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媒介変数表示と第一基本形式

2026年10月22日14分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第7章 曲面の幾何
目次
  1. 正則な曲面片と接平面
  2. 第一基本形式
  3. 確認テスト
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

物理のための微分幾何入門 第7章 §7.1 ★★★ 曲面の上の長さ・角・面積はすべて E,F,GE,F,G の3つの関数で測れる。第8章以降の内在的な幾何の出発点

第6章では、空間の中の曲線の曲がり方を曲率 κ\kappa と捩率 τ\tau で測った。この章では、1次元の曲線を2次元の曲面に取り替えて、同じ問いを立てる。曲面の上の長さと角はどう測るか、曲面は各点でどう曲がっているか、という問いである。

前者の答えは第一基本形式で、第5章で導入した計量 gijg_{ij} の具体例になっている。後者の答えは第二基本形式で、こちらは曲面が空間の中にどう置かれているかで決まる。2つを組み合わせると、各点に主曲率 κ1,κ2\kappa_1,\kappa_2 が定まる。その積が Gauss 曲率 KK、平均が平均曲率 HH である。

物理では、平均曲率は表面張力と結びつく。面積を最小にする石鹸膜は H=0H=0 の曲面になり、液滴の内外の圧力差は 2σH2\sigma H になる。Gauss 曲率のほうは、第8章で第一基本形式だけから決まる量であることを示す(驚異の定理)。第15章の Gauss–Bonnet の定理では、その積分が曲面の位相を表すことを見る。

前の章から借りる結果を式の形で書いておく。曲線 γ(s)\bm{\gamma}(s) を弧長 ss で表す。単位接ベクトルを t=dγ/ds\bm{t}=\mathrm{d}\bm{\gamma}/\mathrm{d} s とすると、第6章 §6.1・§6.2 の曲率と主法線は

dtds=κ e,κ≥0,∣e∣=1(7.1)\frac{d \bm{t}}{d s}=\kappa\,\bm{e},\qquad \kappa\ge0,\quad \left\vert \bm{e}\right\vert =1\tag{7.1}

で定まる。この章では、曲面の法線 n\bm{n} と区別するために、曲線の主法線を e\bm{e} と書く。第5章 §5.1 からは、計量 gijg_{ij} による線素と面積要素

ds2=gij duiduj,dA=det⁡g du1du2\mathrm{d} s^2=g_{ij}\,\mathrm{d} u^i\mathrm{d} u^j,\qquad \mathrm{d} A=\sqrt{\det g}\,\mathrm{d} u^1\mathrm{d} u^2

を借りる。

正則な曲面片と接平面

平面の領域 DD の各点に、空間の点 r(u,v)∈R3\bm{r}(u,v)\in\mathbb{R}^3 を対応させる。この対応は滑らかであるとする。偏微分を ru=∂r/∂u,rv=∂r/∂v\bm{r}_u=\partial\bm{r}/\partial u,\quad \bm{r}_v=\partial\bm{r}/\partial v と書く。

定義 7.1(正則な曲面片)

滑らかな写像 r:D→R3\bm{r}:D\to\mathbb{R}^3 が単射で、DD のすべての点で

ru×rv≠0\bm{r}_u\times\bm{r}_v\neq\bm{0}

を満たすとき、r\bm{r} を正則な曲面片と呼ぶ。このとき (u,v)(u,v) を曲面の局所座標と呼ぶ。uu だけを動かした曲線を uu 曲線と呼ぶ。同様に、vv だけを動かした曲線を vv 曲線と呼ぶ。

正則性の条件は、2つのベクトル ru,rv\bm{r}_u,\bm{r}_v が1次独立であることと同じである。第1章の言葉で言えば、写像 (u,v)↦r(u,v)\mapsto\bm{r} のヤコビ行列の階数が2であることを要求している。この条件のもとで、第1章 §1.4 の議論により、像は各点の近くで滑らかな2次元の部分多様体になる。

定義 7.2(接平面と単位法線)

点 p=r(u,v)p=\bm{r}(u,v) で2つのベクトル ru,rv\bm{r}_u,\bm{r}_v が張る平面を接平面と呼ぶ。これを TpT_p と書く。接平面に垂直な単位ベクトル

n=ru×rv∣ru×rv∣(7.2)\bm{n}=\frac{\bm{r}_u\times\bm{r}_v}{\left\vert \bm{r}_u\times\bm{r}_v\right\vert }\tag{7.2}

