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Coulomb の法則と重ね合わせ

2026年10月15日12分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第2章 静電場
目次
  1. Coulomb の法則
  2. 電場
  3. 重ね合わせの原理
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

電磁気学入門 第2章 §2.1 ★★★ 点電荷どうしの力の法則と、それを足し合わせて任意の電荷分布の電場を積分で書く式

この章では、時間によらない電荷の分布が作る電場(静電場)を扱う。出発点は2つの点電荷のあいだに働く力を与える Coulomb の法則と、力が電荷ごとに足し合わされるという重ね合わせの原理の2つだけである。そこから、電場の発散を電荷密度に結びつける Gauss の法則、電場の回転がゼロであることと電位の存在、電位が満たす Poisson 方程式とその解の一意性、そして電荷を集めるのに要した仕事を電場のエネルギーとして読み直す式を、順に導く。

道具としては、第1章で用意したベクトル解析を使う。具体的には、§1.2 の Gauss の発散定理と Stokes の定理、§1.3 のデルタ関数の公式

∇21∣r−r′∣=−4π δ3(r−r′),(2.1)\nabla^2\frac{1}{\left\vert \bm{r}-\bm{r}'\right\vert }=-4\pi\,\delta^3(\bm{r}-\bm{r}'),\tag{2.1}

そして §1.4 の球座標・円柱座標での発散とラプラシアンである。

この章で得る結果は、巻の残りのほとんどで使う。第3章(導体と境界値問題)は、この章の §2.3 で示す境界条件と一意性定理を用いて、鏡像法や変数分離で Poisson 方程式を解く。第4章(誘電体)は Gauss の法則を分極電荷を含む形に書き直し、第5章は静磁場について同じ形の議論を繰り返す。

第8章では、§2.4 の場のエネルギー密度 ε0E2/2\varepsilon_0E^2/2 が、時間変化する場のエネルギー保存則の一部として現れる。単位は全編を通して SI で、真空の誘電率 ε0\varepsilon_0 を式に残す。

Coulomb の法則

真空中の2つの点電荷のあいだに働く力について、C.-A. de Coulomb はねじれ秤の実験で次の法則を見いだした(1785年)。源となる電荷 q′q' が位置 r′\bm{r}' にあるとする。この電荷が、位置 r\bm{r} にある電荷 qq に及ぼす力は

F=14πε0 qq′∣r−r′∣2 r−r′∣r−r′∣=qq′4πε0 r−r′∣r−r′∣3(2.2)\bm{F}=\frac{1}{4\pi\varepsilon_0}\,\frac{qq'}{\left\vert \bm{r}-\bm{r}'\right\vert ^2}\,\frac{\bm{r}-\bm{r}'}{\left\vert \bm{r}-\bm{r}'\right\vert } =\frac{qq'}{4\pi\varepsilon_0}\,\frac{\bm{r}-\bm{r}'}{\left\vert \bm{r}-\bm{r}'\right\vert ^3}\tag{2.2}

である。この式は3つの事実を含んでいる。

  1. 向き:力は2つの電荷を結ぶ直線に沿う。同符号なら q′q' から遠ざかる向き(斥力)、異符号なら近づく向き(引力)になる。
  2. 距離依存:大きさは距離の2乗に反比例する。
  3. 比例:大きさは2つの電荷の積に比例する。

比例係数の ε0\varepsilon_0 を真空の誘電率と呼び、その値は

ε0=8.8541878…×10−12 F/m,14πε0=8.98755…×109 N m2/C2\varepsilon_0=8.8541878\ldots\times10^{-12}\ \mathrm{F/m},\qquad \frac{1}{4\pi\varepsilon_0}=8.98755\ldots\times10^{9}\ \mathrm{N\,m^2/C^2}

である。SI では電荷の単位クーロン(C)を電流の単位アンペアから定めるので、ε0\varepsilon_0 は実験で決まる定数として式に残る。

式 (2.2) で2つの電荷の位置を入れ替えると、ベクトル r−r′\bm{r}-\bm{r}' の符号だけが反転する。したがって逆向きの力は −F-\bm{F} で、Coulomb 力は作用・反作用の法則を満たす。

