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驚異の定理

2026年10月22日18分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第8章 内在的な幾何と驚異の定理
目次
  1. 定理と証明
  2. 直交座標系での公式
  3. 地球の平面地図は必ず歪む
  4. Mercator 図法の計量
  5. 物理の例:ピザを折ると垂れない
  6. 物理の例:住人による曲率の測定
  7. 一般相対論へ
  8. 確認テスト
  9. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

物理のための微分幾何入門 第8章 §8.4 ★★★ Gauss 曲率は住人が自分の面の中だけで測れる。地図が必ず歪むこと、薄い板の曲がり方、一般相対論の出発点がここから出る

定理と証明

ここまでの準備で、驚異の定理はほとんど1行で示せる。

定理 8.11(驚異の定理(Theorema Egregium)★★★)

曲面の Gauss 曲率 KK は内在的である。具体的には、(8.12) の R1212R_{1212} を使って次のように書ける。

K=R1212g=R1212EG−F2(8.17)K=\frac{R_{1212}}{g}=\frac{R_{1212}}{EG-F^2}\tag{8.17}

右辺は gijg_{ij} とその2階までの導関数だけで決まる。したがって、局所等長写像で対応する点の Gauss 曲率は等しい。

証明

(8.1) の定義と Gauss の方程式の2次元の形 (8.15) から次の式を得る。

K=LN−M2EG−F2=R1212EG−F2K=\frac{LN-M^2}{EG-F^2}=\frac{R_{1212}}{EG-F^2}

R1212=g1mRm212R_{1212}=g_{1m}R^m{}_{212} は、(8.12) により Christoffel 記号とその1階導関数で書ける。Christoffel 記号は定理 8.7 により gijg_{ij} とその1階導関数で書ける。したがって R1212R_{1212} は、gijg_{ij} とその2階までの導関数で書ける。最後の主張は、内在的な量が局所等長写像で保たれること(§8.1)による。

定理の意外さは定義を見比べると分かる。K=κ1κ2K=\kappa_1\kappa_2 の因子 κ1,κ2\kappa_1,\kappa_2 は、それぞれ単独では内在的でない。円柱の κ1=1/a\kappa_1=1/a は、平面の対応する主曲率 0 と違うからである。

ところが積をとると、法線の向きに依存する部分が消えて、計量だけで決まる量が残る。平均曲率 H=(κ1+κ2)/2H=(\kappa_1+\kappa_2)/2 にはこれが起きない。

直交座標系での公式

実際の計算には、直交座標系(F=0F=0)での明示的な式が便利である。(8.12) で (l,i,j,k)=(1,2,1,2)(l,i,j,k)=(1,2,1,2) とし、(8.10) を入れて展開する。

R1212=∂uΓ122−∂vΓ112+Γ111Γ122+Γ112Γ222−Γ121Γ112−Γ122Γ212=−Guu2E+EuGu2E2−Evv2E+Ev22E2−EuGu4E2+EvGv4EG−Ev24E2+Gu24EG=−Evv+Guu2E+EuGu+Ev24E2+EvGv+Gu24EG.\begin{aligned} R^1{}_{212} &=\partial_u\Gamma^1{}_{22}-\partial_v\Gamma^1{}_{12}+\Gamma^1{}_{11}\Gamma^1{}_{22}+\Gamma^1{}_{12}\Gamma^2{}_{22}-\Gamma^1{}_{21}\Gamma^1{}_{12}-\Gamma^1{}_{22}\Gamma^2{}_{12}\\ &=-\frac{G_{uu}}{2E}+\frac{E_uG_u}{2E^2}-\frac{E_{vv}}{2E}+\frac{E_v^2}{2E^2}-\frac{E_uG_u}{4E^2}+\frac{E_vG_v}{4EG}-\frac{E_v^2}{4E^2}+\frac{G_u^2}{4EG}\\ &=-\frac{E_{vv}+G_{uu}}{2E}+\frac{E_uG_u+E_v^2}{4E^2}+\frac{E_vG_v+G_u^2}{4EG}. \end{aligned}

2行目の各項は、1行目の6項を順に計算したもので、はじめの2項は商の微分から2項ずつ出る。

直交座標系では R1212=E R1212R_{1212}=E\,R^1{}_{212} と g=EGg=EG が成り立つ。したがって K=R1212/GK=R^1{}_{212}/G となる。これを整理すると、次の見通しのよい形にまとまる(展開して上の式と一致することは verify で確かめてある)。

