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共変微分

2026年10月22日19分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第9章 共変微分・平行移動・ホロノミー
目次
  1. 接続の公理
  2. 捩れと、計量との両立
  3. 1形式とテンソルへの拡張
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

物理のための微分幾何入門 第9章 §9.2 ★★★ 接続の公理を置き、計量と両立し捩れが無いという2条件を課すと、接続は計量からただ1つに決まる

前の節の共変微分は、平面や曲面を空間 R3\mathbb{R}^3 に置き、空間での微分を使って作った。一般の多様体、たとえば配位空間や時空には、それを入れる外の空間が無い。この節では、共変微分が満たすべき性質を公理として述べ、計量があればその公理から共変微分がただ1つに決まることを示す。

接続の公理

定義 9.4(アフィン接続)

多様体の上のアフィン接続(以下、接続)とは、ベクトル場の組 X,YX,Y にベクトル場 ∇XY\nabla_XY を対応させる規則で、次の3つを満たすものをいう。関数を f,hf,h と書く。

  1. (i) ∇fX+hYZ=f∇XZ+h∇YZ\nabla_{fX+hY}Z=f\nabla_XZ+h\nabla_YZ(XX について関数を係数とする1次式)。
  2. (ii) ∇X(Y+Z)=∇XY+∇XZ\nabla_X(Y+Z)=\nabla_XY+\nabla_XZ。
  3. (iii) ∇X(fY)=(Xf) Y+f∇XY\nabla_X(fY)=(Xf)\,Y+f\nabla_XY(Leibniz 則)。

このベクトル場 ∇XY\nabla_XY を共変微分と呼ぶ。

(i) は、ある点での ∇XY\nabla_XY の値が、その点での XX の値だけで決まることを意味する。(iii) は、関数を掛けたベクトル場の微分が、関数の方向微分 XfXf を含むことを要求する。前の節の射影による微分が (i)〜(iii) を満たすことは、(9.7) から直接確かめられる。

座標基底の共変微分を基底で展開した係数を、接続の係数と呼ぶ。

∇∂i∂j=Γkij ∂k.(9.9)\nabla_{\partial_i}\partial_j=\Gamma^k{}_{ij}\,\partial_k .\tag{9.9}

この段階では Γkij\Gamma^k{}_{ij} は計量と無関係な任意の関数の組で、下の添字について対称とも限らない。

ベクトル場を X=Xi∂iX=X^i\partial_i と Y=Yj∂jY=Y^j\partial_j と書き、(i) と (iii) を使って展開する。

∇XY=Xi∇∂i(Yj∂j)=Xi(∂iYj ∂j+YjΓkij∂k)=Xi(∂iYk+ΓkijYj)∂k.(9.10)\nabla_XY=X^i\nabla_{\partial_i}(Y^j\partial_j) =X^i\bigl(\partial_iY^j\,\partial_j+Y^j\Gamma^k{}_{ij}\partial_k\bigr) =X^i\bigl(\partial_iY^k+\Gamma^k{}_{ij}Y^j\bigr)\partial_k .\tag{9.10}

括弧の中を ∇iYk\nabla_iY^k と書く。これは (9.8) と同じ形である。

命題 9.5(共変微分はテンソル、接続の係数はテンソルでない)

  1. (a) ∇iYk\nabla_iY^k は (1,1)(1,1) 型テンソルの成分として変換する。
  2. (b) 接続の係数は次のように変換する。

Γ′kij=∂x′k∂xc∂xa∂x′i∂xb∂x′jΓcab+∂x′k∂xc∂2xc∂x′i∂x′j.(9.11)\Gamma'^k{}_{ij} =\frac{\partial x'^k}{\partial x^c}\frac{\partial x^a}{\partial x'^i}\frac{\partial x^b}{\partial x'^j}\Gamma^c{}_{ab} +\frac{\partial x'^k}{\partial x^c}\frac{\partial^2x^c}{\partial x'^i\partial x'^j}.\tag{9.11}

証明

(a) 接続は座標を使わずに定義したので、∇XY\nabla_XY は座標に依らないベクトル場である。(9.10) は、XX の成分から ∇XY\nabla_XY の成分を返す1次の対応を表している。その対応の行列が ∇iYk\nabla_iY^k である。ベクトルを受け取りベクトルを返す1次写像の成分は (1,1)(1,1) 型テンソルとして変換するので(第4章 §4.2)、∇iYk\nabla_iY^k もそう変換する。

(b) 新しい座標の基底は ∂j′=(∂xb/∂x′j)∂b\partial'_j=(\partial x^b/\partial x'^j)\partial_b である。(i) と (iii) を使って ∇∂i′∂j′\nabla_{\partial'_i}\partial'_j を展開する。

