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分散

2026年10月17日11分で読めますAI生成教科書『資格試験』第2章 代表値と散らばりの指標
目次
  1. 計算公式
  2. 2つの群を合わせた分散
  3. 確認テスト
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第2章 §2.5 ★★★ 偏差平方和 SxxS_{xx} を中心に、nn で割る分散と n−1n-1 で割る不偏分散を書き分ける

散らばりを数1つで表すには、偏差 xi−xˉx_i-\bar x の大きさを集める必要がある。偏差をそのまま足すと命題 2.2 により0になるので、2乗してから足す。

定義 2.8(偏差平方和・分散・不偏分散)

Sxx=∑i=1n(xi−xˉ)2,σ^2=Sxxn (分散),s2=Sxxn−1 (不偏分散, n≥2).S_{xx}=\sum_{i=1}^n(x_i-\bar x)^2,\qquad \hat\sigma^2=\frac{S_{xx}}{n}\ (\text{分散}),\qquad s^2=\frac{S_{xx}}{n-1}\ (\text{不偏分散},\ n\ge2).

nn で割るか n−1n-1 で割るか

2つの割り方は、答えたい問いが違う。σ^2\hat\sigma^2 は「手元のデータそのものがどれだけ散らばっているか」を記述する量で、定理 2.3(i) の最小値 SxxS_{xx} を個数で割った「平均からの2乗のずれの平均」である。s2s^2 は「データの背後にある母集団の分散 σ2\sigma^2 をデータから推し量る」ための量で、確率変数の不偏分散 S2S^2 について E[S2]=σ2E[S^2]=\sigma^2 が成り立つように n−1n-1 で割る(第9章で証明する)。問題文に「分散(nn で割る)」「不偏分散」「標本分散」とあれば、どちらを指すかを最初に確かめる。教科書や統計ソフトによって「標本分散」がどちらを指すかが違うので、名前でなく割る数で判断する。

n−1n-1 という数がどこから来るかは、次の2つの見方で説明できる。

1つめは自由度の見方である。偏差 x1−xˉ,…,xn−xˉx_1-\bar x,\dots,x_n-\bar x は nn 個あるが、命題 2.2 の1本の等式 ∑i(xi−xˉ)=0\sum_i(x_i-\bar x)=0 を必ず満たすので、n−1n-1 個を決めれば最後の1個は自動的に決まる。SxxS_{xx} は自由に動ける n−1n-1 個ぶんの情報から作られた2乗和なので、1個あたりに直すには n−1n-1 で割る。拘束の本数が1本である理由は、平均 xˉ\bar x という1個の量を同じデータから計算して中心に使ったことにある。回帰で2個の係数を推定すると n−2n-2、分散分析で kk 個の群平均を推定すると N−kN-k になる(第14章・第15章)のも、同じ数え方による。

2つめは、平均を使わずに散らばりを測る見方である。

命題 2.9(2点の差による表示)

Sxx=12n∑i=1n∑j=1n(xi−xj)2=1n∑i<j(xi−xj)2,s2=1(n2)∑i<j(xi−xj)22.S_{xx}=\frac{1}{2n}\sum_{i=1}^n\sum_{j=1}^n(x_i-x_j)^2=\frac1n\sum_{i<j}(x_i-x_j)^2, \qquad s^2=\frac{1}{\binom n2}\sum_{i<j}\frac{(x_i-x_j)^2}{2}.

証明

xi−xj=(xi−xˉ)−(xj−xˉ)x_i-x_j=(x_i-\bar x)-(x_j-\bar x) を2乗して i,ji,j について和をとると

∑i,j(xi−xj)2=∑i,j(xi−xˉ)2−2∑i,j(xi−xˉ)(xj−xˉ)+∑i,j(xj−xˉ)2=nSxx−2(∑i(xi−xˉ))2+nSxx=2nSxx\sum_{i,j}(x_i-x_j)^2=\sum_{i,j}(x_i-\bar x)^2-2\sum_{i,j}(x_i-\bar x)(x_j-\bar x)+\sum_{i,j}(x_j-\bar x)^2 =nS_{xx}-2\Bigl(\sum_i(x_i-\bar x)\Bigr)^2+nS_{xx}=2nS_{xx}

(中央の項は命題 2.2 により0)。i=ji=j の項は0で、(i,j)(i,j) と (j,i)(j,i) は同じ値なので、∑i,j=2∑i<j\sum_{i,j}=2\sum_{i<j} である。これで1つめの等式が出る。両辺を n−1n-1 で割り、(n2)=n(n−1)/2\binom n2=n(n-1)/2 を使えば2つめの等式になる。

