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出てくるもの(1):ガウスビームの幅・波面・Gouy 位相

2026年10月15日10分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第4章 近軸波動方程式とガウスビーム
目次
  1. 幅と波面の曲率
  2. Gouy 位相
  3. 最小不確定の波束と出力
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

光学と量子エレクトロニクス 第4章 §4.3 ★★★ くびれの半径 w0w_0 だけでビームの形が決まる。Rayleigh 長 zR=πnw02/λ0z_{\mathrm R}=\pi n w_0^2/\lambda_0 の内側では太さがほぼ一定で、外側では角 λ0/(πnw0)\lambda_0/(\pi nw_0) で広がり、焦点を通る間に位相が π\pi だけ遅れる

幅と波面の曲率

一様な媒質(屈折率 nn、k=nk0k=nk_0)で、z=0z=0 にくびれを持つビームを考える。くびれでは波面が平らで R=∞R=\infty なので、式 (4.9) から q(0)=−izRq(0)=-\mathrm{i} z_{\mathrm R}、

zR=kw022=πnw02λ0(4.14)z_{\mathrm R}=\frac{kw_0^2}{2}=\frac{\pi nw_0^2}{\lambda_0}\tag{4.14}

である。zRz_{\mathrm R} を Rayleigh 長と呼ぶ。式 (4.8) から q(z)=z−izRq(z)=z-\mathrm{i} z_{\mathrm R} で、1/q=(z+izR)/(z2+zR2)1/q=(z+\mathrm{i} z_{\mathrm R})/(z^2+z_{\mathrm R}^2) の実部と虚部を読むと

w(z)=w01+z2zR2,R(z)=z+zR2z(4.15)w(z)=w_0\sqrt{1+\frac{z^2}{z_{\mathrm R}^2}},\qquad R(z)=z+\frac{z_{\mathrm R}^2}{z}\tag{4.15}

になる。前の因子は q(0)/q(z)=1/(1+iz/zR)=(w0/w)e−iψG(z)q(0)/q(z)=1/(1+\mathrm{i} z/z_{\mathrm R})=(w_0/w)\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\psi_{\mathrm G}(z)} で、

E(r)=E0w0w(z)exp⁡(−∣x∣2w(z)2)exp⁡(ikz+ik∣x∣22R(z)−iψG(z)),ψG(z)=arctan⁡zzR(4.16)E(\bm{r})=E_0\frac{w_0}{w(z)}\exp\Bigl(-\frac{\lvert \bm{x}\rvert ^2}{w(z)^2}\Bigr)\exp\Bigl(\mathrm{i} kz+\mathrm{i}\frac{k\lvert \bm{x}\rvert ^2}{2R(z)}-\mathrm{i}\psi_{\mathrm G}(z)\Bigr),\qquad \psi_{\mathrm G}(z)=\arctan\frac{z}{z_{\mathrm R}}\tag{4.16}

がガウスビーム(基本ガウスビーム)の場である。図 4.1 にビームの包絡と波面の形を示す。

∣z∣≪zR\lvert z\rvert \ll z_{\mathrm R} ではビームの太さはほぼ w0w_0 のままで、波面はほぼ平らである。z=±zRz=\pm z_{\mathrm R} で断面積が 22 倍になり、波面の曲率半径が最小の 2zR2z_{\mathrm R} になる。∣z∣≫zR\lvert z\rvert \gg z_{\mathrm R} では w≈w0∣z∣/zRw\approx w_0\lvert z\rvert /z_{\mathrm R} と距離に比例して太くなり、R≈zR\approx z で、くびれの中心から出た球面波のように見える。この遠方での広がりの半角は

θ0=w0zR=λ0πnw0(4.17)\theta_0=\frac{w_0}{z_{\mathrm R}}=\frac{\lambda_0}{\pi nw_0}\tag{4.17}

で、細いビームほど速く広がる。

図

図 4.1 ガウスビームの半径 w(z)w(z)(青の実線)と波面(赤)。横(xx)は縦(zz)より大きく拡大し、w0=zRw_0=z_{\mathrm R} に見える尺度で描いた。波面は z=±zRz=\pm z_{\mathrm R} で最も曲がり、くびれ(z=0z=0)と遠方で平らに近づく。遠方の包絡は角 θ0\theta_0 の漸近線(灰色の破線)に沿う

