相対論入門 第3章 §3.7
- 3.1-1 ct′ 軸は直線 ct=x/β である。この軸は縦軸から角度 α=arctanβ だけ傾く。x′ 軸は直線 ct=βx で、横軸から同じ角度だけ傾く。 β=0.8 では α=arctan0.8=38.66∘ である。2本の軸のなす角は 90∘−2×38.66∘=12.68∘ まで狭まる。
- 3.1-2 x′ 軸の上の点は ct′=0 を満たす。式 (3.1) を逆に解くと(β→−β と置き換える)
ct=γ(ct′+βx′),x=γ(x′+βct′)
である。この2式に (ct′,x′)=(0,a) を代入すると、問題文の位置 (γβa,γa) を得る。このとき
x2−(ct)2=γ2a2−γ2β2a2=γ2(1−β2)a2=a2
なので、点は双曲線 x2−(ct)2=a2 の上にある。3. 3.1-3 棒の両端の世界線は x′=0 と x′=L0 である。x′=γ(x−βct) に ct=0 を代入する。すると x′=γx となる。したがってこの時刻での両端の位置は、x=0 と x=L0/γ である。長さは L0/γ である。図の上では、静止系の同時刻線(x 軸)と、棒の両端の世界線の交点を見ている。両端の世界線は ct′ 軸に平行な2本の直線である。動く系の同時刻線(x′ 軸)の上で測れば長さは L0 である。どちらの同時刻線で切るかによって長さが違う。4. 3.1-4 γ=1/0.75=1.1547 である。
ctA′ctB′ctB′−ctA′=γ(2−0)=2.309,=γ(2−0.5×3)=γ×0.5=0.577,=γ(−β×3)=−1.5γ=−1.732.
動く系では B(x の大きいほう)が先に起きる。5. 3.2-1 P:Δs2=25−9=16>0 で時間的。Q:9−4−4−1=0 で光的。R:4−1−4−0=−1<0 で空間的。6. 3.2-2 Δs2=100−36=64>0 で時間的である。命題 3.4 から β=Δx/(cΔt)=0.6。このときγ=1.25 で cΔt′=γ(10−0.6×6)=1.25×6.4=8m。これは 64=8 に一致する。7. 3.2-3 1回目のブーストで (cΔt)2−∣Δx∣2 は保たれ、2回目のブーストでも保たれるので、合成でも保たれる。合成を具体的に計算する。γi=(1−βi2)−1/2 として
ct′′=γ2(ct′−β2x′)=γ2[γ1(ct−β1x)−β2γ1(x−β1ct)]=γ1γ2[(1+β1β2)ct−(β1+β2)x].
これを γ3(ct−β3x) と比べると、次の2式が必要である。
γ3=γ1γ2(1+β1β2),γ3β3=γ1γ2(β1+β2)
比をとって β3=(β1+β2)/(1+β1β2) を得る。この β3 に対して実際に γ3=(1−β32)−1/2 となることは
1−β32=(1+β1β2)2(1+β1β2)2−(β1+β2)2=(1+β1β2)2(1−β12)(1−β22)
から確かめられる。x′′ についても同様の計算で γ3(x−β3ct) となる。8. 3.2-4 Δy=Δz=0 にとると、光的な条件は Δx=±cΔt である。このとき
cΔt′=γ(cΔt−βΔx)=γcΔt(1∓β)
である。∣β∣<1 なので 1∓β>0 である。よって Δt′>0 となる。
β→1 の極限は2つの場合で異なる。どちらの場合も符号は正のままである。
- Δx=+cΔt の場合、次の式は β→1 で0に近づく。
cΔt′=cΔt1+β1−β
- Δx=−cΔt の場合、次の式は β→1 で発散する。
cΔt′=cΔt1−β1+β
9. 3.3-1 β=250/(3.00×108)=8.33×10−7、β2/2=3.47×10−13 である。40 時間 =1.44×105s なので、遅れは
Δt(1−1−β2)≃2β2Δt=3.47×10−13×1.44×105s=5.0×10−8s=50ns
