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4元速度と4元運動量

2026年10月15日15分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第5章 相対論的力学
目次
  1. 4元速度
  2. 4元速度の変換と速度の合成則
  3. 4元運動量
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

相対論入門 第5章 §5.1 ★★★ 座標時間 tt でなく固有時 τ\tau で微分すると、速度と運動量が4元ベクトルになる

第2章から第4章までで、慣性系どうしの座標の変換(Lorentz 変換)と、その変換のもとで決まった形で変わる量(4元ベクトルとテンソル)を整えた。ただし、そこで扱ったのは時空そのものの幾何であり、質量を持つ粒子がどう動くかという力学はまだ書いていない。Newton 力学の運動量 mum\bm{u} と運動エネルギー 12mu2\frac12 m u^2 は Galilei 変換と組になった量なので、Lorentz 変換のもとでは保存則の形が慣性系ごとに変わってしまう。この章では、保存則がどの慣性系でも同じ形で成り立つように運動量とエネルギーを定義し直す。

道具は第3章 §3.3 の固有時 τ\tau と第4章の4元ベクトルである。固有時は粒子に固定した時計の読みで、粒子の速さを uu とすると

dτ=1−u2c2 dt=dtγu,γu=11−u2/c2(5.1)\mathrm{d}\tau=\sqrt{1-\frac{u^2}{c^2}}\,\mathrm{d} t=\frac{\mathrm{d} t}{\gamma_u},\qquad \gamma_u=\frac{1}{\sqrt{1-u^2/c^2}}\tag{5.1}

で表され、どの慣性系で計算しても同じ値になる(第3章 §3.3)。第3章と同じく、2種類の γ\gamma 因子を添字で区別する。系どうしの相対速度 β=v/c\beta=v/c から作るものは γ\gamma と書く。粒子の速さ uu から作るものは γu\gamma_u と書く。4元ベクトル aμa^\mu と bμb^\mu の内積は

a⋅b=aμbμ=a0b0−a⋅ba\cdot b=a_\mu b^\mu=a^0b^0-\bm{a}\cdot\bm{b}

で、Lorentz 変換で変わらない(第4章 §4.2)。

§5.1 で4元速度と4元運動量を定義する。§5.2 でその時間成分がエネルギーであることを示し、E2=(pc)2+(mc2)2E^2=(pc)^2+(mc^2)^2 を導く。§5.3 では4元運動量の保存を衝突と崩壊に使い、不変質量・しきいエネルギー・Compton 散乱を計算する。§5.4 で力を4元ベクトルに組み、一様な力のもとでの運動(双曲線運動)を解く。

この章の結果は、第6章で電磁場中の荷電粒子の運動方程式を共変な形に書くとき、第7章で一様に加速する系(Rindler 座標)を扱うとき、第9章で曲がった時空の測地線を考えるときに、そのまま出発点になる。なお、同じ結果を作用(固有時の積分)から導く道は虎の巻『解析力学から様々な理論分野を組み立てる』第2部第3章にある。この章は運動方程式と保存則の側から組み立てる。

3次元の成分の書き方

この章では、粒子の3次元の速度を u=(ux,uy,uz)\bm{u}=(u_x,u_y,u_z) と書く。添字の x,y,zx,y,z は3次元のデカルト成分を表す文字で、第4章の共変成分(ギリシャ文字や数字 0,1,2,30,1,2,3 の下付き添字)とは別のものである。たとえば4元ベクトルの共変成分 u1u_1 は −u1-u^1 に等しい。一方、3次元の成分 uxu_x は符号を変えない。

4元速度

粒子の世界線を、ある慣性系 KK の座標で xμ(τ)=(ct(τ),x(τ))x^\mu(\tau)=(ct(\tau),\bm{x}(\tau)) と表す。Newton 力学の速度 dx/dt\mathrm{d}\bm{x}/\mathrm{d} t を時空に広げようとして dxμ/dt\mathrm{d} x^\mu/\mathrm{d} t を作ると、これは4元ベクトルにならない。

