tecktom.com

当てる DD の性質:単調性から一夫一婦制へ

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第7部 第5章 ファイアウォール
目次
  1. 強劣加法性と弱単調性
  2. 一夫一婦制の不等式
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第7部 第5章 §7.5.2 ★★★ 相対エントロピーが部分トレースで増えないことから強劣加法性・弱単調性を経て I(B;R)+I(B;C)≤2S(B)I(B;R)+I(B;C)\le2S(B) が出る。1つの系の「もつれの総量」には上限がある

強劣加法性と弱単調性

第3部第3章(第3部第3章)では、相対エントロピーの単調性 D(N(ρ^) ∥ N(σ^))≤D(ρ^ ∥ σ^)D(\mathcal N(\hat\rho)\,\|\,\mathcal N(\hat\sigma))\le D(\hat\rho\,\|\,\hat\sigma) を部分トレース N=Tr⁡C\mathcal N=\operatorname{Tr}_C に当てて、I(A;B)=D(ρ^AB ∥ ρ^A⊗ρ^B)≤D(ρ^ABC ∥ ρ^A⊗ρ^BC)=I(A;BC)I(A;B)=D(\hat\rho_{AB}\,\|\,\hat\rho_A\otimes\hat\rho_B)\le D(\hat\rho_{ABC}\,\|\,\hat\rho_A\otimes\hat\rho_{BC})=I(A;BC) を出した。これをエントロピーで書いたものが強劣加法性

S(ABC)+S(B)≤S(AB)+S(BC)(7.5.6)S(ABC)+S(B)\le S(AB)+S(BC)\tag{7.5.6}

で、Lieb と Ruskai が最初に証明した1E. H. Lieb and M. B. Ruskai (1973), J. Math. Phys. 14, 1938.下の脚注へ。強劣加法性を純粋化と組み合わせると、3つの系の任意の状態について弱単調性

S(B ∣ R)+S(B ∣ C)≥0(7.5.7)S(B\,|\,R)+S(B\,|\,C)\ge0\tag{7.5.7}

が出る(同じ章の系。ρ^RBC\hat\rho_{RBC} を4つ目の系で純粋化し、純粋状態では2つに分けた両側のエントロピーが等しいことを使う)。

一夫一婦制の不等式

弱単調性を相互情報量で書き直すと、この章の道具が出る。

定理 7.5.1(もつれの一夫一婦制(エントロピーの形) ★★★)

3つの系 RR、BB、CC の任意の状態について

I(B;R)+I(B;C)≤2S(B)≤2ln⁡dB(7.5.8)I(B;R)+I(B;C)\le2S(B)\le2\ln d_B\tag{7.5.8}

が成り立つ。dBd_B は BB の Hilbert 空間の次元である。特に I(B;C)=2S(B)I(B;C)=2S(B) なら I(B;R)=0I(B;R)=0 で、ρ^BR=ρ^B⊗ρ^R\hat\rho_{BR}=\hat\rho_B\otimes\hat\rho_R である。

証明

I(B;X)=S(B)−S(B ∣ X)I(B;X)=S(B)-S(B\,|\,X) を X=RX=R と X=CX=C について足すと I(B;R)+I(B;C)=2S(B)−[S(B ∣ R)+S(B ∣ C)]I(B;R)+I(B;C)=2S(B)-[S(B\,|\,R)+S(B\,|\,C)] で、角括弧は弱単調性 (7.5.7) から 00 以上である。S(B)≤ln⁡dBS(B)\le\ln d_B は第3部第2章の SS の上限。I(B;C)=2S(B)I(B;C)=2S(B) なら I(B;R)≤0I(B;R)\le0 で、相互情報量は D≥0D\ge0 だから I(B;R)=0I(B;R)=0。Klein の不等式の等号条件から ρ^BR=ρ^B⊗ρ^R\hat\rho_{BR}=\hat\rho_B\otimes\hat\rho_R である。