程度である。原子時計の精度で測ることのできる大きさである。10. 3.3-2 リングの系での寿命は γ×2.197μs=29.3×2.197=64.4μs である。等速円運動では速さ u が一定なので、式 (3.9) の被積分関数は一定で τ=Δt/γ となる。式 (3.9) は瞬間の速さだけを使い、加速度を含まないので、時計の仮説のもとでは円運動の加速度は寿命に影響しない。11. 3.3-3 どの区間でも速さは u で一定なので、全体の固有時は τ=T1−u2/c2 である。u→c で τ→0 となる。世界線が Q に戻るには、往復1回の時間 T/N のうち半分の時間で出て、残りの半分で戻ればよい。どんな N でも同じ式になるので、固有時は N に依存しない。時間的な世界線であるためには u<c が必要である。そのため固有時は0にはならないが、いくらでも0に近づく。12. 3.3-4 兄の側(K)では往路5.0年、滞在1.0年、復路5.0年で、合計11.0年である。弟の固有時は、往路と復路で3.0年ずつである。滞在中は弟も K で静止しているので1.0年であり、合計は7.0年である。年齢差は4.0年で、滞在しない場合と同じである。滞在中は2人とも同じ慣性系にいるので差は増えない。13. 3.4-1 L0/γ<Lg、すなわち γ>L0/Lg=1.2 が条件である。1−β2<1/1.44 から β>1−1/1.44=0.553 となる。14. 3.4-2 車庫の系では、収まっている時間は事象 B から事象 A までである。ct で測って0から1.75 m までにあたる。
Δt=3.00×1081.75=5.83×10−9s
はしごの系では、A が ct′=−3.75m に起きる。B は時刻0に起きる。
Δt′=3.00×1083.75=1.25×10−8s
15. 3.4-3 光の世界線は A=(1.75,5.0) から −x 方向へ進む。その式は
x=5.0−(ct−1.75)=6.75−ct
である。後端の世界線 x=0.8ct と連立すると 1.8ct=6.75 となる。すなわち交点は ct=3.75m、x=3.0m である。この事象をはしごの系に変換すると
ct′=35(3.75−0.8×3.0)=35×1.35=2.25 m,x′=35(3.0−0.8×3.75)=0.
x′=0 ははしごの後端の静止位置で、はしごの系でも光が後端に届く事象になっている。時刻 ct′=2.25 は ctA′=−3.75 より後であり、順序は車庫の系と同じである。この2事象は光的に結ばれているので、順序はどの系でも変わらない。16. 3.4-4 K で後端が入口を通過する時刻を0とする。前端の世界線と事象 A の座標は
x=γL0+βct;ctA=βLg−L0/γ,xA=Lg
である。間隔は
Δs2=β2(Lg−L0/γ)2−Lg2.
空間的であることは ∣Lg−L0/γ∣<βLg と同値である。これを2つの不等式に分けて示す。
- 下からの評価:はしごが収まるという仮定から Lg−L0/γ≥0 である。
- 上からの評価:L0>Lg と γ−1>1−β を順に使う。
Lg−γL0<Lg−γLg=Lg(1−γ1)<βLg(L0>Lg を使った)(γ−1=1−β2>(1−β)2=1−β を使った)
合わせて 0≤Lg−L0/γ<βLg が成り立ち、Δs2<0 である。したがって、2事象の順序は数値によらず2つの系で食い違ってよい。本文の解決はこの数値例に限らない。17. 3.5-1 近づく場合の波長は λ=(1−β)/(1+β)λ0=0.4/1.6×650=0.5×650=325nm で、紫外線になる。18. 3.5-2 θ′=π/2 では cosθ′=0 である。したがって光行差の式から cosθ=β となる。式 (3.12) に代入すると
f=γ(1−β2)f0=γ⋅γ−2f0=γf0.
19. 3.5-3 γ(1−βcosθ)=1 から
cosθ=β1−1/γ=β1−1−β2
である。2つの極限は次のとおりである。
- β→0 では 1−1−β2≃β2/2 である。したがって cosθ≃β/2→0 となる。すなわち θ→π/2 である。
- β→1 では cosθ→1 となる。すなわち θ→0(光源の進行方向の前方)に近づく。
- 3.5-4 鏡の系で受け取る振動数は、遠ざかる鏡から見たレーダーの光なので f1=(1−β)/(1+β)f である。鏡はこの振動数で反射し、遠ざかる光源としてレーダーに送り返すので、レーダーが受け取る振動数は f2=(1−β)/(1+β)f1=1+β1−βf である。変化は f2−f=−1+β2βf≃−2βf=−2×10−7×1010Hz=−2.0×103Hz で、2.0kHz 下がる。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com