K=−12EG[∂∂u(GuEG)+∂∂v(EvEG)](8.18)K=-\frac{1}{2\sqrt{EG}}\left[\frac{\partial}{\partial u}\Bigl(\frac{G_u}{\sqrt{EG}}\Bigr)+\frac{\partial}{\partial v}\Bigl(\frac{E_v}{\sqrt{EG}}\Bigr)\right]\tag{8.18}

よく使う2つの特別な場合を挙げる。E=1, G=ρ(u)2E=1,\ G=\rho(u)^2 の回転面型の計量では、EG=ρ, Gu/EG=2ρ′\sqrt{EG}=\rho,\ G_u/\sqrt{EG}=2\rho' なので次の式になる。

K=−ρ′′ρ(8.19)K=-\frac{\rho''}{\rho}\tag{8.19}

E=G=λ(u,v)E=G=\lambda(u,v) の等角な計量では EG=λ\sqrt{EG}=\lambda である。平面の Laplace 作用素 Δ=∂u2+∂v2\Delta=\partial_u^2+\partial_v^2 を使うと、次のように書ける(確認テスト 8.4-4)。

K=−12λ Δlog⁡λ(8.20)K=-\frac{1}{2\lambda}\,\Delta\log\lambda\tag{8.20}

例:定数曲率の3つの面

(8.19) を ds2=du2+ρ(u)2dv2\mathrm{d} s^2=\mathrm{d} u^2+\rho(u)^2\mathrm{d} v^2 に当てはめる。

  • ρ=asin⁡(u/a)\rho=a\sin(u/a) では K=−ρ′′/ρ=1/a2K=-\rho''/\rho=1/a^2 となる。これは半径 aa の球面である。
  • ρ=u\rho=u では K=0K=0 となる。これは平面の極座標である。
  • ρ=cosh⁡u\rho=\cosh u では K=−ρ′′/ρ=−1K=-\rho''/\rho=-1 となる。これは負の定曲率の面で、第11章の双曲平面と同じ幾何を持つ。

3つめの計量は外の空間の形を何も指定していないが、Gauss 曲率はそれでも決まる。

地球の平面地図は必ず歪む

系 8.12(縮尺が一定の地図は存在しない)

半径 RR の球面のどんな小さな部分も、平面の一部へ局所等長写像で移すことはできない。定数 c>0c>0 について、長さをすべて cc 倍する写像も存在しない。

証明

球面の Gauss 曲率は 1/R21/R^2 で、平面の Gauss 曲率は 0 である。局所等長写像があれば定理 8.11 により両者は等しくなるので、矛盾する。

長さを cc 倍する写像は、計量を c2gijc^2g_{ij} に取り替えた球面からの局所等長写像である。(8.8) の右辺は gijg_{ij} を定数倍しても変わらないので、Christoffel 記号は変わらない。

そのため R1212=g1mRm212R_{1212}=g_{1m}R^m{}_{212} は c2c^2 倍になる。行列式 gg は c4c^4 倍になる。したがって Gauss 曲率は 1/(c2R2)≠01/(c^2R^2)\ne0 となり、やはり平面と一致しない。

この系により、地図を作る人は何かを諦めなければならない。角を保つ地図(等角図法)、面積を保つ地図(正積図法)、ある1点からの距離を保つ地図(正距方位図法)はそれぞれ作れる。しかし長さを全部保つ地図は作れない。

Mercator 図法の計量

航海用の地図として 1569 年に G. Mercator が発表した図法は、角を保つ地図の代表である。角が保たれると、羅針盤で一定の方位を保って進む航路(等角航路)が地図の上で直線になる。この性質が航海で重宝された理由である。

(8.3) から出発する。経度方向は x=Rφx=R\varphi とする。緯度方向の座標 yy は、計量が dx2+dy2\mathrm{d} x^2+\mathrm{d} y^2 の関数倍になるように選ぶ。(8.3) を cos⁡2ψ\cos^2\psi でくくると、次のように書ける。

ds2=cos⁡2ψ(R2 dψ2cos⁡2ψ+R2 dφ2)\mathrm{d} s^2=\cos^2\psi\Bigl(\frac{R^2\,\mathrm{d}\psi^2}{\cos^2\psi}+R^2\,\mathrm{d}\varphi^2\Bigr)

