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授業で習った形との対応

2026年10月15日5分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第3部 第5章 Bell の不等式

AI 生成・木下が未勉強

相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第3部 第5章 §3.5.6 ★★ 量子力学の授業で習う EPR・一重項・Bell の元の不等式を、この章の箱と CHSH 不等式の言葉に並べ直す

量子力学の授業では、Bell の不等式は多くの場合、次の順で出てくる。スピン 1/21/2 の2粒子の一重項 ∣Ψ−⟩| \Psi^- \rangle を作り、単位ベクトル a,b\bm{a},\bm{b} の向きにスピンを測ると、結果(ℏ/2\hbar/2 単位の ±1\pm1)の積の平均は

E(a,b)=⟨Ψ−∣(a⋅σ)⊗(b⋅σ)∣Ψ−⟩=−a⋅b(3.5.23)E(\bm{a},\bm{b})=\langle \Psi^- | (\bm{a}\cdot\bm{\sigma})\otimes(\bm{b}\cdot\bm{\sigma}) | \Psi^- \rangle =-\bm{a}\cdot\bm{b}\tag{3.5.23}

である。この章の式 (3.5.9) は、同じ計算を ∣Φ+⟩| \Phi^+ \rangle と xx–zz 面の向きで行ったもので、一重項では符号が逆になる。Einstein・Podolsky・Rosen(1935)の議論は、同じ向きに測ると結果が必ず逆になる(E(a,a)=−1E(\bm{a},\bm{a})=-1)ことから、測る前から値が決まっていたはずだと主張した。

Bell(1964)の元の不等式は、この完全な逆相関を仮定して導かれる。局所の模型で Bob の結果を B(c)=−A(c)B(\bm{c})=-A(\bm{c}) とおくと、3つの向き a,b,c\bm{a},\bm{b},\bm{c} について

∣E(a,b)−E(a,c)∣≤1+E(b,c)(3.5.24)\lvert E(\bm{a},\bm{b})-E(\bm{a},\bm{c})\rvert \le1+E(\bm{b},\bm{c})\tag{3.5.24}

が成り立つ。この章の言葉で示すと、決定的な戦略では u,v=±1u,v=\pm1 について ∣u+v∣=1+uv\lvert u+v\rvert =1+uv が成り立つことを使い、∣A(a)B(b)−A(a)B(c)∣=∣B(b)+A(c)∣=1+A(c)B(b)\lvert A(\bm{a})B(\bm{b})-A(\bm{a})B(\bm{c})\rvert =\lvert B(\bm{b})+A(\bm{c})\rvert =1+A(\bm{c})B(\bm{b}) となる。λ\lambda で平均すると左辺は平均の絶対値以上なので式 (3.5.24) が出る(右辺の E(c,b)E(\bm{c},\bm{b}) は一重項では E(b,c)E(\bm{b},\bm{c}) に等しい)。

CHSH 不等式との違いは、完全な逆相関の仮定の有無である。実験では検出器の効率や状態の純度のため E(a,a)=−1E(\bm{a},\bm{a})=-1 を厳密には実現できないので、式 (3.5.24) は実験の不等式としては使いにくい。CHSH 不等式は、この仮定を置かずに4つの相関だけで書かれている。授業の形と並べると、次のように対応する。

授業の形:∣E(a,b)−E(a,c)∣≤1+E(b,c)(完全な逆相関を仮定、3つの向き)この章の形:∣E00+E01+E10−E11∣≤2(仮定なし、Alice 2つ・Bob 2つの向き)量子の値:E=−a⋅b (一重項)、 S≤22 (定理 3.5.3)\begin{aligned}&\text{授業の形:}&&\lvert E(\bm{a},\bm{b})-E(\bm{a},\bm{c})\rvert \le1+E(\bm{b},\bm{c})\quad(\text{完全な逆相関を仮定、3つの向き})\\ &\text{この章の形:}&&\lvert E_{00}+E_{01}+E_{10}-E_{11}\rvert \le2\quad(\text{仮定なし、Alice 2つ・Bob 2つの向き})\\ &\text{量子の値:}&&E=-\bm{a}\cdot\bm{b}\ \text{(一重項)}、\ S\le2\sqrt2\ \text{(定理~3.5.3)}\end{aligned}

光子の偏光で実験する場合、偏光の向きの角度 α\alpha と Bloch 球の上の角度は2倍だけ違う(直交する偏光は Bloch 球の上で反対の点)。そのため ∣Φ+⟩| \Phi^+ \rangle に対応する偏光のもつれた光子対の相関は E=cos⁡2(α−β)E=\cos2(\alpha-\beta) となり、CHSH の最適な角度は偏光板の角度で 0∘,45∘0^\circ,45^\circ(Alice)と 22.5∘,−22.5∘22.5^\circ,-22.5^\circ(Bob)になる。Aspect らのカルシウムの原子のカスケードによる光子対の実験は、光の巻(光学と量子エレクトロニクス 第33章)で扱う。2022年のノーベル物理学賞は、Aspect・Clauser・Zeilinger の3人に、もつれた光子の実験と Bell 不等式の破れの検証に対して贈られた。

例題 3.5.6 Bell の元の不等式の破れ ★★

オリジナル一重項の相関 E(a,b)=−cos⁡θabE(\bm{a},\bm{b})=-\cos\theta_{ab}(θab\theta_{ab} は2つの向きのなす角)を使う。

  1. (1) 同じ平面の上の向き a,b,c\bm{a},\bm{b},\bm{c} を 0∘,60∘,120∘0^\circ,60^\circ,120^\circ にとるとき、式 (3.5.24) の左辺と右辺を求めよ。
  2. (2) a,b,c\bm{a},\bm{b},\bm{c} を 0,θ,2θ0,\theta,2\theta にとるとき、「左辺 −- 右辺」を θ\theta の関数として書き、それが最大になる θ\theta と最大値を求めよ。
解答

(1) E(a,b)=−cos⁡60∘=−12E(\bm{a},\bm{b})=-\cos60^\circ=-\frac12、E(a,c)=−cos⁡120∘=12E(\bm{a},\bm{c})=-\cos120^\circ=\frac12、E(b,c)=−cos⁡60∘=−12E(\bm{b},\bm{c})=-\cos60^\circ=-\frac12。左辺 =∣−12−12∣=1=\lvert -\frac12-\frac12\rvert =1、右辺 =1−12=12=1-\frac12=\frac12 で、1>121>\frac12 だから不等式は破れる。

(2) 左辺 =∣−cos⁡θ+cos⁡2θ∣=\lvert -\cos\theta+\cos2\theta\rvert、右辺 =1−cos⁡θ=1-\cos\theta。0<θ<π/20<\theta<\pi/2 では cos⁡2θ<cos⁡θ\cos2\theta<\cos\theta なのでg(θ)=cos⁡θ−cos⁡2θ−1+cos⁡θ=2cos⁡θ−cos⁡2θ−1g(\theta)=\cos\theta-\cos2\theta-1+\cos\theta=2\cos\theta-\cos2\theta-1。g′(θ)=−2sin⁡θ+2sin⁡2θ=2sin⁡θ(2cos⁡θ−1)g'(\theta)=-2\sin\theta+2\sin2\theta=2\sin\theta(2\cos\theta-1) が 00 になるのは cos⁡θ=12\cos\theta=\frac12、すなわち θ=π/3\theta=\pi/3 で、最大値は g(π/3)=1+12−1=12g(\pi/3)=1+\frac12-1=\frac12。(1) の角度がちょうど最も強く破る配置である。

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