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例を sympy で計算する:球面・3次元球面・双曲面

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第2部 第14章 曲率と潮汐力
目次
  1. 曲率が一定の空間
  2. 測地円の周の不足で曲率を測る
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部 第14章 §2.14.5 ★★ 曲率が一定の空間(最大対称空間)の曲率を計算し、測地円の周の不足からスカラー曲率を測る方法を示す

曲率が一定の空間

計量から Christoffel 記号・Riemann テンソル・Ricci テンソル・スカラー曲率を順に計算する作業は、手で行うと長いが機械的である。scripts/verify_ch2-14.py では、式 (2.14.3)・(2.14.19) をそのまま sympy の関数にし、どの計量でも同じ関数で計算している。結果を表 2.14.1 にまとめる。

表 2.14.1 sympy で計算した曲率(scripts/verify_ch2-14.py)。上の4つは曲率が一定で、Rρσμν=K(gρμgσν−gρνgσμ)R_{\rho\sigma\mu\nu}=K\bigl(g_{\rho\mu}g_{\sigma\nu}-g_{\rho\nu}g_{\sigma\mu}\bigr) の形(K=±1/a2K=\pm1/a^2)になる
空間計量曲率
2次元球面a2(dθ2+sin⁡2θ dφ2)a^2(\mathrm{d}\theta^2+\sin^2\theta\,\mathrm{d}\varphi^2)Rμν=gμν/a2R_{\mu\nu}=g_{\mu\nu}/a^2、R=2/a2R=2/a^2
2次元双曲面a2(dχ2+sinh⁡2χ dφ2)a^2(\mathrm{d}\chi^2+\sinh^2\chi\,\mathrm{d}\varphi^2)R=−2/a2R=-2/a^2
3次元球面a2(dχ2+sin⁡2χ(dθ2+sin⁡2θ dφ2))a^2\bigl(\mathrm{d}\chi^2+\sin^2\chi(\mathrm{d}\theta^2+\sin^2\theta\,\mathrm{d}\varphi^2)\bigr)Rμν=2gμν/a2R_{\mu\nu}=2g_{\mu\nu}/a^2、R=6/a2R=6/a^2
同じ球面を時空の空間部分として−a2(dχ2+sin⁡2χ(⋯ ))-a^2\bigl(\mathrm{d}\chi^2+\sin^2\chi(\cdots)\bigr)R=−6/a2R=-6/a^2
平面の極座標・円柱面dr2+r2dφ2\mathrm{d} r^2+r^2\mathrm{d}\varphi^2・dz2+r02dφ2\mathrm{d} z^2+r_0^2\mathrm{d}\varphi^2Rρσμν=0R^\rho{}_{\sigma\mu\nu}=0

2次元球面と3次元球面はどちらも、Riemann テンソルが

Rρσμν=K(gρμgσν−gρνgσμ),K=1a2(2.14.24)R_{\rho\sigma\mu\nu}=K\bigl(g_{\rho\mu}g_{\sigma\nu}-g_{\rho\nu}g_{\sigma\mu}\bigr),\qquad K=\frac1{a^2}\tag{2.14.24}

の形になる。どの点でもどの向きでも曲がり方が同じ空間を最大対称空間と呼び、Riemann テンソルは定数 KK 1つで決まる。縮約すると Rμν=(n−1)KgμνR_{\mu\nu}=(n-1)Kg_{\mu\nu}、R=n(n−1)KR=n(n-1)K で、n=2n=2 で 2/a22/a^2、n=3n=3 で 6/a26/a^2 になる。双曲面は K=−1/a2K=-1/a^2 の最大対称空間である。

時空の計量の空間部分は符号が (−,−,−)(-,-,-) なので、同じ3次元球面を −a2(⋯ )-a^2(\cdots) と書くと、Riemann テンソル RρσμνR^\rho{}_{\sigma\mu\nu} は変わらず(Γ\Gamma は gg の符号によらない)、gμνg^{\mu\nu} の符号だけが変わるので R=−6/a2R=-6/a^2 になる。「正の曲率」は正定値の計量で述べることにする(第2部第11章の対応表)。2次元では式 (2.14.10) から Rμν=R2gμνR_{\mu\nu}=\frac R2g_{\mu\nu} なので Gμν≡0G_{\mu\nu}\equiv0 で、2次元の重力には Einstein 方程式に当たる方程式が無い。