したがって dy=R dψ/cos⁡ψ\mathrm{d} y=R\,\mathrm{d}\psi/\cos\psi とおけばよい。

これを ψ=0\psi=0 で y=0y=0 として積分する。

y=R∫0ψdψ′cos⁡ψ′=Rlog⁡tan⁡(π4+ψ2),ds2=cos⁡2ψ (dx2+dy2)(8.21)y=R\int_0^\psi\frac{\mathrm{d}\psi'}{\cos\psi'}=R\log\tan\Bigl(\frac{\pi}{4}+\frac{\psi}{2}\Bigr),\qquad \mathrm{d} s^2=\cos^2\psi\,(\mathrm{d} x^2+\mathrm{d} y^2)\tag{8.21}

cosh⁡(y/R)=1/cos⁡ψ\cosh(y/R)=1/\cos\psi が成り立つ(確認テスト 8.4-3 の解答で示す)。したがって係数 λ=cos⁡2ψ=1/cosh⁡2(y/R)\lambda=\cos^2\psi=1/\cosh^2(y/R) は、yy だけの関数である。

図

図 8.3 Mercator 図法の経緯線網。緯線の間隔は (8.21) の yy で決まり、高緯度ほど広がる。赤い円は地球の上で同じ大きさの小円の像で、半径は 1/cos⁡ψ1/\cos\psi 倍に、面積は 1/cos⁡2ψ1/\cos^2\psi 倍になる。等角なので円は円のまま写り、一定の方位の航路は直線になる。

Mercator 図法は角を保つので、小さな円は円のまま写る(図 8.3)。しかし (8.21) の係数 cos⁡2ψ\cos^2\psi が場所によって変わるので、縮尺は一定でない。系 8.12 により、これはどんな工夫をしても避けられない。

例題 8.4 Mercator 図法の曲率と縮尺 ★★

オリジナル

  1. 計量 (8.21) の Gauss 曲率を (8.20) で計算し、1/R21/R^2 になることを確かめよ。
  2. 地図の上の長さと地球の上の長さの比(縮尺の倍率)を緯度 ψ\psi の関数で表せ。
  3. 地球の半径を R=6371 kmR=6371\,\mathrm{km} とする。北緯 60∘60^\circ と北緯 72∘72^\circ での長さの倍率と面積の倍率を求めよ。
解答

1. λ=1/cosh⁡2(y/R)\lambda=1/\cosh^2(y/R) なので log⁡λ=−2log⁡cosh⁡(y/R)\log\lambda=-2\log\cosh(y/R) である。これは横の座標によらない。yy で2回微分する。

∂∂ylog⁡λ=−2Rtanh⁡yR,Δlog⁡λ=∂2∂y2log⁡λ=−2R2 1cosh⁡2(y/R)=−2λR2\frac{\partial}{\partial y}\log\lambda=-\frac{2}{R}\tanh\frac{y}{R},\qquad \Delta\log\lambda=\frac{\partial^2}{\partial y^2}\log\lambda=-\frac{2}{R^2}\,\frac{1}{\cosh^2(y/R)}=-\frac{2\lambda}{R^2}

(8.20) に入れると K=−12λ⋅(−2λR2)=1R2K=-\frac{1}{2\lambda}\cdot\bigl(-\frac{2\lambda}{R^2}\bigr)=\frac{1}{R^2} となり、球面の Gauss 曲率と一致する。

2. 地図の上の長さは dx2+dy2\sqrt{\mathrm{d} x^2+\mathrm{d} y^2}、地球の上の長さは ds=cos⁡ψdx2+dy2\mathrm{d} s=\cos\psi\sqrt{\mathrm{d} x^2+\mathrm{d} y^2} である。比はどの方向でも同じで、次のようになる。

地図の上の長さ地球の上の長さ=1cos⁡ψ\frac{\text{地図の上の長さ}}{\text{地球の上の長さ}}=\frac{1}{\cos\psi}

方向によらないことが等角性の表れである。

3. 北緯 60∘60^\circ では 1/cos⁡60∘=21/\cos60^\circ=2 なので、長さは2倍、面積は4倍に写る。北緯 72∘72^\circ では 1/cos⁡72∘≈3.2361/\cos72^\circ\approx3.236 なので、長さは約 3.24 倍、面積は約 10.5 倍に写る。倍率に RR は入らないので、この結果は地球の大きさによらない。北緯 72∘72^\circ 付近にある陸地が Mercator 図法の地図で実際より大きく見えるのは、この面積の倍率による。

