tecktom.com

信頼区間の考え方

2026年10月15日11分で読めますAI生成教科書『資格試験』第8章 統計的区間推定
目次
  1. 定義
  2. 正規母集団の平均(分散既知)
  3. 区間の良さをどう測るか
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

数理統計 第8章 §8.1 ★★ 確率的なのは区間の側で、θ\theta は固定された定数である。この読み方を答案の言葉で書けること

第6章では、データから母数を1つの値で言い当てる点推定を扱った。点推定量 θ^\hat\theta は確率変数なので、実現値は真の値 θ\theta からずれる。そのずれの大きさを数値で添えるために、データから区間

[L(X), U(X)][L(\bm X),\ U(\bm X)]

を作り、「この区間が θ\theta を含む確率は 1−α1-\alpha 以上である」と保証する。この区間が信頼区間で、本章の主題である。

信頼区間を作る手続きの中身は、第5章の標本分布論と第6章・第7章の推定・検定の結果の組み合わせである。統計量の分布が分かれば、未知の θ\theta を含む量(枢軸量)の確率を書き、不等式を θ\theta について解き直せば区間が出る。分布が厳密に分からないときは、第5章の極限定理で近似分布を求め、同じ操作を近似分布に対して行う。

したがって1級の答案では、信頼区間の小問は単独では出にくく、「統計量の分布を導出する → その分布を使って区間を作る」という連鎖の最後に置かれることが多い。2025年 統計数理 問2 の題材(台が切れた分布の最小値の極限分布から作る信頼区間)と、統計応用 問1 の題材(工程能力指数の信頼区間)がその型である。

本章は本の節立てに従い、§8.1 で信頼区間の定義と読み方、§8.2 で枢軸量・検定の反転・漸近正規性という3つの構成法、§8.3 で最短の区間・一様最精密な区間・予測区間・工程能力指数の区間を扱う。

定義

母数 θ∈Θ\theta\in\Theta を持つ分布から標本 X=(X1,…,Xn)\bm X=(X_1,\dots,X_n) を得るとする。L(X)≤U(X)L(\bm X)\le U(\bm X) を満たす2つの統計量の組を区間推定量と呼ぶ。

定義 8.1(信頼区間)

区間推定量 [L(X),U(X)][L(\bm X),U(\bm X)] について、

π(θ)≔Pθ(L(X)≤θ≤U(X))(8.1)\pi(\theta)\coloneqq P_\theta\bigl(L(\bm X)\le\theta\le U(\bm X)\bigr)\tag{8.1}

を θ\theta における被覆確率と呼ぶ。その下限

inf⁡θ∈Θπ(θ)\inf_{\theta\in\Theta}\pi(\theta)

を信頼係数と呼ぶ。信頼係数が 1−α1-\alpha 以上のとき、この区間推定量を信頼係数 1−α1-\alpha の信頼区間と呼ぶ。百分率で 100(1−α)%100(1-\alpha)\% 信頼区間とも書く。片側だけの [L(X),∞)[L(\bm X),\infty) を下側信頼限界による片側信頼区間、(−∞,U(X)](-\infty,U(\bm X)] を上側信頼限界による片側信頼区間と呼ぶ。

被覆確率 (8.1) の中で確率変数になっているのは区間の両端 L(X), U(X)L(\bm X),\ U(\bm X) であり、θ\theta は定数である。PθP_\theta の添字は「真の値が θ\theta のときの標本の分布で確率を計算する」という意味で、母数に分布を与えているわけではない。

被覆確率の下限で信頼係数を定義する理由は、真の θ\theta が分からない以上、どの値が真であっても保証が成り立つ値を報告する必要があることにある。区間の種類で事情は次のように分かれる。

  • 連続分布でよく作られる区間:被覆確率 π(θ)\pi(\theta) は母数によらず一定値 1−α1-\alpha になる。
  • 離散分布の区間:π(θ)\pi(\theta) が母数とともに上下する(§8.2 の図 8.2)。このため下限と一定値の区別が意味を持つ。

観測後の区間に確率を付けない

データを観測して区間 [9.32, 11.28][9.32,\,11.28] を得たあとでは、この区間が θ\theta を含むかどうかはすでに決まっていて、確率は 0 か 1 である。「θ\theta が [9.32,11.28][9.32,11.28] に入る確率は 0.95」と書くと、母数を確率変数として扱ったことになり、頻度論の信頼区間の読み方としては誤りになる。正しくは「同じ手続きで区間を作ることを繰り返すと、作られた区間のうち割合 0.95 が θ\theta を含む」と読む。θ\theta に事前分布を置いて事後確率 0.95 の区間を求めたものはベイズの信用区間と呼ばれ、§8.3 の注意で両者を比べる。