∇∂i′∂j′=∂xa∂x′i∇∂a(∂xb∂x′j∂b)=∂xa∂x′i∂xb∂x′jΓcab∂c+∂2xc∂x′i∂x′j∂c.\nabla_{\partial'_i}\partial'_j=\frac{\partial x^a}{\partial x'^i}\nabla_{\partial_a}\Bigl(\frac{\partial x^b}{\partial x'^j}\partial_b\Bigr) =\frac{\partial x^a}{\partial x'^i}\frac{\partial x^b}{\partial x'^j}\Gamma^c{}_{ab}\partial_c+\frac{\partial^2x^c}{\partial x'^i\partial x'^j}\partial_c .

第2項では、係数 ∂xb/∂x′j\partial x^b/\partial x'^j の方向微分を連鎖律でまとめた。最後に ∂c=(∂x′k/∂xc)∂k′\partial_c=(\partial x'^k/\partial x^c)\partial'_k と書き直せば、∂k′\partial'_k の係数が (9.11) になる。

(9.11) の第2項は、定理 9.1 の第2項を打ち消すために必要な項である。成分の偏微分と接続の係数はどちらも単独ではテンソルでないが、和 ∂iYk+ΓkijYj\partial_iY^k+\Gamma^k{}_{ij}Y^j はテンソルになる。第4章 §4.4 で「Christoffel 記号はテンソルでない」と述べた事実は、この打ち消しのために必要な性質である。

例題 9.2 変換則から極座標の Christoffel 記号を出す ★★

オリジナル平面のデカルト座標 (x,y)(x,y) では、平らな平面の接続の係数はすべて0である。変換則 (9.11) を使い、極座標 (r,θ)(r,\theta) での接続の係数を求めよ。結果が (9.3) と一致することを確かめよ。

解答

デカルト座標で接続の係数が0なので、(9.11) の第2項だけが残る。

Γ′kij=∂x′k∂xc∂2xc∂x′i∂x′j,(x1,x2)=(x,y),(x′1,x′2)=(r,θ).\Gamma'^k{}_{ij}=\frac{\partial x'^k}{\partial x^c}\frac{\partial^2x^c}{\partial x'^i\partial x'^j},\qquad (x^1,x^2)=(x,y),\quad (x'^1,x'^2)=(r,\theta).

必要な偏微分を並べる。x=rcos⁡θx=r\cos\theta と y=rsin⁡θy=r\sin\theta の2階微分は次のとおりである。

∂2(x,y)∂r2=(0,0),∂2(x,y)∂r∂θ=(−sin⁡θ,cos⁡θ),∂2(x,y)∂θ2=(−rcos⁡θ,−rsin⁡θ).\frac{\partial^2(x,y)}{\partial r^2}=(0,0),\qquad \frac{\partial^2(x,y)}{\partial r\partial\theta}=(-\sin\theta,\cos\theta),\qquad \frac{\partial^2(x,y)}{\partial\theta^2}=(-r\cos\theta,-r\sin\theta).

逆向きの1階微分は次のとおりである。

(∂r∂x,∂r∂y)=(cos⁡θ,sin⁡θ),(∂θ∂x,∂θ∂y)=(−sin⁡θr,cos⁡θr).\Bigl(\frac{\partial r}{\partial x},\frac{\partial r}{\partial y}\Bigr)=(\cos\theta,\sin\theta),\qquad \Bigl(\frac{\partial \theta}{\partial x},\frac{\partial \theta}{\partial y}\Bigr)=\Bigl(-\frac{\sin\theta}{r},\frac{\cos\theta}{r}\Bigr).

これらを組み合わせる。Γrθθ\Gamma^r{}_{\theta\theta} は、角についての2階微分と、動径の1階微分の組の内積である。

Γrθθ=cos⁡θ (−rcos⁡θ)+sin⁡θ (−rsin⁡θ)=−r.\Gamma^r{}_{\theta\theta}=\cos\theta\,(-r\cos\theta)+\sin\theta\,(-r\sin\theta)=-r .

Γθrθ\Gamma^\theta{}_{r\theta} は、動径と角についての2階微分と、角の1階微分の組の内積である。

Γθrθ=(−sin⁡θr)(−sin⁡θ)+cos⁡θrcos⁡θ=1r.\Gamma^\theta{}_{r\theta}=\Bigl(-\frac{\sin\theta}{r}\Bigr)(-\sin\theta)+\frac{\cos\theta}{r}\cos\theta=\frac1r .