ρ^BC\hat\rho_{BC} が純粋なら、もっと強く ρ^RBC=ρ^R⊗ρ^BC\hat\rho_{RBC}=\hat\rho_R\otimes\hat\rho_{BC} が言える(第3部第10章の「純粋な対は外と相関しない」、第3部第10章)。定理 7.5.1 は、BB が相手と結べる相関の総量が 2S(B)2S(B) を超えず、それを RR と CC に分け合うことしかできない、と言っている。古典の確率変数でも I(Y;X)+I(Y;Z)≤2H(Y)I(Y;X)+I(Y;Z)\le2H(Y) は成り立つが、古典では1つの相手との相互情報量は H(Y)H(Y) までしか届かないので、2つの相手の両方と最大の相関(それぞれ H(Y)H(Y))を持つことができる。量子では1つの相手との相互情報量が 2S(B)2S(B) まで届き、その上限まで使うと、もう一方には何も残らない。2S(B)2S(B) の後半の S(B)S(B) は、条件付きエントロピーが負になる分、つまりもつれの分である。

図

図 7.5.2 BB が量子ビット1個(S(B)≤ln⁡2S(B)\le\ln2)のときに定理 7.5.1 が許す領域(灰色)。境界の実線は I(B;R)+I(B;C)=2ln⁡2I(B;R)+I(B;C)=2\ln2。青の点は例題 7.5.2 の状態、赤の × は3つの仮定が同時に要求する点 (2,2)(2,2) で、許される領域の外にある

例題 7.5.2 Bell 対と GHZ 状態の分け合い方 ★★★

オリジナル3つの量子ビット RR、BB、CC について、次の2つの状態の I(B;R)I(B;R)、I(B;C)I(B;C)、S(B ∣ R)S(B\,|\,R)、S(B ∣ C)S(B\,|\,C) を求め、図 7.5.2 の上に置け。

  1. (1) ∣0⟩R⊗∣Φ+⟩BC| 0 \rangle _R\otimes| \Phi^+ \rangle _{BC}(∣Φ+⟩=(∣00⟩+∣11⟩)/2| \Phi^+ \rangle =(| 00 \rangle +| 11 \rangle )/\sqrt2)。
  2. (2) GHZ 状態 (∣000⟩+∣111⟩)RBC/2(| 000 \rangle +| 111 \rangle )_{RBC}/\sqrt2。
  3. (3) (2) の BB は RR とも CC とも相関しているのに、なぜ不等式に反しないのかを、条件付きエントロピーの符号で説明せよ。
解答

(1) RR は積の因子なので I(B;R)=0I(B;R)=0、S(B ∣ R)=S(B)=ln⁡2S(B\,|\,R)=S(B)=\ln2。BCBC は純粋で S(B)=ln⁡2S(B)=\ln2 なので I(B;C)=2ln⁡2I(B;C)=2\ln2、S(B ∣ C)=−ln⁡2S(B\,|\,C)=-\ln2。和は 2ln⁡2=2S(B)2\ln2=2S(B) で、不等式の等号の点 (0,2)(0,2) にある。

(2) どの1量子ビットも 1/2\mathbf 1/2 で S=ln⁡2S=\ln2。2量子ビットの状態は 12(∣00⟩⟨00∣+∣11⟩⟨11∣)\frac12(| 00 \rangle \langle 00 |+| 11 \rangle \langle 11 |) で S=ln⁡2S=\ln2。したがって I(B;R)=I(B;C)=ln⁡2+ln⁡2−ln⁡2=ln⁡2I(B;R)=I(B;C)=\ln2+\ln2-\ln2=\ln2、S(B ∣ R)=S(B ∣ C)=ln⁡2−ln⁡2=0S(B\,|\,R)=S(B\,|\,C)=\ln2-\ln2=0。点 (1,1)(1,1) で、これも等号の線の上にある。

(3) GHZ 状態の2量子ビットの部分は古典的な相関(同じ値が出る)だけを持ち、条件付きエントロピーは 00 で負にならない。古典的な相関は何人とでも共有できるが、各相手との相互情報量は S(B)=ln⁡2S(B)=\ln2 までにとどまる。相互情報量が S(B)S(B) を超えるには条件付きエントロピーが負(もつれ)でなければならず、その負の分を2人で同時に持つことはできない。

1 E. H. Lieb and M. B. Ruskai (1973), J. Math. Phys. 14, 1938.

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『虎の巻』の記事一覧へ