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分散分析後の推定と予測

2026年10月15日10分で読めますAI生成教科書『資格試験』第2章 基本的考え方と解析方法
目次
  1. 母平均の点推定と区間推定
  2. 有効反復数
  3. 母平均の差の推定
  4. データの予測
  5. 要因が有意でなかったとき
  6. 確認テスト
  7. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

実験計画法 第2章 §2.3 ★★★ 母平均の信頼区間・母平均の差の信頼区間・データの予測区間。有効反復数 nen_e の考え方の出発点

分散分析で因子 AA が有意になったら、次に知りたいのは「どの水準が最も良く、そこでの母平均はいくらか」である。この節では、母平均の点推定と区間推定、2つの水準の母平均の差の推定、新しいデータの予測を導く。

母平均の点推定と区間推定

水準 AiA_i の母平均 μ(Ai)=μ+ai\mu(A_i)=\mu+a_i の点推定は、構造式の推定値を足したものである。

μ^(Ai)=μ^+a^i=xˉˉ+(xˉi⋅−xˉˉ)=xˉi⋅.(2.16)\hat\mu(A_i)=\hat\mu+\hat a_i=\bar{\bar x}+(\bar x_{i\cdot}-\bar{\bar x})=\bar x_{i\cdot}.\tag{2.16}

(2.3) より xˉi⋅∼N(μ(Ai),σ2/r)\bar x_{i\cdot}\sim\mathrm{N}(\mu(A_i),\sigma^2/r) である。σ2\sigma^2 は未知なので VeV_e で置き換える。

定理 2.12(母平均の信頼区間)

構造式 (2.2) のもとで

t=xˉi⋅−μ(Ai)Ve/r∼tϕe(2.17)t=\frac{\bar x_{i\cdot}-\mu(A_i)}{\sqrt{V_e/r}}\sim t_{\phi_e}\tag{2.17}

であり、μ(Ai)\mu(A_i) の信頼率 1−α1-\alpha の信頼区間は

xˉi⋅±tϕe(α/2)Ver(2.18)\bar x_{i\cdot}\pm t_{\phi_e}(\alpha/2)\sqrt{\frac{V_e}{r}}\tag{2.18}

である。

証明

Z=(xˉi⋅−μ(Ai))/σ2/r∼N(0,1)Z=(\bar x_{i\cdot}-\mu(A_i))/\sqrt{\sigma^2/r}\sim\mathrm{N}(0,1)。定理 2.9 より W=Se/σ2∼χϕe2W=S_e/\sigma^2\sim\chi^2_{\phi_e} である。SeS_e は水準平均と独立なので、この2つも独立である。

tt 分布の定義により Z/W/ϕe∼tϕeZ/\sqrt{W/\phi_e}\sim t_{\phi_e}。この比を計算すると σ\sigma が消えて次のようになる。

xˉi⋅−μ(Ai)σ2/r/Seσ2ϕe=xˉi⋅−μ(Ai)Ve/r\frac{\bar x_{i\cdot}-\mu(A_i)}{\sqrt{\sigma^2/r}}\Big/\sqrt{\frac{S_e}{\sigma^2\phi_e}}=\frac{\bar x_{i\cdot}-\mu(A_i)}{\sqrt{V_e/r}}

P(∣t∣≤tϕe(α/2))=1−αP(\lvert t\rvert \le t_{\phi_e}(\alpha/2))=1-\alpha を μ(Ai)\mu(A_i) について解けば (2.18) を得る。

この区間では、σ2\sigma^2 の推定に全水準の残差から作った VeV_e を使っている。その水準のデータだけを使うのではない。

等分散性の仮定のもとでは、どの水準の残差も同じ σ2\sigma^2 の情報を持つ。まとめて使うと自由度が r−1r-1 から a(r−1)a(r-1) に増える。その分 tt 分布の上側点が小さくなり、区間が短くなる。

有効反復数

区間 (2.18) の幅は、点推定量の分散 σ2/r\sigma^2/r によって決まる。一般の配置では、点推定量の分散を

V[μ^]=σ2ne(2.19)V[\hat\mu]=\frac{\sigma^2}{n_e}\tag{2.19}

と書き、nen_e を有効反復数と呼ぶ。「その点推定量は、データ nen_e 個の平均と同じ精度をもつ」という意味である。1元配置の μ^(Ai)=xˉi⋅\hat\mu(A_i)=\bar x_{i\cdot} では ne=rn_e=r である。2元配置以上では点推定量がいくつかの平均の和や差になるので、nen_e の計算に工夫が要る。よく使われる公式の1つ(田口の式)は