電場

式 (2.2) は、力を受ける電荷 qq に比例している。そこで qq で割った量

E(r)=q′4πε0 r−r′∣r−r′∣3(2.3)\bm{E}(\bm{r})=\frac{q'}{4\pi\varepsilon_0}\,\frac{\bm{r}-\bm{r}'}{\left\vert \bm{r}-\bm{r}'\right\vert ^3}\tag{2.3}

を、電荷 q′q' が位置 r\bm{r} に作る電場と定義する。電場を使うと、位置 r\bm{r} に置いた電荷 qq が受ける力は

F=qE(r)\bm{F}=q\bm{E}(\bm{r})

と書ける。電場の単位は N/C で、これは V/m と同じである(§2.3 で電位を定義すると分かる)。

電場を定義する意味は、力を「源の電荷」と「受ける電荷」の2つの因子に分けられることにある。静電場の範囲では、電場は力を計算するための中間の量にすぎないように見える。しかし第8章で時間変化を許すと、電場はエネルギーと運動量を運ぶ独立した物理量として扱う必要が出てくる。この章の §2.4 で、その最初の手がかりとして静電エネルギーを電場の言葉で書き直す。

重ね合わせの原理

電荷が複数あるとき、ある電荷が受ける力は、ほかの電荷が1つずつ単独で及ぼす力のベクトル和になる。これを重ね合わせの原理と呼ぶ。Coulomb の法則と同じく実験事実であり、論理的に導くことはできない。真空中の古典電磁気学の範囲では、精密な実験で破れは見つかっていない。

電場の言葉でいうと、点電荷 q1,…,qNq_1,\dots,q_N が位置 r1,…,rN\bm{r}_1,\dots,\bm{r}_N にあるときの電場は

E(r)=14πε0∑i=1Nqi r−ri∣r−ri∣3(2.4)\bm{E}(\bm{r})=\frac{1}{4\pi\varepsilon_0}\sum_{i=1}^N q_i\,\frac{\bm{r}-\bm{r}_i}{\left\vert \bm{r}-\bm{r}_i\right\vert ^3}\tag{2.4}

である。電荷が連続的に分布しているときは、体積要素 d3r′\mathrm{d}^3r' の中の電荷 ρ(r′) d3r′\rho(\bm{r}')\,\mathrm{d}^3r' を1つの点電荷とみなして和を積分に置き換える。

E(r)=14πε0∫ρ(r′) r−r′∣r−r′∣3 d3r′(2.5)\bm{E}(\bm{r})=\frac{1}{4\pi\varepsilon_0}\int\rho(\bm{r}')\,\frac{\bm{r}-\bm{r}'}{\left\vert \bm{r}-\bm{r}'\right\vert ^3}\,\mathrm{d}^3r'\tag{2.5}

ここで ρ\rho は電荷密度(単位 C/m3^3)である。電荷が面に集中しているときは面電荷密度 σ\sigma(単位 C/m2^2)を使う。線に集中しているときは線電荷密度 λ\lambda(単位 C/m)を使う。積分の中では次の置き換えを行う。

ρ d3r′→σ dS′(面),ρ d3r′→λ dl′(線)\rho\,\mathrm{d}^3r'\to\sigma\,\mathrm{d} S'\quad(\text{面}),\qquad \rho\,\mathrm{d}^3r'\to\lambda\,\mathrm{d} l'\quad(\text{線})

点電荷の集まりも、第1章 §1.3 のデルタ関数を使えば

ρ(r′)=∑iqi δ3(r′−ri)\rho(\bm{r}')=\sum_i q_i\,\delta^3(\bm{r}'-\bm{r}_i)

と書けて、(2.5) に代入すると (2.4) に戻る。したがって (2.5) 1本ですべての場合を扱える。図 2.1 に、源の点と電場を測る点の位置関係を示す。