残りの組は、2階微分が0か、内積が0になる。

Γθθθ=(−sin⁡θr)(−rcos⁡θ)+cos⁡θr(−rsin⁡θ)=0.\Gamma^\theta{}_{\theta\theta}=\Bigl(-\frac{\sin\theta}{r}\Bigr)(-r\cos\theta)+\frac{\cos\theta}{r}(-r\sin\theta)=0 .

こうして (9.3) が再現された。

捩れと、計量との両立

接続の公理だけでは Γkij\Gamma^k{}_{ij} は決まらない。計量 gg のある多様体では、次の2つの条件を課すのが自然である。

定義 9.6(捩れと計量との両立)

接続 ∇\nabla の捩れを次の式で定める。

T(X,Y)=∇XY−∇YX−[X,Y].T(X,Y)=\nabla_XY-\nabla_YX-[X,Y].

ここで [X,Y][X,Y] はベクトル場の Lie 括弧である(第13章 §13.1。座標基底どうしの括弧は0)。捩れが恒等的に0のとき、接続は捩れが無いという。すべてのベクトル場 X,Y,ZX,Y,Z について次の式が成り立つとき、接続は計量と両立するという。

X(g(Y,Z))=g(∇XY,Z)+g(Y,∇XZ).(9.12)X\bigl(g(Y,Z)\bigr)=g(\nabla_XY,Z)+g(Y,\nabla_XZ).\tag{9.12}

座標基底で書くと、2つの条件はそれぞれ次の式になる。捩れが無いことは、接続の係数が下の添字について対称であること Γkij=Γkji\Gamma^k{}_{ij}=\Gamma^k{}_{ji} と同じである(確認テスト 9.2-1)。計量との両立は、(9.12) の3つのベクトル場に座標基底を入れて、次の式になる。

∂kgij=Γlkiglj+Γlkjgil.(9.13)\partial_kg_{ij}=\Gamma^l{}_{ki}g_{lj}+\Gamma^l{}_{kj}g_{il}.\tag{9.13}

計量との両立は、ベクトルを運んでも内積が変わらないという要請である。§9.3 で、平行移動が長さと角を保つことの根拠になる。捩れが無いことは、無限小の平行四辺形が閉じるという要請で、曲面の場合には ∂i∂jr=∂j∂ir\partial_i\partial_j\bm{r}=\partial_j\partial_i\bm{r} に当たる。

定理 9.7(Riemann 幾何の基本定理)

計量 gg を持つ多様体には、捩れが無く計量と両立する接続がただ1つ存在する。その係数は Christoffel 記号 (9.1) に等しい。この接続を Levi-Civita 接続と呼ぶ。

証明

下の添字を1つ下げた記号 Γlij=glkΓkij\Gamma_{lij}=g_{lk}\Gamma^k{}_{ij} を使う。(9.13) は ∂kgij=Γjki+Γikj\partial_kg_{ij}=\Gamma_{jki}+\Gamma_{ikj} と書ける。添字の名前を回して、次の3本を並べる。

∂igjl=Γlij+Γjil,∂jgil=Γlji+Γijl,∂lgij=Γjli+Γilj.\begin{aligned}\partial_ig_{jl}&=\Gamma_{lij}+\Gamma_{jil},\\ \partial_jg_{il}&=\Gamma_{lji}+\Gamma_{ijl},\\ \partial_lg_{ij}&=\Gamma_{jli}+\Gamma_{ilj}.\end{aligned}

1本目と2本目を足し、3本目を引く。捩れが無いので後ろ2つの添字について対称であり、Γjil=Γjli\Gamma_{jil}=\Gamma_{jli} と Γijl=Γilj\Gamma_{ijl}=\Gamma_{ilj} が使える。

∂igjl+∂jgil−∂lgij=Γlij+Γlji=2Γlij.\partial_ig_{jl}+\partial_jg_{il}-\partial_lg_{ij}=\Gamma_{lij}+\Gamma_{lji}=2\Gamma_{lij}.

両辺に 12gkl\frac12g^{kl} を掛けると (9.1) を得る。

この計算は、2条件を満たす接続があれば係数がこの式に限られることを示しているので、一意性が分かった。逆に、(9.1) で定めた係数は下の添字について対称で、上の3本を満たすので (9.13) も満たす。この係数は変換則 (9.11) に従うので(verify で確かめる)、(9.9) で座標に依らない接続が定まる。これで存在も分かった。

証明では計量の正定値性を使っていない。したがって、Minkowski 計量のような不定値の計量にも、同じ式で Levi-Civita 接続がただ1つ定まる。

系 9.8(曲面の射影の接続は Levi-Civita 接続)