分子の dxμ\mathrm{d} x^\mu は Lorentz 変換で Λμν dxν\Lambda^\mu{}_\nu\,\mathrm{d} x^\nu に変わる4元ベクトルである。しかし分母の dt\mathrm{d} t は座標時間で、慣性系ごとに値が違う。分母を、どの系で測っても同じ値の固有時 dτ\mathrm{d}\tau に取り替えればよい。

定義 5.1(4元速度)

粒子の世界線 xμ(τ)x^\mu(\tau) を固有時 τ\tau で微分した

uμ=dxμdτ(5.2)u^\mu=\frac{d x^\mu}{d \tau}\tag{5.2}

を粒子の4元速度と呼ぶ。

(5.1) の dt/dτ=γu\mathrm{d} t/\mathrm{d}\tau=\gamma_u を使うと、慣性系 KK での成分は

u0=c dtdτ=γuc,ui=dxidt dtdτ=γuui(i=1,2,3)(5.3)u^0=c\,\frac{d t}{d \tau}=\gamma_u c,\qquad u^i=\frac{d x^i}{d t}\,\frac{d t}{d \tau}=\gamma_u u_i\quad(i=1,2,3)\tag{5.3}

となる(右辺の uiu_i は3次元の速度の成分 ux,uy,uzu_x,u_y,u_z)。まとめて uμ=(γuc, γuu)u^\mu=(\gamma_uc,\ \gamma_u\bm{u}) と書く。粒子が静止している系では γu=1\gamma_u=1 なので uμ=(c,0,0,0)u^\mu=(c,0,0,0) である。

命題 5.2(4元速度の性質 ★★★)

(i) uμu^\mu は4元ベクトルである。(ii) その大きさはどの粒子でも

uμuμ=c2(5.4)u_\mu u^\mu=c^2\tag{5.4}

である。(iii) u0≥c>0u^0\ge c>0 である。

証明

(i) 別の慣性系 K′K' への Lorentz 変換を Λμν\Lambda^\mu{}_\nu とする。同じ世界線の微小な変位は

dx′μ=Λμν dxν\mathrm{d} x'^\mu=\Lambda^\mu{}_\nu\,\mathrm{d} x^\nu

と変わる。固有時の微小量 dτ=ds2/c\mathrm{d}\tau=\sqrt{\mathrm{d} s^2}/c は不変間隔から作った量なので、2つの系で同じ値である(第3章 §3.2・§3.3)。Λμν\Lambda^\mu{}_\nu は定数なので、両辺を同じ dτ\mathrm{d}\tau で割ると

u′μ=Λμνuνu'^\mu=\Lambda^\mu{}_\nu u^\nu

を得る。これは4元ベクトルの変換則である。

(ii) 成分 (5.3) から

uμuμ=(u0)2−∣γuu∣2=γu2(c2−u2)=c2−u21−u2/c2=c2.u_\mu u^\mu=(u^0)^2-\left\vert \gamma_u\bm{u}\right\vert ^2=\gamma_u^2\bigl(c^2-u^2\bigr)=\frac{c^2-u^2}{1-u^2/c^2}=c^2 .

別の見方をすれば、uμuμ=dxμdxμ/dτ2=ds2/dτ2=c2u_\mu u^\mu=\mathrm{d} x_\mu\mathrm{d} x^\mu/\mathrm{d}\tau^2=\mathrm{d} s^2/\mathrm{d}\tau^2=c^2 で、固有時の定義そのものである。

(iii) γu≥1\gamma_u\ge1 から u0=γuc≥cu^0=\gamma_uc\ge c である。

4元速度は4つの成分を持つが、(5.4) の拘束があるので独立な成分は3つで、3次元の速度 u\bm{u} と同じ数である。4元速度は3次元の速度を「時空での向き」に書き直したもので、新しい自由度を加えたものではない。

4元速度の変換と速度の合成則

4元速度が4元ベクトルであることから、第2章 §2.3 の速度の合成則が行列の掛け算1回で出てくる。標準配置(第2章)では、系 K′K' が系 KK から見て一定の速さで動く。向きは xx の正の向きで、速さを v=βcv=\beta c と書く。この配置の Lorentz 変換を uμu^\mu に施すと

u′0=γ(u0−βu1),u′1=γ(u1−βu0),u′2=u2,u′3=u3.(5.5)u'^0=\gamma\bigl(u^0-\beta u^1\bigr),\qquad u'^1=\gamma\bigl(u^1-\beta u^0\bigr),\qquad u'^2=u^2,\qquad u'^3=u^3 .\tag{5.5}