この表示では、不偏分散 s2s^2 は「2個のデータの組 (n2)\binom n2 通りすべてについて (xi−xj)2/2(x_i-x_j)^2/2 を平均したもの」になる。平均 xˉ\bar x を経由しないこの形で、分母に自然に n(n−1)/2n(n-1)/2 組が現れる。nn で割る σ^2\hat\sigma^2 は、i=ji=j の「同じデータどうしの組」(差が0)まで数に入れて平均したことに当たり、そのぶん小さくなる。

計算公式

命題 2.10(分散の計算公式 ★★★)

x2‾=1n∑ixi2\overline{x^2}=\frac1n\sum_ix_i^2 とおくと

Sxx=∑ixi2−nxˉ2,σ^2=x2‾−xˉ2.(2.6)S_{xx}=\sum_ix_i^2-n\bar x^2,\qquad \hat\sigma^2=\overline{x^2}-\bar x^2.\tag{2.6}

証明

平行移動の公式 (2.4) で c=0c=0 とおくと ∑ixi2=Sxx+nxˉ2\sum_ix_i^2=S_{xx}+n\bar x^2 となる。

「2乗の平均 −- 平均の2乗」の形は、確率変数の V[X]=E[X2]−E[X]2V[X]=E[X^2]-E[X]^2(第4章)と同じ構造である。ただしこの式は、x2‾\overline{x^2} と xˉ2\bar x^2 がともに大きく、その差が小さいとき、手計算で桁落ちしやすい。そのときは次の変数変換で数を小さくしてから計算する。

命題 2.11(1次変換と分散)

yi=axi+by_i=ax_i+b なら σ^y2=a2σ^x2\hat\sigma_y^2=a^2\hat\sigma_x^2、σ^y=∣a∣σ^x\hat\sigma_y=\lvert a\rvert \hat\sigma_x(不偏分散も同様)。

証明

(2.1) から yi−yˉ=a(xi−xˉ)y_i-\bar y=a(x_i-\bar x) なので、Syy=a2SxxS_{yy}=a^2S_{xx} である。両辺を nn(または n−1n-1)で割ればよい。

足した定数 bb は偏差から消えるので、分散は平行移動で変わらない。度数分布表では、仮の中心 x0x_0 と階級の幅 hh を使って u=(c−x0)/hu=(c-x_0)/h と変換し、uu の平均と分散を計算してから xˉ=x0+huˉ\bar x=x_0+h\bar u、σ^x2=h2σ^u2\hat\sigma_x^2=h^2\hat\sigma_u^2 で戻すと計算が小さくなる。

度数分布表では、各階級のデータが階級値 ckc_k に等しいとみなして

σ^2≈1n∑kfk(ck−xˉ)2=1n∑kfkck2−xˉ2(2.7)\hat\sigma^2\approx\frac1n\sum_kf_k(c_k-\bar x)^2=\frac1n\sum_kf_kc_k^2-\bar x^2\tag{2.7}

とする。

2つの群を合わせた分散

定理 2.12(群内と群間への分解 ★★★)

大きさ n1,n2n_1,n_2 の2つの群の平均を xˉ1,xˉ2\bar x_1,\bar x_2、分散(ngn_g で割る)を σ^12,σ^22\hat\sigma_1^2,\hat\sigma_2^2 とする。合わせた n=n1+n2n=n_1+n_2 個のデータの平均を xˉ\bar x、分散を σ^2\hat\sigma^2 とすると

xˉ=n1xˉ1+n2xˉ2n,nσ^2=n1σ^12+n2σ^22⏟群内の平方和+n1(xˉ1−xˉ)2+n2(xˉ2−xˉ)2⏟群間の平方和.(2.8)\bar x=\frac{n_1\bar x_1+n_2\bar x_2}{n},\qquad n\hat\sigma^2=\underbrace{n_1\hat\sigma_1^2+n_2\hat\sigma_2^2}_{\text{群内の平方和}}+\underbrace{n_1(\bar x_1-\bar x)^2+n_2(\bar x_2-\bar x)^2}_{\text{群間の平方和}}.\tag{2.8}

証明

平均は、合計 n1xˉ1+n2xˉ2n_1\bar x_1+n_2\bar x_2 を nn で割ったものである。分散については、群1のデータだけに平行移動の公式 (2.4) を c=xˉc=\bar x として使うと∑i∈群1(xi−xˉ)2=n1σ^12+n1(xˉ1−xˉ)2\sum_{i\in\text{群1}}(x_i-\bar x)^2=n_1\hat\sigma_1^2+n_1(\bar x_1-\bar x)^2。群2も同様で、2つを足すと左辺は全体の偏差平方和 nσ^2n\hat\sigma^2 になる。

全体の散らばりは、「各群の中での散らばり」と「群の平均どうしの散らばり」の和に分かれる。群の数が kk 個でも、同じ計算で kk 個の和になる。これが一元配置分散分析の ST=Se+SAS_T=S_e+S_A(第15章)で、そこでは群間の平方和が大きいかどうかを FF 分布で判定する。2群の分散を単純に平均すると群間の項が抜けるので、全体の分散を過小に見積もる。

