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この章のまとめ

2026年10月15日10分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第5部 第9章 正則化

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部 第9章 §5.9.7 ★★★ 正則化は発散する積分をパラメータつきの有限な量に置き換える。パラメータへの依存は外の運動量と質量の低い次数の多項式に閉じ込められ、物理量には残らない

この章では、ϕ4\phi^4 理論の Lagrangian 密度 (5.9.1) から出る1ループのおたまじゃくし AA と泡 B(p)B(p) を、Wick 回転で Euclid の積分にした。Feynman パラメータで泡の分母をまとめ、Schwinger の表示から dd 次元の積分の公式 (5.9.10) を出した。運動量の切断は直観に合うが、1次の発散をする積分では変数のずらしで値が変わり、スカラー QED では光子に Λ\Lambda の大きさの質量を与えてゲージ不変性を壊した。次元正則化は公式 (5.9.10) の dd についての解析性を使って積分を定義し、対数の発散を 2/ϵ2/\epsilon の極に、2乗の発散を d=2d=2 の極に移し、ゲージ不変性を保った。3つの正則化と格子を並べると、泡の値は定数 CregC_{\mathrm{reg}} だけが違い、対数の係数と運動量への依存は一致した。命題 5.9.3 は、正則化の違いが表面的発散次数以下の多項式に限られることを、微分すると積分が収束することから示した。電磁気学の線電荷の基準点・点電荷の半径・Casimir の切断は、どれもこの見方で読める。

この章で残したのは、多項式の部分をどう処理するかである。第5部第10章では、多項式の部分を L\mathcal L の質量・結合定数・場の規格化に吸い込み(くりこみ)、裸のパラメータと測った量を分ける。第5部第11章では、CregC_{\mathrm{reg}} の中の ln⁡μ2\ln\mu^2 や ln⁡Λ2\ln\Lambda^2 を動かしたとき物理量が変わらないという要求から、結合定数の走り方(β\beta 関数)を出す。対数の係数 1/(16π2)1/(16\pi^2) がどの正則化でも同じだったことが、β\beta 関数が正則化によらない理由になる。零点エネルギーの切断(第5部第2章)と Casimir 効果(第5部第3章)は、この章の正則化の最初の例だった。

総合問題 ϕ4\phi^4 理論の4点の振幅と、正則化によらない結合の変化 ★★★

オリジナルϕ4\phi^4 理論 (5.9.1) で、外線4本の運動量を Euclid 化して p1+p2=p3+p4p_1+p_2=p_3+p_4、piE2p_{iE}^2 をすべて等しくとる。質量の無視できる高い運動量(P≫mP\gg m)を考え、m→0m\to0 とする。

  1. (1) (使う道具:第5部第7章の Feynman 則・5.9.1節)1ループまでの4点の振幅が (5.9.6) の M=−λ+λ22[B(ps)+B(pt)+B(pu)]\mathcal M=-\lambda+\frac{\lambda^2}{2}[B(p_s)+B(p_t)+B(p_u)] になることを、対称因子と Wick 回転の因子を数えて確かめよ。さらに、3つのチャンネルの運動量の2乗がすべて P2P^2 になる「対称点」では piE2=34P2p_{iE}^2=\frac34P^2 であることを示せ。
  2. (2) (使う道具:第5部第8章の表面的発散次数・5.9.5節)泡の図の表面的発散次数が 00 であることから、∂B/∂p2\partial B/\partial p^2 が正則化なしで収束することを示し、その値を Feynman パラメータの積分で書け。
  3. (3) (使う道具:5.9.3節・5.9.4節)m→0m\to0 の泡を切断と次元正則化で求め、16π2BΛ(P)=ln⁡(Λ2/P2)+116\pi^2B_\Lambda(P)=\ln(\Lambda^2/P^2)+1、16π2μϵBd(P)=2ϵ−γE+ln⁡4π+ln⁡(μ2/P2)+216\pi^2\mu^\epsilon B_d(P)=\frac2\epsilon-\gamma_{\mathrm E}+\ln4\pi+\ln(\mu^2/P^2)+2 を示せ。対称点での「測った結合」λ(P)≔−M\lambda(P)\coloneqq-\mathcal M について、2つの運動量 P1P_1, P2P_2 での差 λ(P2)−λ(P1)\lambda(P_2)-\lambda(P_1) が、どちらの正則化でも 3λ216π2ln⁡P2P1\frac{3\lambda^2}{16\pi^2}\ln\frac{P_2}{P_1} になることを示せ。
  4. (4) (使う道具:(3)・第5部第11章への準備)λ(P1)=1.0\lambda(P_1)=1.0 のとき λ(10P1)\lambda(10P_1) を λ2\lambda^2 の次数まで求めよ。dλ(P)dln⁡P\frac{\mathrm{d}\lambda(P)}{\mathrm{d}\ln P} を λ(P)\lambda(P) で書き、運動量が上がると結合が強くなるか弱くなるかを述べよ。
解答