空間 R3\mathbb{R}^3 の中の曲面で、定義 9.2 の射影で作った共変微分は、第一基本形式の Levi-Civita 接続に等しい。

証明

射影の接続の係数は (9.6) の Γkji\Gamma^k{}_{ji} である。偏微分の順序を入れ替えてよいので、係数は下の添字について対称で、捩れが無い。

次に gij=ri⋅rjg_{ij}=\bm{r}_i\cdot\bm{r}_j を微分すると、∂kgij=∂kri⋅rj+ri⋅∂krj\partial_kg_{ij}=\partial_k\bm{r}_i\cdot\bm{r}_j+\bm{r}_i\cdot\partial_k\bm{r}_j を得る。ここで (9.6) を代入すると、法線の項は接ベクトルとの内積で消え、(9.13) がそのまま出る。2条件を満たすので、定理 9.7 の一意性から Levi-Civita 接続に等しい。

この系は、第8章で計量から求めた Christoffel 記号が、標構方程式の係数と一致した理由を説明する。曲面を空間に入れて射影するという外からの作り方と、計量だけを使う内からの作り方で、同じ接続が得られる。

1形式とテンソルへの拡張

関数 ff の共変微分は、方向微分 ∇Xf=Xf\nabla_Xf=Xf と定める。1形式 ω\omega の共変微分は、関数 ω(Y)\omega(Y) に Leibniz 則が成り立つように定める。

X(ω(Y))=(∇Xω)(Y)+ω(∇XY).X\bigl(\omega(Y)\bigr)=(\nabla_X\omega)(Y)+\omega(\nabla_XY).

座標で書くと、次の式になる(確認テスト 9.2-4)。

∇iωj=∂iωj−Γkijωk.(9.14)\nabla_i\omega_j=\partial_i\omega_j-\Gamma^k{}_{ij}\omega_k .\tag{9.14}

一般のテンソルでは、上の添字ごとに正の符号の Christoffel 記号の項を、下の添字ごとに負の符号の項を足す。たとえば計量については次の式になる。

∇kgij=∂kgij−Γlkiglj−Γlkjgil.(9.15)\nabla_kg_{ij}=\partial_kg_{ij}-\Gamma^l{}_{ki}g_{lj}-\Gamma^l{}_{kj}g_{il}.\tag{9.15}

(9.13) と比べると、計量と両立することは ∇g=0\nabla g=0 と同じである。このため、添字の上げ下げ(第5章 §5.2)と共変微分は順序を入れ替えてよい。

例題 9.3 一様に加速する観測者の加速度 ★★★

オリジナル2次元の Minkowski 時空 ds2=c2dt2−dx2\mathrm{d} s^2=c^2\mathrm{d} t^2-\mathrm{d} x^2 の、x>∣ct∣x>|ct| の領域を考える。そこに次の座標 (η,ξ)(\eta,\xi) を入れる(Rindler 座標)。

ct=ξsinh⁡η,x=ξcosh⁡η(ξ>0).ct=\xi\sinh\eta,\qquad x=\xi\cosh\eta\qquad(\xi>0).

  1. 計量が ds2=ξ2dη2−dξ2\mathrm{d} s^2=\xi^2\mathrm{d}\eta^2-\mathrm{d}\xi^2 になることを示せ。
  2. 0でない Christoffel 記号を求めよ。
  3. ξ=ξ0\xi=\xi_0 に静止した観測者の4元速度 uu を求めよ。その固有時間による共変微分 ak=duk/dτ+Γkijuiuja^k=\mathrm{d} u^k/\mathrm{d}\tau+\Gamma^k{}_{ij}u^iu^j を計算せよ。固有加速度の大きさ −g(a,a)\sqrt{-g(a,a)} を求めよ。
  4. 固有加速度が地表の重力加速度 9.8 m/s2^2 に等しくなる ξ0\xi_0 を、光年の単位で見積もれ。1光年は 9.46×10159.46\times10^{15} m とする。
解答

(1) 全微分をとる。

c dt=sinh⁡η dξ+ξcosh⁡η dη,dx=cosh⁡η dξ+ξsinh⁡η dη.c\,\mathrm{d} t=\sinh\eta\,\mathrm{d}\xi+\xi\cosh\eta\,\mathrm{d}\eta,\qquad \mathrm{d} x=\cosh\eta\,\mathrm{d}\xi+\xi\sinh\eta\,\mathrm{d}\eta .

