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授業で習った形との対応

2026年10月15日11分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第5部 第9章 正則化
目次
  1. 無限に長い線電荷の電位
  2. 点電荷の自己エネルギー
  3. Casimir 効果の
  4. 対応の表
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部 第9章 §5.9.6 ★★ 無限に長い線電荷の電位の「基準点」、点電荷の自己エネルギーの「半径」、Casimir 効果の ∑n=−1/12\sum n=-1/12 は、どれも正則化と、そのパラメータが物理量に残らないことの例

この節だけ SI で書く。電磁気学の授業では、発散を「基準点を選ぶ」「有限の大きさを仮定する」と言い換えて扱ってきた。この章の言葉で並べ直す。

無限に長い線電荷の電位

単位長さあたりの電荷 λe\lambda_{\mathrm e}(ϕ4\phi^4 の結合定数 λ\lambda と区別するため添字 e を付ける)が zz 軸に一様に分布しているとき、授業では Gauss の法則から電場E(r)=λe/(2πε0r)E(r)=\lambda_{\mathrm e}/(2\pi\varepsilon_0r) を求め、電位を

ϕ(r)=−λe2πε0ln⁡rr0(5.9.24)\phi(r)=-\frac{\lambda_{\mathrm e}}{2\pi\varepsilon_0}\ln\frac{r}{r_0}\tag{5.9.24}

と書く。基準点 r0r_0 は任意で、「無限遠を基準にできない」と注意される。電荷を足し合わせて電位を直接求めると、ϕ(r)=λe4πε0∫−∞∞dzr2+z2\phi(r)=\frac{\lambda_{\mathrm e}}{4\pi\varepsilon_0}\int_{-\infty}^\infty\frac{\mathrm{d} z}{\sqrt{r^2+z^2}} が大きな ∣z∣\lvert z\rvert で対数発散する。これはこの章の泡の図 BB と同じ対数発散である。

正則化は2通りできる。線の長さを 2L2L に限ると(切断)

ϕL(r)=λe4πε0 2arsinh⁡Lr=λe2πε0[ln⁡2Lr+O(r2L2)].(5.9.25)\phi_L(r)=\frac{\lambda_{\mathrm e}}{4\pi\varepsilon_0}\,2\operatorname{arsinh}\frac{L}{r}=\frac{\lambda_{\mathrm e}}{2\pi\varepsilon_0}\Bigl[\ln\frac{2L}{r}+\mathcal{O}\Bigl(\frac{r^2}{L^2}\Bigr)\Bigr].\tag{5.9.25}

線の方向の次元を 1−ϵ1-\epsilon にすると(次元正則化。∫dnz (r2+z2)−1/2=πn/2Γ(1−n2)rn−1/Γ(12)\int\mathrm{d}^nz\,(r^2+z^2)^{-1/2}=\pi^{n/2}\Gamma(\frac{1-n}{2})r^{n-1}/\Gamma(\frac12) を n=1−ϵn=1-\epsilon で使う)

ϕϵ(r)=λe4πε0 π−ϵ/2Γ(ϵ2)(μr)−ϵ=λe2πε0[1ϵ−γE2−ln⁡(π μr)]+O(ϵ)(5.9.26)\phi_\epsilon(r)=\frac{\lambda_{\mathrm e}}{4\pi\varepsilon_0}\,\pi^{-\epsilon/2}\Gamma\Bigl(\frac\epsilon2\Bigr)(\mu r)^{-\epsilon}=\frac{\lambda_{\mathrm e}}{2\pi\varepsilon_0}\Bigl[\frac1\epsilon-\frac{\gamma_{\mathrm E}}2-\ln\bigl(\sqrt\pi\,\mu r\bigr)\Bigr]+\mathcal{O}(\epsilon)\tag{5.9.26}

になる(μ\mu は次元を合わせる長さの逆数)。3つの式 (5.9.24)・(5.9.25)・(5.9.26) は、ln⁡r0↔ln⁡2L↔1ϵ−γE2−ln⁡(πμ)\ln r_0\leftrightarrow\ln2L\leftrightarrow\frac1\epsilon-\frac{\gamma_{\mathrm E}}2-\ln(\sqrt\pi\mu) という定数の読み替えで一致する。授業の「基準点 r0r_0」は正則化のパラメータの役をしていた。

測れるものは2点の電位差と電場で、どちらも正則化によらない。電場 E=−∂ϕ/∂rE=-\partial\phi/\partial r は電位を外のパラメータ rr で1回微分したもので、被積分関数が ∣z∣−3\lvert z\rvert ^{-3} で減るので積分は収束する。これは命題 5.9.3 の「微分すると収束する」と同じ仕組みである。

