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テンソル場とテンソルでない量

2026年10月22日18分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第4章 テンソル
目次
  1. テンソル場
  2. 成分の微分はテンソルにならない
  3. 加速度と Christoffel 記号
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

物理のための微分幾何入門 第4章 §4.4 ★★★ 点ごとのテンソルを並べたテンソル場では、成分の微分と座標の2階微分がテンソルの変換則を破る

テンソル場

定義 4.14(テンソル場)

多様体 MM(第1章)の各点に、その点の接空間 TpMT_pM(第2章)上のテンソルを対応させる。各点のテンソルが (r,s)(r,s) 型で、座標近傍の中で成分が座標の滑らかな関数になるとき、これをテンソル場と呼ぶ。成分は座標基底 ∂i\partial_i と dxi\mathrm{d} x^i に関するものとする。

テンソル場の成分は、同じ点の上で変換則 (4.4) に従う。ヤコビ行列 (4.5) はその点での値をとるので、変換則の係数は点ごとに異なる。代表例は、ベクトル場 V=Vi∂iV=V^i\partial_i、関数の微分 df=∂if dxi\mathrm{d} f=\partial_if\,\mathrm{d} x^i、確認テスト 4.2-2 のテンソルである。

命題 4.15(ゼロは座標に依らない)

ある座標で、テンソル場の成分が点 pp においてすべて 0 であるとする。このとき、ほかのどの座標でも、その点での成分はすべて 0 である。

証明

変換則 (4.4) の右辺は、古い成分について斉次な1次式である。古い成分がすべて 0 なら、ヤコビ行列の値によらず右辺は 0 になる。

この命題から、テンソル場の等式は、1つの座標で成り立てばどの座標でも成り立つ。物理の法則をテンソルの等式で書くと、座標の選び方に依らない主張になるのはこのためである。逆にこの命題は、量がテンソルでないことを示す手段にもなる。ある座標で成分がすべて 0、別の座標で 0 でない成分を持つ量は、テンソルではない。

成分の微分はテンソルにならない

関数の偏微分は、連鎖律から ∂i′f=∂xj∂x′i∂jf\partial'_if=\frac{\partial x^j}{\partial x'^i}\partial_jf を満たし、1形式の変換則に従う。ところがベクトル場の成分を微分すると、この性質が崩れる。変換則 V′i=∂x′i∂xkVkV'^i=\frac{\partial x'^i}{\partial x^k}V^k を新しい座標で微分すると、積の微分で2つの項が出る。

∂j′V′i=∂xl∂x′j∂x′i∂xk ∂lVk+∂xl∂x′j∂2x′i∂xl∂xk Vk(4.16)\partial'_jV'^i=\frac{\partial x^l}{\partial x'^j}\frac{\partial x'^i}{\partial x^k}\,\partial_lV^k+\frac{\partial x^l}{\partial x'^j}\frac{\partial^2x'^i}{\partial x^l\partial x^k}\,V^k\tag{4.16}

第1項は (1,1)(1,1) 型の変換則そのものである。第2項は座標の2階微分を含み、座標変換が1次式でない限り 0 にならない。したがって、成分の偏微分 ∂jVi\partial_jV^i は一般の座標変換ではテンソルにならない。1次の座標変換(たとえば Lorentz 変換)では第2項は消えるので、慣性系どうしでは ∂μ\partial_\mu を含む式をテンソルとして扱うことができる(相対論入門 第4章 §4.4)。

一定のベクトル場を極座標で見る

平面の一定のベクトル場 V=∂xV=\partial_x の直交座標の成分は (1,0)(1,0) で、その偏微分はすべて 0 である。極座標の基底で展開すると、次のようになる。

∂x=cos⁡θ ∂r−sin⁡θr ∂θ,Vr=cos⁡θ,Vθ=−sin⁡θr,∂θVr=−sin⁡θ≠0\partial_x=\cos\theta\,\partial_r-\frac{\sin\theta}{r}\,\partial_\theta,\qquad V^r=\cos\theta,\quad V^\theta=-\frac{\sin\theta}{r},\quad \partial_\theta V^r=-\sin\theta\neq0

直交座標で 0、極座標で 0 でないので、命題 4.15 により成分の偏微分はテンソルではない。極座標の成分が点ごとに変わるのは、ベクトル場が変わったからではない。基底 ∂r,∂θ\partial_r,\partial_\theta の向きが点ごとに変わるからである(図 4.4)。

