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授業で習った形との対応

2026年10月15日5分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第2部 第1章 原子2個:結合軌道と反結合軌道
目次
  1. 化学の分子軌道法
  2. 量子力学の2準位系
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第2部 第1章 §2.1.6 ★ 化学の Hückel 法の α\alpha・β\beta、量子力学の2準位系の Pauli 行列と、この章の HaaH_{aa}・tt・ss を対応させる

化学の分子軌道法

化学の授業では、H2+\mathrm{H}_2^+ や H2\mathrm{H}_2 の分子軌道を、Coulomb 積分 α\alpha・共鳴積分 β\beta・重なり積分 SS を使って

∣α−Eβ−ESβ−ESα−E∣=0,E=α±β1±S\begin{vmatrix}\alpha-E&\beta-ES\\\beta-ES&\alpha-E\end{vmatrix}=0,\qquad E=\frac{\alpha\pm\beta}{1\pm S}

と書く。この章の記号との対応は α=Haa\alpha=H_{aa}、β=Hab=−t\beta=H_{ab}=-t、S=sS=s で、式 (2.1.9) と同じものである。β<0\beta<0 なので、化学では低い方の準位を (α+β)/(1+S)(\alpha+\beta)/(1+S) と書く。Hückel 法はさらに S=0S=0 とおき、E=α±βE=\alpha\pm\beta とする。第2部第2章で扱う π 電子の計算はこの形である。

S=0S=0 とおいた Hückel の α\alpha、β\beta は、重なりのある原子軌道で計算した積分そのものとは読めない。例題 2.1.2 で見たとおり、重なりのある積分の値を S=0S=0 の式に入れると、エネルギーは変分原理の下限を割る。Hückel の α\alpha、β\beta は、式 (2.1.11) の直交化した軌道での ε′\varepsilon '、−t′-t' にあたり、実験の値(分子の吸収の波長など)に合わせて決める経験的なパラメータと読むのが正しい。化学の「Coulomb 積分」α\alpha は、この章の CC とは別のもので、α=εa−C\alpha=\varepsilon _{\mathrm a}-C のように CC を含む。

量子力学の2準位系

量子力学の授業では、直交する2つの状態 ∣a⟩| a \rangle、∣b⟩| b \rangle からなる系のハミルトニアンを、Pauli 行列で

H^=ε′ 1−t′σx+Δ σz\hat H=\varepsilon '\,\mathbb 1-t'\sigma_x+\Delta\,\sigma_z

と書く。σx\sigma_x の項は2つの状態の間の飛び移り、σz\sigma_z の項は2つの状態のエネルギーの差 2Δ2\Delta を表す。同じ原子なら Δ=0\Delta=0 で、固有値は ε′∓t′\varepsilon '\mp t'、固有状態は σx\sigma_x の固有状態 (∣a⟩±∣b⟩)/2(| a \rangle \pm| b \rangle )/\sqrt2 である。アンモニア分子の反転やベンゼンの共鳴など、量子力学の教科書が2準位系の例に挙げる話は、どれもこの章の結合軌道と反結合軌道と同じ行列である。種類の違う原子の場合(Δ≠0\Delta\ne0)は第1部第1章の例題で、イオン結合と共有結合の間をつなぐ形として扱った。授業の2準位系は、基底がはじめから直交している形で書かれる。原子軌道から出発するときは、まず式 (2.1.11) の直交化を通してから ε′\varepsilon '、t′t' を読む。

例題 2.1.6 Hückel の β\beta を直交化した軌道で読む ★

オリジナルある2原子分子で、重なりのある原子軌道の積分が α=−10 eV\alpha=-10\,\mathrm{eV}、β=−3 eV\beta=-3\,\mathrm{eV}、S=0.25S=0.25 と計算された。

  1. (1) 重なりを含めた2つの準位を求めよ。
  2. (2) 同じ2つの準位を S=0S=0 の Hückel の形 α′±β′\alpha'\pm\beta' で再現する α′\alpha'、β′\beta' を求めよ。
  3. (3) (2) の β′\beta' と β\beta を比べ、Hückel 法の β\beta を何と読むべきかを述べよ。
解答

(1) (α+β)/(1+S)=−13/1.25=−10.400 eV(\alpha+\beta)/(1+S)=-13/1.25=-10.400\,\mathrm{eV}、(α−β)/(1−S)=−7/0.75=−9.333 eV(\alpha-\beta)/(1-S)=-7/0.75=-9.333\,\mathrm{eV} である。

(2) 式 (2.1.11) で Haa=αH_{aa}=\alpha、t=−βt=-\beta とおくと、α′=ε′=(α−Sβ)/(1−S2)=(−10+0.75)/0.9375=−9.867 eV\alpha'=\varepsilon '=(\alpha-S\beta)/(1-S^2)=(-10+0.75)/0.9375=-9.867\,\mathrm{eV}、β′=−t′=(β−Sα)/(1−S2)=(−3+2.5)/0.9375=−0.533 eV\beta'=-t'=(\beta-S\alpha)/(1-S^2)=(-3+2.5)/0.9375=-0.533\,\mathrm{eV} である。α′±β′\alpha'\pm\beta' は −10.400-10.400 と −9.333-9.333 で (1) に一致する。

(3) β′\beta' は β\beta の約6分の1しかない。β=Hab\beta=H_{ab} には、重なり SS に α\alpha を掛けた分(Sα=−2.5 eVS\alpha=-2.5\,\mathrm{eV})が含まれていて、これは2つの軌道が同じ領域を占めていることによる見かけの寄与である。直交化するとこの分が引かれ、残った β−Sα\beta-S\alpha が電子の飛び移りの大きさになる。Hückel 法の β\beta は、直交化した軌道の間の飛び移り −t′-t' と読むべきである。

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