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いろいろな平均

2026年10月17日7分で読めますAI生成教科書『資格試験』第2章 代表値と散らばりの指標
目次
  1. 成長率と幾何平均
  2. 速さ・単価と調和平均
  3. 確認テスト
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第2章 §2.4 ★★ 成長率には幾何平均、速さと単価には調和平均。平均の取り方は「何を一定にして合計するか」で決まる

算術平均は「値を足し合わせた合計」を保つ平均である。データの値を全部 xˉ\bar x に置き換えても、合計 nxˉn\bar x は変わらない。ところが、合計でなく積を保ちたい量や、逆数の合計を保ちたい量もある。そのときは別の平均を使う。

定義 2.6(幾何平均・調和平均・加重平均)

正のデータ x1,…,xnx_1,\dots,x_n について

G=(∏i=1nxi)1/n(幾何平均),H=n∑i=1n1/xi(調和平均)G=\Bigl(\prod_{i=1}^n x_i\Bigr)^{1/n}\quad(\textbf{幾何平均}),\qquad H=\frac{n}{\sum_{i=1}^n 1/x_i}\quad(\textbf{調和平均})

と定める。正の重み wiw_i による ∑iwixi/∑iwi\sum_iw_ix_i/\sum_iw_i を加重平均と呼ぶ。度数分布表の平均 (2.2) は、度数を重みとする加重平均である。

幾何平均は「全部を GG に置き換えても積が変わらない値」、調和平均は「全部を HH に置き換えても逆数の和が変わらない値」である。log⁡G=1n∑ilog⁡xi\log G=\frac1n\sum_i\log x_i なので、幾何平均は対数をとってから算術平均し、もとに戻したものでもある。

成長率と幾何平均

ある量が tt 年目に rtr_t の率で増える(減るときは rt<0r_t<0)とすると、TT 年後の量はもとの ∏t=1T(1+rt)\prod_{t=1}^T(1+r_t) 倍になる。毎年同じ率 rˉ\bar r で増えて同じ結果になるには (1+rˉ)T=∏t(1+rt)(1+\bar r)^T=\prod_t(1+r_t) が必要なので

1+rˉ=(∏t=1T(1+rt))1/T,rˉ=G−1(2.5)1+\bar r=\Bigl(\prod_{t=1}^T(1+r_t)\Bigr)^{1/T},\qquad \bar r=G-1\tag{2.5}

となる。年平均成長率は、成長率そのものでなく倍率 1+rt1+r_t の幾何平均から1を引いたものである。成長率の算術平均は、倍率を掛け合わせるという計算の構造に合っていない。

速さ・単価と調和平均

同じ距離 dd を速さ v1,…,vnv_1,\dots,v_n で1回ずつ進むと、全体の距離は ndnd、かかる時間は ∑id/vi\sum_i d/v_i なので、全体の平均の速さは

nd∑id/vi=n∑i1/vi=H\frac{nd}{\sum_i d/v_i}=\frac{n}{\sum_i 1/v_i}=H

である。ここで一定なのは各区間の距離で、時間は区間ごとに違う。もし各区間の時間が同じなら、平均の速さは算術平均になる。どちらの平均を使うかは、「何を一定にして合計するか」で決まる。

定理 2.7(算術平均 ≥\ge 幾何平均 ≥\ge 調和平均 ★★)

正のデータについて xˉ≥G≥H\bar x\ge G\ge H。等号は x1=⋯=xnx_1=\dots=x_n のときに限る。

証明

まず log⁡x≤log⁡a+x−aa\log x\le\log a+\dfrac{x-a}{a}(x,a>0x,a>0)を示す。右辺は log⁡x\log x の x=ax=a での接線である。φ(x)=log⁡a+x−aa−log⁡x\varphi(x)=\log a+\frac{x-a}{a}-\log x とおくと φ′(x)=1a−1x\varphi'(x)=\frac1a-\frac1x は x<ax<a で負、x>ax>a で正なので、φ\varphi は x=ax=a で最小値 φ(a)=0\varphi(a)=0 をとり、φ≥0\varphi\ge0 である。等号は x=ax=a のときに限る。

a=xˉa=\bar x としてこの不等式を x=x1,…,xnx=x_1,\dots,x_n に使い、平均をとると

1n∑ilog⁡xi≤log⁡xˉ+1xˉ⋅1n∑i(xi−xˉ)=log⁡xˉ\frac1n\sum_i\log x_i\le\log\bar x+\frac{1}{\bar x}\cdot\frac1n\sum_i(x_i-\bar x)=\log\bar x