図

図 4.4 半径 r=2r=2 の円の上の2点での極座標の基底 ∂r\partial_r(青)と ∂θ/r\partial_\theta/r(赤、長さ 11 に縮めて描いた)。一定のベクトル場 ∂x\partial_x(緑)はどちらの点でも同じ矢印だが、極座標の成分 (Vr,Vθ)(V^r,V^\theta) は θ=20∘\theta=20^\circ で (0.94, −0.17)(0.94,\,-0.17)、θ=110∘\theta=110^\circ で (−0.34, −0.47)(-0.34,\,-0.47) と変わる。

1形式の成分の微分にも、同じ種類の項が出る。変換則 αi′=∂xk∂x′iαk\alpha'_i=\frac{\partial x^k}{\partial x'^i}\alpha_k を微分すると、次の式になる。

∂j′αi′=∂xk∂x′i∂xl∂x′j ∂lαk+∂2xk∂x′j∂x′i αk(4.17)\partial'_j\alpha'_i=\frac{\partial x^k}{\partial x'^i}\frac{\partial x^l}{\partial x'^j}\,\partial_l\alpha_k+\frac{\partial^2x^k}{\partial x'^j\partial x'^i}\,\alpha_k\tag{4.17}

ただしこの場合、余分な第2項は2つの添字 i,ji,j について対称である。

命題 4.16(反対称化した微分はテンソル)

1形式の成分から作った ∂iαj−∂jαi\partial_i\alpha_j-\partial_j\alpha_i は、(0,2)(0,2) 型の反対称テンソル場の成分である。

証明

(4.17) から、添字を入れ替えた式を引く。偏微分の順序は交換できるので、第2項の2階微分は打ち消し合う。

∂i′αj′−∂j′αi′=∂xk∂x′i∂xl∂x′j (∂kαl−∂lαk)\partial'_i\alpha'_j-\partial'_j\alpha'_i=\frac{\partial x^k}{\partial x'^i}\frac{\partial x^l}{\partial x'^j}\,\bigl(\partial_k\alpha_l-\partial_l\alpha_k\bigr)

残った式は (0,2)(0,2) 型の変換則である。

電磁場テンソル (4.12) は、4元ポテンシャルにこの命題を当てはめたものである。したがって電磁場テンソルは、Lorentz 変換に限らずどの座標変換でもテンソルとして変わる。この操作は、第12章で外微分 dα\mathrm{d}\alpha として定式化する。

加速度と Christoffel 記号

曲線 xi(t)x^i(t) の速度は、連鎖律 x˙′i=∂x′i∂xkx˙k\dot x'^i=\frac{\partial x'^i}{\partial x^k}\dot x^k からベクトルの変換則に従う。もう1回微分すると、座標の2階微分を含む項が加わる。

x¨′i=∂x′i∂xk x¨k+∂2x′i∂xk∂xl x˙kx˙l(4.18)\ddot x'^i=\frac{\partial x'^i}{\partial x^k}\,\ddot x^k+\frac{\partial^2x'^i}{\partial x^k\partial x^l}\,\dot x^k\dot x^l\tag{4.18}

したがって、座標の2階微分 x¨i\ddot x^i はベクトルの成分ではない。たとえば等速円運動を極座標で書くと r¨=θ¨=0\ddot r=\ddot\theta=0 だが、加速度は 0 でない。

加速度を正しく表すために、平面(一般に Euclid 空間)の点の位置を直交座標のベクトル X\bm{X} で表す。曲線座標の基底を ei=∂X/∂xi\bm{e}_i=\partial\bm{X}/\partial x^i とおくと、これは座標基底 ∂i\partial_i の直交座標の成分に当たる。基底の微分を基底で展開した係数を、Christoffel 記号と呼ぶ。

∂ei∂xj=Γkji ek(4.19)\frac{\partial \bm{e}_i}{\partial x^j}=\Gamma^k{}_{ji}\,\bm{e}_k\tag{4.19}

左辺は ∂j∂iX\partial_j\partial_i\bm{X} で2つの添字について対称なので、Γkji=Γkij\Gamma^k{}_{ji}=\Gamma^k{}_{ij} である。

