物理のための微分幾何入門 第7章 §7.7
7.1 媒介変数表示と第一基本形式
- 7.1-1 (7.7) で X=ru,Y=rv とおくと cosα=F/EG である。E,G>0 なので、直交することと F=0 は同値である。
- 7.1-2 偏微分は
rθ=R(cosθcosϕ,cosθsinϕ,−sinθ),rϕ=R(−sinθsinϕ,sinθcosϕ,0)
である。内積から E=R2,F=0,G=R2sin2θ を得る。面積要素は R2sinθdθdϕ なので、帯の面積は
∫02π∫θ1θ2R2sinθdθdϕ=2πR2(cosθ1−cosθ2)
である。R(cosθ1−cosθ2) は帯の高さなので、面積は帯の高さだけで決まる(Archimedes が見つけた事実)。3. 7.1-3 ru=(cosv,sinv,0),rv=(−usinv,ucosv,c) なので、E=1,F=0,G=u2+c2 である。面積は
A=∫02π∫01u2+c2dudv=π[1+c2+c2arsinhc1]
である。途中で不定積分 ∫u2+c2du=21(uu2+c2+c2arsinh(u/c)) を使った。c=1 では A=π(2+arsinh1)≃7.21 である。4. 7.1-4 連鎖律から rui=r~u~kJki(Jki=∂u~k/∂ui)である。内積をとると
gij=rui⋅ruj=Jkig~klJlj
となり、行列で書けば g=JTg~J である。行列式をとると detg=(detJ)2detg~ なので detg=∣detJ∣detg~ になる。変数変換の公式 du~dv~=∣detJ∣dudv と合わせると主張を得る。
7.2 第二基本形式と法曲率
- 7.2-1 r=(acos(u~/a),asin(u~/a),v~) と書き直すと、ru~=(−sin(u~/a),cos(u~/a),0),rv~=(0,0,1) である。どちらも長さ1で直交するので、I=du~2+dv~2 である。平面では II=0 だが、円柱では例題 7.2 のとおり L=a=0 で、違いは第二基本形式にだけ現れる。
- 7.2-2 rθθ=−r,rθϕ=Rcosθ(−sinϕ,cosϕ,0),rϕϕ=−Rsinθ(cosϕ,sinϕ,0) である。法線 n=−r/R との内積をとると
L=R,M=0,N=Rsin2θ
となる。これは II=I/R を意味するので、すべての方向で κn=1/R である。3. 7.2-3 緯線は半径 Rsinθ0 の円なので、曲率は κ=1/(Rsinθ0) である。主法線は軸に向かう e=−(cosϕ,sinϕ,0) である。球面の法線 n=−(sinθ0cosϕ,sinθ0sinϕ,cosθ0) との内積は e⋅n=sinθ0 になる。したがって κcosθ=1/R で、法曲率 1/R に一致する。4. 7.2-4 原点では fx=fy=0 なので、E=G=1, F=0, n=(0,0,1) である。2階の偏微分は rxx=(0,0,1), rxy=0, ryy=(0,0,−1) である。よって L=1, M=0, N=−1 で、II=dx2−dy2 となる。方向 (cosφ,sinφ) の法曲率は
κn=cos2φ−sin2φ=cos2φ
である。法曲率が0になるのは φ=π/4,3π/4(直線 y=±x の方向)である。5. 7.2-5 2つの恒等式をそれぞれ u と v で微分すると
ruu⋅n+ru⋅nurvu⋅n+rv⋅nu=0,=0,ruv⋅n+ru⋅nvrvv⋅n+rv⋅nv=0,=0
となる。左上と右下の式から L と N の式が得られる。右上と左下の式から M の2つの表し方が得られる。
7.3 主曲率・Gauss 曲率・平均曲率
- 7.3-1 法線を反転すると L,M,N が符号を変え、行列 W も符号を変える。主曲率と H は符号を変え、K=detW は変わらない。
- 7.3-2 グラフ z=f(x,y) で w=1+fx2+fy2 とおく。上向きの法線は n=(−fx,−fy,1)/w なので
L=wfxx,M=wfxy,N=wfyy
である。f=21(x2+y2) では fx=x,fy=y,fxx=fyy=1,fxy=0,w2=1+x2+y2 となる。EG−F2=w2 なので
K=w21/w2=(1+x2+y2)21,H=2w3(1+y2)+(1+x2)=2(1+x2+y2)3/22+x2+y2
