実験計画法 第14章 §14.4
- 14.1-1 同じ試験片を測った値の差には測定の誤差しか入らないので、その不偏分散は2次誤差の分散 σ(2)2 の推定量である。要因の水準間の差には、実験ごとに入る1次誤差も含まれる(E(VA) に mσ(1)2 が入る)。そのため2次誤差の分散だけを分母にすると、差が無くても有意になりやすい。
- 14.1-2 構造式から xijk−xˉij⋅=ε(2)ijk−εˉ(2)ij⋅ である。一般平均・効果・1次誤差は添字 k によらないので消える。実験ごとに2次誤差は独立に N(0,σ(2)2) に従うので、標本分散の不偏性から
E[k∑(ε(2)ijk−εˉ(2)ij⋅)2]=(m−1)σ(2)2.
ar 個の実験について足すと E(Se(2))=ar(m−1)σ(2)2。3. 14.1-3 ϕA=3, ϕe(1)=4×1=4, ϕe(2)=8×2=16, ϕT=24−1=23(3+4+16=23)。σ^(2)2=Ve(2)=1, σ^(1)2=(5−1)/3=4/3≈1.333。水準平均の分散の推定値は Ve(1)/(rm)=5/6≈0.833 である。これは σ^(1)2/r+σ^(2)2/(rm)=0.667+0.167=0.833 と一致する。4. 14.1-4 m∗=4×2/(2×0.5)=8≈2.83。前後の整数で g(m) を比べると
g(2)=(0.5+1)(4+4)=12,g(3)=(0.5+32)(4+6)=11.667,
で g(3)<g(2) なので m=3 を選ぶ。参考に g(1)=2.5×6=15, g(4)=1×12=12 である。連続での最小値は (0.5⋅4+2⋅2)2=(1.414+2)2≈11.657 になる。5. 14.1-5 yij=xˉij⋅ とする。水準平均は yˉi⋅=xˉi⋅⋅、総平均は yˉ=xˉ なので
SA(y)=ri∑(yˉi⋅−yˉ)2=m1⋅rmi∑(xˉi⋅⋅−xˉ)2=mSA,
Se(y)=i,j∑(yij−yˉi⋅)2=m1⋅mi,j∑(xˉij⋅−xˉi⋅⋅)2=mSe(1).
自由度は a−1 と a(r−1) で、それぞれ元の解析の要因と1次誤差の自由度に等しい。よってF0(y)=(Se(1)/m)/ϕe(1)(SA/m)/ϕA=Ve(1)VA。6. 14.2-1 a=3, r=2, m=3, N=18。∑x2=465, T=89, CT=892/18=7921/18=440.056。水準の合計は 27, 36, 26、実験の合計は 12, 15, 18, 18, 14, 12 である。
STSASARSe(1)=465−440.056=24.944,=6272+362+262−CT=62701−440.056=450.167−440.056=10.111,=3122+152+182+182+142+122−CT=31357−440.056=452.333−440.056=12.278,=12.278−10.111=2.167,Se(2)=465−452.333=12.667.
自由度 2, 3, 12(計 17)。VA=5.056, Ve(1)=0.722, Ve(2)=1.056。判定は次の順に行う。
- e(1):F0=0.722/1.056=0.68<F3,12(0.05)=3.49 で有意でない。分散比が 2 より小さいので、2次誤差にプールする。
- プール後の誤差:Se′=2.167+12.667=14.833, ϕe′=15, Ve′=0.989。
- A:F0=5.056/0.989=5.11≥F2,15(0.05)=3.68 で 5% 有意(6.36 未満なので 1% では有意でない)。
プールしなければ F0=5.056/0.722=7.00<F2,3(0.05)=9.55 で有意でない。1次誤差の自由度が 3 と小さいため棄却限界が大きい。σ(1)2≈0 をデータで確かめてプールしたことで、検出力が上がった。7. 14.2-2 プール後は σ(1)2=0 とみなすので、水準平均の分散は σ2/(rm)=σ2/6 である。誤差分散は Ve′=0.989(自由度 15)で推定する。μ^(A2)=36/6=6.000、
6.000±2.1310.989/6=6.000±2.131×0.406=6.000±0.865,
すなわち [5.13, 6.87]。差は xˉ2⋅⋅−xˉ3⋅⋅=(36−26)/6=1.667、
1.667±2.1312×0.989/6=1.667±2.131×0.574=1.667±1.223,
すなわち [0.44, 2.89]。8. 14.2-3 自由度は ϕA=2, ϕB=3, ϕe(1)=(3−1)(4−1)=6, ϕe(2)=12×1=12、計 23=3×4×2−1。平均平方は VA=20, VB=10, Ve(1)=2, Ve(2)=0.5。期待平均平方は (14.15) で b=4, a=3, m=2 として次になる。
E(VA)E(Ve(1))=σ(2)2+2σ(1)2+8σA2,=σ(2)2+2σ(1)2,E(VB)E(Ve(2))=σ(2)2+2σ(1)2+6σB2,=σ(2)2.
判定は次のとおりである。
- A:F0=20/2=10.0 は 5.14 以上 10.92 未満なので、5% 有意(1% では有意でない)。
- B:F0=10/2=5.0 は 4.76 以上 9.78 未満なので、5% 有意。
- e(1):F0=2/0.5=4.0 は 3.00 以上 4.82 未満なので、5% 有意。1次誤差は無視できないのでプールしない。
- 14.2-4 r=1 なので ϕA=3, ϕe(1)=4×0=0, ϕe(2)=4×2=8(計 11)。Se(1) は存在しない。定理 14.2 の計算は r=1 でもそのまま成り立つ。
E(VA)=σ(2)2+3σ(1)2+3σA2,E(Ve(2))=σ(2)2
分子と分母の期待値の差は 3(σ(1)2+σA2) なので、この比が大きいことは「σ(1)2+σA2>0」を示すにすぎない。各水準の実験が1回しか無いので、水準間の違いが A の効果によるのか、その1回の実験に入った実験の誤差によるのかを区別するデータが無く、A の効果の検定にならない。
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