位置を2回微分すると、加速度の成分が得られる。速度 X˙=x˙iei\dot{\bm{X}}=\dot x^i\bm{e}_i を微分するとき、基底の変化 e˙i=x˙j∂jei\dot{\bm{e}}_i=\dot x^j\partial_j\bm{e}_i を使う。

X¨=(x¨k+Γkij x˙ix˙j)ek,ak=x¨k+Γkij x˙ix˙j(4.20)\ddot{\bm{X}}=\bigl(\ddot x^k+\Gamma^k{}_{ij}\,\dot x^i\dot x^j\bigr)\bm{e}_k,\qquad a^k=\ddot x^k+\Gamma^k{}_{ij}\,\dot x^i\dot x^j\tag{4.20}

加速度 X¨\ddot{\bm{X}} は座標に依らない矢印なので、その成分 aka^k はベクトルの成分である。

極座標の基底は、直交座標の成分で次のように書ける。

er=(cos⁡θ,sin⁡θ),eθ=r(−sin⁡θ,cos⁡θ)\bm{e}_r=(\cos\theta,\sin\theta),\qquad \bm{e}_\theta=r(-\sin\theta,\cos\theta)

これを微分して基底で展開すると、次の式が得られる。

∂rer=0,∂θer=∂reθ=1reθ,∂θeθ=−r er\partial_r\bm{e}_r=0,\qquad \partial_\theta\bm{e}_r=\partial_r\bm{e}_\theta=\frac1r\bm{e}_\theta,\qquad \partial_\theta\bm{e}_\theta=-r\,\bm{e}_r

0 でない Christoffel 記号は次の3つである。

Γrθθ=−r,Γθrθ=Γθθr=1r(4.21)\Gamma^r{}_{\theta\theta}=-r,\qquad \Gamma^\theta{}_{r\theta}=\Gamma^\theta{}_{\theta r}=\frac1r\tag{4.21}

(4.20) に代入すると、加速度の極座標の成分が出る。

ar=r¨−rθ˙2,aθ=θ¨+2r r˙θ˙(4.22)a^r=\ddot r-r\dot\theta^2,\qquad a^\theta=\ddot\theta+\frac2r\,\dot r\dot\theta\tag{4.22}

動径成分の −rθ˙2-r\dot\theta^2 は向心加速度で、極座標の基底が回ることから出る項である。

命題 4.17(Christoffel 記号の変換則)

座標を xax^a から x′ix'^i へ取り替えると、Christoffel 記号は次のように変わる。

Γ′kji=∂x′k∂xc(∂xa∂x′i∂xb∂x′j Γcba+∂2xc∂x′j∂x′i)(4.23)\Gamma'^k{}_{ji}=\frac{\partial x'^k}{\partial x^c}\Bigl(\frac{\partial x^a}{\partial x'^i}\frac{\partial x^b}{\partial x'^j}\,\Gamma^c{}_{ba}+\frac{\partial^2x^c}{\partial x'^j\partial x'^i}\Bigr)\tag{4.23}

とくに Christoffel 記号はテンソルではない。

証明

新しい基底は ei′=∂xa∂x′iea\bm{e}'_i=\frac{\partial x^a}{\partial x'^i}\bm{e}_a である。これを微分するとき、連鎖律 ∂j′=∂xb∂x′j∂b\partial'_j=\frac{\partial x^b}{\partial x'^j}\partial_b と定義 (4.19) を使う。

∂j′ei′=∂2xc∂x′j∂x′iec+∂xa∂x′i∂xb∂x′jΓcba ec\partial'_j\bm{e}'_i=\frac{\partial^2x^c}{\partial x'^j\partial x'^i}\bm{e}_c+\frac{\partial x^a}{\partial x'^i}\frac{\partial x^b}{\partial x'^j}\Gamma^c{}_{ba}\,\bm{e}_c

最後に ec=∂x′k∂xcek′\bm{e}_c=\frac{\partial x'^k}{\partial x^c}\bm{e}'_k と書き直し、新しい基底の係数を読むと (4.23) になる。

直交座標では基底が一定なので、Christoffel 記号はすべて 0 である。極座標では (4.21) のとおり 0 でない。命題 4.15 により、Christoffel 記号はテンソルではない。

直交座標から出発すると、変換則 (4.23) の第1項は消える。

Γ′kji=∂x′k∂xc ∂2xc∂x′j∂x′i\Gamma'^k{}_{ji}=\frac{\partial x'^k}{\partial x^c}\,\frac{\partial^2x^c}{\partial x'^j\partial x'^i}

