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授業で習った形との対応

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第5部 第10章 くりこみ
目次
  1. 誘電体の中の Coulomb の法則
  2. 古典の電子の電磁質量
  3. 摂動論の言葉で
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部 第10章 §5.10.6 ★★ 誘電体の中の Coulomb の法則は e2=Z3e02e^2=Z_3e_0^2 と同じ形。古典の電子の電磁質量は質量のくりこみの古典版で、QED では発散が 1/a1/a から ln⁡Λ\ln\Lambda に弱まる

誘電体の中の Coulomb の法則

電磁気学の授業では、誘電率 ε=ε0εr\varepsilon=\varepsilon_0\varepsilon_{\mathrm r} の一様な誘電体の中に置いた2つの電荷の間のエネルギーを

U(r)=q1q24πε0εrr(5.10.29)U(r)=\frac{q_1q_2}{4\pi\varepsilon_0\varepsilon_{\mathrm r}r}\tag{5.10.29}

と書いた。電荷のまわりで誘電体が分極し、逆符号の分極電荷が電荷を取り巻くので、遠くから見た電荷の積は 1/εr1/\varepsilon_{\mathrm r} 倍に減る。式 (5.10.24) の e2=Z3e02e^2=Z_3e_0^2 はこれと同じ形で、Z3=1/εr真空Z_3=1/\varepsilon_{\mathrm r}^{\text{真空}} と読むことができる。Z3<1Z_3<1 なので真空は εr>1\varepsilon_{\mathrm r}>1 の誘電体のように振る舞い、分極の担い手は仮想的な電子と陽電子の対である。

違いは2つある。1つ目は、真空の εr\varepsilon_{\mathrm r} が運動量によることで、αeff(Q)=α/(1−Π^(−Q2))\alpha_{\mathrm{eff}}(Q)=\alpha/(1-\hat\Pi(-Q^2)) は「距離 1/Q1/Q で見た誘電率」が1−Π^1-\hat\Pi だけ小さくなったことにあたる。分極の雲の内側に入るほど、遮られる前の電荷が見える。普通の誘電体でも、分子の大きさより短い距離ではεr\varepsilon_{\mathrm r} は1に近づくので、この点は同じである。2つ目は、誘電体では分極を取り除いた「自由な電荷」を別に測れるが、真空の分極は取り除けないことである。e0e_0 は測らない量で、測るのは ee と αeff(Q)\alpha_{\mathrm{eff}}(Q) の運動量依存だけである。

古典の電子の電磁質量

電磁気学の授業では、半径 aa の球殻に電荷 ee が一様に分布した電子の静電エネルギーを U=e28πε0aU=\frac{e^2}{8\pi\varepsilon_0a} と計算した。このエネルギーは電子とともに動くので、電子の慣性に U/c2U/c^2 の程度が加わる(運動する場の運動量から計算すると係数は 43\frac43 になるが、ここでは大きさの程度だけを見る)。測る質量は m=m0+U/c2m=m_0+U/c^2 で、5.10.1節の付加質量と同じく、自分の場をまとった慣性である。a→0a\to0 で U→∞U\to\infty なので、点電荷の電子の裸の質量は −∞-\infty に向かう。U=mc2U=mc^2 となる半径は古典電子半径 re=e24πε0mc2=2.818×10−15 mr_{\mathrm e}=\frac{e^2}{4\pi\varepsilon_0mc^2}=2.818\times10^{-15}\,\mathrm m(CODATA 2018)の半分である。

QED で同じ量を計算すると(この巻では計算しない。Weisskopf 1939 の結果を引く)、電子の自己エネルギーによる質量の補正は、切断 Λ\Lambda を 1/a1/a にあたるものとして

δm=3α2π mln⁡Λm+(有限の項)(5.10.30)\delta m=\frac{3\alpha}{2\pi}\,m\ln\frac{\Lambda}{m}+(\text{有限の項})\tag{5.10.30}

