電磁気学入門 第1章 §1.6
- 1.1-1 勾配は ∇f=(2x,4y,6z) で、点 (1,1,1) では値が (2, 4, 6) である。命題 1.2 より勾配は等値面に垂直なので、単位法線は (2,4,6)/4+16+36=(1,2,3)/14(またはその逆向き)である。
- 1.1-2 発散は ∂x∂(yz)+∂y∂(zx)+∂z∂(xy)=0 である。回転の成分は
x 成分y 成分z 成分: ∂y∂(xy)−∂z∂(zx)=x−x=0,: ∂z∂(yz)−∂x∂(xy)=y−y=0,: ∂x∂(zx)−∂y∂(yz)=z−z=0
で、∇×A=0 である。f=xyz とおくと ∇f=(yz,zx,xy)=A となる。3. 1.1-3 ω=(ωx,ωy,ωz) とすると
v=ω×r=(ωyz−ωzy, ωzx−ωxz, ωxy−ωyx)
である。発散は ∂x∂vx+∂y∂vy+∂z∂vz=0+0+0=0。回転の x 成分は
∂y∂vz−∂z∂vy=ωx−(−ωx)=2ωx
である。ほかの成分も同様なので ∇×v=2ω となる。角速度 ω で剛体回転する流体の回転は、角速度の2倍になる。4. 1.1-4 外積 A×B の各成分は、∑j,kϵijkAjBk である。積の微分の公式から
∇⋅(A×B)=i,j,k∑ϵijk(∂iAj)Bk+i,j,k∑ϵijkAj(∂iBk).
第1項で ϵijk=ϵkij を使うと ∑kBk∑i,jϵkij∂iAj=B⋅(∇×A) である。第2項で ϵijk=−ϵjik を使うと −∑jAj∑i,kϵjik∂iBk=−A⋅(∇×B) である。両者を足して与式を得る。5. 1.2-1 勾配の定理より道筋によらず f(1,2,3)−f(0,0,0)=6−0=6 である。6. 1.2-2 左辺:発散は ∇⋅A=2x+2y+2z である。各項の積分は
∫01∫01∫012xdxdydz=1
で、どの項についても同じなので、合計 3 である。右辺:x 軸に垂直な2つの面の流束は次のとおりである。
- 面 x=1:外向き法線は +ex。この面で Ax=1 なので流束 1。
- 面 x=0:外向き法線は −ex。この面で Ax=0 なので流束 0。
y,z の面も同じなので合計 3 となり、両辺は一致する。7. 1.2-3 (1.21) を書き、ϕ と ψ を入れ替えた式
∫V(ψ∇2ϕ+∇ψ⋅∇ϕ)dV=∮ψ∇ϕ⋅dS
を作る。もとの式からこれを引くと、∇ϕ⋅∇ψ の項が消えて (1.22) が得られる。8. 1.2-4 球面上で x=Rsinθcosφ、dS=R2sinθdθdφ である。対称性から x4,y4,z4 の積分は等しいので、計算しやすい z4=R4cos4θ で求める。
∫z4dS=R6∫02πdφ∫0πcos4θsinθdθ=R6⋅2π⋅[−5cos5θ]0π=R6⋅2π⋅52=54πR6.
9. 1.2-5 右辺:r(t)=(acost,asint,0) とすると
∮A⋅dr=∫02π[(−a3sin3t)(−asint)+(a3cos3t)(acost)]dt=a4∫02π(sin4t+cos4t)dt.