K′K' での3次元の速度は ux′=c u′1/u′0u'_x=c\,u'^1/u'^0 などで読み取れる。u0=γucu^0=\gamma_uc、u1=γuuxu^1=\gamma_uu_x を入れると

ux′=c γuux−βγucγuc−βγuux=ux−v1−vux/c2,uy′=c γuuyγγu(c−βux)=uyγ (1−vux/c2)(5.6)u'_x=c\,\frac{\gamma_u u_x-\beta\gamma_u c}{\gamma_u c-\beta\gamma_u u_x}=\frac{u_x-v}{1-vu_x/c^2},\qquad u'_y=\frac{c\,\gamma_uu_y}{\gamma\gamma_u(c-\beta u_x)}=\frac{u_y}{\gamma\,(1-vu_x/c^2)}\tag{5.6}

となり、第2章 §2.3 の速度の合成則と一致する。さらに時間成分の式から、K′K' での γ\gamma 因子が

γu′=u′0c=γ γu(1−vuxc2)(5.7)\gamma_{u'}=\frac{u'^0}{c}=\gamma\,\gamma_u\Bigl(1-\frac{vu_x}{c^2}\Bigr)\tag{5.7}

と読み取れる。速度の合成則を直接使って γu′\gamma_{u'} を計算すると平方根の処理が長くなるが、4元速度の変換では1行で済む。

例題 5.1 4元速度で速度を変換する ★★

オリジナル慣性系 KK で、粒子が速さ 0.6c0.6c で動いている。向きは xx の正の向きである。

系 K′K' は、KK に対して標準配置で動く。速さは β=0.8\beta=0.8 である。K′K' での粒子の4元速度・3次元の速度・γu′\gamma_{u'} を求め、速度の合成則と一致することを確かめよ。

解答

KK での速度は ux=0.6cu_x=0.6c である。したがって γu=1/1−0.36=1.25\gamma_u=1/\sqrt{1-0.36}=1.25 で、4元速度は

uμ=(1.25 c, 1.25×0.6 c, 0, 0)=(1.25 c, 0.75 c, 0, 0)u^\mu=(1.25\,c,\ 1.25\times0.6\,c,\ 0,\ 0)=(1.25\,c,\ 0.75\,c,\ 0,\ 0)

である。β=0.8\beta=0.8 では γ=1/1−0.64=5/3\gamma=1/\sqrt{1-0.64}=5/3 なので、(5.5) から

u′0=53 (1.25−0.8×0.75) c=53×0.65 c=1312 c,u′1=53 (0.75−0.8×1.25) c=53×(−0.25) c=−512 c.\begin{aligned} u'^0&=\frac53\,(1.25-0.8\times0.75)\,c=\frac53\times0.65\,c=\frac{13}{12}\,c,\\ u'^1&=\frac53\,(0.75-0.8\times1.25)\,c=\frac53\times(-0.25)\,c=-\frac{5}{12}\,c . \end{aligned}

3次元の速度と γ\gamma 因子は

ux′=c u′1u′0=−513c≈−0.385 c,γu′=u′0c=1312u'_x=c\,\frac{u'^1}{u'^0}=-\frac{5}{13}c\approx-0.385\,c,\qquad \gamma_{u'}=\frac{u'^0}{c}=\frac{13}{12}

である。速度の合成則で計算した値と比べると、次の2つがともに一致する。

ux′=(0.6−0.8)c1−0.48=−0.2c0.52=−513c,11−25/169=1144/169=1312u'_x=\frac{(0.6-0.8)c}{1-0.48}=\frac{-0.2c}{0.52}=-\frac{5}{13}c,\qquad \frac{1}{\sqrt{1-25/169}}=\frac{1}{\sqrt{144/169}}=\frac{13}{12}