平面の Christoffel 記号は、座標の2階微分そのものである。同じ座標で2組の Christoffel 記号の差をとると、変換則の第2項は打ち消し合うので、差はテンソルになる(第9章 §9.2 で使う)。

定義 4.18(平面の共変微分)

ベクトル場 V=Viei\bm{V}=V^i\bm{e}_i を座標で微分したものを、基底で展開する。

∂jV=(∂jVk+ΓkjiVi)ek,∇jVk=∂jVk+ΓkjiVi(4.24)\partial_j\bm{V}=\bigl(\partial_jV^k+\Gamma^k{}_{ji}V^i\bigr)\bm{e}_k,\qquad \nabla_jV^k=\partial_jV^k+\Gamma^k{}_{ji}V^i\tag{4.24}

展開の係数 ∇jVk\nabla_jV^k を共変微分の成分と呼ぶ。

共変微分の成分は、(1,1)(1,1) 型のテンソル場の成分である。実際、矢印としての微分は連鎖律 ∂j′V=∂xl∂x′j∂lV\partial'_j\bm{V}=\frac{\partial x^l}{\partial x'^j}\partial_l\bm{V} に従う。新しい基底の係数への書き直しは、ek=∂x′i∂xkei′\bm{e}_k=\frac{\partial x'^i}{\partial x^k}\bm{e}'_i で行われる。2つの係数を合わせると、(1,1)(1,1) 型の変換則 (4.7) になる。

成分の微分 (4.16) の余分な項は、Christoffel 記号の変換則の第2項とちょうど打ち消し合っている。

曲面と時空への拡張

  • ここでは平面の位置ベクトル X\bm{X} を使って Christoffel 記号を定めた。
  • 曲面や一般の多様体には、点を比べるための共通の直交座標がない。そこでは計量から Christoffel 記号を決める(第8章 §8.2、第9章 §9.2)。
  • 計量を使った公式は Γkij=12gkl(∂iglj+∂jgli−∂lgij)\Gamma^k{}_{ij}=\frac12g^{kl}(\partial_ig_{lj}+\partial_jg_{li}-\partial_lg_{ij}) である。確認テスト 4.2-2 のテンソルに当てはめると (4.21) が再現される。
  • Minkowski 時空でも、慣性系の座標では Christoffel 記号は 0 で、加速する観測者の座標(Rindler 座標)では 0 でない。後者は慣性力に当たる(相対論入門 第7章 §7.4・第8章 §8.3)。

例題 4.5 一定のベクトル場の共変微分 ★★★

オリジナル平面の一定のベクトル場 V=∂xV=\partial_x を極座標で表す。

  1. 成分の偏微分 ∂jVk\partial_jV^k を4つとも求めよ。
  2. 共変微分 ∇jVk\nabla_jV^k を4つとも求め、すべて 0 になることを確かめよ。
解答

(1) 成分は Vr=cos⁡θ, Vθ=−sin⁡θ/rV^r=\cos\theta,\ V^\theta=-\sin\theta/r である。

∂rVr=0,∂θVr=−sin⁡θ,∂rVθ=sin⁡θr2,∂θVθ=−cos⁡θr\partial_rV^r=0,\qquad \partial_\theta V^r=-\sin\theta,\qquad \partial_rV^\theta=\frac{\sin\theta}{r^2},\qquad \partial_\theta V^\theta=-\frac{\cos\theta}{r}

(2) (4.24) に (4.21) を代入する。動径の上付き添字を持つ記号のうち 0 でないのは Γrθθ\Gamma^r{}_{\theta\theta} だけで、Γθθθ=0\Gamma^\theta{}_{\theta\theta}=0 でもある。

