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この章のまとめと試験での出方

2026年10月17日7分で読めますAI生成教科書『資格試験』第5章 離散型確率分布

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第5章 §5.5

この章の5つの分布は、すべて独立なベルヌーイ試行(または箱からの無作為な抜き出し)から数え上げで確率関数が決まり、期待値と分散は「0か1をとる確率変数の和に分ける」方法で統一的に出た。二項分布は nn 個の独立なベルヌーイ変数の和、負の二項分布は rr 個の独立な幾何変数の和、超幾何分布は nn 個の互いに負の相関を持つベルヌーイ変数の和で、ポアソン分布は二項分布の np=λnp=\lambda 一定の極限である。分散を和に分けて出すときに、独立なら分散の和、独立でなければ共分散の項が加わることが、二項分布と超幾何分布の違いとして現れた。

分布確率関数値の範囲期待値分散
Bin(n,p)\mathrm{Bin}(n,p)(nk)pkqn−k\binom nkp^kq^{n-k}0,…,n0,\dots,nnpnpnpqnpq
Po(λ)\mathrm{Po}(\lambda)e−λλk/k!\mathrm{e}^{-\lambda}\lambda^k/k!0,1,…0,1,\dotsλ\lambdaλ\lambda
幾何(試行の回数)qk−1pq^{k-1}p1,2,…1,2,\dots1/p1/pq/p2q/p^2
負の二項(試行の回数)(k−1r−1)prqk−r\binom{k-1}{r-1}p^rq^{k-r}r,r+1,…r,r+1,\dotsr/pr/prq/p2rq/p^2
HG(N,M,n)\mathrm{HG}(N,M,n)(Mk)(N−Mn−k)/(Nn)\binom Mk\binom{N-M}{n-k}/\binom Nn本文参照nM/NnM/Nnpq N−nN−1npq\,\frac{N-n}{N-1}

2級では、問題文から分布を見分けて確率関数に数値を入れる問い(「ちょうど kk 回」「kk 回以上」)と、期待値・分散を答える問いが中心である。「以上」「少なくとも」は余事象、ポアソン分布の λ\lambda は範囲の長さに換算、戻すか戻さないかで二項と超幾何を分ける、の3点で失点が多い。

1級の統計数理では、これらの確率関数は尤度を書く出発点として現れる。典型的な小問の連鎖は「確率関数から尤度 L(θ)L(\theta) を書く → 対数をとって微分し最尤推定量を出す → 推定量の期待値と分散を本章の公式で計算する → 正規近似で信頼区間や検定を作る」である。たとえば Po(λ)\mathrm{Po}(\lambda) の標本からの最尤推定量は標本平均で、その分散 λ/n\lambda/n は本章の V[X]=λV[X]=\lambda から出る。また、ポアソン分布を和で条件付けると二項分布になる(定理 5.6)ことは、2つのポアソン分布の平均の比較を二項分布の検定に帰着させるときに使われる。2025年 統計数理 問4 の題材(二項分布での確率化検定)も、二項分布の確率関数と裾の確率を手で計算できることが前提になっている。最尤推定は数理統計の解説 第6章、検定は第7章で扱う。

次の総合問題は、本章のポアソン分布と二項分布に、第3章の条件付き確率、第4章の期待値、第7章の2変数の独立と共分散をつなぐ。

総合問題 来客数のポアソン分布を、購入の有無で2つに分ける ★★★

オリジナルある店の1日の来客数 NN は Po(λ)\mathrm{Po}(\lambda) に従い、各客は互いに独立に、また来客数とも独立に、確率 pp(0<p<10<p<1)で商品を買う。商品を買った客の数を YY、買わなかった客の数を Z=N−YZ=N-Y とし、q=1−pq=1-p と置く。

  1. (1) N=nN=n という条件の下での YY の分布を答え、全確率の公式を使って Y∼Po(λp)Y\sim\mathrm{Po}(\lambda p) を示せ。(使う道具:第3章 全確率の公式、本章 §5.1・§5.2)
  2. (2) 同時確率 P(Y=y, Z=z)P(Y=y,\ Z=z) を計算し、YY と ZZ が独立で、Z∼Po(λq)Z\sim\mathrm{Po}(\lambda q) であることを示せ。(使う道具:第7章 2変数の独立)
  3. (3) Y=yY=y が分かったときの NN の条件付き期待値 E[N∣Y=y]E[N\mid Y=y] を求めよ。(使う道具:(2) の結果、第4章 期待値)
  4. (4) Cov(N,Y)\mathrm{Cov}(N,Y) と、NN と YY の相関係数を求めよ。(使う道具:第7章 共分散と相関係数)
  5. (5) λ=10\lambda=10、p=0.3p=0.3 のとき、買った客が1人もいない確率、E[N∣Y=2]E[N\mid Y=2]、NN と YY の相関係数の値を求めよ。
解答

(1) N=nN=n の下では、nn 人の客がそれぞれ独立に確率 pp で買うので、YY は Bin(n,p)\mathrm{Bin}(n,p) に従う。N=0,1,2,…N=0,1,2,\dots は排反で全体を覆うので、全確率の公式から、yy を固定して

