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平行移動とホロノミー

2026年10月22日17分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第9章 共変微分・平行移動・ホロノミー
目次
  1. 曲線に沿う共変微分と平行移動
  2. 球面の測地三角形
  3. ホロノミーと曲率
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

物理のための微分幾何入門 第9章 §9.3 ★★★ 曲線に沿って共変微分が0になるようにベクトルを運ぶ。閉曲線を一周したときの回転角は、囲んだ領域の Gauss 曲率の積分に等しい

共変微分は、ベクトル場を各点で微分する操作であった。これを曲線に沿う微分に直すと、ある点のベクトルを別の点へ「平行に」運ぶ規則が得られる。平らな平面ではこの規則は普通の平行移動に戻るが、曲がった面では運ぶ道によって結果が変わる。

曲線に沿う共変微分と平行移動

曲線 γ\gamma を座標で xi(t)x^i(t) と書く。曲線の上の各点にベクトル V(t)V(t) が与えられているとし、ベクトル場は曲線の上だけで定義されていればよいとする。(9.10) で XX を曲線の速度に置き換え、x˙i∂iVk=dVk/dt\dot x^i\partial_iV^k=\mathrm{d} V^k/\mathrm{d} t と書き直したものを、曲線に沿う共変微分と呼ぶ。

DVkdt=dVkdt+Γkij x˙i Vj.(9.16)\frac{DV^k}{\mathrm{d} t}=\frac{\mathrm{d} V^k}{\mathrm{d} t}+\Gamma^k{}_{ij}\,\dot x^i\,V^j .\tag{9.16}

§9.1 の加速度 (9.5) は、速度 V=x˙V=\dot x にこれを当てはめたものである。

定義 9.9(平行移動)

曲線に沿って DV/dt=0DV/\mathrm{d} t=0 を満たすベクトル V(t)V(t) を、曲線に沿って平行であるという。始点のベクトルから V(t)V(t) を得る対応を、曲線に沿う平行移動と呼ぶ。

定理 9.10(平行移動の存在と性質)

なめらかな曲線 γ:[0,T]→M\gamma:[0,T]\to M と、始点の接ベクトル V0V_0 を考える。

  1. (a) 平行で、始点で V0V_0 に等しいベクトル V(t)V(t) が、区間全体でただ1つ存在する。
  2. (b) 平行移動 Pt:V0↦V(t)P_t:V_0\mapsto V(t) は1次写像である。
  3. (c) 接続が計量と両立するなら、平行移動は内積を保つ。とくに長さと角を保つ。
証明

(a) (9.16) を0とおくと、VkV^k についての1次の常微分方程式になる。

dVkdt=−Γkij(x(t))x˙i(t) Vj.\frac{\mathrm{d} V^k}{\mathrm{d} t}=-\Gamma^k{}_{ij}\bigl(x(t)\bigr)\dot x^i(t)\,V^j .

係数は時間の連続関数なので、線形常微分方程式の存在と一意性の定理から、解は区間全体でただ1つある(線形なので解が途中で発散することはない)。曲線が1枚の座標で覆えないときは、区間を分けて座標ごとに解をつなげばよい。

(b) 方程式が VV について1次なので、解の和と定数倍もまた解である。したがって V0↦V(t)V_0\mapsto V(t) は1次写像である。

(c) VV と WW をどちらも平行なベクトルとする。計量との両立 (9.12) を曲線に沿って書くと次の式になる。

ddtg(V,W)=g(DVdt,W)+g(V,DWdt)=0.\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}g(V,W)=g\Bigl(\frac{DV}{\mathrm{d} t},W\Bigr)+g\Bigl(V,\frac{DW}{\mathrm{d} t}\Bigr)=0 .

