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4元力と運動方程式

2026年10月15日14分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第5章 相対論的力学
目次
  1. 4元加速度
  2. 4元力
  3. 力と加速度の向き
  4. 一様な力と双曲線運動
  5. 確認テスト
  6. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

相対論入門 第5章 §5.4 ★★★ 運動方程式を4元ベクトルの式 m duμ/dτ=fμm\,\mathrm{d} u^\mu/\mathrm{d}\tau=f^\mu に書くと、一様な力のもとの運動は時空の双曲線になる

4元加速度

4元速度をもう一度固有時で微分した

aμ=duμdτ=d2xμdτ2(5.30)a^\mu=\frac{d u^\mu}{d \tau}=\frac{d ^2x^\mu}{d \tau^2}\tag{5.30}

を4元加速度と呼ぶ。4元速度は4元ベクトルで、dτ\mathrm{d}\tau は不変である。したがって aμa^\mu も4元ベクトルである。(5.4) の両辺を τ\tau で微分すると 2uμaμ=02u_\mu a^\mu=0、すなわち

uμaμ=0(5.31)u_\mu a^\mu=0\tag{5.31}

である。4元加速度は4元速度と常に直交する。

この関係の意味は、粒子の瞬間静止系(その瞬間に粒子と同じ速度で動く慣性系)で見ると分かる。瞬間静止系では uμ=(c,0)u^\mu=(c,\bm{0}) なので、(5.31) から a0=0a^0=0 で、4元加速度は空間成分だけを持つ。その空間成分は、瞬間静止系で測った普通の加速度 α\bm{\alpha} である。瞬間静止系では γu=1\gamma_u=1 で、その時間微分も0になるからである(dγu/dt\mathrm{d}\gamma_u/\mathrm{d} t は速さの2次の量)。したがって

aμaμ=−∣α∣2(5.32)a_\mu a^\mu=-\left\vert \bm{\alpha}\right\vert ^2\tag{5.32}

で、左辺は不変量なので、どの慣性系で計算してもよい。∣α∣\left\vert \bm{\alpha}\right\vert を固有加速度と呼ぶ。粒子に乗った加速度計が示す値である。4元加速度は、粒子が加速している限り空間的なベクトルである。

4元力

定義 5.7(4元力)

4元運動量の固有時による変化率

fμ=dpμdτ(5.33)f^\mu=\frac{d p^\mu}{d \tau}\tag{5.33}

を4元力(Minkowski 力)と呼ぶ。

4元運動量は4元ベクトルで、dτ\mathrm{d}\tau は不変である。したがって fμf^\mu も4元ベクトルである。3次元の力 (5.11) との関係を求める。d/dτ=γu d/dt\mathrm{d}/\mathrm{d}\tau=\gamma_u\,\mathrm{d}/\mathrm{d} t と、仕事の式 (5.12) の dE/dt=F⋅u\mathrm{d} E/\mathrm{d} t=\bm{F}\cdot\bm{u} を使うと

fμ=γu(1cdEdt, dpdt)=γu(F⋅uc, F)(5.34)f^\mu=\gamma_u\Bigl(\frac{1}{c}\frac{d E}{d t},\ \frac{d \bm{p}}{d t}\Bigr)=\gamma_u\Bigl(\frac{\bm{F}\cdot\bm{u}}{c},\ \bm{F}\Bigr)\tag{5.34}

となる。4元力の空間成分は3次元の力に γu\gamma_u を掛けたもので、時間成分は仕事率である。

質量が一定の粒子では pμ=muμp^\mu=mu^\mu なので、運動方程式は

m duμdτ=fμ(5.35)m\,\frac{d u^\mu}{d \tau}=f^\mu\tag{5.35}

となり、(5.31) から fμf^\mu は uμfμ=0u_\mu f^\mu=0 を満たさなければならない。(5.34) で確かめると uμfμ=γu2(F⋅u−u⋅F)=0u_\mu f^\mu=\gamma_u^2(\bm{F}\cdot\bm{u}-\bm{u}\cdot\bm{F})=0 で、確かに満たされている。逆に、質量を変える力(たとえば粒子を熱して内部のエネルギーを増やす作用)は uμfμ≠0u_\mu f^\mu\ne0 を持つ。その関係は、pμpμ=m2c2p_\mu p^\mu=m^2c^2 を固有時で微分した次の式である。