(1) ss チャンネルの図は、2つの頂点(各 −iλ-\mathrm{i}\lambda)を2本の内線でつなぐ。2本の内線を入れ替えても同じ図なので対称因子は 22 で、1/21/2 が掛かる。Minkowski の積分 ∫d4ℓ(2π)4iℓ2−m2i(ℓ+p)2−m2\int\frac{\mathrm{d}^4\ell}{(2\pi)^4}\frac{\mathrm{i}}{\ell^2-m^2}\frac{\mathrm{i}}{(\ell+p)^2-m^2} は、伝播関数の分子 i⋅i=−1\mathrm{i}\cdot\mathrm{i}=-1、Wick 回転の測度 i\mathrm{i}、分母の符号 (−1)2=1(-1)^2=1 をまとめて −iB(p)-\mathrm{i} B(p) になる。したがって iMs=12(−iλ)2(−iB)=iλ22B\mathrm{i}\mathcal M_s=\frac12(-\mathrm{i}\lambda)^2(-\mathrm{i} B)=\frac{\mathrm{i}\lambda^2}{2}B、Ms=λ22B(ps)\mathcal M_s=\frac{\lambda^2}{2}B(p_s)。tt, uu も同じで、木の項 iM=−iλ\mathrm{i}\mathcal M=-\mathrm{i}\lambda と合わせて (5.9.6) を得る。Euclid の運動量で ps2+pt2+pu2=(p1+p2)2+(p1−p3)2+(p1−p4)2p_s^2+p_t^2+p_u^2=(p_1+p_2)^2+(p_1-p_3)^2+(p_1-p_4)^2 を展開し、運動量の保存 p4=p1+p2−p3p_4=p_1+p_2-p_3 を使うと ∑ipi2\sum_ip_i^2 に等しい(Minkowski の s+t+u=∑mi2s+t+u=\sum m_i^2 の Euclid 版)。すべての pi2p_i^2 が等しく3つのチャンネルが P2P^2 なら 3P2=4pi23P^2=4p_i^2、pi2=34P2p_i^2=\frac34P^2。

(2) 表面的発散次数は D=4−4=0D=4-4=0。pp で微分すると被積分関数の減り方が1次速くなり、D=−1D=-1 で収束する(命題 5.9.3 の証明の1段目)。(5.9.8) を p2p^2 で微分すると、∂∂p21(ℓ2+Δ)2=−2x(1−x)(ℓ2+Δ)3\frac{\partial }{\partial p^2}\frac{1}{(\ell^2+\Delta)^2}=-\frac{2x(1-x)}{(\ell^2+\Delta)^3} で、ℓ\ell の積分は収束して公式 (5.9.10)(d=4d=4, n=3n=3)から

∂B∂p2=−∫01dx 2x(1−x)32π2Δ=−116π2∫01x(1−x) dxm2+x(1−x)p2.\frac{\partial B}{\partial p^2}=-\int_0^1\mathrm{d} x\,\frac{2x(1-x)}{32\pi^2\Delta}=-\frac{1}{16\pi^2}\int_0^1\frac{x(1-x)\,\mathrm{d} x}{m^2+x(1-x)p^2}.

