の点の近くでは向きを反転する。例えば半径 RR の球面では法線の像は単位球面そのもので、面積は 1/R21/R^2 倍になる。これは K=1/R2K=1/R^2 と一致する。

例題 7.3 トーラスの曲率と Gauss 写像 ★★★

オリジナル例題 7.1 のトーラスについて答えよ。

  1. 単位法線と第二基本形式を求め、主曲率・Gauss 曲率・平均曲率を求めよ。
  2. KK の符号で、楕円点・双曲点・放物点の位置を答えよ。
  3. トーラス全体での ∬K dA\iint K\,\mathrm{d} A と ∬∣K∣ dA\iint\left\vert K\right\vert \,\mathrm{d} A を求め、Gauss 写像で読め。
解答

(1) ρ=R+rcos⁡u\rho=R+r\cos u とおく。外積は

ru×rv=−rρ (cos⁡ucos⁡v,  cos⁡usin⁡v,  sin⁡u)\bm{r}_u\times\bm{r}_v=-r\rho\,(\cos u\cos v,\;\cos u\sin v,\;\sin u)

なので、単位法線は n=−(cos⁡ucos⁡v,cos⁡usin⁡v,sin⁡u)\bm{n}=-(\cos u\cos v,\cos u\sin v,\sin u) で、管の中心線に向かう。2階の偏微分は

ruu=−r(cos⁡ucos⁡v,cos⁡usin⁡v,sin⁡u),ruv=rsin⁡u (sin⁡v,−cos⁡v,0),rvv=−ρ(cos⁡v,sin⁡v,0)\begin{gathered} \bm{r}_{uu}=-r(\cos u\cos v,\cos u\sin v,\sin u),\\ \bm{r}_{uv}=r\sin u\,(\sin v,-\cos v,0),\qquad \bm{r}_{vv}=-\rho(\cos v,\sin v,0) \end{gathered}

である。法線との内積をとると L=r,M=0,N=ρcos⁡uL=r,\quad M=0,\quad N=\rho\cos u になる。

F=M=0F=M=0 なので、W=diag(L/E, N/G)W=\mathrm{diag}(L/E,\,N/G) である。主方向は座標曲線の方向になる。主曲率は

κ1=LE=1r,κ2=NG=cos⁡uR+rcos⁡u\kappa_1=\frac{L}{E}=\frac1r,\qquad \kappa_2=\frac{N}{G}=\frac{\cos u}{R+r\cos u}

で、

K=cos⁡ur(R+rcos⁡u),H=R+2rcos⁡u2r(R+rcos⁡u)K=\frac{\cos u}{r(R+r\cos u)},\qquad H=\frac{R+2r\cos u}{2r(R+r\cos u)}

となる。

(2) ρ>0\rho>0 なので、Gauss 曲率の符号は cos⁡u\cos u の符号に等しい。外側の半分 ∣u∣<π/2\left\vert u\right\vert <\pi/2 は楕円点、内側の半分 π/2<u<3π/2\pi/2<u<3\pi/2 は双曲点である。u=±π/2u=\pm\pi/2 の上下の2つの円は放物点で、そこでは接平面が水平になる。

(3) 面積要素は dA=rρ du dv\mathrm{d} A=r\rho\,\mathrm{d} u\,\mathrm{d} v なので K dA=cos⁡u du dvK\,\mathrm{d} A=\cos u\,\mathrm{d} u\,\mathrm{d} v である。1周の積分で ∬K dA=2π∫02πcos⁡u du=0,∬∣K∣ dA=2π∫02π∣cos⁡u∣ du=8π\iint K\,\mathrm{d} A=2\pi\int_0^{2\pi}\cos u\,\mathrm{d} u=0,\quad \iint\left\vert K\right\vert \,\mathrm{d} A=2\pi\int_0^{2\pi}\left\vert \cos u\right\vert \,\mathrm{d} u=8\pi となる。外側の楕円点の部分は Gauss 写像で単位球面(面積 4π4\pi)を向きを保って1回覆う。内側の双曲点の部分は向きを反転して1回覆うので、向きつきの合計は0になる。

確認テスト

オリジナル

  1. 7.3-1 法線の向きを反転したとき、主曲率・KK・HH がそれぞれどう変わるかを答えよ。
  2. 7.3-2 放物面 z=12(x2+y2)z=\frac12(x^2+y^2) を (x,y)(x,y) で表し、法線を上向きにとる。一般の点での KK と HH を求めよ。
  3. 7.3-3 曲面 z=xyz=xy について、原点での主曲率と主方向を求めよ。さらに一般の点での Gauss 曲率を求めよ。
  4. 7.3-4 臍点だけからなる連結な曲面片は、平面か球面の一部であることを示せ(ヒント:nu=−λru,nv=−λrv\bm{n}_u=-\lambda\bm{r}_u,\quad \bm{n}_v=-\lambda\bm{r}_v から λ\lambda が定数であることを示す)。

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