最後に大きさを確かめると

(u′0)2−(u′1)2=(169−25)c2144=c2(u'^0)^2-(u'^1)^2=\frac{(169-25)c^2}{144}=c^2

で、(5.4) が成り立っている。

4元運動量

粒子の質量 mm を、粒子が静止している系で Newton 力学と同じ方法(遅い衝突での運動量のやり取り)で測った値と定める。粒子の静止系は粒子ごとに1つに決まるので、mm はどの慣性系から見ても同じ値を持つスカラーである。

定義 5.3(4元運動量)

質量 mm の粒子の4元運動量を

pμ=m uμ=(γumc, γumu)(5.8)p^\mu=m\,u^\mu=\bigl(\gamma_umc,\ \gamma_um\bm{u}\bigr)\tag{5.8}

と定める。空間成分 p=γumu\bm{p}=\gamma_um\bm{u} を(相対論的な)運動量と呼ぶ。

質量はスカラーで、4元速度は4元ベクトルである。したがって pμp^\mu も4元ベクトルである。その大きさは (5.4) から

pμpμ=m2c2(5.9)p_\mu p^\mu=m^2c^2\tag{5.9}

である。遅い粒子(u≪cu\ll c)では γu=1+O(u2/c2)\gamma_u=1+\mathcal{O}(u^2/c^2) である。したがって p≃mu\bm{p}\simeq m\bm{u} となり、Newton 力学の運動量に戻る。

この定義を選ぶ理由は、保存則との相性にある。孤立した粒子の集まりが衝突し、粒子の種類や数が変わる過程を考える。各粒子の4元運動量の和を

Pμ=∑apaμ(5.10)P^\mu=\sum_a p_a^\mu\tag{5.10}

と書く(aa は粒子の番号)。PμP^\mu も4元ベクトルである。

命題 5.4(保存則は系によらない ★★★)

(i) ある慣性系で、衝突の前後で PμP^\mu の4成分がすべて変わらないなら、どの慣性系でも PμP^\mu の4成分はすべて変わらない。

(ii) 逆に、すべての慣性系で PμP^\mu の空間成分(全運動量)が衝突の前後で変わらないなら、時間成分 P0P^0 も変わらない。

証明

衝突の前後の差を ΔPμ=P後μ−P前μ\Delta P^\mu=P^\mu_{\text{後}}-P^\mu_{\text{前}} と書く。前後の PμP^\mu がともに4元ベクトルなので、その差も4元ベクトルで、ΔP′μ=ΛμνΔPν\Delta P'^\mu=\Lambda^\mu{}_\nu\Delta P^\nu と変わる。

(i) 系 KK で ΔPν=0\Delta P^\nu=0 なら、右辺は0である。したがって ΔP′μ=0\Delta P'^\mu=0 である。

(ii) 仮定から、系 KK で ΔP1=ΔP2=ΔP3=0\Delta P^1=\Delta P^2=\Delta P^3=0 である。系 K′K' を、KK に対して標準配置で動く系とする。その速さを βc\beta c(β≠0\beta\ne0)と書く。仮定から、この系でも ΔP′1=0\Delta P'^1=0 である。ブーストの式は

ΔP′1=γ(ΔP1−βΔP0)=−γβ ΔP0\Delta P'^1=\gamma\bigl(\Delta P^1-\beta\Delta P^0\bigr)=-\gamma\beta\,\Delta P^0

で、これが0なので ΔP0=0\Delta P^0=0 である。

(ii) の意味は次のとおりである。運動量の保存がすべての慣性系で成り立つことを要請すると、それと組になる時間成分の保存も自動的に要請される。§5.2 で、この時間成分がエネルギー(を cc で割ったもの)であることを示す。相対論ではエネルギー保存と運動量保存は別々の法則ではなく、1つの4元ベクトルの保存則の4つの成分である。

Newton 力学の運動量 mum\bm{u} では、保存則がある系で成り立っても別の系で成り立たない。次の例題でその様子を確かめる。

例題 5.2 くっつく衝突と質量の増加 ★★★

オリジナル質量 mm の同じ粒子2つが、慣性系 KK で正面から近づく。2つの速さはともに 0.6c0.6c で、衝突して1つの粒子になって静止した。

衝突の前の粒子2の静止系を K′K' とする。この系は KK に対して、xx の負の向きに動く。速さは 0.6c0.6c である。

  • (1) 系 K′K' での、衝突前後の速度を求めよ。
  • (2) K′K' で、Newton 力学の運動量 ∑mu\sum m\bm{u} が保存しないことを示せ。
  • (3) 4元運動量の空間成分が K′K' でも保存するためには、衝突後の粒子の質量 MM がいくらでなければならないか。その値が KK での時間成分の保存と一致することを確かめよ。
解答

