数理統計 第9章 §9.7
- 9.1-1 正規方程式は次の2式で、これはそのまま ∑ei=0、∑xiei=0 である。
∑(Yi−α^−β^xi)=0,∑xi(Yi−α^−β^xi)=0.
Y^i=α^+β^xi なので ∑Y^iei=α^∑ei+β^∑xiei=0。2. 9.1-2 α^=Yˉ−β^xˉ である。ci=(xi−xˉ)/Sxx とおくと
Cov(Yˉ,β^)=Cov(n1∑Yi,∑ciYi)=nσ2∑ci=0.
よって
V[α^]=V[Yˉ]+xˉ2V[β^]=nσ2+Sxxxˉ2σ2,Cov(α^,β^)=Cov(Yˉ,β^)−xˉV[β^]=−Sxxxˉσ2.
無相関になるのは xˉ=0 のとき(説明変数を中心化したとき)である。3. 9.1-3 Q(β)=∑(Yi−βxi)2 を微分して0とおくと
∑xi(Yi−βxi)=0,β~=∑xiYi/∑xi2.
β~ は Yi の線形結合なので正規分布に従う。平均と分散は
E[β~]=∑xi2∑xi⋅βxi=β,V[β~]=(∑xi2)2σ2∑xi2=∑xi2σ2.
よって β~∼N(β,σ2/∑xi2)。
計画行列は1列の X=x で、p=1 である。定理 9.6 より Se/σ2∼χn−12、したがって E[Se/(n−1)]=σ2。単回帰の証明に合わせるなら、u1=x/∥x∥ だけを使い、残り n−1 方向に正規直交基底を補えばよい。4. 9.1-4 推定値と平方和は次のとおり。
β^SR=60/40=1.5,=602/40=90,α^Se=20−1.5×5=12.5,=110−90=20,R2=90/110=0.818.
検定統計量は
σ^2=20/10=2,2/40=0.2236,t=1.5/0.2236=6.708>2.228
なので H0 を棄却する。(β の 95% 信頼区間は 1.5±2.228×0.2236=[1.002, 1.998]。)5. 9.2-1 X⊤X とその逆行列は次のとおり(行列式は n∑xi2−n2xˉ2=nSxx)。
X⊤X=(nnxˉnxˉ∑xi2),(X⊤X)−1=nSxx1(∑xi2−nxˉ−nxˉn).
xi=(1,xi)⊤ として
hii=nSxx∑lxl2−2nxˉxi+nxi2=nSxx(Sxx+nxˉ2)−2nxˉxi+nxi2=n1+Sxx(xi−xˉ)2.
和は 1+Sxx/Sxx=2=TrH で、命題 9.3 と一致する。6. 9.2-2 μ=Xβ とおく。Y=μ+ε と (I−H)μ=0 を使う。すると Se=ε⊤(I−H)ε となる。スカラーはトレースに等しいので
E[Se]=E[Tr((I−H)εε⊤)]=Tr((I−H)E[εε⊤])=σ2Tr(I−H)=(n−p)σ2.
7. 9.2-3 X⊤X の行列式は 56−36=20 で、
X⊤X=(46614),(X⊤X)−1=201(14−6−64).
よって V[β^0]=0.7σ2、V[β^1]=0.2σ2。単回帰の式では xˉ=1.5、Sxx=2.25+0.25+0.25+2.25=5 なので、
V[β^1]=σ2/5=0.2σ2,V[β^0]=σ2(1/4+2.25/5)=0.7σ2
で一致する。共分散も −6σ2/20=−0.3σ2=−xˉσ2/Sxx で一致する。8. 9.2-4 切片だけのモデルなので Se0=SYY で、q=p−1 である。Se=(1−R2)SYY より Se0−Se=R2SYY。代入して
F=(1−R2)SYY/(n−p)R2SYY/(p−1)=(1−R2)/(n−p)R2/(p−1).
9. 9.3-1 足す前を (Se,p)、足した後を (Se′,p+1) とする。SYY/(n−1) は共通なので、Rˉ2 が増えることは次と同値である。
n−p−1Se′<n−pSe.
両辺に (n−p)(n−p−1) を掛けて整理すると
(n−p)Se′<(n−p−1)Se⟺Se′<(n−p−1)(Se−Se′)⟺F=Se′/(n−p−1)Se−Se′>1.
1変数を足すときの F は、定理 9.7 で q=1 の場合である。よってその係数の t 統計量の2乗に等しい。10. 9.3-2 30log(Se/30)+2(p+1) を計算する。
ppp=2:=3:=4:30log4+630log3.2+830log(92/30)+10=41.59+6=47.59,=34.89+8=42.89,=33.62+10=43.62.
