数理統計 第1章 §1.5
§1.1 事象と確率
- 1.1-1 加法定理から P(A∩B)=P(A)+P(B)−P(A∪B)。P(A∪B)≤1 を使えば P(A∩B)≥P(A)+P(B)−1。
- 1.1-2 加法定理から P(A∩B)=0.5+0.4−0.7=0.2。事象 A は排反な和 (A∩B)∪(A∩Bc) に分かれる。よって P(A∩Bc)=0.5−0.2=0.3。de Morgan の法則から Ac∩Bc=(A∪B)c なので P(Ac∩Bc)=1−0.7=0.3。
- 1.1-3 玉に番号をつけると、3個の組 (310)=120 通りが等確率である。(1.4) からP(赤が2個)=(24)(16)/120=6⋅6/120=36/120=0.3。赤が1個もない組は白6個から3個を選ぶ (36)=20 通りなので、補集合を使って P(赤が少なくとも1個)=1−20/120=5/6。
- 1.1-4 A1⊃A2⊃⋯ なら、補集合 A1c⊂A2c⊂⋯ は増加列である。de Morgan の法則から ⋃nAnc=(⋂nAn)c=Ac。定理1.4 の 1 から
P(Ac)=limP(Anc),つまり1−P(A)=lim{1−P(An)}=1−limP(An).
よって P(A)=limP(An)。5. 1.1-5 根元事象は n 人の誕生日の列で 365n 通りが等確率である。全員の誕生日が異なる列は 365⋅364⋯(365−n+1) 通りなので、補集合を使って
P(少なくとも2人が一致)=1−k=0∏n−1365365−k.
n=23 では積が 0.4927 になり、求める確率は 0.5073 である。
§1.2 条件付き確率と事象の独立性
1.2-1 不良である事象を F とする。工場 A・B・C は分割なので、全確率の公式からP(F)=0.5×0.01+0.3×0.02+0.2×0.03=0.005+0.006+0.006=0.017。Bayes の定理から P(A∣F)=0.005/0.017=5/17≈0.2941。A の製品は全体の半分あるが、不良品の中では3割弱になる。
1.2-2 定義から P(A∣B)>P(A)⟺P(A∩B)/P(B)>P(A)⟺P(A∩B)>P(A)P(B)(P(B)>0 を掛けた)。同様に P(B∣A)>P(B)⟺P(A∩B)>P(A)P(B)。両者は同じ不等式に同値なので、互いに同値である。
1.2-3 P(A)=P(B)=P(C)=1/2。A∩B=A∩C=B∩C={1} なので、どの2つの積も確率 1/4=21⋅21 で、対ごとに独立である。一方 A∩B∩C={1} で確率は 1/4 だが、P(A)P(B)P(C)=1/8 なので相互には独立でない。
1.2-4 賞品が扉 j にある事象を Gj とする。司会者が扉3を開ける事象を H3 とする。条件付き確率は次のとおりである。
- P(H3∣G1)=1/2。扉2・3のどちらにも賞品がない。
- P(H3∣G2)=1。扉2は開けられない。
- P(H3∣G3)=0。
全確率の公式と Bayes の定理から
P(H3)=31⋅21+31⋅1+0=21,P(G2∣H3)=2131⋅1=32.
最初に選んだ扉1に賞品がある条件付き確率は 2131⋅21=31 である。扉2へ選び直すと当たる確率が2倍になる。5. 1.2-5 A が自分自身と独立とは、P(A∩A)=P(A)2 である。左辺は P(A) なので、条件は P(A)=P(A)2 となる。これは P(A){1−P(A)}=0 と同値で、確率が 0 または 1 であることを意味する。逆にどちらかなら P(A)=P(A)2 が成り立つ。
§1.3 発展的事項
- 1.3-1 ∑1/n2=π2/6<∞ なので、Borel–Cantelli の補題の 1 から P(limsupAn)=0(独立性は使わない)。P(An)=1/n のときは ∑1/n=∞ で、事象は独立である。補題の 2 から P(limsupAn)=1。
- 1.3-2 各 Bk は互いに重ならない2回分の投げで決まる。よって B1,B2,… は独立で、P(Bk)=1/4 である。∑kP(Bk)=∞ なので、Borel–Cantelli の補題の 2 から確率は 1。
- 1.3-3 r3=3/10。Di=i(N−i)(例題1.5)から D3=3×7=21 回。
- 1.3-4 ρ=0.4/0.6=2/3。
r2=1−(2/3)51−(2/3)2=211/2435/9=2115⋅27=211135≈0.6398.
N→∞ では ρN→0 である。よって r2→1−ρ2=5/9。
この極限は「所持金 N に先に到達する」確率の極限である。上限なしに賭け続けたとき、一度も 0 にならない確率と解釈できる。有利な賭け(p>1/2)でも、所持金 2 から始めると確率 1−5/9=4/9 で破産する。5. 1.3-5 1回目で場合分けすると、次の漸化式と境界条件を得る。
si=psi+1+qsi−1(0<i<N),s0=1,sN=0.
ti=1−si とおくと、p+q=1 を使って定数項が消え、次のようになる。
ti=pti+1+qti−1,t0=0,tN=1.
これは ri の漸化式 (1.13) と境界条件に一致する。漸化式と境界条件をみたす数列は一つに決まる(定理1.16 の証明で r1 が一意に決まったことによる)。よって ti=ri、つまり ri+si=1。具体的には
si=1−1−ρN1−ρi=1−ρNρi−ρN
である。ri+si=1 は、ゲームが終わらない確率が 0 であることを意味する。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com