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両側から接続して整合させる

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第7部 第5章 束縛状態:Bohr–Sommerfeld 量子化

AI 生成・木下が未勉強

量子力学入門 第7部 第5章 §7.5.2 ★★ 位相補正 +1/2+1/2 の導出(典型計算)

回帰点 aa で「−-」型 (7.4.2) を使うと、領域 II で

φII(x)=2Apcos⁡(1ℏ∫axp dx′−π4).\varphi_{\mathrm{II}}(x)=\frac{2A}{\sqrt p}\cos\Bigl(\frac1\hbar\int_a^x p\,\mathrm{d} x'-\frac\pi4\Bigr).

回帰点 bb で「++」型 (7.4.3) を使うと、同じ領域 II で

φ~II(x)=2Cpcos⁡(1ℏ∫xbp dx′−π4)=2Cpcos⁡(1ℏ∫axp dx′−π4−η),η:=1ℏ∫abp dx−π2\tilde\varphi_{\mathrm{II}}(x)=\frac{2C}{\sqrt p}\cos\Bigl(\frac1\hbar\int_x^b p\,\mathrm{d} x'-\frac\pi4\Bigr) =\frac{2C}{\sqrt p}\cos\Bigl(\frac1\hbar\int_a^x p\,\mathrm{d} x'-\frac\pi4-\eta\Bigr), \qquad \eta:=\frac1\hbar\int_a^b p\,\mathrm{d} x-\frac\pi2

(第2の等号は ∫xb=∫ab−∫ax\int_x^b=\int_a^b-\int_a^x と cos⁡(−θ)=cos⁡θ\cos(-\theta)=\cos\theta による書き換え)。同じ波動関数が2通りに書けたのだから、両者は恒等的に一致しなければならない。cos⁡(θ)=±cos⁡(θ−η)\cos(\theta)=\pm\cos(\theta-\eta) がすべての θ\theta で成り立つのは η=nπ\eta=n\pi(nn 整数;符号は A=(−1)nCA=(-1)^nC)のときだけである。さらに領域 II では p>0p>0 ゆえ ∫abp dx>0\int_a^b p\,\mathrm{d} x>0、すなわち η>−π/2\eta>-\pi/2 だから n=0,1,2,…n=0,1,2,\dots に限られる。まとめると

 2∫abp(x) dx=(n+12) 2πℏ,n=0,1,2,… (7.5.1)\boxed{\ 2\int_a^b p(x)\,\mathrm{d} x=\Bigl(n+\frac12\Bigr)\,2\pi\hbar,\qquad n=0,1,2,\dots\ }\tag{7.5.1}

左辺には力学的な意味がある。閉軌道 p2/2m+V(x)=Ep^2/2m+V(x)=E を位相空間 (x,p)(x,p) に描くと、2∫abp dx=∮p dx2\int_a^b p\,\mathrm{d} x=\oint p\,\mathrm{d} x は閉軌道が囲む面積である。(7.5.1) は「位相空間の面積が 2πℏ=h2\pi\hbar=h 刻みで量子化され、1状態が面積 hh を占める」と読める。作用変数の言葉(§7.2.7)では J=(n+12)ℏJ=(n+\tfrac12)\hbar——量子化されるのは断熱不変量であるという古い直観が、WKB によって定理に昇格した形である。これは前期量子論の Bohr–Sommerfeld 量子化条件 ∮p dx=nh\oint p\,\mathrm{d} x=nh に、零点振動を表す 12\tfrac12 の補正を付けたものになっており、「なぜ前期量子論があれほど成功したか」の答え(=WKB の0次+1次が正しいから)を与える。条件 (7.5.1) は nn が大きい(波長が短く WKB が良い)ほど正確だが、次の例題が示すように、低い準位でも驚くほど良い。

例題 5.1(調和振動子——WKB が厳密になる例 ★★)

オリジナルV(x)=12mω2x2V(x)=\frac12m\omega^2x^2 に量子化条件 (7.5.1) を適用し、エネルギー準位を求めよ。

解答

閉軌道 p2/2m+12mω2x2=Ep^2/2m+\frac12m\omega^2x^2=E は、位相空間で半軸 2mE\sqrt{2mE}(pp 方向)と 2E/mω2\sqrt{2E/m\omega^2}(xx 方向)の楕円である。その面積は

∮p dx=π2mE2Emω2=2πEω\oint p\,\mathrm{d} x=\pi\sqrt{2mE}\sqrt{\frac{2E}{m\omega^2}}=\frac{2\pi E}{\omega}

(直接積分 2∫−x0x02m(E−12mω2x2) dx=2πE/ω2\int_{-x_0}^{x_0}\sqrt{2m(E-\frac12m\omega^2x^2)}\,\mathrm{d} x=2\pi E/\omega でも同じ;SymPy で確認済み)。(7.5.1) に入れると

2πEω=(n+12)2πℏ⟹ En=ℏω(n+12) \frac{2\pi E}{\omega}=\Bigl(n+\frac12\Bigr)2\pi\hbar \qquad\Longrightarrow\qquad \boxed{\ E_n=\hbar\omega\Bigl(n+\frac12\Bigr)\ }