を単位法線と呼ぶ。

曲面の上の曲線 γ(t)=r(u(t),v(t))\bm{\gamma}(t)=\bm{r}(u(t),v(t)) の速度は、連鎖律により

γ˙=u˙ ru+v˙ rv\dot{\bm{\gamma}}=\dot u\,\bm{r}_u+\dot v\,\bm{r}_v

となる。したがって曲面の上の曲線の速度はすべて接平面に入る。逆に接平面の任意のベクトル aru+brva\bm{r}_u+b\bm{r}_v は、曲線 (u0+at, v0+bt)(u_0+at,\,v_0+bt) の速度として実現できる。第2章で曲線の速度として定義した接空間は、曲面の場合にはこの接平面そのものである。

単位法線の向きは、座標 u,vu,v を入れ替えると反転する。この章のどの結果も、法線の向きを1つ決めてから述べる。向きを反転したときに符号が変わる量と変わらない量の区別は §7.3 で整理する。

図

図 7.1 曲面 z=0.35(x2+0.6y2)z=0.35(x^2+0.6y^2) を (u,v)=(x,y)(u,v)=(x,y) で表した曲面片。太線は点 pp を通る uu 曲線と vv 曲線で、その速度 ru,rv\bm{r}_u,\bm{r}_v が接平面 TpT_p(青)を張り、単位法線 n\bm{n} はそれに垂直である。

第一基本形式

接平面のベクトル X=aru+brvX=a\bm{r}_u+b\bm{r}_v の長さの2乗は、空間の内積で計算すると

∣X∣2=a2 ru⋅ru+2ab ru⋅rv+b2 rv⋅rv\left\vert X\right\vert ^2=a^2\,\bm{r}_u\cdot\bm{r}_u+2ab\,\bm{r}_u\cdot\bm{r}_v+b^2\,\bm{r}_v\cdot\bm{r}_v

となる。係数の3つの関数に名前をつける。

定義 7.3(第一基本形式)

E=ru⋅ru,F=ru⋅rv,G=rv⋅rv(7.3)E=\bm{r}_u\cdot\bm{r}_u,\qquad F=\bm{r}_u\cdot\bm{r}_v,\qquad G=\bm{r}_v\cdot\bm{r}_v\tag{7.3}

とおき、

I=E du2+2F du dv+G dv2(7.4)\mathrm I=E\,\mathrm{d} u^2+2F\,\mathrm{d} u\,\mathrm{d} v+G\,\mathrm{d} v^2\tag{7.4}

を曲面の第一基本形式と呼ぶ。接ベクトル X,YX,Y に対する対称な双線形形式としては I(X,Y)=X⋅Y\mathrm I(X,Y)=X\cdot Y である。

第5章の記法で u1=u,u2=vu^1=u,\quad u^2=v と書けば、第一基本形式は計量

(gij)=(EFFG),I=gij duiduj(7.5)(g_{ij})=\begin{pmatrix}E&F\\F&G\end{pmatrix},\qquad \mathrm I=g_{ij}\,\mathrm{d} u^i\mathrm{d} u^j\tag{7.5}

そのものである。これは空間の Euclid 計量 dx2+dy2+dz2\mathrm{d} x^2+\mathrm{d} y^2+\mathrm{d} z^2 を写像 r\bm{r} で曲面へ引き戻したもので、誘導計量とも呼ぶ。正則性から X≠0X\neq0 なら I(X,X)>0\mathrm I(X,X)>0 なので、この計量は正定値である。

命題 7.4(長さ・角・面積)

曲面の上の曲線 γ(t)=r(u(t),v(t))\bm{\gamma}(t)=\bm{r}(u(t),v(t))(a≤t≤ba\le t\le b)の長さを考える。同じ点の2つの接ベクトル X,YX,Y のなす角を α\alpha とする。領域 Ω⊂D\Omega\subset D の像の面積を A(Ω)A(\Omega) とする。これらは

L[γ]=∫abEu˙2+2Fu˙v˙+Gv˙2 dt,cos⁡α=I(X,Y)I(X,X) I(Y,Y),A(Ω)=∬Ω∣ru×rv∣ du dv=∬ΩEG−F2 du dv\begin{align*}L[\bm{\gamma}]&=\int_a^b\sqrt{E\dot u^2+2F\dot u\dot v+G\dot v^2}\,\mathrm{d} t,\tag{7.6}\\\cos\alpha&=\frac{\mathrm I(X,Y)}{\sqrt{\mathrm I(X,X)\,\mathrm I(Y,Y)}},\tag{7.7}\\A(\Omega)&=\iint_\Omega\left\vert \bm{r}_u\times\bm{r}_v\right\vert \,\mathrm{d} u\,\mathrm{d} v=\iint_\Omega\sqrt{EG-F^2}\,\mathrm{d} u\,\mathrm{d} v\tag{7.8}\end{align*}