P(Y=y)=∑n=y∞P(N=n)(ny)pyqn−y=∑n=y∞e−λλnn!⋅n!y! (n−y)!pyqn−y.P(Y=y)=\sum_{n=y}^\infty P(N=n)\binom nyp^yq^{n-y}=\sum_{n=y}^\infty\mathrm{e}^{-\lambda}\frac{\lambda^n}{n!}\cdot\frac{n!}{y!\,(n-y)!}p^yq^{n-y}.

n<yn<y の項は (ny)=0\binom ny=0 なので落とした。n!n! を約分し、λn=λyλn−y\lambda^n=\lambda^y\lambda^{n-y} と分けて m=n−ym=n-y と置き直すと

P(Y=y)=e−λ(λp)yy!∑m=0∞(λq)mm!=e−λ(λp)yy!eλq=e−λp(λp)yy!P(Y=y)=\mathrm{e}^{-\lambda}\frac{(\lambda p)^y}{y!}\sum_{m=0}^\infty\frac{(\lambda q)^m}{m!}=\mathrm{e}^{-\lambda}\frac{(\lambda p)^y}{y!}\mathrm{e}^{\lambda q}=\mathrm{e}^{-\lambda p}\frac{(\lambda p)^y}{y!}

となる。最後に −λ+λq=−λp-\lambda+\lambda q=-\lambda p を使った。よって Y∼Po(λp)Y\sim\mathrm{Po}(\lambda p) である。

(2) {Y=y, Z=z}={N=y+z, Y=y}\{Y=y,\ Z=z\}=\{N=y+z,\ Y=y\} なので、乗法定理から

P(Y=y, Z=z)=P(N=y+z) P(Y=y∣N=y+z)=e−λλy+z(y+z)!⋅(y+z)!y! z!pyqz=[e−λp(λp)yy!][e−λq(λq)zz!]\begin{aligned} P(Y=y,\ Z=z)&=P(N=y+z)\,P(Y=y\mid N=y+z)=\mathrm{e}^{-\lambda}\frac{\lambda^{y+z}}{(y+z)!}\cdot\frac{(y+z)!}{y!\,z!}p^yq^z\\ &=\Bigl[\mathrm{e}^{-\lambda p}\frac{(\lambda p)^y}{y!}\Bigr]\Bigl[\mathrm{e}^{-\lambda q}\frac{(\lambda q)^z}{z!}\Bigr] \end{aligned}

となる。e−λ=e−λpe−λq\mathrm{e}^{-\lambda}=\mathrm{e}^{-\lambda p}\mathrm{e}^{-\lambda q} を使って2つに分けた。同時確率が「yy だけの関数」と「zz だけの関数」の積になり、それぞれの因子が Po(λp)\mathrm{Po}(\lambda p) と Po(λq)\mathrm{Po}(\lambda q) の確率関数なので、zz について和をとると前の因子が YY の周辺確率、yy について和をとると後ろの因子が ZZ の周辺確率になる。よって P(Y=y,Z=z)=P(Y=y)P(Z=z)P(Y=y,Z=z)=P(Y=y)P(Z=z) が全ての y,zy,z で成り立ち、YY と ZZ は独立で Z∼Po(λq)Z\sim\mathrm{Po}(\lambda q) である。来客数 N=Y+ZN=Y+Z は YY と相関を持つが、買わなかった人数 ZZ は買った人数 YY と独立になる。NN が一定の値に固定されていれば YY が多いほど ZZ は少なくなるので、この独立性は NN がポアソン分布に従うことによって成り立つ性質である。

(3) N=Y+ZN=Y+Z で、(2) から ZZ は YY と独立なので、Y=yY=y の下でも ZZ の分布は Po(λq)\mathrm{Po}(\lambda q) のままである。よって

E[N∣Y=y]=y+E[Z]=y+λq.E[N\mid Y=y]=y+E[Z]=y+\lambda q.

買った人数が分かっても、買わなかった人数の見込みは λq\lambda q のまま変わらない。

(4) 共分散の双線形性と YY・ZZ の独立性(Cov(Z,Y)=0\mathrm{Cov}(Z,Y)=0)から

Cov(N,Y)=Cov(Y+Z, Y)=V[Y]+Cov(Z,Y)=λp.\mathrm{Cov}(N,Y)=\mathrm{Cov}(Y+Z,\ Y)=V[Y]+\mathrm{Cov}(Z,Y)=\lambda p.

V[N]=λV[N]=\lambda、V[Y]=λpV[Y]=\lambda p なので、相関係数は

ρ(N,Y)=λpλλp=p\rho(N,Y)=\frac{\lambda p}{\sqrt{\lambda}\sqrt{\lambda p}}=\sqrt p

で、λ\lambda によらない。

(5) λp=3\lambda p=3 なので P(Y=0)=e−3=0.0498P(Y=0)=\mathrm{e}^{-3}=0.0498 である。λq=7\lambda q=7 なので E[N∣Y=2]=2+7=9E[N\mid Y=2]=2+7=9 である。相関係数は 0.3=0.548\sqrt{0.3}=0.548 である。

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