図

図 2.1 電荷分布 ρ(r′)\rho(\bm{r}')(灰色)の中の体積要素が、点 r\bm{r} に作る電場 dE\mathrm{d}\bm{E}。向きは r−r′\bm{r}-\bm{r}' に沿う。

積分変数と観測点を混同しない

  • 式 (2.5) で積分するのはプライムのついた源の座標 r′\bm{r}' で、観測点 r\bm{r} は定数として扱う。
  • 対称性を使って積分を簡単にするときも、どちらの座標についての対称性かを確かめる。
  • 観測点が電荷分布の中にあると被積分関数は ∣r−r′∣−2\left\vert \bm{r}-\bm{r}'\right\vert ^{-2} で発散する。それでも3次元の積分は収束する(体積要素が ∣r−r′∣2\left\vert \bm{r}-\bm{r}'\right\vert ^2 に比例して小さくなるため)。

例題 2.1 一様に帯電したリングの軸上の電場 ★★

オリジナル半径 aa の円形のリングが xyxy 平面上に原点を中心として置かれている。リングには全電荷 QQ が一様に分布している。zz 軸上の点 (0,0,z)(0,0,z) での電場を求めよ。

また、∣z∣≫a\left\vert z\right\vert \gg a で点電荷の電場に近づくことを確かめ、電場の大きさが最大になる zz を求めよ。

解答

リング上の点を r′=(acos⁡θ′,asin⁡θ′,0)\bm{r}'=(a\cos\theta',a\sin\theta',0) と置く。線電荷密度は λ=Q/(2πa)\lambda=Q/(2\pi a)、線要素は dl′=a dθ′\mathrm{d} l'=a\,\mathrm{d}\theta' である。観測点は r=(0,0,z)\bm{r}=(0,0,z) なので

r−r′=(−acos⁡θ′,−asin⁡θ′,z),∣r−r′∣=a2+z2\bm{r}-\bm{r}'=(-a\cos\theta',-a\sin\theta',z),\qquad \left\vert \bm{r}-\bm{r}'\right\vert =\sqrt{a^2+z^2}

となり、距離は θ′\theta' によらない。(2.5) で ρ d3r′→λa dθ′\rho\,\mathrm{d}^3r'\to\lambda a\,\mathrm{d}\theta' と置き換えると

E=λa4πε0(a2+z2)3/2∫02π(−acos⁡θ′,−asin⁡θ′,z) dθ′.\bm{E}=\frac{\lambda a}{4\pi\varepsilon_0(a^2+z^2)^{3/2}}\int_0^{2\pi}(-a\cos\theta',-a\sin\theta',z)\,\mathrm{d}\theta'.

x,yx,y 成分の積分は ∫02πcos⁡θ′ dθ′=∫02πsin⁡θ′ dθ′=0\int_0^{2\pi}\cos\theta'\,\mathrm{d}\theta'=\int_0^{2\pi}\sin\theta'\,\mathrm{d}\theta'=0 で消える。zz 成分は 2πz2\pi z になる。λ⋅2πa=Q\lambda\cdot2\pi a=Q を使って

E(0,0,z)=Q4πε0 z(a2+z2)3/2 z^.\bm{E}(0,0,z)=\frac{Q}{4\pi\varepsilon_0}\,\frac{z}{(a^2+z^2)^{3/2}}\,\hat{\bm{z}}.

∣z∣≫a\left\vert z\right\vert \gg a では (a2+z2)3/2≈∣z∣3(a^2+z^2)^{3/2}\approx\left\vert z\right\vert ^3 なので

Ez≈Q sgn(z)4πε0z2E_z\approx\frac{Q\,\mathrm{sgn}(z)}{4\pi\varepsilon_0z^2}

となる。これは原点に置いた点電荷 QQ の電場である。

最大の位置を求める。z>0z>0 で f(z)=z(a2+z2)−3/2f(z)=z(a^2+z^2)^{-3/2} を微分すると

f′(z)=(a2+z2)−5/2[(a2+z2)−3z2]=a2−2z2(a2+z2)5/2f'(z)=(a^2+z^2)^{-5/2}\bigl[(a^2+z^2)-3z^2\bigr]=\frac{a^2-2z^2}{(a^2+z^2)^{5/2}}