になり、発散は 1/a1/a(Λ\Lambda の1乗)から ln⁡Λ\ln\Lambda に弱まる。これは Weisskopf(1939、Phys. Rev. 56、72)が示した。理由の1つは、Dirac の理論では電子の近くで真空の対が電子の電荷を広げることで、もう1つは、m→0m\to0 で δm→0\delta m\to0 になること(質量の無い電子には左手と右手の成分が混ざらない対称性があり、その対称性のもとでは質量の補正は 00 である)で、そのため δm\delta m は mm に比例する。スカラー場の質量の補正 (5.10.16) には mm に比例しない Λ2\Lambda^2 の項があったが、電子の質量にはそれが無い。

摂動論の言葉で

量子力学の授業の摂動論では、H=H0+VH=H_0+V の基底状態のエネルギーを E=E0+⟨0∣V∣0⟩+∑n∣⟨n∣V∣0⟩∣2E0−En+⋯E=E_0+\langle 0 | V | 0 \rangle +\sum_n\frac{\lvert \langle n | V | 0 \rangle \rvert ^2}{E_0-E_n}+\cdots と展開した。質量の補正 (5.10.14) は、V=λ4!ϕ4V=\frac{\lambda}{4!}\phi^4 の1次の期待値で、4つの ϕ\phi のうち2つを真空の揺らぎ ⟨ϕ2⟩=I1\langle \phi^2 \rangle =I_1 に置き換えたものである。これは多体の量子力学の Hartree 近似(平均場)と同じ形で、1ループの質量の補正は「真空の揺らぎによる平均場」と読むことができる。くりこみは、この平均場を含めた後の質量を初めから mm と書き、相互作用の項から平均場の部分を差し引いておく(カウンター項)、という操作にあたる。多体の量子力学で相互作用を正規順序で書いて平均場の分を分けておくのと同じ発想である。

例題 5.10.6 古典の電磁質量と QED の質量の補正 ★★

オリジナルΛ=1019 GeV\Lambda=10^{19}\,\mathrm{GeV} とし、電子の質量を mc2=0.51099895 MeVmc^2=0.51099895\,\mathrm{MeV}、α=1/137.035999084\alpha=1/137.035999084 とする(ℏ=c=1\hbar=c=1 の式で計算し、比だけを答える)。

  1. (1) 古典の球殻の電子で a=1/Λa=1/\Lambda としたときの U/(mc2)=α2ΛmU/(mc^2)=\frac{\alpha}{2}\frac{\Lambda}{m} を求めよ。
  2. (2) 式 (5.10.30) の主要項 δm/m\delta m/m を求めよ。
  3. (3) (1) と (2) の大きさの違いから、QED の電子の質量のくりこみについて何が言えるか。
解答

(1) Λ/m=1019/(0.51099895×10−3)=1.957×1022\Lambda/m=10^{19}/(0.51099895\times10^{-3})=1.957\times10^{22}、α2=3.649×10−3\frac\alpha2=3.649\times10^{-3} で U/(mc2)=7.14×1019U/(mc^2)=7.14\times10^{19}。U=e28πε0a=αℏc2aU=\frac{e^2}{8\pi\varepsilon_0a}=\frac{\alpha\hbar c}{2a} を自然単位で書くと α2a=αΛ2\frac{\alpha}{2a}=\frac{\alpha\Lambda}{2} である。

(2) ln⁡(1.957×1022)=51.33\ln(1.957\times10^{22})=51.33、3α2π=3.484×10−3\frac{3\alpha}{2\pi}=3.484\times10^{-3} で δm/m=0.179\delta m/m=0.179。

(3) 古典では裸の質量が測る質量の 102010^{20} 倍の程度の負の値になり、打ち消し合いに20桁の精度が要る。QED では Λ\Lambda を Planck 尺度の程度まで上げても補正は 18%18\% で、摂動の範囲にとどまる。電子の質量のくりこみは有限の割合の書き換えで、スカラー場の質量(例題 5.10.3)のような大きな打ち消し合いを要しない。

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