この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第3部 第5章 §3.5.7 ★★★ 箱を局所の集合と比べ、CHSH・Tsirelson・ の3つの数で非局所性を測る
この章では、2人の観測者の入力と出力の条件付き分布(箱) を、局所的な隠れた変数の模型が出せる箱の集合 と比べた。 は16個の決定的な戦略の凸包であり(命題 3.5.1)、その頂点で となることから CHSH 不等式 が出た(定理 3.5.2)。量子の箱は を適切な向きで測ると に達し、量子力学の中では が上限である(定理 3.5.3)。2量子ビットの状態で達成できる最大の は相関行列の固有値で決まり(定理 3.5.4)、Werner 状態では である。
相対エントロピーで測ると、等方的な箱と の距離は になる(定理 3.5.5)。証明には、勝ち負けへの粗視化でのデータ処理不等式と、結合凸性の2つだけを使った。量子の上限で nat、PR 箱で で、 回の試行で局所の模型が量子の統計を真似できる確率は 程度である。局所の雑音を通すと は増えない。
CHSH 不等式の破れは、装置を信用しなくてもエンタングルメントの存在を示し(命題 3.5.6)、盗聴者の情報の上限を決める(式 (3.5.21))。一方で、エンタングルしていても CHSH 不等式を破らない状態があり、エンタングルメントと非局所性は別の量である。量子の箱は信号を送らないので、この相関で通信はできない。次の章(第3部第6章)では、同じ に古典の通信を足すと、量子状態の転送(テレポーテーション)や1量子ビットで2ビットを送ること(超高密度符号)ができることを、資源の勘定として扱う。
総合問題 Werner 状態の Bell 実験と鍵 ★★★
オリジナルWerner 状態 を で用意し、CHSH の実験を行う。
- (1) 向きを最適に選んだときの を求め、CHSH 不等式を破ることを確かめよ。(使う道具:3.5.3 節の定理 3.5.4)
- (2) の固有値と von Neumann エントロピー 、条件付きエントロピー を求めよ。 となる の範囲の下端は である。これと、エンタングルする下端 、CHSH を破る下端 の大小を比べよ。(使う道具:第3部第2章・第3部第4章・3.5.5 節)
- (3) (1) の箱の を求め、第2種の誤りの確率を にするのに要る試行の回数を見積もれ。(使う道具:3.5.4 節・第1部第8章)
- (4) 検出器が Alice と Bob の両方で確率 で結果を取り違えるとき、 と を求め、 が (3) より小さいことを説明せよ。(使う道具:3.5.4 節・第1部第4章)
- (5) 雑音の無い (1) の箱で鍵を作る。 として、Eve の Holevo 量の上限と鍵の量の下限を求め、4つの境目(エンタングルする・CHSH を破る・・鍵が取れる)を の小さい順に並べよ。(使う道具:3.5.5 節・第1部第6章)
解答
(1) 例題 3.5.3 から で、CHSH 不等式を破る。
(2) の方向に固有値 、それに直交する3次元に が3重。
なので 、 nat で負である。境目を並べると となる。CHSH を破る範囲 の中に、 の範囲 がある。条件付きエントロピーが負であることは CHSH の破れの必要条件でも十分条件でもない。
(3) 。 nat。 回。純粋な の 431 回(例題 3.5.4)の約2.4倍で、 を から に下げただけで試行の回数は2倍以上になる。
(4) なので 、、 nat。取り違えは各自の手元の結果に確率行列を当てる操作で、局所の箱を局所の箱に写す。データ処理不等式から、式 (3.5.19) のとおり は増えない。実際に である。
(5) 、 nat。、、、 nat。 nat。鍵が取れる下端は 3.5.5 節の なので、4つの境目は
の順で、 はすべての境目を超えている。デバイス独立な鍵は、CHSH をわずかに破るだけでは取れず、 を より小さくするだけの破れが要る。
木下の勉強ステータス
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