1ne=1+(点推定に用いた要因の自由度の和)N(2.20)\frac{1}{n_e}=\frac{1+(\text{点推定に用いた要因の自由度の和})}{N}\tag{2.20}

で、1元配置に当てはめると (1+(a−1))/(ar)=1/r(1+(a-1))/(ar)=1/r となり、ne=rn_e=r と一致する。式 (2.20) の導出と、もう1つの公式(伊奈の式)との使い分けは、点推定量が複数の平均の組合せになる第5章 §5.2 で扱う。有効反復数を使うと、どの配置でも母平均の信頼区間は

μ^±tϕe(α/2)Vene(2.21)\hat\mu\pm t_{\phi_e}(\alpha/2)\sqrt{\frac{V_e}{n_e}}\tag{2.21}

という同じ形で書ける。

母平均の差の推定

2つの水準 Ai,Ai′A_i,A_{i'} の母平均の差 μ(Ai)−μ(Ai′)=ai−ai′\mu(A_i)-\mu(A_{i'})=a_i-a_{i'} を考える。その点推定は xˉi⋅−xˉi′⋅\bar x_{i\cdot}-\bar x_{i'\cdot} である。2つの水準平均は独立なので、その分散は σ2/r+σ2/r=2σ2/r\sigma^2/r+\sigma^2/r=2\sigma^2/r。定理 2.12 と同じ議論で

(xˉi⋅−xˉi′⋅)±tϕe(α/2)2Ver(2.22)(\bar x_{i\cdot}-\bar x_{i'\cdot})\pm t_{\phi_e}(\alpha/2)\sqrt{\frac{2V_e}{r}}\tag{2.22}

が信頼率 1−α1-\alpha の信頼区間になる。区間が0を含まなければ、2つの水準の母平均には有意水準 α\alpha で差があると判断できる。ただし、この区間をすべての水準の組について繰り返し使うと、全体として誤って差があると判断する確率が α\alpha より大きくなる。多くの組を同時に比べるときの扱い(最小有意差など)は第4章で述べる。

データの予測

最適な水準 AiA_i で将来もう1回実験したときに得られる値 xx を予測したい場合を考える。構造式より x=μ(Ai)+εx=\mu(A_i)+\varepsilon で、ε\varepsilon は手持ちのデータと独立な新しい誤差である。予測値は母平均の点推定と同じ x^=xˉi⋅\hat x=\bar x_{i\cdot} だが、予測の誤差は

x−x^=(μ(Ai)−xˉi⋅)+ε,V[x−x^]=σ2r+σ2=(1+1ne)σ2(2.23)x-\hat x=\bigl(\mu(A_i)-\bar x_{i\cdot}\bigr)+\varepsilon,\qquad V[x-\hat x]=\frac{\sigma^2}{r}+\sigma^2=\Bigl(1+\frac1{n_e}\Bigr)\sigma^2\tag{2.23}

となる。第1項は母平均の推定の誤差、第2項は新しいデータそのもののばらつきで、2つは独立なので分散が足し算になる。x−x^x-\hat x は SeS_e とも独立である。そのため次の比が tϕet_{\phi_e} に従う。

x−x^(1+1/ne)Ve∼tϕe\frac{x-\hat x}{\sqrt{(1+1/n_e)V_e}}\sim t_{\phi_e}

よって信頼率 1−α1-\alpha の予測区間は

xˉi⋅±tϕe(α/2)(1+1ne)Ve(2.24)\bar x_{i\cdot}\pm t_{\phi_e}(\alpha/2)\sqrt{\Bigl(1+\frac1{n_e}\Bigr)V_e}\tag{2.24}

である。

落とし穴

信頼区間と予測区間を取り違える誤りが多い。信頼区間は母平均という定数を挟む区間で、繰返し rr を増やせば幅はいくらでも小さくなる。予測区間は将来の1個のデータを挟む区間で、r→∞r\to\infty としても幅は 2tϕe(α/2)Ve2t_{\phi_e}(\alpha/2)\sqrt{V_e} 程度より小さくならない。新しいデータは誤差 ε\varepsilon を必ず含み、その分散 σ2\sigma^2 は実験をいくら増やしても消えないためである。