2乗して引くと、交差項 2ξsinh⁡ηcosh⁡η dξ dη2\xi\sinh\eta\cosh\eta\,\mathrm{d}\xi\,\mathrm{d}\eta は打ち消し合う。cosh⁡2η−sinh⁡2η=1\cosh^2\eta-\sinh^2\eta=1 を使えば、残りは ξ2dη2−dξ2\xi^2\mathrm{d}\eta^2-\mathrm{d}\xi^2 である。

(2) 計量の成分は gηη=ξ2g_{\eta\eta}=\xi^2 と gξξ=−1g_{\xi\xi}=-1 で、どちらも2つ目の座標だけに依る。(9.1) で0でないのは、∂ξgηη=2ξ\partial_\xi g_{\eta\eta}=2\xi を含む組だけである。

Γξηη=−12gξξ∂ξgηη=−12(−1)(2ξ)=ξ,Γηηξ=Γηξη=12gηη∂ξgηη=1ξ.\Gamma^\xi{}_{\eta\eta}=-\frac12g^{\xi\xi}\partial_\xi g_{\eta\eta}=-\frac12(-1)(2\xi)=\xi,\qquad \Gamma^\eta{}_{\eta\xi}=\Gamma^\eta{}_{\xi\eta}=\frac12g^{\eta\eta}\partial_\xi g_{\eta\eta}=\frac1\xi .

(3) 静止した観測者の世界線では、線素の式から ξ0 dη=c dτ\xi_0\,\mathrm{d}\eta=c\,\mathrm{d}\tau である。したがって4元速度は一定で、次の成分を持つ。

(uη,uξ)=(cξ0, 0).(u^\eta,u^\xi)=\Bigl(\frac{c}{\xi_0},\,0\Bigr).

共変微分を計算すると、成分の微分は0で、Christoffel 記号の項だけが残る。

aξ=Γξηη(uη)2=ξ0⋅c2ξ02=c2ξ0,aη=2Γηηξuηuξ=0.a^\xi=\Gamma^\xi{}_{\eta\eta}(u^\eta)^2=\xi_0\cdot\frac{c^2}{\xi_0^2}=\frac{c^2}{\xi_0},\qquad a^\eta=2\Gamma^\eta{}_{\eta\xi}u^\eta u^\xi=0 .

gξξ=−1g_{\xi\xi}=-1 なので −g(a,a)=(aξ)2-g(a,a)=(a^\xi)^2 となる。固有加速度の大きさは c2/ξ0c^2/\xi_0 である。

この観測者は座標 (η,ξ)(\eta,\xi) では止まっているが、慣性系では双曲線 x2−c2t2=ξ02x^2-c^2t^2=\xi_0^2 を描き、一定の固有加速度で加速している。加速度が Christoffel 記号の項からだけ出てくる点は、§9.1 の極座標の遠心力の項と同じ構造である。

(4) ξ0=c2/(9.8 m/s2)=(3.00×108)2/9.8 m≈9.2×1015 m\xi_0=c^2/(9.8\ \mathrm{m/s^2})=(3.00\times10^8)^2/9.8\ \mathrm m\approx9.2\times10^{15}\ \mathrm m である。1光年で割ると、約0.97光年になる。

曲がった時空での共変微分と、それを使った運動方程式・場の方程式は、相対論入門 第8章と第9章で扱う。この巻では、時空は Minkowski 計量と Rindler 座標の例までに留める。

確認テスト

オリジナル

  1. 9.2-1 座標基底で、捩れの成分が Tkij=Γkij−ΓkjiT^k{}_{ij}=\Gamma^k{}_{ij}-\Gamma^k{}_{ji} であることを示せ。
  2. 9.2-2 半径 RR の球面 ds2=R2(dθ2+sin⁡2θ dφ2)\mathrm{d} s^2=R^2(\mathrm{d}\theta^2+\sin^2\theta\,\mathrm{d}\varphi^2) の Christoffel 記号を、(9.1) で求めよ。また、∇θgφφ=0\nabla_\theta g_{\varphi\varphi}=0 を直接確かめよ。
  3. 9.2-3 計量の行列式を g=det⁡gijg=\det g_{ij} と書く。次の式を示せ。

Γiij=∂jln⁡∣g∣.\Gamma^i{}_{ij}=\partial_j\ln\sqrt{\left\vert g\right\vert }.

これを使って、発散が次の式になることを導け。

∇iVi=1∣g∣∂i(∣g∣ Vi).\nabla_iV^i=\frac{1}{\sqrt{\left\vert g\right\vert }}\partial_i\bigl(\sqrt{\left\vert g\right\vert }\,V^i\bigr).

平面の極座標で V=r ∂rV=r\,\partial_r の発散を計算し、デカルト座標の値と比べよ。4. 9.2-4 1形式の共変微分の式 (9.14) を、関数 ω(Y)\omega(Y) についての Leibniz 則から導け。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

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