pμfμ=mc2 dmdτp_\mu f^\mu=mc^2\,\frac{d m}{d \tau}

(5.35) は4元ベクトルの式なので、ある慣性系で成り立てばすべての慣性系で同じ形で成り立つ(第4章 §4.4)。4元力の具体的な形は相互作用ごとに決まる。電磁場の場合は、第6章 §6.2 で示すように、電磁場テンソル FμνF^{\mu\nu} を使って

fμ=q Fμνuν(5.36)f^\mu=q\,F^{\mu\nu}u_\nu\tag{5.36}

と書け、その空間成分が Lorentz 力 γuq(E+u×B)\gamma_uq(\bm{E}+\bm{u}\times\bm{B}) になる。

力と加速度の向き

Newton 力学では力と加速度は同じ向きを向くが、相対論では一般にそうならない。F=d(γumu)/dt\bm{F}=\mathrm{d}(\gamma_um\bm{u})/\mathrm{d} t を展開し、§5.2 で求めた dγu/dt\mathrm{d}\gamma_u/\mathrm{d} t を使うと

F=γum u˙+γu3mc2 (u⋅u˙) u.(5.37)\bm{F}=\gamma_um\,\dot{\bm{u}}+\frac{\gamma_u^3m}{c^2}\,(\bm{u}\cdot\dot{\bm{u}})\,\bm{u} .\tag{5.37}

加速度 u˙\dot{\bm{u}} を、速度に平行な成分と垂直な成分に分ける。それぞれ u˙∥\dot{\bm{u}}_\parallel、u˙⊥\dot{\bm{u}}_\perp と書く。(u⋅u˙)u=u2 u˙∥(\bm{u}\cdot\dot{\bm{u}})\bm{u}=u^2\,\dot{\bm{u}}_\parallel なので、平行な成分には γum(1+γu2u2/c2)=γu3m\gamma_um(1+\gamma_u^2u^2/c^2)=\gamma_u^3m が掛かり、

F=γu3m u˙∥+γum u˙⊥(5.38)\bm{F}=\gamma_u^3m\,\dot{\bm{u}}_\parallel+\gamma_um\,\dot{\bm{u}}_\perp\tag{5.38}

となる。同じ大きさの加速度を作るのに要る力は、速度に平行な向きでは垂直な向きの γu2\gamma_u^2 倍である。

円運動のように速度に垂直な力だけが働くときは、速さが変わらない。そのとき F=γum u˙\bm{F}=\gamma_um\,\dot{\bm{u}} で、Newton の式の質量を γum\gamma_um に替えた形になる。一般の向きの力では、加速度は力と平行にならない。

一様な力と双曲線運動

静止していた質量 mm の粒子に、一定の力 FF を加え続ける。加え始める時刻は t=0t=0 とする。力の向きは xx の正の向きとする。ここで「一定の力」は、粒子の瞬間静止系で測った固有加速度が一定値

α=Fm(5.39)\alpha=\frac{F}{m}\tag{5.39}

であることを意味する。xx 方向の運動では、出発点の静止系 KK での力は、瞬間静止系での力に等しい(確認テスト 5.4-3)。したがって系 KK でも dpx/dt=F\mathrm{d} p_x/\mathrm{d} t=F が一定である。初期条件 px(0)=0p_x(0)=0 で積分すると

γuu=αt⟹u(t)=αt1+(αt/c)2\gamma_uu=\alpha t \quad\Longrightarrow\quad u(t)=\frac{\alpha t}{\sqrt{1+(\alpha t/c)^2}}

となる。右の式は、γuu=αt\gamma_uu=\alpha t を2乗した u2/(1−u2/c2)=α2t2u^2/(1-u^2/c^2)=\alpha^2t^2 を解いたものである。t→∞t\to\infty で u→cu\to c で、粒子の速さは光速に近づくが光速には達しない。αt≪c\alpha t\ll c では u≃αtu\simeq\alpha t で、Newton 力学の等加速度運動に戻る。位置は x(0)=0x(0)=0 として積分し

x(t)=∫0tαt′1+(αt′/c)2 dt′=c2α(1+(αtc)2−1)(5.40)x(t)=\int_0^t\frac{\alpha t'}{\sqrt{1+(\alpha t'/c)^2}}\,\mathrm{d} t'=\frac{c^2}{\alpha}\Bigl(\sqrt{1+\Bigl(\frac{\alpha t}{c}\Bigr)^2}-1\Bigr)\tag{5.40}