要因が有意でなかったとき

因子 AA が FF 検定で有意にならなかったときは、水準による違いは無いとみなすことがある。構造式は次に置き直す。

xij=μ+εijx_{ij}=\mu+\varepsilon_{ij}

このとき SAS_A も誤差の一部とみなし、SeS_e と足し合わせて新しい誤差分散を作る。

Ve′=SA+SeϕA+ϕe=STN−1V_e'=\frac{S_A+S_e}{\phi_A+\phi_e}=\frac{S_T}{N-1}

これをプーリングと呼ぶ。母平均の点推定は μ^=xˉˉ\hat\mu=\bar{\bar x}、有効反復数は ne=Nn_e=N で、信頼区間は次のとおりである。

xˉˉ±tN−1(α/2)Ve′/N\bar{\bar x}\pm t_{N-1}(\alpha/2)\sqrt{V_e'/N}

有意でない要因をどの基準でプールするかは、2元配置の交互作用で問題になるので第5章で扱う。通し例は1%で有意なので、プーリングはしない。

例題 2.4 通し例の推定と予測 ★★★

オリジナル通し例(例題 2.2 の分散分析表)について、強度が最も高い水準を最適水準とする。t12(0.025)=2.179t_{12}(0.025)=2.179 を用いてよい。

  • (1) 最適水準での母平均の点推定値と95%信頼区間を求めよ。
  • (2) 最適水準と2番目に高い水準の母平均の差について、95%信頼区間を求め、差があると言えるかを判断せよ。
  • (3) 最適水準で新たに1本の試験片を作ったときの強度の95%予測区間を求めよ。
解答

(1) 水準平均が最も大きいのは A4A_4(xˉ4⋅=21\bar x_{4\cdot}=21)なので、点推定値は21である。自由度は ϕe=12\phi_e=12 である。ne=r=4n_e=r=4、Ve=4.00V_e=4.00 より

21±t12(0.025)4.004=21±2.179×1=21±2.18,21\pm t_{12}(0.025)\sqrt{\frac{4.00}{4}}=21\pm2.179\times1=21\pm2.18,

すなわち 18.82≤μ(A4)≤23.1818.82\le\mu(A_4)\le23.18。

(2) 2番目は A2A_2(xˉ2⋅=17\bar x_{2\cdot}=17)。差の点推定は 21−17=421-17=4。区間は (2.22) より

4±2.1792×4.004=4±2.179×1.414=4±3.08,4\pm2.179\sqrt{\frac{2\times4.00}{4}}=4\pm2.179\times1.414=4\pm3.08,

すなわち 0.92≤μ(A4)−μ(A2)≤7.080.92\le\mu(A_4)-\mu(A_2)\le7.08。区間が0を含まないので、A4A_4 の母平均は A2A_2 より大きいと判断する。

(3) 予測値は 2121。(2.24) より

21±2.179(1+14)×4.00=21±2.179×2.236=21±4.87,21\pm2.179\sqrt{\Bigl(1+\frac14\Bigr)\times4.00}=21\pm2.179\times2.236=21\pm4.87,

すなわち 16.13≤x≤25.8716.13\le x\le25.87。(1) の信頼区間より2倍以上広い。

確認テスト

オリジナル

  1. 2.3-1 有効反復数 nen_e の定義を1文で述べよ。また1元配置の水準平均 xˉi⋅\bar x_{i\cdot} について、田口の式 (2.20) から ne=rn_e=r が得られることを確かめよ。
  2. 2.3-2 確認テスト 2.2-2 の分散分析の結果を用いて、μ(A2)\mu(A_2) の95%信頼区間を求めよ。t6(0.025)=2.447t_6(0.025)=2.447 を用いてよい。
  3. 2.3-3 同じデータについて、μ(A2)−μ(A1)\mu(A_2)-\mu(A_1) の95%信頼区間と、水準 A2A_2 で新たに1回実験したときのデータの95%予測区間を求めよ。
  4. 2.3-4 定理 2.12 の証明で使った「xˉi⋅\bar x_{i\cdot} と VeV_e が独立である」ことが成り立つ理由を、正規母集団の標本平均と偏差平方和の独立性から説明せよ。
  5. 2.3-5 3水準・繰返し4の1元配置で、次のデータを得た。

A1: 10, 12, 11, 13,A2: 12, 11, 13, 12,A3: 13, 12, 11, 14A_1:\ 10,\ 12,\ 11,\ 13,\qquad A_2:\ 12,\ 11,\ 13,\ 12,\qquad A_3:\ 13,\ 12,\ 11,\ 14

分散分析をして、因子 AA が有意水準5%で有意でないことを確かめよ。さらにプーリングしたうえで、全体の母平均 μ\mu の95%信頼区間を求めよ。F2,9(0.05)=4.26F_{2,9}(0.05)=4.26、t11(0.025)=2.201t_{11}(0.025)=2.201 を用いてよい。

木下の勉強ステータス

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