Gouy 位相

式 (4.16) の位相のうち kzkz は平面波と同じで、−ψG(z)-\psi_{\mathrm G}(z) が余分である。ψG\psi_{\mathrm G} を Gouy 位相と呼ぶ。ψG\psi_{\mathrm G} は z=−∞z=-\infty から +∞+\infty までに −π/2-\pi/2 から +π/2+\pi/2 まで増え、そのうち半分の π/2\pi/2 が −zR<z<zR-z_{\mathrm R}<z<z_{\mathrm R} の間に起こる(図 4.2)。光軸の上の位相は、焦点を通る間に平面波より全体で π\pi だけ遅れる。2次元の自由粒子の波束の位相が、広がる途中で arctan⁡(ℏt/(mσ2))\arctan(\hbar t/(m\sigma^2)) の形で遅れるのと同じ現象である。光線の言葉では、2本の実の光線(式 (4.13))で作った複素光線 xc=w0(1+iz/zR)x_{\mathrm c}=w_0(1+\mathrm{i} z/z_{\mathrm R}) の偏角 arg⁡xc=ψG\arg x_{\mathrm c}=\psi_{\mathrm G} が Gouy 位相で、前の因子は w0/xc\sqrt{w_0/x_{\mathrm c}} の2乗(2次元)になっている。Gouy 位相は、共振器の中のモードの共鳴の周波数(第5章)と、高次の横モードの位相の進み(4.4節)に現れる。L. G. Gouy は焦点の前後で位相が反転することを干渉縞の観察で示した(Gouy(1890)、C. R. Acad. Sci. Paris 110、1251)。

図

図 4.2 ビームの半径 w/w0w/w_0(青)と Gouy 位相 ψG\psi_{\mathrm G} を π/2\pi/2 で割ったもの(赤)。Gouy 位相の変化の半分が ∣z∣<zR\lvert z\rvert <z_{\mathrm R} に集まる

最小不確定の波束と出力

くびれでの強度は ∣u∣2∝exp⁡(−2∣x∣2/w02)\lvert u\rvert ^2\propto\exp(-2\lvert \bm{x}\rvert ^2/w_0^2) で、xx の分布の標準偏差は σx=w0/2\sigma_x=w_0/2 である。包絡線 e−x2/w02\mathrm{e}^{-x^2/w_0^2} の Fourier 変換は e−kx2w02/4\mathrm{e}^{-k_x^2w_0^2/4} なので、横の波数の標準偏差は σkx=1/w0\sigma_{k_x}=1/w_0、運動量 p=kx/k0p=k_x/k_0 の標準偏差は σp=1/(k0w0)\sigma_p=1/(k_0w_0) である。積は

σxσp=12k0(4.18)\sigma_x\sigma_p=\frac{1}{2k_0}\tag{4.18}

で、表 4.1 の ℏ→1/k0\hbar\to1/k_0 で写した不確定性関係 σxσp≥ℏ/2\sigma_x\sigma_p\ge\hbar/2 の等号に当たる。ガウスビームは、太さと広がりの積が最も小さいビームである。遠方の広がりの角 θ0\theta_0(式 (4.17))は 1/e21/\mathrm{e}^2 の強度で測った値で、nθ0=2σpn\theta_0=2\sigma_p である。

ビームの出力 PP は強度を断面で積分したもので、中心の強度を I0I_0 とすると

P=∫0∞I0e−2r2/w2 2πr dr=πw22I0,I0=2Pπw2(4.19)P=\int_0^\infty I_0\mathrm{e}^{-2r^2/w^2}\,2\pi r\,\mathrm{d} r=\frac{\pi w^2}{2}I_0,\qquad I_0=\frac{2P}{\pi w^2}\tag{4.19}

である。第1章の総合問題(第1章)で使った焦点の強度 I=2P/(πw02)I=2P/(\pi w_0^2) はこれである。半径 ww の円の内側を通る出力の割合は 1−e−2=0.8651-\mathrm{e}^{-2}=0.865 である。