である。整理すると

(x+c2α)2−(ct)2=(c2α)2(5.41)\Bigl(x+\frac{c^2}{\alpha}\Bigr)^2-(ct)^2=\Bigl(\frac{c^2}{\alpha}\Bigr)^2\tag{5.41}

で、世界線は Minkowski 図の上の双曲線になる(図 5.3)。この運動を双曲線運動と呼ぶ。

固有時は dτ=dt/γu\mathrm{d}\tau=\mathrm{d} t/\gamma_u、γu=1+(αt/c)2\gamma_u=\sqrt{1+(\alpha t/c)^2} から

τ=∫0tdt′1+(αt′/c)2=cα arsinh⁡αtc\tau=\int_0^t\frac{\mathrm{d} t'}{\sqrt{1+(\alpha t'/c)^2}}=\frac{c}{\alpha}\,\operatorname{arsinh}\frac{\alpha t}{c}

である。逆に解くと、世界線を固有時で表した形

ct=c2αsinh⁡ατc,x=c2α(cosh⁡ατc−1),uc=tanh⁡ατc(5.42)ct=\frac{c^2}{\alpha}\sinh\frac{\alpha\tau}{c},\qquad x=\frac{c^2}{\alpha}\Bigl(\cosh\frac{\alpha\tau}{c}-1\Bigr),\qquad \frac{u}{c}=\tanh\frac{\alpha\tau}{c}\tag{5.42}

が得られる。最後の式は、第2章 §2.4 のラピディティ θ\theta(tanh⁡θ=u/c\tanh\theta=u/c)が固有時に比例して増えることを表す。その値は θ=ατ/c\theta=\alpha\tau/c である。

瞬間静止系から見ると、短い固有時 Δτ\Delta\tau のあいだに速度は αΔτ\alpha\Delta\tau 増える。それはラピディティ αΔτ/c\alpha\Delta\tau/c のブーストにあたる。同じ向きのブーストのラピディティは足し算になる(第2章 §2.4)ので、ラピディティが固有時に比例して増えることは、瞬間静止系で一定の加速度を受け続けることの言い換えである。

(5.42) から4元速度と4元加速度を計算すると

uμ=c(cosh⁡ατc, sinh⁡ατc, 0, 0),aμ=α(sinh⁡ατc, cosh⁡ατc, 0, 0)u^\mu=c\Bigl(\cosh\frac{\alpha\tau}{c},\ \sinh\frac{\alpha\tau}{c},\ 0,\ 0\Bigr),\qquad a^\mu=\alpha\Bigl(\sinh\frac{\alpha\tau}{c},\ \cosh\frac{\alpha\tau}{c},\ 0,\ 0\Bigr)

で、次の2つが成り立つ。

uμaμ=cα(cosh⁡sinh⁡−sinh⁡cosh⁡)=0,aμaμ=α2(sinh⁡2−cosh⁡2)=−α2u_\mu a^\mu=c\alpha(\cosh\sinh-\sinh\cosh)=0,\qquad a_\mu a^\mu=\alpha^2(\sinh^2-\cosh^2)=-\alpha^2

固有加速度が一定値 α\alpha であることが確かめられた。KK での座標の加速度は du/dt=α/γu3\mathrm{d} u/\mathrm{d} t=\alpha/\gamma_u^3 で、時間とともに小さくなる(確認テスト 5.4-4)。

図

図 5.3 一様な力のもとの粒子の世界線(実線)。単位は c2/αc^2/\alpha。αt≪c\alpha t\ll c では Newton 力学の放物線 x=12αt2x=\frac12\alpha t^2(点線)に重なり、時間がたつと光的な漸近線 ct=x+c2/αct=x+c^2/\alpha(破線)に近づく。出発点から時刻 t0=c/αt_0=c/\alpha に出した光の世界線は漸近線そのもので、それより後に出した光(矢印)は漸近線の上を平行に進むので粒子に追いつかない。

図 5.3 の漸近線には物理的な意味がある。出発点 x=0x=0 から時刻 t0t_0 に、光を前方へ出す。その世界線は ct=x+ct0ct=x+ct_0 である。ct0≥c2/αct_0\ge c^2/\alpha なら、この光は漸近線と同じかそれより上にあるので、双曲線に決して交わらない。

