数理統計 第12章 §12.7
- 12.1-1 P(T1>k) は最初の k 回がすべて 0 である確率である。その値は (1−p)k である。{T1>s+t}⊂{T1>s} なので
P(T1>s+t∣T1>s)=P(T1>s)P(T1>s+t)=(1−p)s(1−p)s+t=(1−p)t=P(T1>t).
2. 12.1-2 (a) 事象を {N(1)=1, N(3)=4}={N(1)=1, N(3)−N(1)=3} と書き直す。独立増分から
P={2e−2}×{e−43!43}=2×664e−6=364e−6=0.0529.
(b) P(N(3)=4)=e−664/4!=54e−6 なので、
P(N(1)=1∣N(3)=4)=5464/3=8132=0.395.
これは条件付き一様性と一致する。Bin(4,1/3) で 1 になる確率が (14)(1/3)(2/3)3=32/81 である。3. 12.1-3 N(t)=N(s)+{N(t)−N(s)} で、第2項は N(s) と独立である。よって
Cov(N(s),N(t))=V[N(s)]+0=λs.
V[N(t)]=λt から、相関係数は λs/λs⋅λt=s/t。4. 12.1-4 t>0 で
fT2(t)=∫0tλe−λw⋅λe−λ(t−w)dw=λ2e−λt∫0tdw=λ2te−λt.
これは (12.3) の n=2 の場合で、Ga(2,1/λ) の密度である。5. 12.2-1 1歩の期待値と分散は E[Xi]=0.6−0.4=0.2、V[Xi]=4×0.6×0.4=0.96 である。よって
E[S25]=25×0.2=5,V[S25]=25×0.96=24.
6. 12.2-2 S6=2 には、上に進む歩が (6+2)/2=4 回必要である。よって P=(46)/26=15/64=0.234。7. 12.2-3 第一歩解析から D(k)=1+21D(k+1)+21D(k−1)、D(0)=D(N)=0。これを次のように書き直す。
D(k+1)−2D(k)+D(k−1)=−2.
2階差分が定数なので、D(k) は2次式 −k2+A+Bk である。−k2 の2階差分が −(k+1)2+2k2−(k−1)2=−2 だからである。境界条件から A=0、B=N である。よって D(k)=k(N−k) で、出発点 2・目標 5 なら D(2)=6。8. 12.2-4 u20=(1020)/220=184756/1048576=0.1762。近似は 1/10π=0.1784 で、相対誤差は約 1.3% である。Stirling の公式の次の項から、比 u2nπn は約 1−1/(8n) である。n=10 では 0.9875 になる。9. 12.3-1 Sn2−n は X1,…,Xn の関数である。∣Sn2−n∣≤n2+n なので可積分である。次の1歩 Xn+1 は過去と独立である。また E[Xn+1]=0、Xn+12=1 である。よって
E[Sn+12−(n+1)∣Fn]=Sn2+2SnE[Xn+1]+E[Xn+12]−(n+1)=Sn2+0+1−(n+1)=Sn2−n.
10. 12.3-2 k から出発し、0 か N に達したら止める。その時刻を τ とする。
止まるまで 0≤Sn≤N である。よって rSmin(n,τ) は max(1,rN) 以下で有界である。P(τ<∞)=1 も、例題 12.4(1) と同じ議論で成り立つ。任意抽出定理の条件2から E[rSτ]=rk。h=P(Sτ=N) とすると、
hrN+(1−h)r0=rk,h=rN−1rk−1=1−rN1−rk.
11. 12.3-3 τ は初めて6が出た回で、成功確率 1/6 の幾何分布に従う。よって E[τ]=6<∞。事象 {τ=n} は最初の n 回の目で決まるので、停止時刻である。 E[X1]=3.5 で、Wald の等式から E[Sτ]=6×3.5=21。目の値と停止時刻は独立でない(最後の目は必ず6)が、Wald の等式は停止時刻であれば使える。12. 12.3-4 Mn は最初の n 回で決まる。0≤Mn≤2n なので可積分である。次の2つの場合がある。
- Mn=0 なら Mn+1=0。
- Mn=2n なら、次が表で 2n+1、裏で 0。
よって E[Mn+1∣Fn]=21⋅2Mn+21⋅0=Mn で、E[Mn]=E[M0]=1。
一方、いつか裏が出る確率は1で、裏が出た時点以後 Mn=0 である。よって確率1で Mn→0 で、E[limMn]=0=1。極限と期待値を交換するには、有界収束定理などの条件が要る。Mn はまれな事象で 2n という大きな値をとり、どの定数でも押さえられないので、条件を満たさない。13. 12.4-1 Cov(B(2),B(5))=min(2,5)=2。分散は次のとおりである。
V[B(5)−2B(2)]=V[B(5)]+4V[B(2)]−4Cov(B(2),B(5))=5+8−8=5.