最小の p=3 のモデルが選ばれる。11. 9.3-3 AIC が下がる条件は次のとおり。
nlogSe′+2(p+2)<nlogSe+2(p+1),すなわちnlog(Se/Se′)>2.
Se/Se′=1+F/(n−p−1) なので、条件は
F>(n−p−1)(e2/n−1).
n が大きいときは次の近似が成り立つ。
e2/n−1≈n2,nn−p−1≈1.よって右辺はおよそ2である。つまり AIC は「F が約2を超えれば変数を足す」規則で、5% の F 検定(閾値は約4)より変数を入れやすい。12. 9.3-4 hii=1/n+(xi−xˉ)2/Sxx なので、∣xi−xˉ∣ が最大の観測、すなわち説明変数が平均から最も離れた観測で最大になる。e(i)=ei/(1−hii) なので、hii→1 のとき分母が0に近づく。よって通常の残差 ei が小さくても、1つ抜き残差は大きくなる。てこ比の大きい点は回帰直線を自分の側へ引き寄せるので ei が小さく見え、除いて予測すると外れが大きいことがわかる。13. 9.4-1 確率関数を書き直すと
f(y)=πy(1−π)1−y=exp{ylog1−ππ+log(1−π)}.
θ=log{π/(1−π)} とおくと、次が成り立つ。
π=1+eθeθ,log(1−π)=−log(1+eθ).
よって b(θ)=log(1+eθ) で、ϕ=1, c=0 である。微分すると
b′(θ)=1+eθeθ=π,b′′(θ)=(1+eθ)2eθ=π(1−π)
で、平均と分散に一致する。14. 9.4-2 ポアソン分布の正準リンクは対数なので、式 (9.16) より尤度方程式は X⊤(Y−μ^)=0(ϕ=1)。切片の列 1 に対応する成分は ∑(Yi−μ^i)=0 で、これが主張である。15. 9.4-3 9.4-2 と同じ議論で、群ごとに ∑群μ^i=∑群Yi が成り立つ。よって推定値は次のとおり。
μ^0β^0=30/10=3,=log3=1.099,μ^1β^1=48/10=4.8=log(4.8/3)=log1.6=0.470.(1単位あたり),
群ごとに wg=∑群μ^i とおくと、w0=30, w1=48 である。情報行列はこの重みで、例題 9.5 と同じ形になる。よって
se(β^1)=1/w0+1/w1=1/30+1/48=0.2327.
z=0.470/0.2327=2.02>1.960 なので、有意水準 5% で H0 を棄却する。16. 9.4-4 π=eβ/(1+eβ) である。初期値 β=0 では π=1/2 となる。スコアと情報量は
∑(yi−1/2)=n(yˉ−1/2),nπ(1−π)=n/4.
よって β(1)=0+n(yˉ−1/2)/(n/4)=4(yˉ−1/2)。yˉ=0.7 なら β(1)=0.8。
最尤推定値は、尤度方程式 ∑(yi−π)=0 から π^=yˉ である。よって β^=log{0.7/0.3}=0.847 で、1回目の反復ですでに近い値になっている。17. 9.5-1 Yij−Yˉ=(Yˉi⋅−Yˉ)+(Yij−Yˉi⋅) を2乗して和をとる。交差項は
2i∑(Yˉi⋅−Yˉ)j∑(Yij−Yˉi⋅)=2i∑(Yˉi⋅−Yˉ)(niYˉi⋅−niYˉi⋅)=0.
残りは ∑ini(Yˉi⋅−Yˉ)2+∑i∑j(Yij−Yˉi⋅)2=SA+Se。18. 9.5-2 SA=∑niYˉi⋅2−NYˉ2 と書ける。総平均 Yˉ の平均は μˉ である。その分散は σ2/N である。よって
E[Yˉi⋅2]=μi2+σ2/ni,E[Yˉ2]=μˉ2+σ2/N.
よって
E[SA]=∑niμi2+kσ2−Nμˉ2−σ2=(k−1)σ2+∑ni(μi−μˉ)2.
最後の等号は ∑ni(μi−μˉ)2=∑niμi2−Nμˉ2 による。19. 9.5-3 j=j′ なら、他の組は独立で共分散0なので
Cov(μ+Ai+εij,μ+Ai+εij′)=V[Ai]=σA2.
i=i′ なら共通の確率変数が無いので0。V[Yij]=σA2+σ2 なので、同じ群の2観測の相関係数は σA2/(σA2+σ2)。20. 9.5-4 F0/(1+nθ)∼F4,15 より、確率 0.95 で次が成り立つ。
0.1155≤1+4θ6.0≤3.804.
θ について解くと
41(3.8046.0−1)≤θ≤41(0.11556.0−1),すなわち0.144≤θ≤12.73.
群の数 k=5 は少ない。σA2 の情報は自由度4の SA にしか入っておらず、そのため区間は広くなる。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com