したがって g(V,W)g(V,W) は一定で、平行移動は内積を保つ。

空間 R3\mathbb{R}^3 の中の曲面では、命題 9.3 から次の言い換えが成り立つ。曲線に沿うベクトル W(t)\bm{W}(t) が平行であることは、空間での微分 dW/dt\mathrm{d}\bm{W}/\mathrm{d} t が各点で曲面の法線に平行であることと同じである。つまり平行移動とは、接平面に留まるのに必要な分だけ向きを変え、それ以外には回さずに運ぶ操作である。§9.4 ではこの言い換えを振り子に使う。

球面の測地三角形

半径 RR の球面で、3点を結ぶ三角形を考える。1点目は北極 NN、2点目は経度0の赤道上の点 AA である。3点目は、経度90度の赤道上の点 BB である。

3つの辺はどれも大円の4分の1で、3つの内角はどれも直角である。球面の Christoffel 記号(確認テスト 9.2-2)は次の2種類だけが0でない。

Γθφφ=−sin⁡θcos⁡θ,Γφθφ=Γφφθ=cot⁡θ.(9.17)\Gamma^\theta{}_{\varphi\varphi}=-\sin\theta\cos\theta,\qquad \Gamma^\varphi{}_{\theta\varphi}=\Gamma^\varphi{}_{\varphi\theta}=\cot\theta .\tag{9.17}

経線の上では経度が変わらないので、(9.16) の Christoffel 記号の項に残るのは Γkθj\Gamma^k{}_{\theta j} だけである。V=∂θV=\partial_\theta を入れると、必要な係数 Γkθθ\Gamma^k{}_{\theta\theta} はすべて0である。したがって ∂θ\partial_\theta は経線に沿って平行である。

赤道の上では cos⁡θ=0\cos\theta=0 なので、(9.17) はどちらも0になる。したがって赤道に沿っては、2つの座標基底がどちらも平行である。

北極で、経線 NANA に沿って AA へ向かう向きのベクトルから始める(図 9.2)。経線を下る間、ベクトルは ∂θ\partial_\theta の向き(南向き)のまま運ばれ、AA に着く。赤道を東へ進む間も南向きのまま運ばれ、BB に着く。経線 BNBN を北極へ上る間も南向き、つまり進む向きと逆向きのまま運ばれる。

北極に戻ったとき、ベクトルは経線 BNBN を逆にたどる向き、つまり経度 90∘90^\circ の経線の方向を指している。出発のときは経度0の経線の方向を指していたので、一周で直角だけ回ったことになる。三角形の面積は球面の8分の1で π2R2\frac{\pi}{2}R^2 である。回転角 π2\frac{\pi}{2} は、この面積に Gauss 曲率を掛けたものに一致する。

図

図 9.2 球面の測地三角形 N→A→B→NN\to A\to B\to N に沿う平行移動。北極で経線 NANA の向き(青)から始めたベクトルは、各辺で南向きのまま運ばれ、北極に戻ると経線 NBNB の向き(赤)を指す。一周の回転角 π/2\pi/2 は、三角形の面積 π2R2\frac{\pi}{2}R^2 と Gauss 曲率 1/R21/R^2 の積に等しい。

ホロノミーと曲率

始点と終点が同じ点 pp である閉曲線 γ\gamma を考える。これに沿う平行移動は、pp の接空間からそれ自身への1次写像 PγP_\gamma を与える。これを曲線 γ\gamma のホロノミーと呼ぶ。

2次元の向きのついた曲面では、定理 9.10 (c) からホロノミーは長さと角を保つので、ある角度 Δα\Delta\alpha の回転である。平らな平面ではどの閉曲線でも回転角は0であり、0でない回転角は曲がり方を表す。

回転角を計算するために、曲面の一部で各点に正規直交の基底 e1,e2\bm{e}_1,\bm{e}_2 を選ぶ。向きは曲面の向きに合わせる。曲線に沿って e1\bm{e}_1 を共変微分すると、長さが1のまま変わらないので、結果は e2\bm{e}_2 に平行になる。その係数を、接続1形式 ω12\omega_{12} と呼ぶ。

∇Xe1=ω12(X) e2,∇Xe2=−ω12(X) e1.(9.18)\nabla_X\bm{e}_1=\omega_{12}(X)\,\bm{e}_2,\qquad \nabla_X\bm{e}_2=-\omega_{12}(X)\,\bm{e}_1 .\tag{9.18}

添字 1212 は、第14章の正準2形式や一般の1形式に使う ω\omega と区別するために付ける(第15章も同じ字を使う)。2つ目の式は、g(e1,e2)=0g(\bm{e}_1,\bm{e}_2)=0 を微分して (9.12) を使えば1つ目から従う。