——代数的方法で得た厳密なスペクトルに完全に一致する。零点エネルギー ℏω/2\hbar\omega/2 まで正しく出るのは、接続公式の位相 π/4\pi/4(2つの回帰点で計 π/2\pi/2)が担った 12\tfrac12 のおかげである。調和振動子で WKB が厳密になるのは偶然ではなく、ℏ\hbar 展開の高次補正がこの系ではエネルギーに寄与しないためである(一般のポテンシャルでは nn の小さい準位に補正が残る)。 ■\blacksquare

例題 5.2(硬い壁がある場合——位相補正の変更 ★★)

オリジナル壁 x=0x=0(x<0x<0 で V=∞V=\infty)と線形ポテンシャル V(x)=FxV(x)=Fx(x>0x>0、F>0F>0)に閉じ込められた粒子(「跳ねるボール」)の準位を WKB で求め、厳密解(Airy 関数の零点)と比較せよ。

解答

硬い壁では接続公式が変わることにまず注意する。滑らかな回帰点では波動関数は cos⁡(1ℏ∫p dx−π4)\cos\bigl(\frac1\hbar\int p\,\mathrm{d} x-\frac\pi4\bigr) と「位相 π/4\pi/4 の損失」で折り返すが、V=∞V=\infty の壁では境界条件が φ(0)=0\varphi(0)=0 そのものなので、壁側の解は

φ∝sin⁡(1ℏ∫0xp dx′)=cos⁡(1ℏ∫0xp dx′−π2)\varphi\propto\sin\Bigl(\frac1\hbar\int_0^x p\,\mathrm{d} x'\Bigr)=\cos\Bigl(\frac1\hbar\int_0^x p\,\mathrm{d} x'-\frac\pi2\Bigr)

——位相の損失が π/4\pi/4 ではなくπ/2\pi/2 になる。右側の回帰点 b=E/Fb=E/F は滑らかなので π/4\pi/4 のまま。例題5.1と同じ整合の議論を繰り返すと、量子化条件は

1ℏ∫0bp dx−π2−π4=nπ⟺∫0bp dx=(n+34)πℏ,n=0,1,2,…\frac1\hbar\int_0^b p\,\mathrm{d} x-\frac\pi2-\frac\pi4=n\pi \qquad\Longleftrightarrow\qquad \int_0^b p\,\mathrm{d} x=\Bigl(n+\frac34\Bigr)\pi\hbar,\qquad n=0,1,2,\dots

(一般則:滑らかな回帰点1つあたり π/4\pi/4、硬い壁1つあたり π/2\pi/2 の位相損失。両側が壁の無限井戸なら ∫0ap dx=(n+1)πℏ\int_0^a p\,\mathrm{d} x=(n+1)\pi\hbar となり、p=constp=\mathrm{const} から厳密スペクトル En∝(n+1)2E_n\propto(n+1)^2 がそのまま出る。)

積分を実行する(b=E/Fb=E/F):

∫0b2m(E−Fx) dx=22m3FE3/2\int_0^{b}\sqrt{2m(E-Fx)}\,\mathrm{d} x=\frac{2\sqrt{2m}}{3F}E^{3/2}

(SymPy 確認済み)。よって

En=[3π(n+34)2]2/3(ℏ2F22m)1/3.E_n=\Bigl[\frac{3\pi(n+\tfrac34)}{2}\Bigr]^{2/3}\Bigl(\frac{\hbar^2F^2}{2m}\Bigr)^{1/3}.

厳密解は φ∝Ai((2mF/ℏ2)1/3(x−E/F))\varphi\propto\mathrm{Ai}\bigl((2mF/\hbar^2)^{1/3}(x-E/F)\bigr) に φ(0)=0\varphi(0)=0 を課したもので、Enexact=∣an+1∣ (ℏ2F2/2m)1/3E_n^{\text{exact}}=|a_{n+1}|\,(\hbar^2F^2/2m)^{1/3}(aka_k は Ai\mathrm{Ai} の第 kk 零点)。数値比較(無次元係数):

n01234WKB2.3204.0825.5176.7847.942厳密2.3384.0885.5216.7877.944\begin{array}{c|ccccc} n & 0 & 1 & 2 & 3 & 4\\\hline \text{WKB} & 2.320 & 4.082 & 5.517 & 6.784 & 7.942\\ \text{厳密} & 2.338 & 4.088 & 5.521 & 6.787 & 7.944 \end{array}

基底状態ですら誤差 0.8%0.8\%、n=4n=4 で 0.02%0.02\%——「nn 大で良い近似」の実感が得られる(数値は SciPy の Airy 零点で検算済み)。 ■\blacksquare

Bohr–Sommerfeld 量子化のまとめ

束縛状態の条件は ∮p dx=2∫abp dx=(n+12)2πℏ\oint p\,\mathrm{d} x=2\int_a^b p\,\mathrm{d} x=(n+\frac12)2\pi\hbar——位相空間の面積 hh につき1状態。12\frac12 は滑らかな回帰点2つの位相損失 π/4×2\pi/4\times2 の反映で、硬い壁では π/4→π/2\pi/4\to\pi/2 に変わる(無限井戸は (n+1)(n+1)、壁+滑らかは (n+34)(n+\frac34))。調和振動子では厳密、一般には nn 大で漸近的に正確。

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