この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
確率論入門 第5章 §5.6
この章では、期待値を確率測度による Lebesgue 積分として1つの定義で与えた。構成は次の4段階である。
- 指示関数の期待値を、事象の確率と定める。
- 単関数へは線形性で広げる。
- 非負の確率変数へは、下から近づく単関数の期待値の上限で広げる。
- 一般の確率変数へは、正の部分と負の部分の差で広げる。
途中で最も手間がかかったのは、どの近似列をとっても同じ値になることの証明(補題 5.4 と定理 5.5)である。そこで使ったのは、確率測度の下からの連続性だけであった。この構成は値の側を区切るので、標本空間が抽象的な集合でも、分布が離散でも絶対連続でもなくても、同じ定義が使える。
単調収束定理・Fatou の補題・優収束定理は、極限と期待値の交換を許す3つの条件である。
- 単調収束定理は、非負の増加列で常に成り立つ。
- Fatou の補題では、非負の列について片側の不等式が成り立つ。
- 優収束定理では、可積分な優関数があるときに等号が成り立つ。
反例 のように、面積を保ったまま正になる区間が縮む列では交換は成り立たない。期待値の中での微分(系 5.13)は優収束定理の帰結である。
変数変換公式 によって、期待値は分布だけで決まる。離散なら確率関数の和、密度があれば密度との積分として計算することができる。Riemann 積分可能な関数では2つの積分は一致し、非負の関数なら広義積分も一致する。
累次積分の順序交換(Tonelli・Fubini)からは、裾の公式 が出た。密度 を掛けて確率測度を作り替える操作 も、同じ積分の言葉で書ける。
分散・共分散を定義し、独立な確率変数については が成り立つことを示した。証明は4段階の構成をもう一度なぞるものだった。その帰結として独立な確率変数は無相関で、和の分散は分散の和になる。逆に無相関でも独立とは限らない。
最後に、分布の近さを全変動距離で測り、密度の差の積分による計算法と、カップリング不等式による評価法を示した。
この章の結果は、次の場所で使う。
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