相対論入門 第14章 §14.6
- 14.1-1 Christoffel 記号の式で Γi00=21gil(2∂0gl0−∂lg00) である。計量の混ざった成分は0で g00 は定数なので、両方の項が0になり、Γi00=0 である。同じく Γ000=21g00∂0g00=0 である。
この世界線は xi=一定、x0=cτ で表される。4元速度は uμ=(c,0,0,0) である。測地線の方程式
dτduρ+Γρμνuμuν=0
は 0+Γρ00c2=0 となり、成り立つ。dxi=0 なので、固有時は c2dτ2=ds2=c2dt2 を満たす。よって dτ=dt で、宇宙時に一致する。2. 14.1-2 ∣k∣=κ0 とおくと
r=κ0sinh(κ0χ),dr=cosh(κ0χ)dχ
である。k=−κ02 なので
1−kr2=1+sinh2(κ0χ)=cosh2(κ0χ)
で、dr2/(1−kr2)=cosh2(κ0χ)dχ2/cosh2(κ0χ)=dχ2 である。3. 14.1-3 f(χ)=Sk(χ)=sin(kχ)/k と書く。計量は gχχ=1、gψψ=f2 で、0でない Christoffel 記号は
Γχψψ=−ff′,Γψχψ=Γψψχ=ff′
である。Ricci テンソルの定義から
Rχχ=∂ρΓρχχ−∂χΓρρχ+ΓρρλΓλχχ−ΓρχλΓλρχ=0−(ff′)′+0−(ff′)2=−ff′′
である。同様に
Rψψ=∂χΓχψψ+ΓψψχΓχψψ−ΓχψψΓψχψ−ΓψψχΓχψψ=−(f′2+ff′′)−f′2+f′2+f′2=−ff′′
である。各項の出どころは次のとおりである。
- 第1項は −(ff′)′ である。
- 第2項は ρ=ψ、λ=χ の項である。
- 最後の2項は、(ρ,λ)=(χ,ψ) と (ψ,χ) の項である。
スカラー曲率は
R=Rχχ+f2Rψψ=−f2f′′
で、f′′=−kf なので R=2k である。負の曲率でも、f=sinh(∣k∣χ)/∣k∣ は f′′=∣k∣f=−kf を満たす。したがって同じく R=2k になる。4. 14.1-4 θ=π/2 の面で、方位角を1周する円を考える。その周は、計量の方位角の成分 a2Sk(χ)2dϕ2 から C=2πaSk(χ) である。例題 14.1 と同じく aSk(χ)=Rsin(D/R) なので C=2πRsin(D/R)。sinu=u−u3/6+⋯ から
C≃2πR(RD−6R3D3)=2πD(1−6R2D2)
である。周が 2πD より短いのは、球面の上に描いた円で半径(中心から測地線に沿って測った長さ)の割に周が短くなるのと同じで、空間が正に曲がっていることを表す。測地線が互いに近づく向きに曲がるので、同じ半径でも外周が小さくなる。5. 14.2-1 第1式を H2 で割ると
1=H28πGρ/3+Λc2/3−a2H2kc2
である。ρc=3H2/(8πG) と ρΛ=Λc2/(8πG) を使うと、第1項は全密度パラメータになる。したがって
Ω−1=a2H2kc2
である。右辺の分母 a2H2 は正で、k は定数である。したがって Ω−1 の符号は曲率の符号と常に等しく、時間によって変わらない。6. 14.2-2 第1式 H2=38πGρ−a2kc2+3Λc2 を微分する。左辺は 2HH˙ で、H˙=a¨/a−H2 である。右辺は 38πGρ˙+a22kc2H。流体の式から ρ˙=−3H(ρ+P/c2) を入れると
2H(aa¨−H2)=−8πGH(ρ+c2P)+a22kc2H
である。2H=0 で割り、H2 に第1式を入れると
aa¨=38πGρ−a2kc2+3Λc2−4πG(ρ+c2P)+a2kc2=−34πG(ρ+c23P)+3Λc2
となり、第2式に一致する。7. 14.2-3 1Mpc3=(3.0857×1022)3m3=2.938×1067m3 なので
ρc0=1.989×10309.20×10−27×2.938×1067M⊙/Mpc3=1.36×1011M⊙/Mpc3
である。大きな銀河1個分ほどの質量が、一辺 1Mpc の立方体に平均して入っている。8. 14.2-4 スケール因子が一定なら a˙=a¨=0 で、ダストでは P=0 である。第2式から 0=−34πGρ0+3Λc2、すなわち Λ=4πGρ0/c2。第1式から
a2kc2=38πGρ0+3Λc2=38πGρ0+34πGρ0=4πGρ0=Λc2
なので k/a2=Λ>0 で、空間は閉じている。Λ の条件は第11章の確認テスト 11.3-2 で Newton 極限から求めたものと同じであり、そこで見た不安定さもそのまま残る。9. 14.3-1 x0=ct で Γ0xx=aa˙/c である。k0 は時刻だけの関数とみなせるので、