p=0p=0 では −116π2⋅16m2-\frac{1}{16\pi^2}\cdot\frac{1}{6m^2}。m→0m\to0 では −116π2p2-\frac{1}{16\pi^2p^2} で、どちらの正則化も使っていない。

(3) m→0m\to0 で Δ=x(1−x)P2\Delta=x(1-x)P^2。切断では (5.9.13) の1行目から 16π2BΛ=∫01[ln⁡(Λ2/Δ)−1]dx16\pi^2B_\Lambda=\int_0^1[\ln(\Lambda^2/\Delta)-1]\mathrm{d} x で、∫01ln⁡(x(1−x))dx=−2\int_0^1\ln(x(1-x))\mathrm{d} x=-2 を使うとln⁡(Λ2/P2)+2−1=ln⁡(Λ2/P2)+1\ln(\Lambda^2/P^2)+2-1=\ln(\Lambda^2/P^2)+1。次元正則化では (5.9.19) の導出と同じく 16π2μϵBd=2ϵ−γE+ln⁡4π−∫01ln⁡(Δ/μ2)dx=2ϵ−γE+ln⁡4π+ln⁡(μ2/P2)+216\pi^2\mu^\epsilon B_d=\frac2\epsilon-\gamma_{\mathrm E}+\ln4\pi-\int_0^1\ln(\Delta/\mu^2)\mathrm{d} x=\frac2\epsilon-\gamma_{\mathrm E}+\ln4\pi+\ln(\mu^2/P^2)+2。対称点で3つのチャンネルが等しいので λ(P)=−M=λ−3λ22B(P)\lambda(P)=-\mathcal M=\lambda-\frac{3\lambda^2}{2}B(P)。差をとると、切断では

λ(P2)−λ(P1)=−3λ22⋅116π2[ln⁡Λ2P22−ln⁡Λ2P12]=3λ232π2ln⁡P22P12=3λ216π2ln⁡P2P1\lambda(P_2)-\lambda(P_1)=-\frac{3\lambda^2}{2}\cdot\frac{1}{16\pi^2}\Bigl[\ln\frac{\Lambda^2}{P_2^2}-\ln\frac{\Lambda^2}{P_1^2}\Bigr]=\frac{3\lambda^2}{32\pi^2}\ln\frac{P_2^2}{P_1^2}=\frac{3\lambda^2}{16\pi^2}\ln\frac{P_2}{P_1}

で、Λ\Lambda と定数 +1+1 が消える。次元正則化でも 2ϵ−γE+ln⁡4π+ln⁡μ2+2\frac2\epsilon-\gamma_{\mathrm E}+\ln4\pi+\ln\mu^2+2 が消えて同じ式になる。泡の図の D=0D=0 によって、正則化の違いは λ\lambda に足される定数だけで、2つの運動量での差には残らない(5.9.5節)。

(4) λ2\lambda^2 の次数では右辺の λ\lambda を λ(P1)\lambda(P_1) に置き換えてよく(違いは λ3\lambda^3)、λ(10P1)=1.0+316π2ln⁡10=1.0+0.0190×2.303=1.044\lambda(10P_1)=1.0+\frac{3}{16\pi^2}\ln10=1.0+0.0190\times2.303=1.044。ln⁡P\ln P で微分すると

dλ(P)dln⁡P=3λ(P)216π2+O(λ3)>0\frac{\mathrm{d}\lambda(P)}{\mathrm{d}\ln P}=\frac{3\lambda(P)^2}{16\pi^2}+\mathcal{O}(\lambda^3)>0

で、運動量が上がると結合は強くなる。この右辺が ϕ4\phi^4 理論の1ループの β\beta 関数で、係数の 1/(16π2)1/(16\pi^2) は、(3) で正則化によらなかった対数の係数そのものである。λ=1\lambda=1 では 3/(16π2)=0.01903/(16\pi^2)=0.0190 と小さいので、運動量が10倍になっても結合は4%ほどしか変わらない。β\beta 関数の意味と、統計力学の臨界現象との対応は第5部第11章で扱う。

木下の勉強ステータス

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