物理の例:ピザを折ると垂れない

切り分けたピザを手で持つと、先端が垂れ下がる。ところが、外側の縁(耳)を指で押して横向きに丸めると、先端は垂れずにまっすぐ伸びる(図 8.4)。これは驚異の定理の帰結として説明できる。

図

図 8.4 ピザの一切れ。(a) 平らな状態では K=0K=0 である。(b) 耳を横向き(e1\bm{e}_1 の方向)に丸めると、その方向の主曲率が 0 でなくなる。(c) 生地が伸び縮みしなければ K=0K=0 が保たれるので、先端へ向かう方向(e2\bm{e}_2)の主曲率は 0 のままで、先端は垂れない。

生地を薄い板とみなし、伸び縮みせずに曲がるだけと仮定する。伸び縮みしない変形は局所等長写像なので、驚異の定理により各点の KK は平らなときの値 0 のまま保たれる。耳を横に丸めると、横方向の主曲率 κ1\kappa_1 が 0 でなくなる。K=κ1κ2=0K=\kappa_1\kappa_2=0 を保つには、もう一方の主曲率 κ2\kappa_2 が 0 でなければならず、先端へ向かう方向には曲がれない。

薄い板がほぼ等長に変形する理由

  • ヤング率 YY、厚さ hh の薄い板を考える。板をひずみ ε\varepsilon だけ伸ばすのに要るエネルギーは、単位面積あたり Yhε2Yh\varepsilon ^2 の程度である。
  • 曲率半径 rcr_{\mathrm c} に曲げるのに要るエネルギーは、単位面積あたり Yh3/(12rc2)Yh^3/(12r_{\mathrm c}^2) の程度である。
  • 2つが等しくなるひずみは ε=h/(12 rc)\varepsilon =h/(\sqrt{12}\,r_{\mathrm c}) である。厚さ 3 mm の板を半径 5 cm に曲げる場合には ε≈0.017\varepsilon \approx0.017 となる。
  • 薄い板では、少し伸ばすのと同じエネルギーで大きく曲げられる。重力程度の弱い力では、板は伸びずに曲がる変形を選ぶ。

波板やトタン屋根が一方向に波打たせてあるのも同じ理由による。波打たせた方向と直交する方向に曲げるには、板を伸ばす必要が生じるので、板は硬くなる。

物理の例:住人による曲率の測定

驚異の定理は、住人が曲率を測る手順も示唆する。曲面上の点 pp から曲面に沿った距離が rr の点の集まりを、測地円という。住人はその周の長さ C(r)C(r) を測ればよい。半径 RR の球面では、測地円は北極を中心とする緯線に当たり、次の式になる。

C(r)=2πRsin⁡rR=2πr(1−r26R2+⋯ )(8.22)C(r)=2\pi R\sin\frac{r}{R}=2\pi r\Bigl(1-\frac{r^2}{6R^2}+\cdots\Bigr)\tag{8.22}

北極から曲面に沿って距離 rr の緯線は、軸からの距離が Rsin⁡(r/R)R\sin(r/R) だからである。

図

図 8.5 測地円の周の長さと平面の値 2πr2\pi r の比。球面では (8.22) により sin⁡(r/R)/(r/R)\sin(r/R)/(r/R) となり、平面の値 1 より小さい。小さな rr での減り方 r2/(6R2)r^2/(6R^2) から、住人は曲率 1/R21/R^2 を読み取れる。

(8.22) の補正項に現れる 1/R21/R^2 は Gauss 曲率そのものである。一般の曲面でも、点 pp の Gauss 曲率を KK として次の式が成り立つ(Bertrand–Diguet–Puiseux の定理)。

C(r)=2πr(1−K6r2+O(r3))C(r)=2\pi r\Bigl(1-\frac{K}{6}r^2+O(r^3)\Bigr)

証明には測地線を座標線にとる測地極座標が要るが、この巻では証明を省いて結果だけを使う。周の長さは住人が自分で測れる量なので、この式は驚異の定理の別の表れになっている。