補題 9.11(平行なベクトルの角)

単位ベクトル V=cos⁡α e1+sin⁡α e2V=\cos\alpha\,\bm{e}_1+\sin\alpha\,\bm{e}_2 が曲線 γ(t)\gamma(t) に沿って平行であることは、次の式と同じである。

dαdt=−ω12(γ˙).(9.19)\frac{\mathrm{d}\alpha}{\mathrm{d} t}=-\omega_{12}(\dot\gamma).\tag{9.19}

証明

Leibniz 則と (9.18) を使って、VV を曲線に沿って共変微分する。

DVdt=α˙(−sin⁡α e1+cos⁡α e2)+ω12(γ˙)(cos⁡α e2−sin⁡α e1)=(α˙+ω12(γ˙))(−sin⁡α e1+cos⁡α e2).\frac{DV}{\mathrm{d} t}=\dot\alpha(-\sin\alpha\,\bm{e}_1+\cos\alpha\,\bm{e}_2)+\omega_{12}(\dot\gamma)(\cos\alpha\,\bm{e}_2-\sin\alpha\,\bm{e}_1) =\bigl(\dot\alpha+\omega_{12}(\dot\gamma)\bigr)(-\sin\alpha\,\bm{e}_1+\cos\alpha\,\bm{e}_2).

最後の括弧のベクトルは長さ1なので、平行であることと α˙+ω12(γ˙)=0\dot\alpha+\omega_{12}(\dot\gamma)=0 は同じである。

第一基本形式の非対角成分が0の座標、つまり直交座標 (u,v)(u,v) を考える。このときは、座標基底を正規化して正規直交の基底がとれる。

e1=ruE,e2=rvG.\bm{e}_1=\frac{\bm{r}_u}{\sqrt E},\qquad \bm{e}_2=\frac{\bm{r}_v}{\sqrt G}.

接続1形式は、第一基本形式の E,GE,G だけで書ける。

ω12=−(E)vG du+(G)uE dv.(9.20)\omega_{12}=-\frac{(\sqrt E)_v}{\sqrt G}\,\mathrm{d} u+\frac{(\sqrt G)_u}{\sqrt E}\,\mathrm{d} v .\tag{9.20}

導出は次のとおりである。ω12(∂u)=g(∇ue1,e2)\omega_{12}(\partial_u)=g(\nabla_u\bm{e}_1,\bm{e}_2) を計算する。正規化の因子を微分した項は ru\bm{r}_u に平行なので、e2\bm{e}_2 との内積で消える。

ω12(∂u)=g(∇uru,rv)EG=gvkΓkuuEG=−12EvEG=−(E)vG.\omega_{12}(\partial_u)=\frac{g(\nabla_u\bm{r}_u,\bm{r}_v)}{\sqrt{EG}}=\frac{g_{vk}\Gamma^k{}_{uu}}{\sqrt{EG}}=\frac{-\frac12E_v}{\sqrt{EG}}=-\frac{(\sqrt E)_v}{\sqrt G}.

∂v\partial_v 方向も同じように計算する。

ω12(∂v)=g(∇vru,rv)EG=gvkΓkvuEG=12GuEG=(G)uE.\omega_{12}(\partial_v)=\frac{g(\nabla_v\bm{r}_u,\bm{r}_v)}{\sqrt{EG}}=\frac{g_{vk}\Gamma^k{}_{vu}}{\sqrt{EG}}=\frac{\frac12G_u}{\sqrt{EG}}=\frac{(\sqrt G)_u}{\sqrt E}.

途中の Christoffel 記号の値は、(9.1) に非対角成分が0の計量を入れて得た。

第8章 §8.4 で、直交座標での Gauss 曲率を第一基本形式だけで表す式を導いた。

K=−1EG[((G)uE)u+((E)vG)v].(9.21)K=-\frac{1}{\sqrt{EG}}\biggl[\Bigl(\frac{(\sqrt G)_u}{\sqrt E}\Bigr)_u+\Bigl(\frac{(\sqrt E)_v}{\sqrt G}\Bigr)_v\biggr].\tag{9.21}