例題 4.3 He–Ne レーザーのビームの広がり ★★

オリジナル波長 633 nm633\,\mathrm{nm} の He–Ne レーザーが、空気中(n=1n=1)に半径 w0=0.5 mmw_0=0.5\,\mathrm{mm} のくびれを作る。

  1. (1) Rayleigh 長と遠方の広がりの半角を求めよ。
  2. (2) くびれから 10 m10\,\mathrm m の所の半径と波面の曲率半径を求め、遠方の近似 w≈θ0zw\approx\theta_0z と比べよ。
  3. (3) くびれから zRz_{\mathrm R} の所までに、光軸の上の位相が平面波よりどれだけ遅れるか。
解答

(1) zR=πw02/λ0=π(0.5×10−3)2/(633×10−9)=1.24 mz_{\mathrm R}=\pi w_0^2/\lambda_0=\pi(0.5\times10^{-3})^2/(633\times10^{-9})=1.24\,\mathrm m、θ0=λ0/(πw0)=4.03×10−4 rad\theta_0=\lambda_0/(\pi w_0)=4.03\times10^{-4}\,\mathrm{rad} である。

(2) z/zR=8.06z/z_{\mathrm R}=8.06 なので w=0.51+8.062 mm=4.06 mmw=0.5\sqrt{1+8.06^2}\,\mathrm{mm}=4.06\,\mathrm{mm}、R=z+zR2/z=10.15 mR=z+z_{\mathrm R}^2/z=10.15\,\mathrm m。遠方の近似では w≈θ0z=4.03 mmw\approx\theta_0z=4.03\,\mathrm{mm} で、差は 11 パーセントに満たない。10 m10\,\mathrm m 先ではビームはほぼくびれから出た球面波で、半径は直径にして約 8 mm8\,\mathrm{mm} である。

(3) ψG(zR)=arctan⁡1=π/4\psi_{\mathrm G}(z_{\mathrm R})=\arctan1=\pi/4 だけ遅れる。焦点を挟んで −zR-z_{\mathrm R} から zRz_{\mathrm R} まででは π/2\pi/2 である。

例題 4.4 集光の限界と焦点の強度 ★★

オリジナル波長 λ0\lambda_0 の平行なビーム(半径 wLw_{\mathrm L}、くびれはレンズの位置)を、空気中の焦点距離 ff のレンズで絞る。f≪πwL2/λ0f\ll\pi w_{\mathrm L}^2/\lambda_0 とする。

  1. (1) 焦点にできるくびれの半径 wfw_{\mathrm f} を、例題 4.2 の結果から求め、F 値 N=f/(2wL)N=f/(2w_{\mathrm L}) で書け。
  2. (2) 出力 1 W1\,\mathrm W のビームを wf=10 μmw_{\mathrm f}=10\,\mu\mathrm m に絞ったときの焦点の中心の強度を求めよ。
  3. (3) 焦点の Rayleigh 長(焦点深度の半分)を NN で書け。
解答

(1) 例題 4.2 で fθ0≪wLf\theta_0\ll w_{\mathrm L} の極限をとると、くびれは焦点にでき、半径は2本目の光線の高さ

wf=λ0fπwL=2λ0πNw_{\mathrm f}=\frac{\lambda_0f}{\pi w_{\mathrm L}}=\frac{2\lambda_0}{\pi}N

である。ビームの太さ 2wL2w_{\mathrm L} を開口とみなした F 値が 11 のレンズで、くびれの半径は 0.64λ00.64\lambda_0 になる。幾何光学では焦点は点だが、波では半径が波長と F 値の積の程度になる。

(2) 式 (4.19) から I0=2P/(πwf2)=2/(π×10−10) W m−2=6.37×109 W m−2I_0=2P/(\pi w_{\mathrm f}^2)=2/(\pi\times10^{-10})\,\mathrm{W\,m^{-2}}=6.37\times10^9\,\mathrm{W\,m^{-2}} である。

(3) zR=πwf2/λ0=4λ0N2/πz_{\mathrm R}=\pi w_{\mathrm f}^2/\lambda_0=4\lambda_0N^2/\pi。F 値を2倍にすると、くびれは2倍に太り、焦点深度は4倍に伸びる。

木下の勉強ステータス

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