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この章のまとめ

2026年10月15日3分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第5章 期待値と Lebesgue 積分

AI 生成・木下が未勉強

確率論入門 第5章 §5.6

この章では、期待値を確率測度による Lebesgue 積分として1つの定義で与えた。構成は次の4段階である。

  1. 指示関数の期待値を、事象の確率と定める。
  2. 単関数へは線形性で広げる。
  3. 非負の確率変数へは、下から近づく単関数の期待値の上限で広げる。
  4. 一般の確率変数へは、正の部分と負の部分の差で広げる。

途中で最も手間がかかったのは、どの近似列をとっても同じ値になることの証明(補題 5.4 と定理 5.5)である。そこで使ったのは、確率測度の下からの連続性だけであった。この構成は値の側を区切るので、標本空間が抽象的な集合でも、分布が離散でも絶対連続でもなくても、同じ定義が使える。

単調収束定理・Fatou の補題・優収束定理は、極限と期待値の交換を許す3つの条件である。

  • 単調収束定理は、非負の増加列で常に成り立つ。
  • Fatou の補題では、非負の列について片側の不等式が成り立つ。
  • 優収束定理では、可積分な優関数があるときに等号が成り立つ。

反例 n1(0,1/n)n\mathbf 1_{(0,1/n)} のように、面積を保ったまま正になる区間が縮む列では交換は成り立たない。期待値の中での微分(系 5.13)は優収束定理の帰結である。

変数変換公式 E[g(X)]=∫g dPXE[g(X)]=\int g\,\mathrm{d} P_X によって、期待値は分布だけで決まる。離散なら確率関数の和、密度があれば密度との積分として計算することができる。Riemann 積分可能な関数では2つの積分は一致し、非負の関数なら広義積分も一致する。

累次積分の順序交換(Tonelli・Fubini)からは、裾の公式 E[X]=∫0∞P(X>t) dtE[X]=\int_0^\infty P(X>t)\,\mathrm{d} t が出た。密度 ZZ を掛けて確率測度を作り替える操作 Q(A)=E[Z;A]Q(A)=E[Z;A] も、同じ積分の言葉で書ける。

分散・共分散を定義し、独立な確率変数については E[XY]=E[X]E[Y]E[XY]=E[X]E[Y] が成り立つことを示した。証明は4段階の構成をもう一度なぞるものだった。その帰結として独立な確率変数は無相関で、和の分散は分散の和になる。逆に無相関でも独立とは限らない。

最後に、分布の近さを全変動距離で測り、密度の差の積分による計算法と、カップリング不等式による評価法を示した。

この章の結果は、次の場所で使う。

  • 第6章では代表的な分布の期待値と分散を、この章の変数変換公式と系 5.22 を使って計算する。
  • 第8章の母関数と特性関数は、E[sX], E[etX], E[eitX]E[s^X],\ E[\mathrm{e}^{tX}],\ E[\mathrm{e}^{\mathrm{i} tX}] という期待値である。それを微分してモーメントを出すときに系 5.13 を使い、独立和の母関数が積になることを示すときに系 5.22 を使う。
  • 第10章の不等式は期待値の単調性から出発し、第11章では収束定理を使って4つの収束のあいだの関係を調べる。
  • 全変動距離は第6章 §6.3 の Poisson 近似と、第11章の分布収束との比較で再び現れる。

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