測地円の周の不足で曲率を測る

曲率は、面の外から眺めなくても面の中の測量だけで測ることができる。2次元の面の点 PP から測地線に沿って距離 ϵ\epsilon の点を集めた曲線(測地円)の周の長さを C(ϵ)C(\epsilon) とすると、

C(ϵ)=2πϵ(1−K6ϵ2+O(ϵ3)),K=R2(2.14.25)C(\epsilon)=2\pi\epsilon\Bigl(1-\frac{K}{6}\epsilon^2+\mathcal{O}(\epsilon^3)\Bigr),\qquad K=\frac R2\tag{2.14.25}

である。球面では北極を中心にとると測地円は緯線 θ=ϵ/a\theta=\epsilon/a で、C=2πasin⁡(ϵ/a)C=2\pi a\sin(\epsilon/a) を展開すると式 (2.14.25) になる。双曲面では sin⁡\sin が sinh⁡\sinh に替わり、周は平面より長くなる(図 2.14.3)。3次元では、測地球の体積が V(ϵ)=4π3ϵ3(1−R30ϵ2+⋯ )V(\epsilon)=\frac{4\pi}{3}\epsilon^3\bigl(1-\frac{R}{30}\epsilon^2+\cdots\bigr) になる(3次元球面で V=∫0ϵ4πa2sin⁡2(s/a) dsV=\int_0^{\epsilon}4\pi a^2\sin^2(s/a)\,\mathrm{d} s を展開して確かめた)。

図

図 2.14.3 測地円の周と平面の円周の比。点線は厳密な値(球面 sin⁡x/x\sin x/x、双曲面 sinh⁡x/x\sinh x/x、x=ϵ/ax=\epsilon/a)、実線は式 (2.14.25) の近似 1∓x2/61\mp x^2/6。ϵ/a\epsilon/a が小さい所では近似と厳密な値が重なり、周の不足から KK を読み取ることができる

例題 2.14.5 地球の大きさの球面で測る周の不足 ★

オリジナル半径 a=6371 kma=6371\,\mathrm{km} の球面の上で、1点から測地線に沿って ϵ=1000 km\epsilon=1000\,\mathrm{km} の点を集めた円の周を測る。

  1. (1) 周の長さを求め、平面の円周 2πϵ2\pi\epsilon より何 km 短いかを求めよ。
  2. (2) 式 (2.14.25) の近似で同じ量を求めて比べよ。測った不足からスカラー曲率 RR を逆算する式を書け。
解答

(1) C=2πasin⁡(ϵ/a)C=2\pi a\sin(\epsilon/a) で、ϵ/a=0.15696\epsilon/a=0.15696。2πϵ−C=2π(1000−6371sin⁡0.15696) km=25.77 km2\pi\epsilon-C=2\pi(1000-6371\sin0.15696)\,\mathrm{km}=25.77\,\mathrm{km} である。

(2) 近似では 2πϵ⋅Kϵ26=2πϵ36a2=25.80 km2\pi\epsilon\cdot\frac{K\epsilon^2}{6}=\frac{2\pi\epsilon^3}{6a^2}=25.80\,\mathrm{km} で、厳密な値との差は 0.1%0.1\% 程度である(次の項は (ϵ/a)2/20≈1.2×10−3(\epsilon/a)^2/20\approx1.2\times10^{-3} の相対補正)。不足を ΔC=2πϵ−C\Delta C=2\pi\epsilon-C と書くと、K=6ΔC2πϵ3K=\frac{6\Delta C}{2\pi\epsilon^3}、R=2K=6ΔCπϵ3R=2K=\frac{6\Delta C}{\pi\epsilon^3} で曲率が求まる。面の外の3次元空間を使わず、面の上の長さの測定だけで曲率が決まる。

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