B(5)−2B(2)={B(5)−B(2)}−B(2) と独立な2項に分けても、3+2=5 である。14. 12.4-2 M(t)=exp(θB(t)−θ2t/2)、s<t とする。B(t)=B(s)+{B(t)−B(s)} と分ける。増分は時刻 s までの情報と独立な N(0,t−s) なので、
E[M(t)∣Fs]=eθB(s)−θ2t/2E[eθ(B(t)−B(s))]=eθB(s)−θ2t/2eθ2(t−s)/2=M(s).
E[M(t)]=M(0)=1 から E[eθB(t)]=eθ2t/2 である。θ=1 とおくと E[eB(t)]=et/2。15. 12.4-3 Δk∼N(0,v)、v=t/n とする。E[Δk4]=3v2 から V[Δk2]=3v2−v2=2v2。増分は独立なので、V[Qn]=n⋅2(t/n)2=2t2/n。16. 12.4-4 θ=−2μ/σ2 とおくと、E[eθX(t)]=exp(θμt+θ2σ2t/2) である。指数は次のように 0 になる。
−σ22μ2t+σ22μ2t=0.
増分の独立性から、12.4-2 と同じ計算で eθX(t) はマルチンゲールになる。止める時刻までは −a≤X≤b で有界なので、任意抽出定理が使える。h=P(先に b) として
heθb+(1−h)e−θa=1.
よって
h=e−2μb/σ2−e2μa/σ21−e2μa/σ2.
ドリフトが 0 に近づくと、分子・分母をドリフトで割った極限から a/(a+b) に戻る。指定の値では次のとおりである。
μ=0.5, σ=1, a=b=1:h=e−1−e1−e=1+e−11=0.731.
17. 12.5-1 πP=π の第1成分は π1(1−a)+π2b=π1 である。すなわち aπ1=bπ2。規格化から π=(b/(a+b), a/(a+b))。
帰納法で示す。n=1 では右辺は次のとおりで、左辺に等しい。
a+b1(b+a(1−a−b)b−b(1−a−b)a−a(1−a−b)a+b(1−a−b))=(1−aba1−b).
次のようにおく。
E=a+b1(bbaa),F=a+b1(a−b−ab).
このとき P=E+(1−a−b)F である。直接の計算から次が成り立つ。
E2=E,F2=F,EF=FE=O.
Pn=E+(1−a−b)nF を仮定すると
Pn+1={E+(1−a−b)nF}{E+(1−a−b)F}=E+(1−a−b)n+1F.
∣1−a−b∣<1 なので Pn→E で、各行が定常分布になる。18. 12.5-2 (12.19) から次の連立方程式を得る。
μ1μ2=1+0.5μ1+0.5μ2=1+0.3μ1+0.2μ2⇒ μ1=2+μ2,⇒ 0.8μ2=1+0.3(2+μ2) (第1式を代入).
よって 0.5μ2=1.6 から μ2=3.2 である。したがって μ1=5.2。19. 12.5-3 詳細つり合い πipi,i+1=πi+1pi+1,i から
πi+1=πi⋅(i+1)/3(3−i)/3=πii+13−i.
順に次のようになる。
π1=3π0,π2=π1⋅22=3π0,π3=π2⋅31=π0.
和が1から π0=1/8 である。よって π=(1/8, 3/8, 3/8, 1/8) で、これは Bin(3,1/2) である。
1歩ごとに状態の偶奇が必ず入れ替わるので、状態 0 に戻れるのは偶数歩だけで、周期は2である。p00(n) は、奇数歩では 0 になり、偶数歩では 2π0=1/4 に近づく。よって全体としては収束しない。20. 12.5-4 推移は順に次の9回である。
1→1, 1→2, 2→1, 1→2, 2→2, 2→2, 2→1, 1→1, 1→2.
回数と最尤推定値は次のとおりである。
n11=2, n12=3, n21=2, n22=2;p^11=52, p^12=53, p^21=21, p^22=21.
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