電磁気学入門 第9章 §9.5 ★★★ 電磁波の性質は、分散関係と境界条件の2つで決まる
- 真空:Maxwell 方程式の回転を2回とると、電場と磁場の各成分が速さ c=1/ε0μ0 の波動方程式に従うことが分かった。平面波では、電場と磁場が進む向きに垂直で、∣B∣=∣E∣/c の比で同じ位相で振動する。エネルギーは電場と磁場に等分され、Poynting ベクトル S=cuk^ で運ばれる。電場の向きの振る舞いは、Jones ベクトルの2成分の振幅と位相差で決まる。一般には楕円偏光、特別な場合に直線偏光と円偏光になる。
- 物質:ε0μ0 が εμ に置き換わる。波の速さは c/n になる。屈折率は物質の電子の応答から決まる。振動子模型 (9.20) は、共鳴から離れた所の正常分散と、共鳴付近の吸収と異常分散を同時に説明した。分散のある物質では、信号は群速度 dω/dk で進む。導体の伝導電流は、誘電率を複素数 ε+iσc/ω に変える。良導体の中では、場が表皮深さ δ=2/(μσcω) の層に限られる。
- 境界:位相がそろう条件だけから反射の法則と Snell の法則が出て、境界条件の具体的な形から Fresnel の式が出た。p 偏光の反射は Brewster 角 tanθB=n2/n1 で消える。屈折率の大きい側から臨界角より大きい角度で入射すると全反射が起き、境界の外にはエバネッセント波だけが残る。
- 管と箱:金属の管の中では、壁の境界条件が横向きの波数を kc に限る。分散関係は ω2=c2(kz2+kc2) になり、遮断周波数より下の波は伝わらない。箱に閉じ込めると、許される角振動数は離散的な値 ωmnp だけになる。
ここで調べたどの場面でも、計算の骨組みは「波数と角振動数の関係(分散関係)」と「境界での場の連続性」の2つだった。この章の結果は、次のように先へつながる。
- 第10章 §10.4 では、平面波の ∣E∣=c∣B∣ と E⊥B がどの慣性系でも成り立つことを、4元ポテンシャルの形で確かめる。
- 平面波の位相 k⋅r−ωt はどの慣性系でも同じ値をとる。このことから4元波数 (ω/c,k) が作られる。Doppler 効果と光行差がその Lorentz 変換として出ることは、『相対論入門』第4章 §4.2 で示す。
- 第11章では、この章で源の無い所の波として扱った電磁波が、加速する電荷からどのように放射されるかを、遅延ポテンシャルから求める。その際、遠方の場が局所的に平面波になり、(9.9) の形でエネルギーを運ぶことを使う。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com