図 8.1 は、N(0,1)\mathrm{N}(0,1) から大きさ 10 の標本を20回取り、そのたびに後述の区間(8.2) で 95% 信頼区間を作った結果である。区間の位置は標本ごとに動き、20本のうち1本(18本目)が真の値 0 を含んでいない。信頼係数 0.95 は、この「含む割合」の長い目で見た値を指す。

図

図 8.1 N(0,1)\mathrm{N}(0,1) から n=10n=10 の標本を20回取って作った 95% 信頼区間 xˉ±1.960/10\bar x\pm1.960/\sqrt{10}。点は xˉ\bar x。18本目(赤)だけが μ=0\mu=0 を含まない(乱数の種を固定して作成。座標は verify_ch08.py で再生成できる)。

正規母集団の平均(分散既知)

もっとも基本的な例で、作り方の筋道を確かめる。X1,…,XnX_1,\dots,X_n を N(μ,σ2)\mathrm{N}(\mu,\sigma^2) からの無作為標本とし、分散は既知とする。第5章 §5.2 の結果から Xˉ∼N(μ,σ2/n)\bar X\sim\mathrm{N}(\mu,\sigma^2/n) なので、

Z=n(Xˉ−μ)σ∼N(0,1)Z=\frac{\sqrt n(\bar X-\mu)}{\sigma}\sim\mathrm{N}(0,1)

である。ZZ の分布は μ\mu によらない。上側 100(α/2)%100(\alpha/2)\% 点 zα/2z_{\alpha/2} を使うと、母数の値によらず

P(−zα/2≤Z≤zα/2)=1−αP(-z_{\alpha/2}\le Z\le z_{\alpha/2})=1-\alpha

が成り立つ。括弧の中の不等式を μ\mu について解くと、

−zα/2≤n(Xˉ−μ)σ≤zα/2  ⟺  Xˉ−zα/2σn≤μ≤Xˉ+zα/2σn-z_{\alpha/2}\le\frac{\sqrt n(\bar X-\mu)}{\sigma}\le z_{\alpha/2} \iff \bar X-z_{\alpha/2}\frac{\sigma}{\sqrt n}\le\mu\le\bar X+z_{\alpha/2}\frac{\sigma}{\sqrt n}

となる。同値変形なので、右側の事象の確率も 1−α1-\alpha である。よって

[Xˉ−zα/2σn, Xˉ+zα/2σn](8.2)\Bigl[\bar X-z_{\alpha/2}\frac{\sigma}{\sqrt n},\ \bar X+z_{\alpha/2}\frac{\sigma}{\sqrt n}\Bigr]\tag{8.2}

は μ\mu の信頼係数 1−α1-\alpha の信頼区間である。被覆確率は母数によらず 1−α1-\alpha に等しい。よく使う分位点は次の2つである。

  • α=0.05\alpha=0.05 なら z0.025=1.960z_{0.025}=1.960。
  • α=0.01\alpha=0.01 なら z0.005=2.576z_{0.005}=2.576。

区間 (8.2) の長さは 2zα/2σ/n2z_{\alpha/2}\sigma/\sqrt n で、データによらない定数である。長さは信頼係数を上げると(α\alpha を小さくすると)伸びる。標本の大きさ nn を増やすと 1/n1/\sqrt n の速さで縮む。長さを ℓ\ell 以下にしたいときに必要な標本の大きさは、2zα/2σ/n≤ℓ2z_{\alpha/2}\sigma/\sqrt n\le\ell を解いて

n≥(2zα/2σℓ)2(8.3)n\ge\Bigl(\frac{2z_{\alpha/2}\sigma}{\ell}\Bigr)^2\tag{8.3}

である。長さを半分にするには標本を4倍にする必要がある。

片側の区間も同じ手続きで作る。P(Z≤zα)=1−αP(Z\le z_\alpha)=1-\alpha を μ\mu について解けば

μ≥Xˉ−zασn\mu\ge\bar X-z_\alpha\frac{\sigma}{\sqrt n}

なので、[Xˉ−zασ/n, ∞)[\bar X-z_\alpha\sigma/\sqrt n,\ \infty) が信頼係数 1−α1-\alpha の下側信頼限界による区間になる。片側では zα/2z_{\alpha/2} でなく zαz_\alpha を使う点に注意する。α=0.05\alpha=0.05 なら 1.645 である。

区間の良さをどう測るか

信頼係数 1−α1-\alpha を満たす区間はいくらでもある。極端な例として、次のように区間を返す手続きを考える。

  • 確率 1−α1-\alpha で実数全体 R\mathbb{R} を返す。
  • 確率 α\alpha で空集合を返す。

この区間も、被覆確率は 1−α1-\alpha である。この区間からは θ\theta について何も分からないので、信頼係数をそろえたうえで区間を比べる物差しが要る。標準的に使うのは次の2つである。