と書ける。

証明

長さは ∣γ˙∣\left\vert \dot{\bm{\gamma}}\right\vert の積分で、γ˙=u˙ru+v˙rv\dot{\bm{\gamma}}=\dot u\bm{r}_u+\dot v\bm{r}_v を代入して展開すると根号の中身になる。角は空間の内積の定義 X⋅Y=∣X∣∣Y∣cos⁡αX\cdot Y=\left\vert X\right\vert \left\vert Y\right\vert \cos\alpha を第一基本形式で書き直しただけである。

面積については、座標の小さな長方形 [u,u+Δu]×[v,v+Δv][u,u+\Delta u]\times[v,v+\Delta v] の像を考える。これは1次の近似で、2辺が ruΔu\bm{r}_u\Delta u と rvΔv\bm{r}_v\Delta v の平行四辺形になる。その面積は ∣ru×rv∣ΔuΔv\left\vert \bm{r}_u\times\bm{r}_v\right\vert \Delta u\Delta v なので、Riemann 和の極限として最初の等号を得る。2つ目の等号は、空間の2つのベクトルについての Lagrange の恒等式

∣a×b∣2=∣a∣2∣b∣2−(a⋅b)2\left\vert \bm{a}\times\bm{b}\right\vert ^2=\left\vert \bm{a}\right\vert ^2\left\vert \bm{b}\right\vert ^2-(\bm{a}\cdot\bm{b})^2

に a=ru, b=rv\bm{a}=\bm{r}_u,\ \bm{b}=\bm{r}_v を入れると、右辺が EG−F2EG-F^2 になることから従う。恒等式そのものは、成分で両辺を展開すると一致することで確かめられる。

EG−F2EG-F^2 は行列 (7.5) の行列式なので、(7.8) の面積要素は第5章 §5.1 の det⁡g du dv\sqrt{\det g}\,\mathrm{d} u\,\mathrm{d} v と同じものである。角の式 (7.7) で X=ru,Y=rvX=\bm{r}_u,\quad Y=\bm{r}_v とおくと、座標曲線どうしのなす角が得られる。特に、座標曲線が各点で直交することは F=0F=0 と同値である。

命題 7.5(面積は座標の取り方によらない)

同じ曲面を別の局所座標 (u~,v~)(\tilde u,\tilde v) で表し、(u,v)↦(u~,v~)(u,v)\mapsto(\tilde u,\tilde v) が向きを保つとは限らない微分同相であるとする。このとき面積 (7.8) はどちらの座標で計算しても等しい。

証明

連鎖律により ru=r~u~ ∂u~/∂u+r~v~ ∂v~/∂u\bm{r}_u=\tilde{\bm{r}}_{\tilde u}\,\partial\tilde u/\partial u+\tilde{\bm{r}}_{\tilde v}\,\partial\tilde v/\partial u であり、rv\bm{r}_v も同様に書ける。外積の双線形性と r~u~×r~u~=0\tilde{\bm{r}}_{\tilde u}\times\tilde{\bm{r}}_{\tilde u}=0 を使って展開すると

ru×rv=det⁡J  r~u~×r~v~,J=∂(u~,v~)∂(u,v)\bm{r}_u\times\bm{r}_v=\det J\;\tilde{\bm{r}}_{\tilde u}\times\tilde{\bm{r}}_{\tilde v},\qquad J=\frac{\partial(\tilde u,\tilde v)}{\partial(u,v)}

となる。両辺の大きさをとり、重積分の変数変換の公式 du~ dv~=∣det⁡J∣ du dv\mathrm{d}\tilde u\,\mathrm{d}\tilde v=\left\vert \det J\right\vert \,\mathrm{d} u\,\mathrm{d} v を使えば、2つの積分は一致する。

よく使う曲面の第一基本形式

  • 関数のグラフ r=(x,y,f(x,y))\bm{r}=(x,y,f(x,y)) では rx=(1,0,fx),ry=(0,1,fy)\bm{r}_x=(1,0,f_x),\quad \bm{r}_y=(0,1,f_y) なので

E=1+fx2,F=fxfy,G=1+fy2,EG−F2=1+fx2+fy2.E=1+f_x^2,\quad F=f_xf_y,\quad G=1+f_y^2,\quad \sqrt{EG-F^2}=\sqrt{1+f_x^2+f_y^2}.

  • 半径 RR の球面を、極角と方位角 (θ,ϕ)(\theta,\phi) で表す。このとき

I=R2 dθ2+R2sin⁡2θ dϕ2.\mathrm I=R^2\,\mathrm{d}\theta^2+R^2\sin^2\theta\,\mathrm{d}\phi^2 .