である。f′=0f'=0 から z=a/2z=a/\sqrt2 を得る。このとき電場の大きさは

Emax⁡=Q4πε0 a/2(3a2/2)3/2=Q4πε0a2⋅233.E_{\max}=\frac{Q}{4\pi\varepsilon_0}\,\frac{a/\sqrt2}{(3a^2/2)^{3/2}}=\frac{Q}{4\pi\varepsilon_0a^2}\cdot\frac{2}{3\sqrt3}.

原点(z=0z=0)では各点からの寄与が打ち消し合って電場はゼロになり、遠方では 1/z21/z^2 で減る。そのため途中に最大がある。

例題 2.2 陽子どうしの Coulomb 力と重力の比 ★

オリジナル2つの陽子のあいだに働く Coulomb 力と万有引力の大きさの比を数値で求めよ。数値は次の値を使う。

e=1.602×10−19 C,mp=1.673×10−27 kg,G=6.674×10−11 N m2/kg2e=1.602\times10^{-19}\ \mathrm C,\quad m_{\mathrm p}=1.673\times10^{-27}\ \mathrm{kg},\quad G=6.674\times10^{-11}\ \mathrm{N\,m^2/kg^2}

解答

どちらの力も距離の2乗に反比例するので、比は距離によらない。

FCFG=e2/(4πε0r2)Gmp2/r2=e24πε0Gmp2.\frac{F_{\mathrm C}}{F_{\mathrm G}}=\frac{e^2/(4\pi\varepsilon_0r^2)}{Gm_{\mathrm p}^2/r^2}=\frac{e^2}{4\pi\varepsilon_0Gm_{\mathrm p}^2}.

数値を入れる。分子は

e24πε0=8.988×109×(1.602×10−19)2=2.307×10−28 N m2\frac{e^2}{4\pi\varepsilon_0}=8.988\times10^9\times(1.602\times10^{-19})^2=2.307\times10^{-28}\ \mathrm{N\,m^2}

であり、分母は

Gmp2=6.674×10−11×(1.673×10−27)2=1.868×10−64 N m2Gm_{\mathrm p}^2=6.674\times10^{-11}\times(1.673\times10^{-27})^2=1.868\times10^{-64}\ \mathrm{N\,m^2}

である。したがって比は約 1.24×10361.24\times10^{36} になる。原子や分子の構造を決めるのは電気的な力で、重力は無視できる。天体の規模では、物質が全体として電気的に中性で Coulomb 力が打ち消し合うので、重力が支配的になる。

確認テスト

オリジナル

  1. 2.1-1 式 (2.2) の r\bm{r} と r′\bm{r}' を入れ替えると力がどう変わるかを書き、Coulomb 力が作用・反作用の法則を満たすことを1行で示せ。
  2. 2.1-2 点 (±a,0,0)(\pm a,0,0) に電荷 qq を1つずつ置く。yy 軸上の点 (0,y,0)(0,y,0) での電場を求めよ。また、電場の大きさが最大になる ∣y∣\left\vert y\right\vert を求めよ。
  3. 2.1-3 zz 軸に沿って無限に長い直線上に、線電荷密度 λ\lambda の電荷が一様に分布している。軸からの距離 ss の点の電場を、式 (2.5) の積分を直接計算して求めよ。
  4. 2.1-4 点 (0,0,d/2)(0,0,d/2) に電荷 qq を置く。zz 軸上の点 z=−d/2z=-d/2 には逆符号の電荷を置く。zz 軸上で z>d/2z>d/2 の点の電場を求めよ。さらに、双極子モーメントを p=qdp=qd と置き、z≫dz\gg d で次の式が成り立つことを示せ。

Ez≈2p4πε0z3E_z\approx\frac{2p}{4\pi\varepsilon_0z^3}

木下の勉強ステータス

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