である。3. 7.3-3 f=xy の原点では fx=fy=fxx=fyy=0, fxy=1 である。したがって g は単位行列で、h は対角成分が0、非対角成分が1の行列である。固有値は ±1 なので主曲率は κ1=1,κ2=−1 である。主方向は固有ベクトル (1,1) と (1,−1) の方向である。一般の点では LN−M2=−1/w2,EG−F2=w2 なので
K=−(1+x2+y2)21
である。4. 7.3-4 各点で S=λid なので、nu=−λru,nv=−λrv が成り立つ。1つ目を v で、2つ目を u で微分して引く。nuv=nvu と ruv=rvu を使うと
0=−λvru+λurv
となる。ru,rv は1次独立なので λu=λv=0 である。曲面片は連結なので、λ は定数である。
λ=0 なら n は定ベクトルである。このとき (r⋅n)u=ru⋅n=0 であり、v についても同じ式が成り立つ。したがって r⋅n は一定で、曲面は平面の一部である。
λ=0 なら (r+n/λ)u=ru−ru=0 である。同じ式は v についても成り立つ。したがって c=r+n/λ は定点である。∣r−c∣=1/∣λ∣ なので、曲面は点 c を中心とする球面の一部である。
7.4 面積の変分と極小曲面
- 7.4-1 中心に向かう法線について κ1=κ2=1/R なので、H=1/R=0 である。
- 7.4-2 被積分関数を L=1+p2+q2(p=fx,q=fy)とおく。Euler–Lagrange 方程式は ∂x(∂L/∂p)+∂y(∂L/∂q)=0、すなわち
∂xwfx+∂ywfy=0,w=1+fx2+fy2
である。∂xw=(fxfxx+fyfxy)/w などを使って微分を実行し、w3 を掛けると
fxx(1+fx2+fy2)−fx(fxfxx+fyfxy)+fyy(1+fx2+fy2)−fy(fxfxy+fyfyy)=0
となる。整理すると (1+fy2)fxx−2fxfyfxy+(1+fx2)fyy=0 である。
一方、グラフでは E=1+fx2,F=fxfy,G=1+fy2,(L,M,N)=(fxx,fxy,fyy)/w である。これらを (7.20) に入れると
H=2w3(1+fx2)fyy−2fxfyfxy+(1+fy2)fxx
となり、分子は上の方程式の左辺に等しい。したがって方程式は H=0 と同値である。3. 7.4-3 fx=tanx,fy=−tany,fxx=sec2x,fyy=−sec2y,fxy=0 である。左辺は
(1+tan2y)sec2x+(1+tan2x)(−sec2y)=sec2ysec2x−sec2xsec2y=0
となり、方程式を満たす。4. 7.4-4 coshs/s=R/h=2 を数値的に解くと、s≃0.5894 と 2.1268 になる。首の半径 a=h/s は 0.848 と 0.235 である。面積の式 A=πa(2h+asinh(2h/a)) に入れると、首の太い解で 5.99、細い解で 6.85 になる。円板の 2π≃6.28 と比べると、首の太いカテノイドだけが円板より小さい。
7.5 物理の曲面
- 7.5-1 軸に向かう法線で H=1/(2a) なので、Δp=2σH=σ/a である。
- 7.5-2 シャボン玉では Δp=4σs/R なので、半径 1 cm で 10 Pa、半径 2 cm で 5.0 Pa である。小さい玉のほうが内部の圧力が高いので、空気は小さい玉から大きい玉へ流れる。小さい玉は縮むほど圧力がさらに高くなるので、流れは小さい玉がしぼむまで続く。
- 7.5-3 水面の半球に、空気の側(上)へ向かう法線をとると H=1/r なので、水面のすぐ下の水の圧力は大気圧より 2σ/r だけ低い。管の外の水面の高さでの圧力は大気圧なので、高さ h の水柱の静水圧がこの差を埋める。ρgh=2σ/r から h=2σ/(ρgr) となる。数値を入れると
h=1.0×103×9.8×1.0×10−42×0.072 m≃0.147 m
で、約 15 cm である。4. 7.5-4 表面エネルギーの増加は σd(4πR2)=8πσRdR である。内部の圧力差 Δp のする仕事は Δp⋅4πR2dR である。釣り合いでは2つが等しいので、Δp=2σ/R を得る。5. 7.5-5 球面では H=1/R(法線の向きを変えても H2 は同じ)なので
∬2kc⋅R24dA=R22kc⋅4πR2=8πkc
で、R によらない。
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