(9.20) の外微分をとって (9.21) と比べると、次の関係が分かる。

dω12=[((G)uE)u+((E)vG)v]du∧dv=−K dA,dA=EG du∧dv.(9.22)\mathrm{d}\omega_{12}=\biggl[\Bigl(\frac{(\sqrt G)_u}{\sqrt E}\Bigr)_u+\Bigl(\frac{(\sqrt E)_v}{\sqrt G}\Bigr)_v\biggr]\mathrm{d} u\wedge\mathrm{d} v=-K\,\mathrm{d} A,\qquad \mathrm{d} A=\sqrt{EG}\,\mathrm{d} u\wedge\mathrm{d} v .\tag{9.22}

外微分の一般論は第12章で扱う。ここでは1形式 P du+Q dvP\,\mathrm{d} u+Q\,\mathrm{d} v の外微分が (Qu−Pv) du∧dv(Q_u-P_v)\,\mathrm{d} u\wedge\mathrm{d} v であることだけを使う。

定理 9.12(ホロノミーは囲んだ曲率の積分)

曲面の領域 DD が1枚の直交座標の中に収まり、境界 ∂D\partial D が区分的になめらかな単純閉曲線であるとする。境界を正の向き、つまり領域を左に見る向きに一周する平行移動を考える。ベクトルが基底 e1,e2\bm{e}_1,\bm{e}_2 に対して回る角は、次の値になる。

Δα=∬DK dA.(9.23)\Delta\alpha=\iint_DK\,\mathrm{d} A .\tag{9.23}

証明

補題 9.11 を曲線に沿って積分すると、回転角は接続1形式の線積分で書ける。

Δα=∫0Tα˙ dt=−∮∂Dω12.\Delta\alpha=\int_0^T\dot\alpha\,\mathrm{d} t=-\oint_{\partial D}\omega_{12} .

基底は領域の全体でなめらかに定義されているので、座標平面での Green の定理と (9.22) が使える。

∮∂Dω12=∬Ddω12=−∬DK dA.\oint_{\partial D}\omega_{12}=\iint_D\mathrm{d}\omega_{12}=-\iint_DK\,\mathrm{d} A .

2つの式を合わせれば (9.23) を得る。基底は領域の上で1つに決まっているので、一周して戻った基底は出発のときと同じであり、この角はホロノミーの回転角そのものである。

定理の読み方

  • 小さな閉曲線では KK をほぼ一定とみなせるので、回転角は KK と囲んだ面積の積で近似できる。したがって Gauss 曲率は「小さな閉曲線を一周したときの回転角を面積で割った極限」として読める。この読み方は第11章で Riemann テンソルの意味づけに使う。
  • 基底が領域の中で特異点を持つとき(球面の極を囲む場合など)は、(9.23) は 2π2\pi の整数倍だけずれる。ずれの整数は、基底のベクトル場が特異点のまわりで何回回るかを数える。これは第15章 §15.3 のベクトル場の指数につながる。
  • 測地三角形では、辺に沿って進む向きが平行に運ばれる。このため回転角は内角の和から π\pi を引いたものに等しく、(9.23) は内角の和の公式になる。これは第15章 §15.1 の局所の Gauss–Bonnet の定理へつながる。

例題 9.4 緯線に沿う平行移動 ★★★

オリジナル半径 RR の球面の、余緯度 θ0\theta_0 の緯線を考える。余緯度は 0<θ0<π/20<\theta_0<\pi/2 の範囲にあるとする。これを φ=t\varphi=t と東向きに一周する(0≤t≤2π0\le t\le2\pi)。

  1. 平行移動の方程式 (9.16) を成分で書け。
  2. 正規直交の成分 a=RVθa=RV^\theta と b=Rsin⁡θ0 Vφb=R\sin\theta_0\,V^\varphi の方程式を導いて解け。
  3. 一周した後のベクトルが出発のときと比べて何度回っているかを求め、北の極冠の面積と Gauss 曲率の積と比べよ。
  4. 余緯度が 60∘60^\circ の場合に数値を求めよ。
解答

(1) 曲線の上では余緯度が一定で、経度の変化率は1である。したがって (9.16) に残る Christoffel 記号は Γkφj\Gamma^k{}_{\varphi j} だけである。(9.17) を入れると次の2式になる。

dVθdt−sin⁡θ0cos⁡θ0 Vφ=0,dVφdt+cot⁡θ0 Vθ=0.\frac{\mathrm{d} V^\theta}{\mathrm{d} t}-\sin\theta_0\cos\theta_0\,V^\varphi=0,\qquad \frac{\mathrm{d} V^\varphi}{\mathrm{d} t}+\cot\theta_0\,V^\theta=0 .