例題 8.5 地球の上の円の周の不足と正距方位図法の歪み ★★

オリジナル地球を半径 R=6371 kmR=6371\,\mathrm{km} の球とみなす。

  1. ある点から地表に沿って半径 r=100 kmr=100\,\mathrm{km} の円を描く。周の長さは 2πr2\pi r よりどれだけ短いか。(8.22) の厳密な式と、2次の近似 πr3/(3R2)\pi r^3/(3R^2) の両方で求めよ。
  2. 北極を中心とする正距方位図法は、北極からの距離と経度の組 (r,φ)(r,\varphi) を、平面の極座標 (r,φ)(r,\varphi) にそのまま写す。この地図で緯線の方向の長さが何倍になるかを rr の関数で求め、赤道(r=πR/2r=\pi R/2)での値を出せ。
解答

1. r/R=100/6371≈0.015696r/R=100/6371\approx0.015696 である。厳密な式では、周の不足は次のようになる。

2πr−2πRsin⁡rR=2π(100−6371sin⁡0.015696) km≈0.0258 km2\pi r-2\pi R\sin\frac{r}{R}=2\pi\bigl(100-6371\sin0.015696\bigr)\,\mathrm{km}\approx0.0258\,\mathrm{km}

近似式では πr3/(3R2)=π×106/(3×63712) km≈0.0258 km\pi r^3/(3R^2)=\pi\times10^6/(3\times6371^2)\,\mathrm{km}\approx0.0258\,\mathrm{km} となる。どちらも約 26 m で、周の長さ約 628 km に対して 4×10−54\times10^{-5} 程度の不足である。2つの値は有効数字4桁で一致し、差は r5r^5 の項の大きさ(10−7 km10^{-7}\,\mathrm{km} 程度)である。

2. 北極を中心にとると、球面の計量は ds2=dr2+R2sin⁡2(r/R) dφ2\mathrm{d} s^2=\mathrm{d} r^2+R^2\sin^2(r/R)\,\mathrm{d}\varphi^2 である。地図の平面の計量は dr2+r2dφ2\mathrm{d} r^2+r^2\mathrm{d}\varphi^2 である。半径方向(経線の方向)の長さは正しく、緯線の方向の長さの比は次のようになる。

rRsin⁡(r/R)\frac{r}{R\sin(r/R)}

赤道では r/R=π/2r/R=\pi/2 なので、比は π/2≈1.571\pi/2\approx1.571 である。赤道の長さは地図の上で約 1.57 倍に伸びて写る。r→0r\to0 で比は 1 に近づき、北極の近くでは歪みが小さい。

一般相対論へ

驚異の定理の考え方は、外の空間を持たない時空に引き継がれる。4次元の時空を入れる5次元の「外」は物理的に存在しないので、時空の曲がりは計量だけから定義するしかない。(8.8) と (8.12) は、そのまま時空の Christoffel 記号と Riemann テンソルの定義になる。曲面の Gauss 曲率に当たる時空の曲がりが重力を表すことは、相対論入門 第8〜10章で扱う。

確認テスト

オリジナル

  1. 8.4-1 球面の一部と円柱の一部は局所等長になりうるか。円錐の一部と平面の一部はどうか。理由を1行で述べよ。
  2. 8.4-2 計量 ds2=du2+ρ(u)2dv2\mathrm{d} s^2=\mathrm{d} u^2+\rho(u)^2\mathrm{d} v^2 の Gauss 曲率が −ρ′′/ρ-\rho''/\rho になることを、(8.18) から導け。また、ρ=eu\rho=\mathrm{e}^{u} のときの KK を求めよ。
  3. 8.4-3 Mercator 図法 (8.21) で cosh⁡(y/R)=1/cos⁡ψ\cosh(y/R)=1/\cos\psi を示せ。長さの倍率が3倍になる緯度を求めよ。地球の半径を R=6371 kmR=6371\,\mathrm{km} とする。赤道から北緯 60∘60^\circ の緯線までの地図上の距離 yy(縮尺を考えない値)と、地表に沿った実際の距離を比べよ。
  4. 8.4-4 (8.18) で E=G=λE=G=\lambda とおいて (8.20) を導け。それを使って、確認テスト 8.2-3 の上半平面の計量の Gauss 曲率を求めよ。
  5. 8.4-5 半径 RR の球面を考える。1点から曲面に沿った距離が rr 以下の領域の面積 A(r)A(r) を求め、次の式を示せ。

A(r)=πr2(1−r212R2+⋯ )A(r)=\pi r^2\Bigl(1-\frac{r^2}{12R^2}+\cdots\Bigr)

R=6371 km, r=100 kmR=6371\,\mathrm{km},\ r=100\,\mathrm{km} のとき、平面の円の面積 πr2\pi r^2 との差を求めよ。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

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