例題 5.9.8 線電荷の電位差 ★★

オリジナルλe=1.0 nC m−1\lambda_{\mathrm e}=1.0\,\mathrm{nC\,m^{-1}} の線電荷について、r1=1.0 cmr_1=1.0\,\mathrm{cm} と r2=10 cmr_2=10\,\mathrm{cm} の電位差 ϕ(r1)−ϕ(r2)\phi(r_1)-\phi(r_2) を求めよ。長さ 2L=2.0 m2L=2.0\,\mathrm m の有限の線(中央の点から垂直に測る)ではいくらになるか。

解答

(5.9.25) と (5.9.26) のどちらでも、差をとると ln⁡2L\ln2L や 1/ϵ1/\epsilon が消えて

ϕ(r1)−ϕ(r2)=λe2πε0ln⁡r2r1=2×8.988×109 m F−1×1.0×10−9 C m−1×ln⁡10=41.4 V.\phi(r_1)-\phi(r_2)=\frac{\lambda_{\mathrm e}}{2\pi\varepsilon_0}\ln\frac{r_2}{r_1}=2\times8.988\times10^9\,\mathrm{m\,F^{-1}}\times1.0\times10^{-9}\,\mathrm{C\,m^{-1}}\times\ln10=41.4\,\mathrm V .

有限の線では λe4πε0⋅2[arsinh⁡(L/r1)−arsinh⁡(L/r2)]=41.3 V\frac{\lambda_{\mathrm e}}{4\pi\varepsilon_0}\cdot2[\operatorname{arsinh}(L/r_1)-\operatorname{arsinh}(L/r_2)]=41.3\,\mathrm V で、無限の線との差は 0.04 V0.04\,\mathrm V である。差は (5.9.25) の O(r2/L2)\mathcal{O}(r^2/L^2) の項 λe4πε0r22L2\frac{\lambda_{\mathrm e}}{4\pi\varepsilon_0}\frac{r^2}{2L^2} から出て、λe4πε0r22−r122L2=8.988 V×0.00992=0.04 V\frac{\lambda_{\mathrm e}}{4\pi\varepsilon_0}\frac{r_2^2-r_1^2}{2L^2}=8.988\,\mathrm V\times\frac{0.0099}{2}=0.04\,\mathrm V である。正則化のパラメータ LL は、電位差に r2/L2r^2/L^2 の小さな補正としてしか残らない。

点電荷の自己エネルギー

半径 aa の球殻に電荷 qq を一様に置くと、静電エネルギーは U=q2/(8πε0a)U=q^2/(8\pi\varepsilon_0a) で、a→0a\to0 で1次の発散をする。授業では「電子に有限の大きさを仮定する」ことがあり、U=mec2U=m_{\mathrm e}c^2 とおくと a=re/2a=r_{\mathrm e}/2(re=e2/(4πε0mec2)=2.818 fmr_{\mathrm e}=e^2/(4\pi\varepsilon_0m_{\mathrm e}c^2)=2.818\,\mathrm{fm} は古典電子半径。CODATA 2018 の定数から計算)になる。半径 aa は切断 Λ∼1/a\Lambda\sim1/a に当たる。

同じ量を Fourier 空間で書くと U=12∫d3k(2π)3q2ε0k2U=\frac12\int\frac{\mathrm{d}^3k}{(2\pi)^3}\frac{q^2}{\varepsilon_0k^2} で、被積分関数は kk のべきだけで質量の次元を持つ量を含まない。5.9.4節で見たとおり、次元正則化ではこの積分は 00 になる。1次の発散は2乗の発散と同じく「次数を持つ多項式の0次の項」で、次元正則化では見えない。点電荷の自己エネルギーは、電子の質量の測った値に吸い込まれる量であって、それだけを取り出して測ることはできない。量子電磁気学では、電子の自己エネルギーの発散は1次から対数へ弱まり、質量の補正は電子の質量に比例する(第5部第10章で結果を引く)。

Casimir 効果の ∑n=−1/12\sum n=-1/12

第5部第3章(第5部第3章)では、2枚の壁の間の零点エネルギーを指数の切断 e−nξ\mathrm{e}^{-n\xi} で正則化し、∑n≥1ne−nξ=1/ξ2−1/12+O(ξ2)\sum_{n\ge1}n\mathrm{e}^{-n\xi}=1/\xi^2-1/12+\mathcal{O}(\xi^2) から Casimir 力を出した。1/ξ21/\xi^2 の項は壁の間隔に比例する体積のエネルギーで、壁の外の同じ量と打ち消すので力に入らない。力を決めるのは −1/12-1/12 である。ここで切断の関数を取り替えても −1/12-1/12 が変わらないことを確かめる。

切断の関数を g(nξ)g(n\xi)(g(0)=1g(0)=1、滑らかで速く減る)とすると、Euler–Maclaurin の公式∑n≥1f(n)=∫0∞f dn−12f(0)−∑k≥1B2k(2k)!f(2k−1)(0)\sum_{n\ge1}f(n)=\int_0^\infty f\,\mathrm{d} n-\frac12f(0)-\sum_{k\ge1}\frac{B_{2k}}{(2k)!}f^{(2k-1)}(0)(B2kB_{2k} は Bernoulli 数、B2=1/6B_2=1/6)を f(n)=ng(nξ)f(n)=ng(n\xi) に当てて