∇rVr=∂rVr+ΓrriVi=0,∇θVr=∂θVr+ΓrθθVθ=−sin⁡θ+(−r)(−sin⁡θr)=0,∇rVθ=∂rVθ+ΓθrθVθ=sin⁡θr2+1r(−sin⁡θr)=0,∇θVθ=∂θVθ+ΓθθrVr=−cos⁡θr+1rcos⁡θ=0.\begin{aligned}\nabla_rV^r&=\partial_rV^r+\Gamma^r{}_{ri}V^i=0,\\ \nabla_\theta V^r&=\partial_\theta V^r+\Gamma^r{}_{\theta\theta}V^\theta=-\sin\theta+(-r)\Bigl(-\frac{\sin\theta}{r}\Bigr)=0,\\ \nabla_rV^\theta&=\partial_rV^\theta+\Gamma^\theta{}_{r\theta}V^\theta=\frac{\sin\theta}{r^2}+\frac1r\Bigl(-\frac{\sin\theta}{r}\Bigr)=0,\\ \nabla_\theta V^\theta&=\partial_\theta V^\theta+\Gamma^\theta{}_{\theta r}V^r=-\frac{\cos\theta}{r}+\frac1r\cos\theta=0.\end{aligned}

直交座標では共変微分は成分の偏微分に等しく、すべて 0 である。極座標でもすべて 0 になり、命題 4.15 と整合する。成分の偏微分が 0 でないのは基底の回転によるもので、Christoffel 記号の項がその分を差し引いている。

例題 4.6 地球の公転の向心加速度 ★★

オリジナル地球の公転を、半径 R=1.496×1011 mR=1.496\times10^{11}\,\mathrm m、周期 365.25365.25 日の円運動とみなす。

  1. 極座標の加速度 (4.22) を使って、加速度の成分を求めよ。
  2. 太陽の重力定数 GM⊙=1.327×1020 m3/s2GM_\odot=1.327\times10^{20}\,\mathrm{m^3/s^2} を使って GM⊙/R2GM_\odot/R^2 を計算し、(1) と比べよ。
解答

(1) 円運動では動径が一定で、r˙=r¨=0\dot r=\ddot r=0 である。等速なので角速度 θ˙=Ω\dot\theta=\Omega は一定で、θ¨=0\ddot\theta=0 である。周期は 365.25×86400=3.156×107 s365.25\times86400=3.156\times10^7\,\mathrm s なので、角速度は次の値になる。

Ω=2π3.156×107 s=1.991×10−7 s−1\Omega=\frac{2\pi}{3.156\times10^7\,\mathrm s}=1.991\times10^{-7}\,\mathrm{s^{-1}}

(4.22) から角度成分は 0 で、動径成分は次のようになる。

aθ=0,ar=−RΩ2=−1.496×1011×(1.991×10−7)2 m/s2=−5.93×10−3 m/s2a^\theta=0,\qquad a^r=-R\Omega^2=-1.496\times10^{11}\times(1.991\times10^{-7})^2\,\mathrm{m/s^2}=-5.93\times10^{-3}\,\mathrm{m/s^2}

座標の2階微分がすべて 0 でも、Christoffel 記号の項 Γrθθθ˙2=−RΩ2\Gamma^r{}_{\theta\theta}\dot\theta^2=-R\Omega^2 が残る。

(2) 重力による加速度の大きさは次の値である。

GM⊙R2=1.327×1020(1.496×1011)2 m/s2=5.93×10−3 m/s2\frac{GM_\odot}{R^2}=\frac{1.327\times10^{20}}{(1.496\times10^{11})^2}\,\mathrm{m/s^2}=5.93\times10^{-3}\,\mathrm{m/s^2}

(1) の動径成分の大きさと3桁まで一致する。加速度の極座標の成分を (r¨,θ¨)(\ddot r,\ddot\theta) と取り違えると、この一致は得られない。

確認テスト

オリジナル

  1. 4.4-1 ある量の成分が直交座標ではすべて 0 で、極座標では 0 でない成分を持つ。この量はテンソル場になりうるか。理由とともに答えよ。
  2. 4.4-2 平面の座標 (u,v)(u,v) を (x,y)=(u, v+u2)(x,y)=(u,\,v+u^2) で定める。基底 eu,ev\bm{e}_u,\bm{e}_v を求め、0 でない Christoffel 記号をすべて求めよ。
  3. 4.4-3 正の定数 b,wb,w について、(x,y)=(b, wt)(x,y)=(b,\,wt) の等速直線運動を極座標で書く。動径の2階微分 r¨\ddot r は 0 でないが、(4.22) の2つの成分はともに 0 になることを示せ。
  4. 4.4-4 関数の2階偏微分 Hij=∂i∂jfH_{ij}=\partial_i\partial_jf は、一般にはテンソルでないことを示せ。さらに、df=0\mathrm{d} f=0 となる点(臨界点)では (0,2)(0,2) 型の変換則に従うことを示せ。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

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