実験計画法 第11章 §11.4
- 11.1-1 3原則は反復・無作為化・局所管理である。ブロックを作ることは局所管理に当たり、ブロックの中で実施順を乱数で決めることは無作為化に当たる。各水準を全ブロックで行うことで、各水準が r 回ずつ反復されることにもなる。
- 11.1-2 構造式から、∑iai=0 を使って
xˉ⋅j=μ+γj+εˉ⋅j,xˉ=μ+γˉ+εˉ.
よって uj=γj+εˉ⋅j とおくと、xˉ⋅j−xˉ=uj−uˉ である。これらは互いに独立で、平均 0、分散 σR2+σ2/a をもつ。
独立同分布の標本の偏差平方和の期待値は、(r−1)×(分散)である。よって
E[j∑(uj−uˉ)2]=(r−1)(σR2+aσ2),E(SR)=a(r−1)(σR2+aσ2)=(r−1)(σ2+aσR2).
3. 11.1-3 2つの水準平均は次のとおりである。
xˉ1⋅=μ+a1+γˉ+εˉ1⋅,xˉ2⋅=μ+a2+γˉ+εˉ2⋅.
2つの誤差平均は異なる誤差の平均なので独立で、ブロック効果の平均とも独立である。よって
Cov(xˉ1⋅,xˉ2⋅)=V[γˉ]=σR2/r.
また V[xˉi⋅]=(σR2+σ2)/r。したがって
V[xˉ1⋅−xˉ2⋅]=2⋅rσR2+σ2−2⋅rσR2=r2σ2.
4. 11.1-4 水準数 3、ブロックの自由度 5、誤差の自由度 10 で、F0=VR/Ve=10 である。点推定は
θ^=Veσ^R2=Ve(VR−Ve)/a=aF0−1=3.
(11.15) より F0/(1+3θ)∼F5,10。下側の点は F5,10(0.975)=1/F10,5(0.025)=1/6.619=0.1511。(11.16) より
31(4.23610−1)=0.454 ≤θ≤ 31(0.151110−1)=21.7.
5. 11.1-5 定理 11.2 から
E(SR)=(r−1)(σ2+aσR2),E(Se)=(a−1)(r−1)σ2.
足すと
E(SR+Se)=(r−1){σ2+aσR2+(a−1)σ2}=a(r−1)(σ2+σR2).
自由度 a(r−1) で割って E(Ve′)=σ2+σR2。
1元配置の F 検定は、各データの誤差が互いに独立であることを前提にしている。ブロックを無視したときの「誤差」は γj+εij である。同じブロックの異なる水準のデータの間には、共分散 σR2 がある((11.2))。このため次の2つのことが起きる。
- 2つの平方和は異なる倍率のカイ二乗の和になり、SR+Se は (σ2+σR2) 倍のカイ二乗分布に従わない。よって F0′ は F 分布に従わない。
- 分子の期待値にはブロックの分散成分が入らないのに、分母の期待値には入る。よって帰無仮説のもとでも F0′ は小さめになり、検定は保守的(有意になりにくい)になる。
- 11.2-1 水準数 3、ブロック数 4、総データ数 12 である。合計は次のとおりである。
T1⋅=50,T2⋅=60,T3⋅=44,T⋅1=37,T⋅2=46,T⋅3=32,T⋅4=39,T=154.
修正項は CT=1542/12=23716/12=1976.33、2乗和は ∑x2=638+914+492=2044。
STSASRSe=2044−1976.33=67.67,=4502+602+442−CT=48036−1976.33=2009−1976.33=32.67,=3372+462+322+392−CT=36030−1976.33=2010−1976.33=33.67,=67.67−32.67−33.67=1.33.
| 要因 | 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F0 |
| A | 32.67 | 2 | 16.33 | 73.5∗∗ |
| R | 33.67 | 3 | 11.22 | 50.5∗∗ |
| e | 1.33 | 6 | 0.222 | |
| 計 | 67.67 | 11 | | |
73.5>F2,6(0.01)=10.92、50.5>F3,6(0.01)=9.78 なので、因子もブロックも 1% で有意。7. 11.2-2 (a) 差の点推定は xˉ2⋅−xˉ3⋅=(60−44)/4=4。区間は
4±t6(0.025)2Ve/r=4±2.4472×0.2222/4=4±2.447×0.3333=4±0.82,
すなわち 3.18≤μ(A2)−μ(A3)≤4.82。
(b) 点推定は xˉ2⋅=15。分散の推定値と等価自由度は
V[xˉ2⋅]ϕ∗=arVR+(a−1)Ve=1211.222+2×0.2222=1211.667=0.9722,=11.2222/3+0.44442/611.6672=41.98+0.033136.1=3.24→3.
区間は
15±t3(0.025)0.9722=15±3.182×0.986=15±3.14,
すなわち 11.86≤μ(A2)≤18.14。8. 11.2-3 欠測値を含めた合計は、次のとおりである。
総合計 T′+y,水準 1 T1⋅′+y,ブロック 1 T⋅1′+y.
Se=ST−SA−SR のうち欠測値に依存する部分は
Se(y)=y2−r(T1⋅′+y)2−a(T⋅1′+y)2+ar(T′+y)2+(y によらない項).
y で微分して 0 とおくと
y−rT1⋅′+y−aT⋅1′+y+arT′+y=0⟺y(1−r1)(1−a1)=araT1⋅′+rT⋅1′−T′.
(1−1/r)(1−1/a)=(a−1)(r−1)/(ar) なので
y=(a−1)(r−1)aT1⋅′+rT⋅1′−T′.
2次の係数は (a−1)(r−1)/(ar)>0 なので、これは最小点である。
11.2-1 のデータでは、欠測値を除いた合計は次のとおりである(a=3、r=4)。
T1⋅′=50−12=38,T⋅1′=37−12=25,T′=154−12=142.
よって y=(3×38+4×25−142)/(2×3)=72/6=12。この表は因子とブロックの効果がほぼ加法的なので、欠測値の推定が実際の値に一致した。欠測値を埋めて解析するときは、誤差の自由度を ϕe=6−1=5 に減らす。9. 11.2-4 ブロックを区別しないので、誤差平方和は SR+Se=285.2+9.2=294.4、自由度は 4+12=16。
| 要因 | 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F0 |
| A | 69.8 | 3 | 23.27 | 1.26 |
| e′ | 294.4 | 16 | 18.40 | |
| 計 | 364.2 | 19 | | |
F0′=23.27/18.40=1.26<F3,16(0.05)=3.24 なので、因子は有意水準 5% で有意でない。ブロックを立てた解析では
F0=30.3 で 1% 有意だったので、日間変動を誤差から分けなかったことで、触媒の差を検出できなくなった。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com