(右辺の第2項は命題 2.2 により0)。左辺は log⁡G\log G なので G≤xˉG\le\bar x。等号はすべての xix_i が xˉ\bar x に等しいときに限る。

次に、正のデータ 1/x1,…,1/xn1/x_1,\dots,1/x_n に今の結果を使うと、算術平均 1n∑i1/xi=1/H\frac1n\sum_i1/x_i=1/H と幾何平均 (∏i1/xi)1/n=1/G(\prod_i 1/x_i)^{1/n}=1/G について 1/G≤1/H1/G\le 1/H、すなわち H≤GH\le G を得る。

データが2個 a,ba,b のときは xˉ=a+b2\bar x=\frac{a+b}2、G=abG=\sqrt{ab}、H=2aba+bH=\frac{2ab}{a+b} で、xˉ⋅H=ab=G2\bar x\cdot H=ab=G^2 が成り立つ。幾何平均は算術平均と調和平均の幾何平均になっている。

注意

調和平均は2級の後半にも現れる。対応のない2標本の平均の差の標準誤差に出てくる 1n1+1n2\frac1{n_1}+\frac1{n_2} は、n1,n2n_1,n_2 の調和平均 HH を使うと 2H\frac2H と書ける(第10章)。

例題 2.4 年平均成長率 ★★

オリジナルある会社の売上は、4年間で順に +40%+40\%、−30%-30\%、+20%+20\%、+10%+10\% 変化した。

  • (1) 4年間の売上の倍率を求めよ。
  • (2) 年平均成長率を求めよ。
  • (3) 成長率の算術平均 (40−30+20+10)/4=10%(40-30+20+10)/4=10\% を年平均成長率として使うと、4年後の売上を何倍と見積もることになるか。(1) と比べよ。
解答

(1) 倍率は 1.4×0.7×1.2×1.1=1.29361.4\times0.7\times1.2\times1.1=1.2936 倍である。

(2) (2.5) から 1+rˉ=1.29361/41+\bar r=1.2936^{1/4}。log⁡101.2936≈0.11180\log_{10}1.2936\approx0.11180 を4で割って 0.027950.02795、100.02795≈1.066510^{0.02795}\approx1.0665 なので、年平均成長率は約 6.65%6.65\% である。検算として 1.06654≈1.29371.0665^4\approx1.2937 で (1) とほぼ一致する。

(3) 1.14=1.46411.1^4=1.4641 倍と見積もることになり、(1) の 1.29361.2936 倍より大きい。算術平均は幾何平均以上(定理 2.7)なので、倍率の算術平均で見積もると成長を過大に評価する。特に −30%-30\% のような大きな減少は、そのあと +30%+30\% 増えても 0.7×1.3=0.910.7\times1.3=0.91 倍にしか戻らない。

例題 2.5 往復の平均の速さ ★

オリジナルある区間を行きは時速 60 km、帰りは時速 40 km で走った。

  • (1) 往復の平均の速さを求めよ。
  • (2) 行きと帰りで走った時間が等しかったとすると、平均の速さはいくらになるか。
解答

(1) 片道の距離を dd とすると、時間は d/60+d/40=d/24d/60+d/40=d/24 で、距離は 2d2d なので、平均の速さは 2d/(d/24)=482d/(d/24)=48 km/時。これは 6060 と 4040 の調和平均 2/(1/60+1/40)=482/(1/60+1/40)=48 である。

(2) 各 tt 時間ずつ走ったなら距離は 60t+40t=100t60t+40t=100t、時間は 2t2t で、平均の速さは 5050 km/時(算術平均)。(1) では遅い帰りに長い時間を使うので、平均の速さは遅いほうへ寄って 4848 になる。

確認テスト

オリジナル

  1. 2.4-1 2つの値 2,82,8 の算術平均・幾何平均・調和平均を求め、xˉ⋅H=G2\bar x\cdot H=G^2 を確かめよ。
  2. 2.4-2 ある商品の価格が、1年目に 25%25\% 上がり、2年目に 20%20\% 下がった。2年間の年平均の変化率を求めよ。
  3. 2.4-3 a,b>0a,b>0 について a+b2≥ab\frac{a+b}2\ge\sqrt{ab} を、(a−b)2≥0(\sqrt a-\sqrt b)^2\ge0 から示し、等号条件を述べよ。
  4. 2.4-4 毎月 12000 円ずつ同じ商品を買う。3か月の単価は順に 100 円・120 円・150 円だった。買った商品1個あたりの平均単価を求め、それが単価の調和平均に等しいことを示せ。単価の算術平均と比べよ。

木下の勉強ステータス

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