平均・中央値・最頻値
AI 生成・木下が未勉強
統計学の復習 第2章 §2.1 ★★ 3つの代表値の定義と、度数分布表からの計算
この章は、2級の対策本の第3章(さまざまな代表値)と第5章(分散と標準偏差)に当たる。
データ を数1つで要約する方法には、中心の位置を表す代表値と、中心のまわりの広がりを表す散らばりの指標の2種類がある。2級ではそれぞれの公式に数値を代入できれば得点になるが、1級の記述式では「なぜその式なのか」を問われる。そこでこの章では、平均・中央値・最頻値の3つを「データとのずれの測り方を決めたときに、ずれの合計を最小にする点」として統一的に導き直す。平均は2乗のずれの和を、中央値は絶対値のずれの和を、最頻値は一致しない個数を最小にする。この見方は、1級で推定量の良さを損失とリスクで測る枠組み(数理統計の解説 第10章 §10.1)の最も簡単な場合に当たる。
散らばりの指標では、偏差平方和 を中心に置き、 で割る分散と で割る不偏分散を最初から別の記号で書き分ける。2つの割り方の混同は、この先の区間推定・検定・回帰のすべてで計算違いの原因になるからである。あわせて、2群を合わせたときの分散が「群内の分散の平均」と「群平均の散らばり」の和に分かれることを示す。これは分散分析(第15章)の平方和の分解の、最も小さな形である。
この章の記号
データ(観測値)は小文字 で書き、確率変数 と区別する。
- 平均 、偏差 、偏差平方和 。
- で割る分散 (この章では単に「分散」と呼ぶ)と、その平方根 (標準偏差)。
- で割る不偏分散 と、その平方根 。 は確率変数としての不偏分散 (第9章)の実現値である。
- 小さい順に並べ替えたデータ 、中央値 。
定義 2.1(平均・中央値・最頻値)
データ について、次の3つを代表値と呼ぶ。
- (1) 平均(算術平均)。
- (2) 中央値 。並べ替えたデータで、 が奇数なら真ん中の値 、 が偶数なら真ん中の2つの平均 。
- (3) 最頻値 データの中で最も多く現れる値。度数分布表にまとめたデータでは、度数が最大の階級の階級値。
平均は、データの値をすべて足して個数で割った量である。偏差の和について、次の性質が成り立つ。
命題 2.2(偏差の和は0)
。
証明
。
この等式は、 がデータの「重心」になっていることを表す。数直線上の点 に等しい重りを置くと、 を支点にして左右の力のモーメントがつり合う。§2.5 では、この1本の等式があるために、偏差 の 個のうち自由に動けるものが 個しかないことを使う。
データを1次式で変換したときの代表値の変化も確かめておく。 とおくと
である。中央値は、 なら並び順が変わらないので 、 なら並び順が逆転するが、真ん中の位置は真ん中のままなので、やはり になる。最頻値も、値の対応が1対1なので同じ変換を受ける。単位を cm から m に変える、基準点をずらすといった操作では、3つの代表値は同じように変換される。
度数分布表からの計算
データが度数分布表でしか与えられないときは、各階級に入るデータをすべて階級値 (階級の中央の値)に等しいとみなす。階級が 個、各階級の度数が ()なら
である。これは階級値を度数で重み付けした加重平均になっている。階級の幅を とすると、各データと階級値のずれは 以下なので、真の平均と (2.2) の差も 以下に収まる(確認テスト 2.1-3)。
中央値は、累積度数が を超える階級を探し、その階級の中ではデータが一様に散らばっていると仮定して線形補間する。その階級の下端を 、その階級より前までの累積度数を 、その階級の度数を とすると
となる。分子 は「その階級の中で、あと何個進めば真ん中の順位に達するか」を表し、それを階級の度数 で割ると階級の中での位置の割合になる。
例題 2.1 度数分布表から3つの代表値を出す ★★
オリジナルある大学の学生40人の通学時間(分)を調べ、次の度数分布表を得た。階級は「0分以上10分未満」のように区切ってある。
| 階級(分) | 0–10 | 10–20 | 20–30 | 30–40 | 40–50 | 50–60 |
| 階級値 | 5 | 15 | 25 | 35 | 45 | 55 |
| 度数 | 2 | 14 | 10 | 7 | 4 | 3 |
- (1) 階級値を用いて平均を求めよ。
- (2) 中央値を (2.3) の線形補間で求めよ。
- (3) 最頻値を求め、3つの代表値の大小を述べよ。
解答
(1) なので、 分である。
(2) 累積度数は順に である。 番目は累積度数が初めて20を超える 20–30 の階級に入る。、、、 を代入して
(3) 度数が最大(14)の階級は 10–20 なので、最頻値は階級値の 15 分である。大小は 最頻値 中央値 平均 となる。40分を超える学生が少数いて分布の右側に長い裾があり、その裾にある大きな値によって平均だけが大きくなっている(§2.2 で理由を述べる)。
図 2.1 例題 2.1 のヒストグラムと3つの代表値。右に裾の長い分布では、最頻値・中央値・平均の順に右へ並ぶことが多い。
確認テスト
オリジナル
- 2.1-1 データ の平均と中央値を求めよ。
- 2.1-2 データ の平均が のとき、各データを1.1倍して3を加えた の平均を求めよ。また、 の偏差の和 が0になることを、命題 2.2 を使わずに直接計算して確かめよ。
- 2.1-3 階級の幅が の度数分布表で、各データ をその階級の階級値 に置き換えて求めた平均を とする。 を示せ。
- 2.1-4 あるクラス30人の平均点が62点、別のクラス20人の平均点が70点である。2クラスを合わせた50人の平均点を求めよ。また、2クラスの平均点の単純な平均 点と一致しない理由を一言で述べよ。
木下の勉強ステータス
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