∫02πsin4tdt=∫02πcos4tdt=3π/4 なので、右辺は 3πa4/2 である。左辺:∇×A=(0,0,3x2+3y2)=3s2ez で、円板上で積分すると
∫02πdφ∫0a3s2⋅sds=2π⋅43a4=23πa4
となり、両辺は一致する。10. 1.3-1 g(x)=x2−4 の零点は x=±2 である。そこで ∣g′(±2)∣=4 となる。(1.28) よりδ(x2−4)=41[δ(x−2)+δ(x+2)] なので、積分は 41(e2+e−2)=21cosh2≈1.88 である。11. 1.3-2 回転の成分は
x 成分y 成分z 成分: ∂y∂Fz−∂z∂Fy=0−0=0,: ∂z∂Fx−∂x∂Fz=1−1=0,: ∂x∂Fy−∂y∂Fx=2x−2x=0
である。全空間は単連結なので、定理 1.14 よりポテンシャルがある。
−∂x∂ϕ=2xy+z を積分して、ϕ=−x2y−xz+g(y,z) とおく。残りの成分を比べると
−∂y∂ϕ−∂z∂ϕ=x2−∂y∂g=Fy=x2=x−∂z∂g=Fz=x⟹ ∂y∂g=0,⟹ ∂z∂g=0
である。よって ϕ=−x2y−xz(に定数を足したもの)である。12. 1.3-3 発散定理より、流束は球の内部での ∇⋅F の積分 ∫r≤R4πδ(3)(r−a)dV に等しい。
- ∣a∣<R のとき:湧き出しの点は球の内部にあるので、流束は 4π である。
- ∣a∣>R のとき:球の内部で被積分関数は 0 なので、流束は 0 である。
後者の場合は F が球の中で滑らかで、発散が 0 である。そのためデルタ関数を持ち出さなくても、発散定理から 0 が出る。13. 1.3-4 発散定理を使う方法:S が囲む領域を V とすると、(1.13) より
∮SF⋅dS=∫V∇⋅(∇×A)dV=0.
Stokes の定理を使う方法:閉曲面の上に閉曲線 C を1本引き、2つの曲面 S1,S2 に分ける。外向き法線で見ると、2つの曲面の縁は同じ C を互いに逆向きにたどる。Stokes の定理より
∮SF⋅dS=∫S1(∇×A)⋅dS+∫S2(∇×A)⋅dS=∮CA⋅dr−∮CA⋅dr=0
である。14. 1.4-1 側面 s=a の面積要素は hφhzdφdz=adφdz である。体積要素は hshφhzdsdφdz=sdsdφdz である。積分すると
側面積=∫0L∫02πadφdz=2πaL,体積=∫0Ldz∫02πdφ∫0asds=πa2L.
15. 1.4-2 rn は角度によらないので、動径の項だけが残る。
∇2rn=r21∂r∂(r2⋅nrn−1)=r2n(n+1)rn=n(n+1)rn−2.
調和関数になるのは n(n+1)=0 のときで、指数は 0 と −1 である。n=−1 は 1/r で、原点を除いて調和であることが定理 1.12 と合う。16. 1.4-3 (a)発散は s1∂s∂(s⋅s)=2 である。回転は、Aφ=Az=0 で、残る成分 As=s も角度と高さによらない。よってすべての成分が 0 である。直交座標では A=(x,y,0) であり、例の B と同じ場である。
(b)B=seφ の回転は z 成分だけを持ち、その値は
s1∂s∂(s⋅s)=2
である。すなわち ∇×B=2ez である。直交座標では (−y,x,0) に当たる。
F=eφ/s では sFφ=1 が定数である。そのため回転の z 成分は 0 になる。よって s>0 で ∇×F=0 である。17. 1.4-4 微分すると
∂φ∂es=(−sinφ,cosφ,0)=eφ,∂φ∂eφ=(−cosφ,−sinφ,0)=−es
である。A=As(s)es を直交座標で書くと A=As(s)(x/s,y/s,0) である。∂x∂s=x/s を使うと
∂x∂sAsx=sAs+x⋅sxdsd(sAs)
となり、y についても同様である。足すと
∇⋅A=s2As+sdsd(sAs)=s2As+As′−sAs=As′+sAs=s1dsd(sAs)
であり、円柱座標の公式で Aφ=Az=0 としたものと一致する。As/s の項は、単位ベクトル es が向きを変えながら外へ広がることから生じている。
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