粒子1は速度 +0.6c+0.6c(xx の正の向き)で動くとする。粒子2は速度 −0.6c-0.6c で動く。系 K′K' は粒子2と一緒に動くので、その速度は −0.6c-0.6c である。

(1) 速度の合成則で、元の系での速度 uxu_x を、系 K′K' での速度

ux′=ux+0.6c1+0.6ux/cu'_x=\frac{u_x+0.6c}{1+0.6u_x/c}

に直す。結果は次のとおりである。

  • 粒子1:ux′=1.2c/1.36=1517c≈0.882cu'_x=1.2c/1.36=\frac{15}{17}c\approx0.882c。
  • 粒子2:静止系なので速度は0。
  • 衝突後の粒子:KK で静止していたので ux′=0.6cu'_x=0.6c。

(2) Newton 力学の運動量を比べる。衝突前は m⋅1517c≈0.882 mcm\cdot\frac{15}{17}c\approx0.882\,mc である。衝突後は質量の和 2m2m を使って 2m×0.6c=1.2 mc2m\times0.6c=1.2\,mc で、一致しない。

(3) 速さ 1517c\frac{15}{17}c に対する γ\gamma 因子は

11−225/289=178\frac{1}{\sqrt{1-225/289}}=\frac{17}{8}

である。したがって衝突前の4元運動量の空間成分は

p前′1=178 m⋅1517c=158 mc=1.875 mc.p'^1_{\text{前}}=\frac{17}{8}\,m\cdot\frac{15}{17}c=\frac{15}{8}\,mc=1.875\,mc .

衝突後の粒子は速さ 0.6c0.6c(γu=1.25\gamma_u=1.25)で動くので、空間成分は

1.25 M×0.6c=0.75 Mc1.25\,M\times0.6c=0.75\,Mc

である。両者が等しいためには

M=1.8750.75 m=2.5 mM=\frac{1.875}{0.75}\,m=2.5\,m

でなければならない。

系 KK での時間成分を比べる。衝突前は p0=2×1.25 mc=2.5 mcp^0=2\times1.25\,mc=2.5\,mc である。衝突後は静止した質量 MM の粒子なので p0=Mcp^0=Mc である。時間成分の保存からも M=2.5 mM=2.5\,m が出て、空間成分の保存と一致する。

衝突後の粒子の質量は、もとの2粒子の質量の和 2m2m より 0.5 m0.5\,m だけ大きい。衝突前の運動エネルギーが衝突後の粒子の内部のエネルギー(熱など)に変わり、それが質量として現れている。この解釈は §5.2 で式として確かめる。

確認テスト

オリジナル

  1. 5.1-1 慣性系 KK で、粒子が速さ 0.8c0.8c で動く。向きは yy の正の向きである。この粒子の4元速度 uμu^\mu を書き、uμuμ=c2u_\mu u^\mu=c^2 を数値で確かめよ。
  2. 5.1-2 5.1-1 の粒子を、系 K′K' から見る。K′K' は KK に対して標準配置で動く。その速さは β=0.6\beta=0.6 である。この系での4元速度・3次元の速度・速さ・γu′\gamma_{u'} を求めよ。
  3. 5.1-3 速さ 0.99c0.99c の電子(mec2=0.511 MeVm_ec^2=0.511\,\mathrm{MeV})がある。運動量の大きさ pp を MeV/c/c の単位で求めよ。また、Newton 力学の meum_eu と比べよ。
  4. 5.1-4 2つの4元速度を uμu^\mu、wμw^\mu とする。uμwμ≥c2u_\mu w^\mu\ge c^2 を示せ。等号はどんなときに成り立つか。さらに uμwμ/c2u_\mu w^\mu/c^2 が、一方の粒子から見たもう一方の粒子の γ\gamma 因子に等しいことを示せ。

木下の勉強ステータス

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