dλdk0=dx0dk0k0=c1dtdk0k0
である。光的の条件から (kx)2=(k0)2/a2 なので、測地線の方程式は
c1dtdk0k0+caa˙a2(k0)2=0⟹dtdk0=−aa˙k0
となり、k0∝1/a である。共動観測者(uμ=(c,0,0,0))の測る角振動数は、第9章 §9.4 の ω=kμuμ=ck0 である。したがって ω∝1/a で、ω0/ωe=a(te) となり、(14.24) と一致する。10. 14.3-2 H(z)=H0(1+z)3/2 なので
χ=H0c∫0z(1+z′)−3/2dz′=H0c[−2(1+z′)−1/2]0z=H02c[1−(1+z)−1/2]
である。平坦なので Sk(χ)=χ で、dL=(2c/H0)(1+z)[1−(1+z)−1/2] となる(図 14.2 の破線)。z→∞ で χ→2c/H0 に近づき、これより遠い共動観測者からの光はまだ届いていない(確認テスト 14.4-2 の粒子の地平線と一致する)。11. 14.3-3 (1+z)[z−21+q0z2]=z+z2−21+q0z2+O(z3)=z+21−q0z2+O(z3) なので、dL≃(c/H0)[z+(1−q0)z2/2] である。12. 14.3-4 c/H0=4283Mpc=1.3216×1026m を、1光年の長さで割る。すると 1.397×1010 光年、すなわち約140億光年である(c×(1/H0) なので、13.97 Gyr と同じ数字になる)。固有距離の変化率 D˙ は、遠く離れた2点の間の量で、どの観測者の局所慣性系で測った速さでもない。光速の制限は局所慣性系の中の速さに対するもので、光はどの点でも局所的に速さ c で進んでいる。光が出た時刻にはこの銀河は今よりずっと近く、光は膨張する空間を通って現在の私たちに届いた。このため、D˙>c の銀河の光が届くことに矛盾は無い。13. 14.4-1 a=Ctp で a˙/a=p/t。右辺は a−3(1+w)∝t−3(1+w)p に比例する。p=2/[3(1+w)] のとき右辺も t−2 に比例し、係数を定数で合わせれば解になる。w=−1/3 では p=1 で、スケール因子は時刻に比例し、加速も減速もしない。第2式で Λ=0 とすると、源は ρ+3P/c2=ρ(1+3w) である。したがって a¨>0 には 1+3w<0 が必要である。すなわち w<−1/3 である。14. 14.4-2 a=(t/t0)2/3 なので
dhor=c∫0t0(tt0)2/3dt=ct02/3⋅3t01/3=3ct0
で、t0=2/(3H0) を入れると 2c/H0=2×4283Mpc=8566Mpc である。Ωm=0.3、ΩΛ=0.7 の場合は
3.3×4283Mpc=1.42×104Mpc,3.3×1.397×1010 光年=4.6×1010 光年
である。宇宙の年齢 135 億年より大きな数になるのは、光が通ってきた空間がその後も伸び続けたからである。15. 14.4-3 a=eHt、k=0 では
a˙=Ha,a¨=H2a
である。(14.10) から R00=−3H2/c2、(14.11) から Rij=(H2a2+2H2a2)δij/c2=3H2a2δij/c2 である。Λ=3H2/c2 とおくと
−Λg00−Λgij=−c23H2=R00,=c23H2a2δij=Rij
で、Rμν=−Λgμν が成り立つ。これは第11章の確認テスト 11.3-4 の宇宙定数だけの真空の式で、de Sitter 宇宙がその解であることを示している。16. 14.4-4 da/dη=Asinη、dt/dη=B(1−cosη) なので
a˙2=B2(1−cosη)2A2sin2η=B2A21−cosη1+cosη
である(sin2η=(1−cosη)(1+cosη))。右辺は
H02[A(1−cosη)Ωm−(Ωm−1)]
である。A=Ωm/[2(Ωm−1)] とすると Ωm/A=2(Ωm−1) なので、右辺は
H02(Ωm−1)[1−cosη2−1]=H02(Ωm−1)1−cosη1+cosη
となる。両辺が一致するのは A2/B2=H02(Ωm−1)、すなわち
A=2(Ωm−1)Ωm,B=2H0(Ωm−1)3/2Ωm
のときである。この曲線(サイクロイド)は η=π で最大 2A=Ωm/(Ωm−1) になる。17. 14.4-5 放射が支配する平坦な宇宙では H=1/(2t) で、k=Λ=0 の第1式から
ρ=8πG3H2=8πG3⋅4t21=32πGt23
である。密度は時刻だけで決まり、どの成分がどれだけあったかの詳細によらない。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com