(2) 1つ目の式に RR を掛け、経度の成分を bb で書き直すと、次の式の左側を得る。2つ目の式に Rsin⁡θ0R\sin\theta_0 を掛け、余緯度の成分を aa で書き直すと、右側の式を得る。

dadt=cos⁡θ0 b,dbdt=−cos⁡θ0 a.\frac{\mathrm{d} a}{\mathrm{d} t}=\cos\theta_0\,b,\qquad \frac{\mathrm{d} b}{\mathrm{d} t}=-\cos\theta_0\,a .

これは角速度 cos⁡θ0\cos\theta_0 の回転の方程式で、解は次の形である。

a+ib=(a0+ib0) e−itcos⁡θ0.a+\mathrm{i} b=(a_0+\mathrm{i} b_0)\,\mathrm{e}^{-\mathrm{i} t\cos\theta_0}.

(3) 成分 aa と bb は、南向きと東向きの単位ベクトルに対する成分である。この2つは外向きの法線から見て正の向きの基底をなすので、ベクトルの角 α\alpha は dα/dt=−cos⁡θ0\mathrm{d}\alpha/\mathrm{d} t=-\cos\theta_0 で変わる。一周すると Δα=−2πcos⁡θ0\Delta\alpha=-2\pi\cos\theta_0 で、外から見て時計回りに 2πcos⁡θ02\pi\cos\theta_0 回る。回転角は 2π2\pi を法として考えるので、これは反時計回りに 2π(1−cos⁡θ0)2\pi(1-\cos\theta_0) 回ったのと同じである。

東向きに進むとき左手にあるのは北の極冠で、その面積は 2πR2(1−cos⁡θ0)2\pi R^2(1-\cos\theta_0) である。Gauss 曲率 1/R21/R^2 を掛けると 2π(1−cos⁡θ0)2\pi(1-\cos\theta_0) となり、回転角に一致する。極冠は基底が特異になる北極を含むので、定理 9.12 は 2π2\pi を法としてだけ成り立つ(注意の箱の2項目)。

(4) 余緯度が60度なら cos⁡θ0=12\cos\theta_0=\frac12 なので、時計回りに π\pi 回る。反時計回りに測っても 2π(1−12)=π2\pi(1-\frac12)=\pi で、ベクトルはちょうど逆向きになって戻る。

確認テスト

オリジナル

  1. 9.3-1 平らな平面で、閉曲線に沿う平行移動のホロノミーが恒等写像になることを、デカルト座標での平行移動の方程式から説明せよ。
  2. 9.3-2 平面の極座標 ds2=dr2+r2dφ2\mathrm{d} s^2=\mathrm{d} r^2+r^2\mathrm{d}\varphi^2 で、(9.20) から接続1形式を求めよ。原点を囲む円を一周したときの Δα=−∮ω12\Delta\alpha=-\oint\omega_{12} を計算し、ホロノミーが恒等写像であることと矛盾しない理由を述べよ。
  3. 9.3-3 半頂角 β\beta の円錐面を考える。線素は、頂点からの母線の長さ ρ\rho と回転角 φ\varphi を使って次の形に書ける。

ds2=dρ2+ρ2sin⁡2β dφ2.\mathrm{d} s^2=\mathrm{d}\rho^2+\rho^2\sin^2\beta\,\mathrm{d}\varphi^2 .

頂点を囲む円を一周したときの回転角を求めよ。頂点以外では Gauss 曲率が0であることも確かめよ。4. 9.3-4 球面の測地三角形 N→A→B→NN\to A\to B\to N で、北極での2本の経線のなす角を ϕ0\phi_0 に変える。ただし 0<ϕ0<π0<\phi_0<\pi とする。ホロノミーの回転角を求めよ。面積からも求め、両者が一致することを確かめよ。

木下の勉強ステータス

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