∑n≥1n g(nξ)=Cgξ2−112+O(ξ2),Cg=∫0∞xg(x) dx(5.9.27)\sum_{n\ge1}n\,g(n\xi)=\frac{C_g}{\xi^2}-\frac{1}{12}+\mathcal{O}(\xi^2),\qquad C_g=\int_0^\infty xg(x)\,\mathrm{d} x\tag{5.9.27}

を得る(f(0)=0f(0)=0、f′(0)=g(0)=1f'(0)=g(0)=1 で −B22f′(0)=−112-\frac{B_2}{2}f'(0)=-\frac1{12})。ξ−2\xi^{-2} の係数 CgC_g は gg によるが、−1/12-1/12 はよらない。解析接続で定めた Riemann のゼータ関数の値 ζ(−1)=−1/12\zeta(-1)=-1/12 は、∑n−s\sum n^{-s} を ss について延長して s=−1s=-1 の値を読むもので、次元正則化と同じ考え方の正則化である。ゼータ関数では 1/ξ21/\xi^2 に当たる項がはじめから現れない点も、次元正則化で Λ2\Lambda^2 が現れないことと同じである。

図

図 5.9.4 切断の関数を変えて ∑n g(nξ)\sum n\,g(n\xi) から Cg/ξ2C_g/\xi^2 を引いた値(実線)。ξ→0\xi\to0 でどちらも −1/12-1/12(点線)に近づく。近づき方は gg によって違い、指数の切断は +ξ2/240+\xi^2/240、Gauss の切断は −ξ2/120-\xi^2/120

例題 5.9.9 Gauss の切断でも −1/12-1/12 ★★

オリジナルg(x)=e−x2g(x)=\mathrm{e}^{-x^2} とする。(5.9.27) の CgC_g を求め、ξ2\xi^2 の項の係数を Euler–Maclaurin の公式の次の項(B4=−1/30B_4=-1/30)から求めよ。ξ=0.05\xi=0.05 で ∑ne−(nξ)2−Cg/ξ2\sum n\mathrm{e}^{-(n\xi)^2}-C_g/\xi^2 はいくらになるか。

解答

Cg=∫0∞xe−x2dx=12C_g=\int_0^\infty x\mathrm{e}^{-x^2}\mathrm{d} x=\frac12。f(n)=ne−n2ξ2=n−ξ2n3+⋯f(n)=n\mathrm{e}^{-n^2\xi^2}=n-\xi^2n^3+\cdots なので f′′′(0)=−6ξ2f'''(0)=-6\xi^2。Euler–Maclaurin の次の項は−B44!f′′′(0)=−−1/3024(−6ξ2)=−ξ2120-\frac{B_4}{4!}f'''(0)=-\frac{-1/30}{24}(-6\xi^2)=-\frac{\xi^2}{120} である。したがって

∑n≥1ne−(nξ)2=12ξ2−112−ξ2120+O(ξ4).\sum_{n\ge1}n\mathrm{e}^{-(n\xi)^2}=\frac{1}{2\xi^2}-\frac{1}{12}-\frac{\xi^2}{120}+\mathcal{O}(\xi^4).

ξ=0.05\xi=0.05 では −112−0.0025120=−0.083354-\frac1{12}-\frac{0.0025}{120}=-0.083354 で、数値の和も −0.083354-0.083354 になる。指数の切断の 1/ξ21/\xi^2(Cg=1C_g=1)と Gauss の切断の 1/(2ξ2)1/(2\xi^2) は違うが、ξ0\xi^0 の項 −1/12-1/12 は同じである。1/ξ21/\xi^2 の項が正則化に依存するのは、それが壁の間隔に比例する(体積に比例する局所的な)エネルギーで、命題 5.9.3 の多項式の部分に当たるためである。

対応の表

授業での書き方この章の形
線電荷の電位基準点 r0r_0 を選ぶ (5.9.24)切断 LL (5.9.25)・次元正則化 (5.9.26)。ln⁡r0\ln r_0 は CregC_{\mathrm{reg}} に当たる
測れる量電位差・電場差 B(p)−B(0)B(p)-B(0)・微分 ∂B/∂p2\partial B/\partial p^2(命題 5.9.3)
点電荷の自己エネルギー有限の半径 aa を仮定1次の発散=多項式の0次。次元正則化で 00
Casimir 効果指数の切断で ∑n=1/ξ2−1/12\sum n=1/\xi^2-1/12切断の関数によらない −1/12-1/12 (5.9.27)、ζ(−1)\zeta(-1) は解析接続
零点エネルギー正規順序で捨てる(第5部第2章)質量の0次の多項式(宇宙項に当たる局所的な定数)

木下の勉強ステータス

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