第一は長さの期待値 Eθ[U(X)−L(X)]E_\theta[U(\bm X)-L(\bm X)] で、短いほど良い。§8.3 で、枢軸量の分布が単峰のときに最短の区間を与える条件を導く。

第二は誤った値を含む確率 Pθ(L(X)≤θ′≤U(X))P_\theta(L(\bm X)\le\theta'\le U(\bm X))(θ′≠θ\theta'\ne\theta)で、小さいほど良い。真の値でない θ′\theta' をなるべく含まない区間ほど、θ\theta の位置を精度よく示していると考える。この確率はちょうど、H0:θ=θ′H_0:\theta=\theta' の検定の「受容する確率」に当たり、§8.2 の検定の反転を通じて検定の検出力と結びつく(§8.3 の一様最精密信頼区間)。

例題 8.1 正規平均の信頼区間と必要な標本の大きさ ★★

オリジナルX1,…,X16X_1,\dots,X_{16} を N(μ,4)\mathrm{N}(\mu,4) からの無作為標本とする。標本平均は xˉ=10.3\bar x=10.3 であった。

  1. μ\mu の 95% 信頼区間を求めよ。
  2. 95% 信頼区間の長さを 0.5 以下にするには、標本の大きさ nn をいくつ以上にすればよいか。
  3. 区間 [Xˉ−σ/n, Xˉ+σ/n][\bar X-\sigma/\sqrt n,\ \bar X+\sigma/\sqrt n] の信頼係数を求めよ。
解答

(1) σ=2, n=16\sigma=2,\ n=16 なので σ/n=0.5\sigma/\sqrt n=0.5。区間 (8.2) に z0.025=1.960z_{0.025}=1.960 を入れる。

半幅=1.960×0.5=0.980,信頼区間=[10.3−0.980, 10.3+0.980]=[9.320, 11.280].\begin{aligned}\text{半幅}&=1.960\times0.5=0.980,\\ \text{信頼区間}&=[10.3-0.980,\ 10.3+0.980]=[9.320,\ 11.280].\end{aligned}

(2) 式 (8.3) に z0.025=1.960, σ=2, ℓ=0.5z_{0.025}=1.960,\ \sigma=2,\ \ell=0.5 を入れると

n≥(2×1.960×20.5)2=15.682=245.86.n\ge\Bigl(\frac{2\times1.960\times2}{0.5}\Bigr)^2=15.68^2=245.86.

nn は整数なので n≥246n\ge246 である。

(3) 区間が μ\mu を含む事象は ∣Xˉ−μ∣≤σ/n\lvert \bar X-\mu\rvert \le\sigma/\sqrt n である。これは ∣Z∣≤1\lvert Z\rvert \le1 と同値である。Z∼N(0,1)Z\sim\mathrm{N}(0,1) なので、被覆確率は母数によらず

P(∣Z∣≤1)=2Φ(1)−1=0.6827P(\lvert Z\rvert \le1)=2\Phi(1)-1=0.6827

であり、これが信頼係数になる(Φ\Phi は標準正規分布の分布関数)。

確認テスト

オリジナル

  1. 8.1-1 ある調査で母平均の 95% 信頼区間 [2.1, 3.4][2.1,\ 3.4] を得た。「母平均が [2.1,3.4][2.1,3.4] に入る確率は 0.95 である」という報告は正しいか。正しくないなら、信頼係数 0.95 の意味を1文で書け。
  2. 8.1-2 N(μ,9)\mathrm{N}(\mu,9) からの大きさ 25 の標本で xˉ=50.2\bar x=50.2 を得た。μ\mu の 99% 信頼区間を求めよ。
  3. 8.1-3 N(μ,9)\mathrm{N}(\mu,9) で、μ\mu の 95% 信頼区間の半幅を 0.5 以下にしたい。必要な標本の大きさの最小値を求めよ。また、同じ標本の大きさで片側の下側信頼限界(信頼係数 0.95)を作るとき、Xˉ\bar X から引く量を求めよ。
  4. 8.1-4 分散既知の正規平均について、定数 a,b>0a,b>0 が Φ(b)−Φ(−a)=1−α\Phi(b)-\Phi(-a)=1-\alpha を満たすとき、区間

[Xˉ−aσ/n, Xˉ+bσ/n][\bar X-a\sigma/\sqrt n,\ \bar X+b\sigma/\sqrt n]

はすべて信頼係数 1−α1-\alpha である。この中で長さ (a+b)σ/n(a+b)\sigma/\sqrt n を最小にするのはa=b=zα/2a=b=z_{\alpha/2} であることを、Lagrange の未定乗数法で示せ。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『資格試験』の記事一覧へ