  • 回転面 r=(r(z)cos⁡v, r(z)sin⁡v, z)\bm{r}=(r(z)\cos v,\,r(z)\sin v,\,z) では E=1+r′2,F=0,G=r2E=1+r'^2,\quad F=0,\quad G=r^2 である。

例題 7.1 トーラスの第一基本形式と面積 ★★

オリジナル0<r<R0<r<R とし、トーラスを

r(u,v)=((R+rcos⁡u)cos⁡v,  (R+rcos⁡u)sin⁡v,  rsin⁡u),0≤u,v<2π\bm{r}(u,v)=\bigl((R+r\cos u)\cos v,\;(R+r\cos u)\sin v,\;r\sin u\bigr),\qquad 0\le u,v<2\pi

で表す。

  1. E,F,GE,F,G を求め、座標曲線が直交することを確かめよ。
  2. トーラスの全面積を求めよ。
  3. 外側の赤道 u=0u=0 と内側の赤道 u=πu=\pi の長さを求めよ。
解答

ρ=R+rcos⁡u\rho=R+r\cos u とおく。

(1) 偏微分は

ru=(−rsin⁡ucos⁡v, −rsin⁡usin⁡v, rcos⁡u),rv=(−ρsin⁡v, ρcos⁡v, 0)\bm{r}_u=(-r\sin u\cos v,\,-r\sin u\sin v,\,r\cos u),\qquad \bm{r}_v=(-\rho\sin v,\,\rho\cos v,\,0)

である。内積をとると

E=r2(sin⁡2ucos⁡2v+sin⁡2usin⁡2v+cos⁡2u)=r2,F=rρsin⁡usin⁡vcos⁡v−rρsin⁡usin⁡vcos⁡v=0,G=ρ2\begin{gathered} E=r^2(\sin^2u\cos^2v+\sin^2u\sin^2v+\cos^2u)=r^2,\\ F=r\rho\sin u\sin v\cos v-r\rho\sin u\sin v\cos v=0,\qquad G=\rho^2 \end{gathered}

となる。F=0F=0 なので座標曲線は各点で直交する。

(2) EG−F2=rρ=r(R+rcos⁡u)\sqrt{EG-F^2}=r\rho=r(R+r\cos u) なので

A=∫02π ⁣ ⁣∫02πr(R+rcos⁡u) du dv=2π⋅r⋅2πR=4π2Rr.A=\int_0^{2\pi}\!\!\int_0^{2\pi}r(R+r\cos u)\,\mathrm{d} u\,\mathrm{d} v=2\pi\cdot r\cdot2\pi R=4\pi^2Rr .

cos⁡u\cos u の項は1周の積分で消える。この値は、管の断面の円周 2πr2\pi r と中心の円の長さ 2πR2\pi R の積に等しい。

(3) vv 曲線は vv そのものを径数にとれる。したがって (7.6) から長さは

∫02πG dv=2πρ\int_0^{2\pi}\sqrt G\,\mathrm{d} v=2\pi\rho

である。外側の赤道は 2π(R+r)2\pi(R+r)、内側の赤道は 2π(R−r)2\pi(R-r) になる。

確認テスト

オリジナル

  1. 7.1-1 第一基本形式で F=0F=0 となることは、座標曲線が直交することと同値である。その理由を (7.7) から1行で述べよ。
  2. 7.1-2 半径 RR の球面 r=R(sin⁡θcos⁡ϕ,sin⁡θsin⁡ϕ,cos⁡θ)\bm{r}=R(\sin\theta\cos\phi,\sin\theta\sin\phi,\cos\theta) の第一基本形式を求めよ。さらに、θ1≤θ≤θ2\theta_1\le\theta\le\theta_2 の帯の面積が 2πR(cos⁡θ1−cos⁡θ2)2\pi R(\cos\theta_1-\cos\theta_2) であることを示せ。
  3. 7.1-3 c>0c>0 を定数とする。螺旋面 r(u,v)=(ucos⁡v, usin⁡v, cv)\bm{r}(u,v)=(u\cos v,\,u\sin v,\,cv) の E,F,GE,F,G を求めよ。また 0≤u≤1, 0≤v≤2π0\le u\le1,\ 0\le v\le2\pi の部分の面積を求めよ。c=1c=1 のときの数値を小数第2位まで答えよ。
  4. 7.1-4 座標変換 (u,v)↦(u~,v~)(u,v)\mapsto(\tilde u,\tilde v) のヤコビ行列を JJ とする。第一基本形式の係数行列が g=JTg~Jg=J^{\mathsf T}\tilde gJ と変わることを示せ。そこから det⁡g du dv=det⁡g~ du~ dv~\sqrt{\det g}\,\mathrm{d} u\,\mathrm{d} v=\sqrt{\det\tilde g}\,\mathrm{d}\tilde u\,\mathrm{d}\tilde v を導け。

木下の勉強ステータス

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