例題 2.6 度数分布表からの分散と不偏分散 ★★★

オリジナル例題 2.1 の通学時間の度数分布表について、次に答えよ。

  • (1) u=(c−25)/10u=(c-25)/10 と変換して uu の平均と分散(nn で割る)を求め、通学時間の平均と分散 σ^2\hat\sigma^2 に戻せ。
  • (2) 計算公式 (2.7) で σ^2\hat\sigma^2 を直接求め、(1) と一致することを確かめよ。
  • (3) 不偏分散 s2s^2 と、σ^\hat\sigma、ss を求めよ。
解答

(1) 階級値 5,15,…,555,15,\dots,55 に対して u=−2,−1,0,1,2,3u=-2,-1,0,1,2,3。度数 2,14,10,7,4,32,14,10,7,4,3 で重み付けすると

∑fkuk=−4−14+0+7+8+9=6,∑fkuk2=8+14+0+7+16+27=72.\sum f_ku_k=-4-14+0+7+8+9=6,\qquad \sum f_ku_k^2=8+14+0+7+16+27=72.

uˉ=6/40=0.15\bar u=6/40=0.15、σ^u2=72/40−0.152=1.8−0.0225=1.7775\hat\sigma_u^2=72/40-0.15^2=1.8-0.0225=1.7775。命題 2.11 から xˉ=25+10×0.15=26.5\bar x=25+10\times0.15=26.5、σ^2=102×1.7775=177.75\hat\sigma^2=10^2\times1.7775=177.75。

(2) ∑fkck2=2⋅25+14⋅225+10⋅625+7⋅1225+4⋅2025+3⋅3025=35200\sum f_kc_k^2=2\cdot25+14\cdot225+10\cdot625+7\cdot1225+4\cdot2025+3\cdot3025=35200 なので、σ^2=35200/40−26.52=880−702.25=177.75\hat\sigma^2=35200/40-26.5^2=880-702.25=177.75 で一致する。

(3) Sxx=40×177.75=7110S_{xx}=40\times177.75=7110 なので s2=7110/39≈182.31s^2=7110/39\approx182.31。σ^=177.75≈13.33\hat\sigma=\sqrt{177.75}\approx13.33 分、s=182.31≈13.50s=\sqrt{182.31}\approx13.50 分。n=40n=40 では2つの割り方の差は 40/3940/39 倍、約 2.6%2.6\% だけである。

例題 2.7 2つのクラスを合わせた分散 ★★★

オリジナルクラスAは20人で平均60点・標準偏差 σ^1=8\hat\sigma_1=8 点、クラスBは30人で平均70点・標準偏差 σ^2=10\hat\sigma_2=10 点である(どちらも人数で割った値)。2クラスを合わせた50人の平均と標準偏差を求めよ。また、2クラスの分散を人数で重み付けして平均しただけの値と比べよ。

解答

平均は xˉ=(20×60+30×70)/50=3300/50=66\bar x=(20\times60+30\times70)/50=3300/50=66 点。定理 2.12 から

50σ^2=20×64+30×100⏟=4280+20×(60−66)2+30×(70−66)2⏟=720+480=1200=5480,50\hat\sigma^2=\underbrace{20\times64+30\times100}_{=4280}+\underbrace{20\times(60-66)^2+30\times(70-66)^2}_{=720+480=1200}=5480,

σ^2=109.6\hat\sigma^2=109.6、σ^≈10.47\hat\sigma\approx10.47 点。群内の項だけで計算すると 4280/50=85.64280/50=85.6 で、群の平均の差による 1200/50=241200/50=24 が抜ける。

確認テスト

オリジナル

  1. 2.5-1 データ 4,7,7,9,134,7,7,9,13 の SxxS_{xx} を、偏差から求める方法と計算公式 (2.6) の両方で求めよ。さらに σ^2\hat\sigma^2 と s2s^2 を求めよ。
  2. 2.5-2 n=10n=10 個のデータについて ∑xi=50\sum x_i=50、∑xi2=310\sum x_i^2=310 である。σ^2\hat\sigma^2 と s2s^2 を求めよ。
  3. 2.5-3 分散が σ^x2=3\hat\sigma_x^2=3 のデータを yi=−2xi+5y_i=-2x_i+5 と変換した。σ^y2\hat\sigma_y^2 と σ^y\hat\sigma_y を求めよ。
  4. 2.5-4 n=2n=2 のとき、s2=(x1−x2)2/2s^2=(x_1-x_2)^2/2、σ^2=(x1−x2)2/4\hat\sigma^2=(x_1-x_2)^2/4 となることを、定義から直接示せ。
  5. 2.5-5 3つの群(大きさ n1,n2,n3n_1,n_2,n_3)について、定理 2.12 と同じ形の分解が成り立つことを示せ。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

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