加速を続ける粒子には、出発点から時刻 c/αc/\alpha 以後に送った信号が届かない。粒子から見ると時空の一部が見えなくなる境界があり、これを地平面と呼ぶ。第7章 §7.4 では、この粒子に固定した座標(Rindler 座標)を作り、等価原理を通してこの地平面と重力の関係を調べる。

例題 5.7 1 g で加速するロケット ★★

オリジナル宇宙船が、静止状態からまっすぐ加速し続ける。乗員の感じる加速度は、地上の重力加速度 g=9.807 m/s2g=9.807\,\mathrm{m/s^2} に等しい。c=2.998×108 m/sc=2.998\times10^8\,\mathrm{m/s} とする。

  • (1) 乗員の時計で1年(3.156×107 s3.156\times10^7\,\mathrm{s})たったとき、出発した地点の慣性系での経過時間・進んだ距離(光年)・速さを求めよ。
  • (2) 出発地点から何年後以降に送った光の信号は宇宙船に届かないか。
解答

固有加速度 α=g\alpha=g の双曲線運動 (5.42) を使う。基本の時間は

cg=2.998×1089.807 s≈3.057×107 s≈0.969 年\frac{c}{g}=\frac{2.998\times10^8}{9.807}\,\mathrm{s}\approx3.057\times10^7\,\mathrm{s}\approx0.969\,\text{年}

で、乗員の時計で τ=1\tau=1 年のとき gτ/c=1/0.969≈1.032g\tau/c=1/0.969\approx1.032 である。

t=cgsinh⁡gτc≈0.969×sinh⁡1.032≈0.969×1.225≈1.19 年.t=\frac{c}{g}\sinh\frac{g\tau}{c}\approx0.969\times\sinh1.032\approx0.969\times1.225\approx1.19\,\text{年}.

距離の単位には、c2/gc^2/g を使う。これは光が時間 c/gc/g に進む距離で、0.969 光年である。したがって

x=c2g(cosh⁡gτc−1)≈0.969×(1.582−1) 光年≈0.56 光年.x=\frac{c^2}{g}\Bigl(\cosh\frac{g\tau}{c}-1\Bigr)\approx0.969\times(1.582-1)\ \text{光年}\approx0.56\ \text{光年}.

速さは u/c=tanh⁡1.032≈0.775u/c=\tanh1.032\approx0.775 である。

信号の届く限りは、図 5.3 の議論から t0=c/g≈0.97t_0=c/g\approx0.97 年である。出発後およそ1年たってから地球を出た光は、加速を続ける宇宙船に追いつかない。

確認テスト

オリジナル

  1. 5.4-1 4元力 (5.34) が uμfμ=0u_\mu f^\mu=0 を満たすことを確かめ、その条件が粒子の質量が変わらないことと同じであることを説明せよ。
  2. 5.4-2 静止した電子を一様な電場 1.00×106 V/m1.00\times10^6\,\mathrm{V/m} で加速する。電子が速さ 0.99c0.99c に達するまでの時間と、その間に進む距離を求めよ。定数は次の値を使う。

me=9.109×10−31 kg,e=1.602×10−19 C,mec2=0.511 MeV,c=2.998×108 m/sm_e=9.109\times10^{-31}\,\mathrm{kg},\quad e=1.602\times10^{-19}\,\mathrm{C},\quad m_ec^2=0.511\,\mathrm{MeV},\quad c=2.998\times10^8\,\mathrm{m/s} 3. 5.4-3 系 KK で、粒子が速さ uu で動いている。向きは xx 方向で、粒子には同じ方向の力が働いている。4元力が4元ベクトルとして変わることを使い、次の2つの力が等しいことを示せ。1つは粒子の瞬間静止系での力 Fx′F'_x、もう1つは元の系での力 FxF_x である。4. 5.4-4 双曲線運動 (5.40) について、KK での座標の加速度が du/dt=α/γu3\mathrm{d} u/\mathrm{d} t=\alpha/\gamma_u^3 であることを示せ。これは (5.38) とどう整合しているか。5. 5.4-5 速さ 0.6c0.6c で動く粒子に、大きさ aa の加速度を生じさせる。速度と同じ向きに生じさせる力と、速度に垂直な向きに生じさせる力の大きさの比を求めよ。

木下の勉強ステータス

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